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超子、感謝する
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「おはよう!」
話は再び超子が高校生の生徒会時に遡る。
超子が元気良く声を掛けた先には副会長であり、超子の幼馴染みで、おかっぱ頭の咲恵がいたのだが、何やら1人ブツブツ呟いていた。
「…咲ちゃん、どうしたの?何かあった?」
超子が再度話し掛けると、咲恵は明らかに不服そうな顔をして、ロングヘアーの超子を見た。
「…おはよう。今日も良い天気ね、なんて呑気なことを言いたいんだけど、生徒会に文句ばかり言ってくる人たちって一体何なの!って怒鳴りたくなるのよ。こっちは一生懸命やってるのにさ…」
すると、咲恵の愚痴が聞こえたのか、横から短髪姿のある部活の部長が顔を覗かせて来た。
「…あら、そうかしら。私の部の活動費から見ると、生徒会のかたがたは随分潤っているように見えるんだけど…」
嫌味ったらしい言葉がスッポリと収まるとはこのことを言うのだろうが、咲恵も負けていなかった。
「…そんなことないわよ。超子も知ってる通り、生徒会室には花さえ置いてないわよ…正確に言えば、一輪挿しで何とか煌びやかにしているの」
咲恵も同じく思い切り嫌味を放った。
部長はウウンと唸ったが、お手上げとでも言うかのように、両手を開いて、上に上げた。
「…ま、いくら言い合っても埒が開かないわね…要は生徒会云々と言うより、社会情勢や政治がうまく機能していないから、こんなことになるのよ。生徒会は学生たちから見れば権力を持っているように見えるけど、あなたたちよりもさらに上の人間がしっかりしていないから、こんなことになるのね…ごめんなさい、私が馬鹿だったわ」
それを聞いた咲恵は何と言ったら良いか分からず、超子を見ると、超子は超子で何やらトークを試みたい様子に見えるくらい、今にも口から言葉の塊が飛び出て来そうだった。
そして、深いため息をつくと、超子は言った。
「…私たち、お互い、言い合っても仕方ないのは賛成だけど、まだまだやれることがあるかも知れないのに、それを考えずに社会や政治のせいにして良いのかと私は思う…確かに色んなことがあるし、不満も言いたくなるだろうけど、まずは今の状況に感謝すべきだと感じるわ。世界中を見渡せば、私たちの年齢で、大変な目に遭っている人たちだっている訳だしね。それに比べれば、私たちって恵まれているわよね。明日、明後日、死ぬか生きるか分からないなんて考えたことなんて無いんだし…さ、不毛な議論はやめて、どうすれば部活を維持するにあたって良くなるか、考えてみましょ」
そう言うと、超子は鞄を持ったまま手を広げ、颯爽と数回転クルクルしたのだが、超子曰く、きまった!と思ったのは彼女自身の幻想としか言いようが無かった。
何故か、超子がハッとして見渡すと、咲恵や部長だけで無く、周りの目がかなり痛かったからだ。
格好良くきめるには場の雰囲気も考えなくてはならない…顔を赤らめた超子は反省しきりだったが、咲恵らは内心笑ってもいて、平和な場であることも間違い無かった。
「君達ね、自分の置かれている立場を有り難てェことだと思わんとダメですよ。寝言を言ったり不満ばかり言っている奴は、人生終わるまで不満を抱き続ける人間になるぞ。社会が悪い、政治が悪いなんて言って、一体何があるんだ。人に貢献できるようになってから言うべきじゃ」との田中氏の言葉を基にして、書かせて頂きました。
話は再び超子が高校生の生徒会時に遡る。
超子が元気良く声を掛けた先には副会長であり、超子の幼馴染みで、おかっぱ頭の咲恵がいたのだが、何やら1人ブツブツ呟いていた。
「…咲ちゃん、どうしたの?何かあった?」
超子が再度話し掛けると、咲恵は明らかに不服そうな顔をして、ロングヘアーの超子を見た。
「…おはよう。今日も良い天気ね、なんて呑気なことを言いたいんだけど、生徒会に文句ばかり言ってくる人たちって一体何なの!って怒鳴りたくなるのよ。こっちは一生懸命やってるのにさ…」
すると、咲恵の愚痴が聞こえたのか、横から短髪姿のある部活の部長が顔を覗かせて来た。
「…あら、そうかしら。私の部の活動費から見ると、生徒会のかたがたは随分潤っているように見えるんだけど…」
嫌味ったらしい言葉がスッポリと収まるとはこのことを言うのだろうが、咲恵も負けていなかった。
「…そんなことないわよ。超子も知ってる通り、生徒会室には花さえ置いてないわよ…正確に言えば、一輪挿しで何とか煌びやかにしているの」
咲恵も同じく思い切り嫌味を放った。
部長はウウンと唸ったが、お手上げとでも言うかのように、両手を開いて、上に上げた。
「…ま、いくら言い合っても埒が開かないわね…要は生徒会云々と言うより、社会情勢や政治がうまく機能していないから、こんなことになるのよ。生徒会は学生たちから見れば権力を持っているように見えるけど、あなたたちよりもさらに上の人間がしっかりしていないから、こんなことになるのね…ごめんなさい、私が馬鹿だったわ」
それを聞いた咲恵は何と言ったら良いか分からず、超子を見ると、超子は超子で何やらトークを試みたい様子に見えるくらい、今にも口から言葉の塊が飛び出て来そうだった。
そして、深いため息をつくと、超子は言った。
「…私たち、お互い、言い合っても仕方ないのは賛成だけど、まだまだやれることがあるかも知れないのに、それを考えずに社会や政治のせいにして良いのかと私は思う…確かに色んなことがあるし、不満も言いたくなるだろうけど、まずは今の状況に感謝すべきだと感じるわ。世界中を見渡せば、私たちの年齢で、大変な目に遭っている人たちだっている訳だしね。それに比べれば、私たちって恵まれているわよね。明日、明後日、死ぬか生きるか分からないなんて考えたことなんて無いんだし…さ、不毛な議論はやめて、どうすれば部活を維持するにあたって良くなるか、考えてみましょ」
そう言うと、超子は鞄を持ったまま手を広げ、颯爽と数回転クルクルしたのだが、超子曰く、きまった!と思ったのは彼女自身の幻想としか言いようが無かった。
何故か、超子がハッとして見渡すと、咲恵や部長だけで無く、周りの目がかなり痛かったからだ。
格好良くきめるには場の雰囲気も考えなくてはならない…顔を赤らめた超子は反省しきりだったが、咲恵らは内心笑ってもいて、平和な場であることも間違い無かった。
「君達ね、自分の置かれている立場を有り難てェことだと思わんとダメですよ。寝言を言ったり不満ばかり言っている奴は、人生終わるまで不満を抱き続ける人間になるぞ。社会が悪い、政治が悪いなんて言って、一体何があるんだ。人に貢献できるようになってから言うべきじゃ」との田中氏の言葉を基にして、書かせて頂きました。
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