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再会

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「あ!」

「あら、久し振りね!」

「本当ね!どうしてたの?」

「… 実は、ずっとひきこもってたの…」

「え、じゃあ、高校は?」

「休んでるんだけど、もう少ししたら行こうと思ってるの。まだ元気が無いけど…」

「何かあったの?」

「…」

「あなたとは小学生の時は一番仲良かったし、中学生の時、私、引っ越してから、ずっとあなたのことを心配してたのよ…私以外に友だちいなかったから、大丈夫かなって」

「…有難う。実はね、私、いじめられてたの」

「まぁ、本当?誰に?」

「高校に入学してからだから、あなたの知らない人よ…それで私、学校に行きたくなくなったんだけど、そのいじめっ子が突然、死んでしまったのよ」

「エッ…それで、あなた、学校に行く気になったの?」

「そうなのよ…ただ…」

「どうしたの?」

「いじめっ子が死んだのは私に責任があるのよ…毎日、念じてたの。死んでしまえとね」

「…でも、いじめられてる人間がそうしたことを考えるのは決しておかしくないと思うわよ…それに、あなたが殺した訳じゃないでしょ?」

「…それがね、実は私、引きこもりから脱却しようと散歩していると、突然、いじめっ子が私の目の前に現れて…」

「エッ!それで、何かあったの?」

「…そこから覚えてないの…そして、ある日の朝、眠りから醒めて、携帯のニュースアプリを見たら…」

「死んでたことが載ってたのね」

「…そう…しかも、いじめっ子が死んでたのは、私の自宅近くの雑木林の中だったのよ…」

「まぁ、そうだったの…ちなみに、そのいじめっ子は男?女?」

「男よ。どうやら付き合ってた女性に振られた腹いせに私をいじめてたみたいなの…」

「…それはひどいわね。でも、どうして振られたことが分かったの?」

「いじめっ子が言ってたのよ。お前は最低最悪な人間だけど、俺を振った女よりはまだましだとね…」

「…そう…じゃあ、その女が誰かは知らないの?」

「ええ」

「…実はね、その女、私よ」

「エッ!」

「…私ね、少し前に付き合ってた男を振ったんだけど、そいつが未練がましい奴で、私に付きまとってたのよ。私、困っちゃって、フッとあなたのことが頭に浮かんだの。あなたなら話を聞いて貰えそうな気がしてね。それで、あなたの家を調べ上げて、向かってたら、例の男が歩いて来たので、逃げようとしたところ、あなたの自宅近くの雑木林に引き込まれたの…助けを呼ぼうとしたんだけど、男の力が強くて、なすがままよ…それで、行為が終わって、男が去ろうとしたので…」

「殺したの?」

「落ちていた竹で思い切り殴ったら、死んじゃったの…当たりどころが悪かったみたい。まさか死ぬなんて思ってもみなかったので、パニックになって、無我夢中で逃げたのよ…」

「…そうか、犯人はあなただったのね…実はね、私、その男と付き合ってたの」

「エッ!」

「それで、私の家を出て、もう自宅に帰った頃だと思ったので電話したけど応答が無い…どうしたのかなと思って、外に出て歩き出し、雑木林の前を通り過ぎようとしたら、うめき声がしたので、咄嗟に隠れたの。すると、誰かが慌てて出て来てどこかへ行っちゃったので、林の中に入ったら…」

「…男が死んでたのね」

「…そう」

「つまり、いじめっ子ってのは嘘で、あなたの彼氏だった訳ね」

「その通りよ。これで、やっと彼の無念が晴らせるわ…」

「…じゃあ、あなた、知ってて、私に近付いたの?」

「…うーん、少し違うわ。逃げて行ったのが女だとは分かったけど、顔を見逃したの。それで、雑木林に入って行ったら、彼が死んでいて…そばに彼の携帯が落ちてたので、家に持って帰って電話帳や履歴を調べたら、数人の女の名前があってね…その中に…」

「私の名前があったのね…」

「…そう」

「…それで、あなた、まずたまたま知っていた私に当たりをつけたら…」

「…ビンゴだった訳」

「…だけど変ね。何ですぐ警察に届けなかったの?」

「エッ?」

「だって、普通、彼氏が死んでたら、通報しないかしら?…フーン、やっぱりあなただったのね」

「…何が?」

「私、彼を竹で殴って、倒れて動かなくなったので死んだと思って逃げたけど、落とし物をしていないか、もう一度戻ったの…」

「エッ!」

「そうしたら、彼が頭を押さえて立ち上がろうとしてたんだけど、近くに女がいたのよ…その女、弱っていた彼をやっぱり竹で何度も殴り、殺してしまったの…」

「…」

「きっと、彼が誰かを犯したことを悟って、裏切られたと思ったのね…その女こそ…」

「…そう、私よ!…死ね!」

「あぁ、うっ…」



「…これで、証人は消えた…ナイフ持ってて良かったわ…しかも、周りに誰もいなかったのは私がツイてる証拠…裏切り者の浮気男も殺せたし、一石二鳥とはこのことよ…ま、あの女の持ち物は全部調べたし、私が殺したなんて分かるはずは無いわね…」


(*Prologueに投稿したものです)
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