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ミナミとの別れ
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ミナミを供養しよう、ということになった。
彼女を綺麗な姿で送り出してあげたかった。
俺はミナミと一緒に馬車に乗り、彼女をソファーに寝かせた。
残りのメンバーは火葬するための木を集めている。
馬車の中でミナミと2人きり。
彼女は眠っていた。
俺は彼女の唇に触れた。
王子様のキスで目覚めることはないことは知っている。
だけど俺は彼女にキスをした。
「愛してるよミナミ」
俺は彼女の頭を撫でる。
「今までありがとうね」
ミナミの頬に触れ、首にも触れた。
彼女のスーツのボタンを外す。スーツには大量の血が付いていて固まっていた。
ミナミのスーツを脱がせる。
穴が空いた心臓。
勇者との戦いの時にできた傷。
下着も脱がせた。
そして濡れた布で、彼女の体を拭いた。
汚れが少しも残らないように、何度も彼女の体を拭いた。
「大変だったね」
全てにたいして労うように言った。
「本当に色々と大変だったね」
過去のことも含めて、俺は言った。
「ミナミがいてくれてよかった」
と俺は彼女に伝えた。
「ミナミがいたから俺はこの世界で生きてこれた」
「愛してる」と俺は言う。
彼女のことが愛おしくてたまらなかった。
「俺のことを好きでいてくれてありがとう。俺もミナミが好きだ。大好きだ。愛してる。そばにいてくれてありがとう。支えてくれてありがとう。結婚してくれてありがとう」
と俺は言う。
俺は彼女を愛していた。
「……ごめんなミナミ。蘇らせてあげれなくて、ごめんな」
死ぬほど愛しているのに、俺は彼女のために9500万人の人間を殺すことができなかった。
ミナミの体は死後硬直が始まっていた。
もう彼女の肌には温もりがない。
何度も交わったミナミの体。
とても美しい体。
俺は彼女のお腹に頬を付けた。
ミナミが俺の子どもを産む未来があったのだ。
彼女が母親になる未来があったのだ。
彼女のお腹にキスをした。
ミナミの手を握りしめた。
彼女の頬を触った。
愛してる、と何度も言った。
アイテムボックスから紫色のドレスを取り出す。
結婚式で使ったドレスである。
それをミナミに着せた。
「すごく綺麗だよ」と俺は言った。
ミナミをお姫様抱っこして馬車から出ると、他のメンバーは木を集め終えて俺のことを待っていた。
木を並べただけの台が作られていた。
ゆっくりと台の上に彼女を置いた。
キャンプファイアーをするようにミナミの周りを木で囲った。
魔法で火をつける。
木はパチパチと音を鳴らしながら燃え上がる。
ナナナは祈りを捧げてくれていた。
祈りは願いだ。
次の人生も幸せでありますように、生まれ変わり、次の楽しい人生がありますように、とナナナは祈ってくれている。
俺も祈りを捧げた。
また、どこかで出会えますように。
息を止めた。
俺は祈るのをやめて、炎の中のミナミを見た。
彼女を手放したくない。
彼女と離れたくない。
だけど炎はパチパチと音を鳴らしながら燃えて行く。炎の中には綺麗なドレスに身を包んだ俺の大切な人がいた。
彼女が煙になって空に向かって消えて行く。
「あぁ、あぁ」
と誰かの叫び声が聞こえた。
それが自分の叫び声だと気付いたのは、涙で濡れた地面に膝から崩れ落ちた時だった。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
ミナミが死ぬなんて嫌だ。
俺のそばにいてくれ。
俺から離れないでくれ。
あぁ、あぁ、と俺は自然と泣き叫んでいた。
チェルシーが涙で顔をグシャグシャにさせて俺に近づいて来た。
そして猫は俺にしがみつく。
俺もチェルシーを抱きしめた。
俺達のミナミが死んじゃった。
俺の大切な人が死んじゃった。
人目を気にせず俺達は泣いた。
バランも泣いていた。ミナミが死んで悲しいことを思い出したんだろう。
アニーが子どものように泣きじゃくりながら俺に近づいて来た。
そして俺の背中に顔を押し付けた。
俺のみっともない姿を見て、泣き方を忘れた獣人の女の子も泣いていた、
ナナナも俺に近づき、アニーと同じように俺の背中に顔を押し付けた。
悲しい。
ミナミが煙になって空に上がって行く。
彼女を綺麗な姿で送り出してあげたかった。
俺はミナミと一緒に馬車に乗り、彼女をソファーに寝かせた。
残りのメンバーは火葬するための木を集めている。
馬車の中でミナミと2人きり。
彼女は眠っていた。
俺は彼女の唇に触れた。
王子様のキスで目覚めることはないことは知っている。
だけど俺は彼女にキスをした。
「愛してるよミナミ」
俺は彼女の頭を撫でる。
「今までありがとうね」
ミナミの頬に触れ、首にも触れた。
彼女のスーツのボタンを外す。スーツには大量の血が付いていて固まっていた。
ミナミのスーツを脱がせる。
穴が空いた心臓。
勇者との戦いの時にできた傷。
下着も脱がせた。
そして濡れた布で、彼女の体を拭いた。
汚れが少しも残らないように、何度も彼女の体を拭いた。
「大変だったね」
全てにたいして労うように言った。
「本当に色々と大変だったね」
過去のことも含めて、俺は言った。
「ミナミがいてくれてよかった」
と俺は彼女に伝えた。
「ミナミがいたから俺はこの世界で生きてこれた」
「愛してる」と俺は言う。
彼女のことが愛おしくてたまらなかった。
「俺のことを好きでいてくれてありがとう。俺もミナミが好きだ。大好きだ。愛してる。そばにいてくれてありがとう。支えてくれてありがとう。結婚してくれてありがとう」
と俺は言う。
俺は彼女を愛していた。
「……ごめんなミナミ。蘇らせてあげれなくて、ごめんな」
死ぬほど愛しているのに、俺は彼女のために9500万人の人間を殺すことができなかった。
ミナミの体は死後硬直が始まっていた。
もう彼女の肌には温もりがない。
何度も交わったミナミの体。
とても美しい体。
俺は彼女のお腹に頬を付けた。
ミナミが俺の子どもを産む未来があったのだ。
彼女が母親になる未来があったのだ。
彼女のお腹にキスをした。
ミナミの手を握りしめた。
彼女の頬を触った。
愛してる、と何度も言った。
アイテムボックスから紫色のドレスを取り出す。
結婚式で使ったドレスである。
それをミナミに着せた。
「すごく綺麗だよ」と俺は言った。
ミナミをお姫様抱っこして馬車から出ると、他のメンバーは木を集め終えて俺のことを待っていた。
木を並べただけの台が作られていた。
ゆっくりと台の上に彼女を置いた。
キャンプファイアーをするようにミナミの周りを木で囲った。
魔法で火をつける。
木はパチパチと音を鳴らしながら燃え上がる。
ナナナは祈りを捧げてくれていた。
祈りは願いだ。
次の人生も幸せでありますように、生まれ変わり、次の楽しい人生がありますように、とナナナは祈ってくれている。
俺も祈りを捧げた。
また、どこかで出会えますように。
息を止めた。
俺は祈るのをやめて、炎の中のミナミを見た。
彼女を手放したくない。
彼女と離れたくない。
だけど炎はパチパチと音を鳴らしながら燃えて行く。炎の中には綺麗なドレスに身を包んだ俺の大切な人がいた。
彼女が煙になって空に向かって消えて行く。
「あぁ、あぁ」
と誰かの叫び声が聞こえた。
それが自分の叫び声だと気付いたのは、涙で濡れた地面に膝から崩れ落ちた時だった。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
ミナミが死ぬなんて嫌だ。
俺のそばにいてくれ。
俺から離れないでくれ。
あぁ、あぁ、と俺は自然と泣き叫んでいた。
チェルシーが涙で顔をグシャグシャにさせて俺に近づいて来た。
そして猫は俺にしがみつく。
俺もチェルシーを抱きしめた。
俺達のミナミが死んじゃった。
俺の大切な人が死んじゃった。
人目を気にせず俺達は泣いた。
バランも泣いていた。ミナミが死んで悲しいことを思い出したんだろう。
アニーが子どものように泣きじゃくりながら俺に近づいて来た。
そして俺の背中に顔を押し付けた。
俺のみっともない姿を見て、泣き方を忘れた獣人の女の子も泣いていた、
ナナナも俺に近づき、アニーと同じように俺の背中に顔を押し付けた。
悲しい。
ミナミが煙になって空に上がって行く。
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