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7 光の裏側
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「ところでプローディさん。今度は、私からあなたに少々伺いたいことがあるのですが」
少しばかり冷めてしまったカップを口に運びながら、エドアルドは切り出した。
興奮冷めやらぬプローディにはまともに耳に入らないらしい。エドアルドが話題を変えたことにも気づかぬ様子で、嬉しそうな視線をむやみやたらと徘徊させている。エドアルドはかまわず続けた。
「あなたはかつて、トリノ近郊で医師をされていましたね?」
コーヒーは半分ほどにし、代わりに太いシガーをセンターテーブルのストックから取り出して、歯に挟んだ。鷹揚に火を付ける、マフィアのドンそのもののような仕草に、ようやくプローディの興味がこちらに向く。
「…はい? ああ、ええ? そうです、私は以前、医師をしておりました」
「そこでお知り合いになられたはずのアンドレア・サンティが、今、私どものところにいます」
「え…?」
息を洩らし、遠い記憶を探るように黙り込む。
「画家のアンドレア・サンティです。ご存知でしょう」
「あ。ああ!」
記憶が繋がったようで、プローディが叫ぶ。
「はい、知っていますよ。アンドレアか! 彼がここにいるのですか、なんとも奇遇だ」
「そうですね。正確には、隣地の教会堂に、ですが。われわれが彼に壁画製作を依頼しまして、滞在しておられるのです」
「ほう。壁画を。すばらしい。彼は元気ですか?」
「ええ。といっても、作業場にこもりきりで、こちらもしょっちゅう会えるというわけにはいきませんが」
プローディが相好を崩して屈託なく笑う。
「そうでしょう。昔から仕事熱心な子でしたからね」
「昔、と言うと、どのくらい前からのお知り合いですか」
「そうですね―――私がトリノに行ったのが三十のときでしたから、もう八年になりますか」
「ということは、彼が十五歳くらいの頃に?」
「まあ、そんなものでしょう」
人懐こい笑顔のまま答える。その表情に、この人物に二心など無縁だろうなと、エドアルドは確信する。
「それで少々、デリケートな話になるのですが」
エドアルドがシガーを勧めると、プローディが手で断る。
「なんでしょうか?」
「われわれはサンティについてある情報を耳にしておりましてね、その正誤を確かめたいのです。まあ、われわれも組織の性質上、後ろ暗い人物を城内に入れたくはないので」
「…どういう意味でしょうか?」
エドアルドの不穏な言葉遣いに、プローディが眉をひそめる。
「工房に住んでいた時代、サンティは複数の男たちと、まあ、率直に表現すれば性的な関係にあって、時々、失神してはあなたの勤める病院に運び込まれた、という噂です。あなたは彼を治療したのでしょう? 彼は何人を相手に? そもそも、相手は誰だったのですか? 町の少年たち? それとも、工房の仲間? 彼にはそのような性癖があるのでしょうか。――とにかく、この城の中で似たようなことをされては困るのでね。なにしろあの見た目ですからな、ここには、ああいう顔立ちの人間に弱い好色な男たちが多いので」
エドアルドがわざと曲解して話すと、プローディの顔色が変わり、驚きなのか怒りなのか、ついさっきまでの笑顔がすっかりなりをひそめる。
「そんな話が、なぜ、あなたの耳に」
眉根を寄せて狼狽している彼に、エドアルドは煙を吐きながら陶然と言い放った。
「先ほどあなたがおっしゃったのですよ、われわれの情報網は“すごい”、と。私が指示するまでもなく、この組織の者たちは勝手に調べあげるのです。何事にも抜かりなく、隙がないように」
「まるでマフィアですね」
「マフィア以上です。誤解しないでいただきたいが、われわれはマフィアではありません。似たような性質は持っていますが、反社会的な活動は一切しておりませんからな。ところで、質問にまだ答えていただいていませんよ、プローディさん」
プローディは、頬をぴしゃりとはたかれたような顔になって、奮然となった。
「ジブリオ殿。確かに、先ほどのあなたのご厚意には深く感謝いたします。心からお礼を申し上げます。しかし、アンドレアについては何も申し上げることはできません。患者のプライバシーを尊守することは、医師として最低の務めです。しかも、もう何年も経っているというのに、彼の尊厳を傷つけるようなことを私が勝手にお教えするわけがないでしょう!」
「なるほど。ならば本人に聞くよりほかありませんな」
エドアルドの即答に、プローディがぐっと閉口する。エドアルドはわざと困ったふりをして、唇を歪めた。
「ねえ、プローディさん。われわれは何も、彼を詰問するためにあなたに証言して欲しいと言ってるわけではないのです。先ほども申しましたが、後ろ暗い人物をこの城のそばにおいておくわけにはいかないのです。われわれを狙う敵は思いのほか多くて、また、どんな手を使ってくるかも分からない。特に、美しい外見を武器にスパイ活動をしている者は、世の中にごまんといますから。…まあ、あなたが今日偶然にも現れなければ、私は彼に直接問いただしただろうし、私としては、それでもいっこうにかまわないのです。…ただ、私も考えたんですよ。もし彼が、当時もただの被害者だったとしたら? だとしたら、何も無実の彼にそんな話をさせて、嫌な思いをさせなくても良いだろうと。あなたに聞いてしまえば、それでことが足りるし、彼に嫌な思い出を語らせる必要もなくなるだろうとね。いったい彼は、潔癖なのか、それとも何か後ろ暗い意思をもって男たちを拐かすような人物なのか、それだけが知りたいのです」
「ジブリオ殿…」
顔に失望を湛えて、プローディは溜め息をついた。
「彼が、そんな人間に見えますか? 彼が、スパイだなんて…」
心底傷つき悲しんでいる者の目をする。演技ではなく、本気で心を痛めているようだった。エドアルドは口をつぐんだ。
「ならばあなたにだけはお話します。口外なさらないでください、絶対に。…彼はまったくの無実です! 彼はただひたすら被害者でした。それは、ひどいもんでしたよ、病院に運ばれてくるときの彼は。私は、彼がいつ死んでもおかしくないと思っていました。青ざめた彼の胸に聴診器を当てて、心音を聞くたびにほっとしたものです。しかしアンドレアは誰にやられたのかを、絶対に言いませんでした。だから警察に被害届けも出せずにいました。でも、あれだけのひどいことを自分からしてくれなんて人間は、いませんよ」
「相手は見当がついたのですか?」
「彼は当時、ほとんど工房内で過ごしていましたし、工房に部外者が立ち入ることはきわめて難しいのです。ああいうところは、非常に閉じられた社会ですからね。盗作などを警戒してか分かりませんが、侵入者にはとても厳しいのです。それに、男ばかりで生活しているでしょう? ですから、アンドレアにああいうことをしたのは、工房内部の連中ではないかと思っていました。だからこそ、彼も打ち明けられないのだろうと…。ええ。案の定でした。折よく当時のマエストロが気付いてくださって、アンドレアを助けてくださったのです」
「なるほど。それは命拾いしましたな。しかし、まだ、いるのかな?」
「え?」
「アンドレアに無体を働いた連中は、まだ工房にいるのでしょうかね」
「分りませんね、工房内のことは。しかし、アンドレアはもう以前の彼とは違います。実力からいっても、あそこではもう、それこそ師匠になって良い存在でしょう? その気になれば、誰だって追い出すことができるのではないでしょうか? もっとも彼は、そんなことを絶対にしそうにないですけれども。――昔の話ですよ、ジブリオ殿。やはりこれは、私からお話できてよかった。こんな過去はもう、アンドレアも思い出したくもないでしょうからね」
語るだけ語って気分が落ち着いたのか、穏やかに一息つく。
少しばかり冷めてしまったカップを口に運びながら、エドアルドは切り出した。
興奮冷めやらぬプローディにはまともに耳に入らないらしい。エドアルドが話題を変えたことにも気づかぬ様子で、嬉しそうな視線をむやみやたらと徘徊させている。エドアルドはかまわず続けた。
「あなたはかつて、トリノ近郊で医師をされていましたね?」
コーヒーは半分ほどにし、代わりに太いシガーをセンターテーブルのストックから取り出して、歯に挟んだ。鷹揚に火を付ける、マフィアのドンそのもののような仕草に、ようやくプローディの興味がこちらに向く。
「…はい? ああ、ええ? そうです、私は以前、医師をしておりました」
「そこでお知り合いになられたはずのアンドレア・サンティが、今、私どものところにいます」
「え…?」
息を洩らし、遠い記憶を探るように黙り込む。
「画家のアンドレア・サンティです。ご存知でしょう」
「あ。ああ!」
記憶が繋がったようで、プローディが叫ぶ。
「はい、知っていますよ。アンドレアか! 彼がここにいるのですか、なんとも奇遇だ」
「そうですね。正確には、隣地の教会堂に、ですが。われわれが彼に壁画製作を依頼しまして、滞在しておられるのです」
「ほう。壁画を。すばらしい。彼は元気ですか?」
「ええ。といっても、作業場にこもりきりで、こちらもしょっちゅう会えるというわけにはいきませんが」
プローディが相好を崩して屈託なく笑う。
「そうでしょう。昔から仕事熱心な子でしたからね」
「昔、と言うと、どのくらい前からのお知り合いですか」
「そうですね―――私がトリノに行ったのが三十のときでしたから、もう八年になりますか」
「ということは、彼が十五歳くらいの頃に?」
「まあ、そんなものでしょう」
人懐こい笑顔のまま答える。その表情に、この人物に二心など無縁だろうなと、エドアルドは確信する。
「それで少々、デリケートな話になるのですが」
エドアルドがシガーを勧めると、プローディが手で断る。
「なんでしょうか?」
「われわれはサンティについてある情報を耳にしておりましてね、その正誤を確かめたいのです。まあ、われわれも組織の性質上、後ろ暗い人物を城内に入れたくはないので」
「…どういう意味でしょうか?」
エドアルドの不穏な言葉遣いに、プローディが眉をひそめる。
「工房に住んでいた時代、サンティは複数の男たちと、まあ、率直に表現すれば性的な関係にあって、時々、失神してはあなたの勤める病院に運び込まれた、という噂です。あなたは彼を治療したのでしょう? 彼は何人を相手に? そもそも、相手は誰だったのですか? 町の少年たち? それとも、工房の仲間? 彼にはそのような性癖があるのでしょうか。――とにかく、この城の中で似たようなことをされては困るのでね。なにしろあの見た目ですからな、ここには、ああいう顔立ちの人間に弱い好色な男たちが多いので」
エドアルドがわざと曲解して話すと、プローディの顔色が変わり、驚きなのか怒りなのか、ついさっきまでの笑顔がすっかりなりをひそめる。
「そんな話が、なぜ、あなたの耳に」
眉根を寄せて狼狽している彼に、エドアルドは煙を吐きながら陶然と言い放った。
「先ほどあなたがおっしゃったのですよ、われわれの情報網は“すごい”、と。私が指示するまでもなく、この組織の者たちは勝手に調べあげるのです。何事にも抜かりなく、隙がないように」
「まるでマフィアですね」
「マフィア以上です。誤解しないでいただきたいが、われわれはマフィアではありません。似たような性質は持っていますが、反社会的な活動は一切しておりませんからな。ところで、質問にまだ答えていただいていませんよ、プローディさん」
プローディは、頬をぴしゃりとはたかれたような顔になって、奮然となった。
「ジブリオ殿。確かに、先ほどのあなたのご厚意には深く感謝いたします。心からお礼を申し上げます。しかし、アンドレアについては何も申し上げることはできません。患者のプライバシーを尊守することは、医師として最低の務めです。しかも、もう何年も経っているというのに、彼の尊厳を傷つけるようなことを私が勝手にお教えするわけがないでしょう!」
「なるほど。ならば本人に聞くよりほかありませんな」
エドアルドの即答に、プローディがぐっと閉口する。エドアルドはわざと困ったふりをして、唇を歪めた。
「ねえ、プローディさん。われわれは何も、彼を詰問するためにあなたに証言して欲しいと言ってるわけではないのです。先ほども申しましたが、後ろ暗い人物をこの城のそばにおいておくわけにはいかないのです。われわれを狙う敵は思いのほか多くて、また、どんな手を使ってくるかも分からない。特に、美しい外見を武器にスパイ活動をしている者は、世の中にごまんといますから。…まあ、あなたが今日偶然にも現れなければ、私は彼に直接問いただしただろうし、私としては、それでもいっこうにかまわないのです。…ただ、私も考えたんですよ。もし彼が、当時もただの被害者だったとしたら? だとしたら、何も無実の彼にそんな話をさせて、嫌な思いをさせなくても良いだろうと。あなたに聞いてしまえば、それでことが足りるし、彼に嫌な思い出を語らせる必要もなくなるだろうとね。いったい彼は、潔癖なのか、それとも何か後ろ暗い意思をもって男たちを拐かすような人物なのか、それだけが知りたいのです」
「ジブリオ殿…」
顔に失望を湛えて、プローディは溜め息をついた。
「彼が、そんな人間に見えますか? 彼が、スパイだなんて…」
心底傷つき悲しんでいる者の目をする。演技ではなく、本気で心を痛めているようだった。エドアルドは口をつぐんだ。
「ならばあなたにだけはお話します。口外なさらないでください、絶対に。…彼はまったくの無実です! 彼はただひたすら被害者でした。それは、ひどいもんでしたよ、病院に運ばれてくるときの彼は。私は、彼がいつ死んでもおかしくないと思っていました。青ざめた彼の胸に聴診器を当てて、心音を聞くたびにほっとしたものです。しかしアンドレアは誰にやられたのかを、絶対に言いませんでした。だから警察に被害届けも出せずにいました。でも、あれだけのひどいことを自分からしてくれなんて人間は、いませんよ」
「相手は見当がついたのですか?」
「彼は当時、ほとんど工房内で過ごしていましたし、工房に部外者が立ち入ることはきわめて難しいのです。ああいうところは、非常に閉じられた社会ですからね。盗作などを警戒してか分かりませんが、侵入者にはとても厳しいのです。それに、男ばかりで生活しているでしょう? ですから、アンドレアにああいうことをしたのは、工房内部の連中ではないかと思っていました。だからこそ、彼も打ち明けられないのだろうと…。ええ。案の定でした。折よく当時のマエストロが気付いてくださって、アンドレアを助けてくださったのです」
「なるほど。それは命拾いしましたな。しかし、まだ、いるのかな?」
「え?」
「アンドレアに無体を働いた連中は、まだ工房にいるのでしょうかね」
「分りませんね、工房内のことは。しかし、アンドレアはもう以前の彼とは違います。実力からいっても、あそこではもう、それこそ師匠になって良い存在でしょう? その気になれば、誰だって追い出すことができるのではないでしょうか? もっとも彼は、そんなことを絶対にしそうにないですけれども。――昔の話ですよ、ジブリオ殿。やはりこれは、私からお話できてよかった。こんな過去はもう、アンドレアも思い出したくもないでしょうからね」
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