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1章 一夜限りの相手

一夜限りの相手 4-1

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 それから彼は、俺の躰をじっくりと味わうかのように舌を這わせて舐め、固くなった胸の突起を舐めると俺は「うァッ」と色気のない声を上げてしまった。

「本当に慣れてないんだね。今日だけでどれだけ慣れるかな?」

 ワクワクとした表情を隠さずに、じっくりと、丁寧に、舐めていく。濡れたところ、空気に触れて冷たくなる感じがするのに、だんだんと躰の内側から昂っていくのがわかる。

「ん、んんっ」

 俺の声なんて聞いても萎えるだけだろうから、と口を手で塞いでいると、それに気付いて手を外された。

「な、に……?」
「声、聞かせて。もっと聞きたい」

 甘えるような声に、きゅん、としてしまった。

「あっ、んんっ」
「我慢しないで、オレに身を委ねて……?」

 とろけるようなテノールに、頭の芯が痺れていく感覚を覚えた。

「でも、俺の声なんて、気持ち悪い、だろ……?」
「ううん、全然。気持ち悪くないよ。だから、もっと聞かせて?」

 そう言って胸の突起をきゅっと摘まむ。

「ひゃ、ァんッ」
「可愛い声……。ココ、気持ち良くなって来たでしょ?」

 くにくにと摘んだ突起を揉みながら、今度は下のほうへと手を伸ばす。触れられていないのに、俺の自身はすっかりと立ち上がってとろとろと先走りを流していた。

「オレの愛撫で感じてくれたんだね、嬉しいよ」
「ぁ、ぁぁあぁ……」

 そっと包み込むように触れられて、上下にしごく。くちゅくちゅと卑猥ひわいな水音が耳まで届いて、顔を赤くさせた。

「ここが一番感じやすいよね」

 楽し気に上下に扱く彼に、返事をすることが出来ないくらいの快感を与えられて、俺は頭の中が真っ白になった。

「だめ、だ、出る――ッ」

 もう少し、というところで手を離された。じわり、と生理的な涙が浮かぶ。そして、どうして、と彼を見るとにこりと微笑んだ。
 そのままするすると俺の躰へキスをしながら股間へと下がっていき、大きく両足を開かれた。
 今にも達しそうな自身も、刺激を求めるかのようにヒクヒクと動いている後孔も、彼の目の前に晒されてなかばパニックにおちいった。

 足を閉じようにも、彼の頭が邪魔で閉じられない。
 彼はちらりと俺を見た後に、口角を上げて――ぱくりと、俺の自身を咥えた。
 生温かい口内に包まれて、根元からしゃぶられ、吸われ、尾てい骨が痺れるくらいの甘い痺れが全身に巡って、

「ひ、ぁ、だめ、だ……、そんなとこ……!」

 と彼の頭を引き離そうとしたけれど、力が入らなくて彼の頭に触れるだけだった。
 先端の窪みを舌先でくりくりと弄られると、もうダメだった。さっきイけなかった分、大きな波が襲ってきて、ビクビクと躰を震わせて彼の口内に白濁の液体を放ってしまった。

「ご、ごめんっ、大丈夫か……っ!」

 慌ててティッシュを探して、見つけると彼の口元に宛がおうとした。だが、彼はそんなことをまるっきり気にしていないように、というか見せつけるかのように、ごくり、と喉を鳴らして俺の出したものを飲み込んだ!

「な、な、な……!?」
「もしかして、フェラもされたことない?」
「数回はあるけど……、じゃなくて、なんで飲んだ!?」
「飲みたかったから」

 あっけらかんと言われて、思わず目を大きく見開いた。
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