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一章 黒髪令嬢の日常
13.事の顛末
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私がお兄様をどう乗り越え、自室への道をたどったか、その事の詳細をここで語ることはできません。
誠に残念で、
心苦しい限りですが。
言語化するのはとても難しく、
言語化したところで、私の言語力では理解していただくのは難しいと思いますので。
ーー
なんとか、お兄様からの脱出に成功しました。
流石はオルテシア、フォルテシアとは違います。
自室に戻り、一呼吸。
平静さを取り戻してから、私はフォルテシアに戻ります。
頭の金色を外し、見慣れた馴染みの黒髪が姿をあらわします。
ひび割れた鏡が、呪いの黒髪を映しています。
さて、急いで戻ってきましたが、これをどうしましょうか。
本当なら、元あった場所に戻すべきなのでしょうが、気が引けます。
これを手放すということは、私からオルテシアという存在を消してしまうことになります。
この金色の被り物は、とある本で言うところの、変身ステッキ。
魔法のアイテムなのです。
どうして、そんな凄いものが乱雑に放置されていたかは分かりません。
けれど、あんな置き方です。
きっと持ち主にとってはあまり大事なものではないのでしょう。
絶対そうです、
そういうことにしましょう。
……という訳で、私は金の被り物、命名オルテシアハットを大事に本棚の後ろに隠しました。
これで、自室に戻ればいつでも彼女になれます。
私は不思議な高揚感で胸が一杯です。
ですがーー
「フォルテシア、いるんだろ!お前の出番だ、喜べ!」
ドアを乱暴に叩き音と、不機嫌そうなお兄様の声。
一応、鍵はかけれるタイプの倉庫なのですが、居留守を使うわけにもいきません。
私は溜息混じりにドアを開けます。
「いるんならさっさと出てこいよっ!この黒女が!」
怒声と罵声、
加えて髪の毛を引っ張られます。
痛い、
痛いです。
やっぱりフォルテシアは辛いです。
オルテシアがいいです。
誠に残念で、
心苦しい限りですが。
言語化するのはとても難しく、
言語化したところで、私の言語力では理解していただくのは難しいと思いますので。
ーー
なんとか、お兄様からの脱出に成功しました。
流石はオルテシア、フォルテシアとは違います。
自室に戻り、一呼吸。
平静さを取り戻してから、私はフォルテシアに戻ります。
頭の金色を外し、見慣れた馴染みの黒髪が姿をあらわします。
ひび割れた鏡が、呪いの黒髪を映しています。
さて、急いで戻ってきましたが、これをどうしましょうか。
本当なら、元あった場所に戻すべきなのでしょうが、気が引けます。
これを手放すということは、私からオルテシアという存在を消してしまうことになります。
この金色の被り物は、とある本で言うところの、変身ステッキ。
魔法のアイテムなのです。
どうして、そんな凄いものが乱雑に放置されていたかは分かりません。
けれど、あんな置き方です。
きっと持ち主にとってはあまり大事なものではないのでしょう。
絶対そうです、
そういうことにしましょう。
……という訳で、私は金の被り物、命名オルテシアハットを大事に本棚の後ろに隠しました。
これで、自室に戻ればいつでも彼女になれます。
私は不思議な高揚感で胸が一杯です。
ですがーー
「フォルテシア、いるんだろ!お前の出番だ、喜べ!」
ドアを乱暴に叩き音と、不機嫌そうなお兄様の声。
一応、鍵はかけれるタイプの倉庫なのですが、居留守を使うわけにもいきません。
私は溜息混じりにドアを開けます。
「いるんならさっさと出てこいよっ!この黒女が!」
怒声と罵声、
加えて髪の毛を引っ張られます。
痛い、
痛いです。
やっぱりフォルテシアは辛いです。
オルテシアがいいです。
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