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最終回

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 カホタンの後ろ姿を舐めるように俺は見つめた。
 主にお尻を見る。
「知ってたんですか?」と俺は尋ねた。
「何を?」とカホタン。
 振り向いた彼女の顔は俺が好きなアイドルの顔だった。ポカリのCMだったかカルピスのCMだったかに出演していた清楚系アイドル。匂いを嗅ぎてぇー。お尻に顔を埋めてぇー。
 なんだったら会話を飛ばして、エピソードを飛ばして、一気に本番に行きてぇー。
 だけどこれはAVではないのだ。
 だから俺は質問した。
 質問して質問して、彼女が俺とヤってもいいと思っているのか確認したいのだ。
 こんなハーレム世界に来て、俺はヒヨっているのだ。
「なにをって、アレですよ。男は俺しかおらん。だから女の子達が俺の遺伝子をほしがっている。学校はエッティーなことをするために作られた場所だってことを」
「知ってるよ」
「……」
 ニッコリと笑って、素直に答えられた。
「それじゃあカホタンも?」
「カホタン?」
 あっ、俺、カホタンって本人の前で呼んでなかったっけ? やべえー失態。
「嬉しい。そんなあだ名を付けてくれるなんて」
 謎の好感触。それじゃあカホタンって呼ばさせてもらいますぜ。
 沈黙。
 おい、質問の答えを教えてくれ。もしかして質問忘れたか?
「秘密」
 とカホタンが小悪魔のように笑って答えた。
 焦らせるね。答えたと思ったら焦らせるね。
「俺の体を洗ってくれた時、どう思っていたんですか?」
「……秘密」
「俺が1人でエッティーなことをしてるのを見て、どう思ったんですか?」
「……秘密」
「なんで秘密なんですか?」
「……だって、私は君に、負担をかけたくないもん」
 いじらしいいぃぃぃぃぃ。
「今日、またお風呂で体を洗ってくれないですか?」
 心臓バクバクしながら臆病な俺は言ってみる。
「怪我でもしたの?」
「したかもしれません」と俺が言う。
「カホタンに見てもらいたいです」
「わかった」と彼女はニッコリと笑った。


 食事シーンは割愛。

「珍しいね。ご飯をおかわりしないなんて」
「これからカホタンと予定がありますので」
「それじゃあご飯も食べたし、お風呂に入ろうか?」
 とカホタンが言った。
「やっぱり1人で入ります」
 ヒヨる俺。
 もう逆にここまで来てヒヨってんじゃねぇーぞ。断りを入れるのは逆にキモいぞ。チケット代返せ。←脳内では自分に罵声を浴びせております。
「怪我をしてたんじゃないの?」
「してます」
「だったら確認しなくちゃ」
「はい。そうですね。確認しなくちゃですね」
 俺は皿を流しに持って行く。
「先にお風呂に入っておくブヒー」
 ブヒー、というのは渾身のギャグである。
 ブヒーということで、茶目っ気を出し、可愛らしさを演出したのだ。
 ブヒブヒブヒブヒ、言いながら俺は脱衣所へGO。
 裸になった。
 俺の裸。お腹が出ていて、なんかちょっとソフトマッチョから遠い。
 ブヒブヒ、言っていたのが今になって恥ずかしくなる。
 まるで豚じゃん。
 誰が豚やねん。
 豚じゃねぇーよ。イケメン俳優だよ。
 イケメン俳優じゃねぇーよ。ただの30代ニートだよ。
 30代ニートじゃねぇーよ。今はしがない高校生だよ。
 脳内1人ツッコミをしてお風呂に入る。
 カホタンに触られる可能性が大なので、体をキレイキレイしておく。

 そしてシャワー室の磨りガラスに女体の影が見えた。
 逆に下半身がビール瓶に具現化しておかない方がダセェ~んじゃねぇーの? と思考になる。やべぇー体をキレイキレイすることに集中しすぎて下半身はナマコ状態である。こういう時はどうしたらいいんですか? ヤリティンポコ先生教えてください。
 教えてしんぜよう。
 ちょっと触ってみるといいんだよ。
 と俺は脳内で作り出したヤリティンポコ先生と会話する。
 ヤリティンポコ先生が言うなら、ちょっと触ってみますね。

 扉が開いてカホタンが入って来た。
 恥ずかしくて俺は背を向ける。
 カホタンの裸を見ちゃった。
 お椀型の綺麗な胸。中心にピンクのワンポイントがついている。
 そして下のオケケは、流しそうめんとして流れてきたらツルッといっちゃいたいオケケだった。
「どこが怪我しているの?」
「探してみてください」と俺が言う。
「ボディーソープは付けていい?」
「はい」
 カホタンは細い指に白い液体を付けた。
 そして俺の背中を撫でるようにして怪我を探し始めた。
 気持ちいい。
「そこじゃないです」と俺が言う。
 俺の腕の隙間からニュルッと彼女の腕が出て来て、A面を洗い始めた。
 彼女の指が俺のワンポイントをイジリ始める。
「ちゃんと怪我を探してますか?」
「探しているよ」と笑いながらカホタンが言う。
「それじゃあ、なぜそこをイジる?」
「ココが怪我しているんじゃないの?」
「そこじゃないです」
 彼女の手が俺の下に向かって行く。

 彼女の手が俺が具現化させたビール瓶に触れる。
 あきませんわ。あきませんわ。
「正解」と俺は言った。
 なにが正解なのか? 怪我しているところはソコなんですよ。だからもっと触っておくれ。あきません。そんな触られたらビールの泡が溢れ出します。そういう思いで正解って言ったのだ。
「怪我してないじゃん」
 と彼女が言う。
 そして俺のことを睨む。
「……」
「嘘だったの?」
 なぜか問い詰められています。
「カホタンに触ってほしかったんです」
「心配したのに」
 と彼女が頬を膨らませる。
「そんな遠回しなことをしなくても……」
 と彼女が言った。
「俺決めたんです」
 と俺は言った。
「日本のために、俺氏種馬になるし」←無駄に韻を踏んでみたし。
「種馬になってくれるの? 女の子達を孕ましてくれるの?」
 彼女は俺のビール瓶の先をこねくり回しながら尋ねた。
「でも、初めは、カホタンとしたい」
 こねくり回していた手が止まった。
 そして肩を持って振り向かされた。
 俺達は裸で向き合った。
 俺の具現化したビール瓶が彼女のオケケに当たっている。
「嬉しい」
 と彼女が言って、大人のキスをした。


 その日、俺は童貞を捨て、種馬としての道を走り始めた。
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