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第3章: 三人の精霊と俺の時空ラビリンス
喫茶店シェ・モア
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何がどーなってる?
この世界は何かがおかしい。
俺に魔力があったり、親父がアヴァロンにいなかったり、母親が生きていたりと前の世界ではありえなかった事が普通に起きている。
「マーリンが言っていた事がようやく理解出来たよ。前の世界の常識はこちらの世界では通用しないらしい」
「ーーみたいですわね。地形や人は一緒でも中身や役割が違うような気がします」
「シーサーがここにいるならアヴァロンはどうなっているんだ?」
「・・・考えても始まりませんわ。
とりあえずはホーエンハイムですね。
委員長がどこにいるのか分かりませんから」
確かにシルフィーの言う通りだ。
他の人達がどうなっているか気になるが、
今は目の前にある一つ一つの事を解決する必要がある。
時間も限られているし、ホーエンハイムへ向かう選択肢が妥当だ。
逃げるように家を飛び出し、
キャメロットの城下町を歩いていると、
いつものあの喫茶店シェ・モワがある。
「ねえ、アーサーさま」
エルザが腕の袖を引っ張る。
言われなくても分かっている。
アーサー自身も喫茶店に入りあのコーヒーを飲みたいと思ってしまっているんだから。
「アーサー様、行こうよ」
リサはすでに、喫茶店の扉に手を掛けてみんなが来るのを待っている。
入ってみるか。
☆
小さな店内に鈴の音が響き渡る。
見慣れた店内は何一つ変わっていない。
恐る恐る奥へ入ってみる。
「いらっしゃいませ」
慣れしたんだ元気で明るい声。
「こ、こんにちは」
「あら?珍しいアーサー様いらっしゃい」
アーサー様?
確かこの世界では天才魔導士でキャメロットの王子だからだな。
アーサーの背後に隠れている三人の精霊たちがちょこんと顔を覗かせる。
「まあ、可愛い精霊ちゃんね!」
笑顔でおいでと手を出すミーナ。
三人の精霊と顔を見合わせると、
ミーナの元に近寄る。
「アーサー様の所有する精霊ちゃんですか?」
所有・・・契約してるんだがそこはいいか。
「うん。リサ、エルザ、シルフィーって言うんだ」
ミーナは精霊たちをじーーと見つめると、
「何だかあなた達とは凄く良い友達になれそうね」
三人の精霊は万遍の笑みを浮かべた。
この世界でもミーナはミーナだ。
☆
しばらくすると香ばしい香りが店内に漂ってくる。
「はい、どーぞ」
頼んでいないのにいつものコーヒーが運ばれて来る。
アーサーが不思議そうな顔をしていると、
「なぜですかね?アーサー様にこのコーヒーを出さなきゃならない気がしたんです」
ミーナに前の世界の記憶があるのか?
「ーーそれに、精霊ちゃん達も初めてじゃなくずっと前に会っていた気がするんです」
懐かしそうに三人の精霊を見つめるミーナ。
リサは我慢出来ずにミーナに抱き付く。
「初めましてじゃないよ!ずっと前からミーナの友達だよ」
我慢出来ずにエルザとシルフィーも抱き付く。
「ミーナの事大好きなの」
「私たちはずっと前から友達で、これからもずーーっと友達です」
三人の精霊の顔を見つめてミーナの目に涙が溜まる。
この場面を何度も何度も見てきた気がする。
「あなた達の夢を何度も何度も見たことがあったの。とても楽しい夢。ずっと続けば良いと何度思ったか。あれは夢じゃなかったのね」
「夢じゃないよ、私たちはずっと一緒にいたんだよ」
三人の精霊とミーナはいつまでも抱きしめ合っていた。
☆
三人の精霊とミーナは意気投合していた。
もともと仲良しだったので、前の世界とそこは変わらない。
時間的に今からホーエンハイムとなると、
馬車では野営しなければならない。
グリフィンがあれば直ぐにホーエンハイムに着くのに、シーサーがアヴァロンの王では無い事を考えるとグリフィンを所有している可能性は低いし、もうあの家には帰りたくない。
ーーと、なると。
「ミーナ、この辺りで馬車ではなく獣車を借りれるところは無いかな?」
「獣車ですか?ちなみにアーサー様はどこへ向かうおつもりですか?」
「ホーエンハイムなんだけど・・・」
「ホーエンハイムですか。またずいぶんマイナーな国に。ーーえっと、」
何やら地図らしきものを広げて調べているミーナ。
「あ、ありました。だいぶ近くにありますよ。ホーエンハイム城の近くの森の中にありますので距離的には徒歩二十分位ですね」
ん?
話が少し噛み合わないな。
「ミーナ、何があるんだい?」
「えっ?ですからホーエンハイムに行きたいんですよね」
「うん。そのための獣車を借りたいんだ」
「えっ?わざわざ獣車を使って行かなければならないんですか」
訳が分からず困惑するミーナ。
アーサーも話が噛み合わず困惑する。
「えっ?逆に獣車を使わずにホーエンハイムへ行けるってこと」
えっ?と驚きの表情を見せてるミーナ。
「アーサー様、まさかご冗談ですよね」
苦笑いを浮かべるミーナ。
アーサーが少し表情を曇らせると、
「ト、、トランスポートですよ。場所の行き行きが可能の空間扉です」
「そんなものが存在するのか」
開いた口が塞がらないアーサーに、
「アーサー様本当に大丈夫ですか?
キャメロット城に連絡して迎えを頼みますのでそこで横になっていてくださいませ」
ミーナが大慌てで店の奥に消えて行ったのは言うまでもない。
ーー トランスポートとは ーー
この世界は何かがおかしい。
俺に魔力があったり、親父がアヴァロンにいなかったり、母親が生きていたりと前の世界ではありえなかった事が普通に起きている。
「マーリンが言っていた事がようやく理解出来たよ。前の世界の常識はこちらの世界では通用しないらしい」
「ーーみたいですわね。地形や人は一緒でも中身や役割が違うような気がします」
「シーサーがここにいるならアヴァロンはどうなっているんだ?」
「・・・考えても始まりませんわ。
とりあえずはホーエンハイムですね。
委員長がどこにいるのか分かりませんから」
確かにシルフィーの言う通りだ。
他の人達がどうなっているか気になるが、
今は目の前にある一つ一つの事を解決する必要がある。
時間も限られているし、ホーエンハイムへ向かう選択肢が妥当だ。
逃げるように家を飛び出し、
キャメロットの城下町を歩いていると、
いつものあの喫茶店シェ・モワがある。
「ねえ、アーサーさま」
エルザが腕の袖を引っ張る。
言われなくても分かっている。
アーサー自身も喫茶店に入りあのコーヒーを飲みたいと思ってしまっているんだから。
「アーサー様、行こうよ」
リサはすでに、喫茶店の扉に手を掛けてみんなが来るのを待っている。
入ってみるか。
☆
小さな店内に鈴の音が響き渡る。
見慣れた店内は何一つ変わっていない。
恐る恐る奥へ入ってみる。
「いらっしゃいませ」
慣れしたんだ元気で明るい声。
「こ、こんにちは」
「あら?珍しいアーサー様いらっしゃい」
アーサー様?
確かこの世界では天才魔導士でキャメロットの王子だからだな。
アーサーの背後に隠れている三人の精霊たちがちょこんと顔を覗かせる。
「まあ、可愛い精霊ちゃんね!」
笑顔でおいでと手を出すミーナ。
三人の精霊と顔を見合わせると、
ミーナの元に近寄る。
「アーサー様の所有する精霊ちゃんですか?」
所有・・・契約してるんだがそこはいいか。
「うん。リサ、エルザ、シルフィーって言うんだ」
ミーナは精霊たちをじーーと見つめると、
「何だかあなた達とは凄く良い友達になれそうね」
三人の精霊は万遍の笑みを浮かべた。
この世界でもミーナはミーナだ。
☆
しばらくすると香ばしい香りが店内に漂ってくる。
「はい、どーぞ」
頼んでいないのにいつものコーヒーが運ばれて来る。
アーサーが不思議そうな顔をしていると、
「なぜですかね?アーサー様にこのコーヒーを出さなきゃならない気がしたんです」
ミーナに前の世界の記憶があるのか?
「ーーそれに、精霊ちゃん達も初めてじゃなくずっと前に会っていた気がするんです」
懐かしそうに三人の精霊を見つめるミーナ。
リサは我慢出来ずにミーナに抱き付く。
「初めましてじゃないよ!ずっと前からミーナの友達だよ」
我慢出来ずにエルザとシルフィーも抱き付く。
「ミーナの事大好きなの」
「私たちはずっと前から友達で、これからもずーーっと友達です」
三人の精霊の顔を見つめてミーナの目に涙が溜まる。
この場面を何度も何度も見てきた気がする。
「あなた達の夢を何度も何度も見たことがあったの。とても楽しい夢。ずっと続けば良いと何度思ったか。あれは夢じゃなかったのね」
「夢じゃないよ、私たちはずっと一緒にいたんだよ」
三人の精霊とミーナはいつまでも抱きしめ合っていた。
☆
三人の精霊とミーナは意気投合していた。
もともと仲良しだったので、前の世界とそこは変わらない。
時間的に今からホーエンハイムとなると、
馬車では野営しなければならない。
グリフィンがあれば直ぐにホーエンハイムに着くのに、シーサーがアヴァロンの王では無い事を考えるとグリフィンを所有している可能性は低いし、もうあの家には帰りたくない。
ーーと、なると。
「ミーナ、この辺りで馬車ではなく獣車を借りれるところは無いかな?」
「獣車ですか?ちなみにアーサー様はどこへ向かうおつもりですか?」
「ホーエンハイムなんだけど・・・」
「ホーエンハイムですか。またずいぶんマイナーな国に。ーーえっと、」
何やら地図らしきものを広げて調べているミーナ。
「あ、ありました。だいぶ近くにありますよ。ホーエンハイム城の近くの森の中にありますので距離的には徒歩二十分位ですね」
ん?
話が少し噛み合わないな。
「ミーナ、何があるんだい?」
「えっ?ですからホーエンハイムに行きたいんですよね」
「うん。そのための獣車を借りたいんだ」
「えっ?わざわざ獣車を使って行かなければならないんですか」
訳が分からず困惑するミーナ。
アーサーも話が噛み合わず困惑する。
「えっ?逆に獣車を使わずにホーエンハイムへ行けるってこと」
えっ?と驚きの表情を見せてるミーナ。
「アーサー様、まさかご冗談ですよね」
苦笑いを浮かべるミーナ。
アーサーが少し表情を曇らせると、
「ト、、トランスポートですよ。場所の行き行きが可能の空間扉です」
「そんなものが存在するのか」
開いた口が塞がらないアーサーに、
「アーサー様本当に大丈夫ですか?
キャメロット城に連絡して迎えを頼みますのでそこで横になっていてくださいませ」
ミーナが大慌てで店の奥に消えて行ったのは言うまでもない。
ーー トランスポートとは ーー
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