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59話
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哀留Side
気付いたのは、皆川先輩の言葉だった。
『風紀委員長としての権限は、哀留。
お前にあるよ』
風紀委員長としてのポストは、理事長如きに変えられるものでは無いのは分かっていた。
だから、今の風紀委員長は小猿くんじゃないと分かった。
でも、それの権限が俺にある?
それの意味は?
それは、つまり、
「哀奈。
俺は、本当は退学になってないんだろ?」
そう。
俺が、退学になっていない。
これならば、皆川先輩の言葉の通りがつうじる。
じゃあ、理事長の退学宣言とは?
じゃあ、なんで哀奈は「俺が退学してるとして」、新しく学生証を作れた?
俺がそのまま戻るより、違う人物として学園に入った方が動きやすいのは確かだ。
でも、哀奈は学生証を作るときに調べたはずだ。
俺が本当に退学になっているのか、を。
哀奈は、それに関して何も俺に言ってこなかった。
それが、多分、哀奈が俺に隠していること。
『………
なぁーんだ、気付いちゃったの?
哀留にしてはよく気付いたわね。脳みそカランコロンしてなかったのね』
と、あっけらかんとしている哀奈に、どっと力が抜けた。
ちょ、シリアスにしていた俺って一体……!!!
「えー………まじで?
それってどういうこと?俺、まだ学園に在籍してんの?」
完全に退学していないと分かり、頭を掻く。
いや、いーんだ?退学してないのなら。
でもさ、どういうこと?
理事長の宣言は?
つーか、今回学生証作った奴も何者?なんか、絡んでね?
シリアスモードをぶん投げて、だらけて電話口の妹に問う。
『んー、どうしようかしら』
「え、そこでなんで悩むの。言えよ」
『だって、タネ明かししたらつまらなくない?』
「いや、つまらなくねーよ。言えよ。明日決着つけんのに、余計な悩みいらねーよ」
『ほら、障害あったほうが燃えるじゃ無い?』
「なんの障害だよ!お前が、今、俺の障害物だよ!」
『あらやだ、私当て馬?大丈夫よー!哀留の邪魔はしないから!』
「え、ちょ、哀奈さん?ナンノ話し?」
『明日決着なんでしょ?頑張りなさーい!蜜埜に写真撮るように言っとくからね!楽しみにしてるからねっ!』
「いやいやいやいやいやい、だから、何の話し??!!!!
ちょ、おーーーい、
哀奈?
哀奈さーーーん??もしもーーーーーし??!!!!」
…………………………
おかしいな。
いつからあいつは、普通の会話出来なくなった?
キャッチボールしてくれない。
ガンガンぶん投げてくる。
「えーっと………」
哀奈と電話して分かったこと。
俺は、退学していない。
やっぱりあいつは何かを隠している。
分からないこと。
理事長の退学宣言とは?
学生証を作ったのは?
哀奈の無駄なテンションは?
写真撮るって、何撮る気?
あいつはいつから会話出来なくなった?
……あれ?分からないことが多いよ?
「………………
もういいや、寝る」
俺は、これ以上考えることを放棄した。
もーしらねっ!!!!
良いんだ良いんだ!
明日全部終わらせるから良いんだ!!
証拠とか、こっちに有利になるように人数も集めてるし。
小猿くんと理事長叩きつぶすからいーんだっ!
さぁーねーようっ!!!
(人はこれを、現実逃避と言う)
おやすみなさーい!
哀留Side end
哀奈Side
ピッ
ふぅ。
急な哀留からの電話には驚いたけども。
肝心な事は言わなかった。
私も、それを知ったのは偶然で。
「ある人」からの接触だった。
哀留には「同じ趣味の人」なんて言ったけども、あれはカモフラージュよ。
哀留は、明日驚くと思う。
でも、それは哀留にとって不利益にはならない。
そうなるなら、それを知った時点で私が潰してるからね!(当然よ!)
明日、決着がつく。
蜜埜も哀留も巻き込んだ、この一騒動がやっと終わる。
私は、遠くからしか手助けできないけども。
蜜埜と哀留が、笑っていてくれたらそれで良いのよ。
(まぁ、それとこれとは別で。蜜埜には違うミッションをお願いしなきゃ!
写真~)
哀奈Side end
哀留Side
おはようございます。
良い朝です。
でも、頭の上のもじゃりと分厚い眼鏡で視界ゼロです。
さてさて。
やってきました、この日が!!!
てなわけで、蓮に全校生徒・教員に向けて放送かけてもらいまーす!
もちろん、その中には生徒会とそれに纏わり付いている小猿くん。
理事長もね!
どやどやがやがやと、人が集まる講堂。
今回は、風紀委員主体で動くから蓮達はステージ上に。
何も知らない生徒会は、端に寄っている。
小猿くんは、ステージ上に居るのが風紀委員だとわかり、「蓮達だ!俺も行かなきゃ!!」と、騒いでおります。
メーデメーデ。
抑えろ、蜜埜!月ちゃん!!
奴が上がってくるのは邪魔なので、抑えていて欲しい。
できれば、全て終わるまで!!!
そして、これまた同じように今にもステージ上に上がって来ようとしている、理事長。
貴様も邪魔だぁぁぁ!!!
そこで大人しくしてやがれぇぇぇぇぇ!!!
と、勇気ある教員達が理事長を宥めていた。
もちろん、風紀側の教員達だ。
おけおけ。
良い配置だ。そして、ズラリとステージ上に上がり並ぶ、蓮・せっちゃん・カナたん・円・ひぃりん。
そのステージ下には、数人と、壁にもズラリと並ぶ風紀委員達。
これは、もしも暴動が起きた場合の制圧の配置だ。
この異様な配置に、これから起こることの重大さを感じ始めたのか、少しずつ講堂内が静かになり始めた。
風紀委員は、学園の規律を守り取り締まる。
これから起こるのは、その取締りだ。
さて、俺はドコに居るのかって?
ステージ横の幕に絡まりながら隠れてます。
まだ出番じゃ無いしね!
ここぞ!って時にバーンと格好良く登場予定だよ!楽しみにしててねっ!
松江達放送委員も協力者なので、音響・映像関係は任せてる。
さてさて、始めましょうか。
哀留Side end
No Side
静まりかえった講堂内。
その雰囲気はいつもと違く、どこか不気味さもあった。
ステージに、ズラリと並ぶ風紀委員達。
その中の1人。
蓮が中央へと歩み、マイクを手にして口を開いた。
「これより、この学園内の不正を取り締まる」
それは、ずっしりと重く響き。
これから明かされる真実への、始まりだった。
蓮は、今現在の学園内の現状を語った。
暴行・器物破損。規律が乱れ破られ、日々堕ちていく現実。
そして、それを一番取り締まるはずの風紀委員長として籍を置く唯の、職務怠慢・授業のサボり・率先しての器物破損。etc.。
これが告げられた時、唯が騒ぎ出した。
「そんな事していない!!俺は風紀委員長としてちゃんとしてる!!
誰だよそんな嘘言った奴!!」
それに伴い、副会長の雅と会計の宗史も、唯を援護するように同じく吠えた。
「唯は、ちゃんと職務を全うしている」
「唯ちゃんを陥れようとしている奴が居る」
今にもステージに飛び込みそうな3人を、風紀委員達で必死に止めるのを…
蜜埜と奈月と空・海の双子は、それらをただただ見ていた。
見苦しい
子供のように癇癪を起こし、騒ぐ3人と。
その他の生徒会の様子に、生徒達は様々な反応を向けた。
失望。失笑。 憐れみ。
これが、風紀委員長なのかと。
これが、憧れの生徒会なのかと。
そして、唯だけが糾弾されるものではなかった。
唯が生徒会に入り浸るのも、蓮に生徒達へと告げられる。
それに構う副会長、会計の職務怠慢。
経費での私利私欲の使用。これは、少しの横領もあった。
金持ちの筈の生徒会役員が行った横領。
なぜ、かと問われれば。
それは唯に貢ぐための資金。
そして、自分達のファンクラブへの、唯に近づく者達への制裁容認・命令も明らかにされた。
今度は、自分達への糾弾に2人は声を上げたが……
ここで、松江達の登場である。
「これがしょーこやで」
語尾にハートが付きそうになる言い方。でも、その目は笑っていなかった。
スクリーンに映されたのは、生徒会室での唯達の様子。
唯・雅・宗史だけが仕事もせずにソファに座りやり取りをしている様子。
それがずっと。
ファンクラブを焚き付けての、唯に害になる者達への制裁命令の様子。金での揉み消し。
音声もバッチリである。
映像・音声がある限り確実な証拠になり。
他にも、蓮達はファンクラブ・他の生徒達への聞き取りもしている。
自供もさせ、協力させて音声を録ったり。
横領に関しても、教員達からの協力を得た。
「そ、それなら会長達だって仕事は!!」
唯に構ってたのは、自分達だけでは無い!
と、そう声を高らかに上げれば、
「見くびるな。
俺達は、貴様らが遊んでいる間に仕事はしていた」
重い美声が響き、雅は身を竦ませた。
そんな、いつ……
震える唇で、やっとそう口に出すと、
彼方が声を出した。
「必要な書類は、副会長と会計の分もきちんと期限内に提出されてますよ」
まぁ、本来なら副会長と会計からのサインが必要な書類は、全て会長サインでごり押しでしたが。
少し呆れたような声色に、雅と宗史は驚きを隠せずにいた。
そして、思い出す……
そういえば、食堂に行くとき。放課後。他にも…
蜜埜達が、入れ替わりで居ないときがあった……
自分達は、唯にかかりっきりで気にしていなかった、と。
その間に、蜜埜・奈月・空・海は、入れ替わりで仕事をしていた。
持ち帰り仕事は勿論、朝早くに来て仕事もしていた。
雅や宗史が確認・サインが必要な書類も手分けしたり。
最後には、最高責任者の蜜埜がサインすれば、なんら問題はなかった。
だがしかし、である。
「たとえ、生徒会の仕事が回っていても。
副会長、会計の職務怠慢・横領は明らか。
それらを統率出来なかったのは、生徒会の。そして、会長の責任でもある」
蓮が、そういうのも当然だった。下を纏め上げ、統率、責任を持つのが長としての役目。
蜜埜は、それに声を上げず静かに続きを待つ。
「よって、ここに現生徒会の解散を要求・宣言する!」
誰とも共無く、息を飲む音がした。
「なっ!なんでそこまで?!!」
「は?!!なんの権限があんの??!」
雅と宗史は、自分の立場が崩れるのを恐怖した。
生徒会役員の解散など、当然の事ながら不名誉だ。
生徒会の解散は、あり得ること。
だが、それが実際に行われることは今まで無かった。
故に。これは、学園を卒業した後もずっと彼らに付きまとう。
この学園は、いわば金持ち・立場が高い者。優秀な者が多く在籍している。
哀留のように、一般で入る者も居るが、大抵は金持ち。
その中で、生徒会・風紀委の役職に付くのは名誉な事であり。卒業後もそれは充分なスペックになる。
それが、在籍中の解散。
いい笑いものである。
解散は、全校生徒の半数以上の署名が必要で。
宗史が蓮に「なんの権限が?!」と言っているが、何ら問題は無い。
「署名は集まっている。
お前達、3人と。他、憐れんだ数十人以外、全ての生徒達からな」
そう、署名は集まっている。
証拠集め、根回しのついでに生徒会解散の署名も集めていた。
勿論、渋った生徒も居る。だが、そこは説得。
更には、蜜埜の打診もあった。
膿を出す必要がある
生徒会長自らも、解散を求めている……これが決定的になり。
賛同してくれた生徒も多い。それは、会長のカリスマもあった。
勿論、1度役職を辞めたとしても、立候補・人気投票で上位を取ればまた役員に戻ることは出来る。
恐らく、蜜埜がもう一度会長として返り咲くのは確実だろう。
だが、それだけでは駄目なのだ。
今現状の怠慢・信頼されていない生徒会を解散して。
膿を出し。
もう一度、立ち上がる必要があった。
だからこその、解散。
それは、奈月も空と海も承諾。知らぬは、原因となった唯・雅・宗史だけだった。
確実に、確実にもう生徒会へとは戻れない。
例え、立候補したとしても。家の力を使ったとしても、金を使ったとしても……自分たちが役員になれないことは、雅も宗史も分かってしまった。
彼らに、生徒からの信頼などはもう無かった。
だからこその、絶望。
もしかしたら、家からも面汚しとされ追い出されるかもしれない。
ガラガラと、自分達の足元が崩れ落ちるのを感じて、2人は力なくその場に座り込んだ。
唯寄りの
No Side
生徒会の膿が1つ吐き出され、だがまだ完全では無い。
そんな時、
「なんでそんな意地悪言うんだよ!!!!!」
きぃーーーーん、と。
つんざくような声が、講堂に響き渡る。
唯は、友達が虐められたのが許せなかった。
そして、自分をチヤホヤと甘やかし、貢いでいた金づるの立場が無くなるのを、焦った。
自分の損害だと。
唯は、自分の容姿を分かっていた。
少し媚を売れば、甘やかされ。なんでも買ってくれる。なんでも、許される。
それは、男に対してが多かった。
自分の叔父が居る、金持ちが集まる男子校。
それは、唯にとっての楽園だった。
早々に、最高権力を持つ生徒会を陥落させた。
唯は面食いだ。
権力もあって、美形なんて、なんて素晴らしい!
ちょろい。
唯は笑った。
でも、その中の1番。
1番輝いた会長だけは、自分に靡かなかった。
だから、押した。
階段の上から。
蜜埜が居なくなって、上機嫌だった。
美形揃いにチヤホヤされて、今度は同じく美形が揃っている風紀に近づいた。
でも、中々上手くいかない。堅物ばかりだ。
でも、時間はたっぷりある。
自分を煩わせる奴は居なくなったんだから。
でも、計画が狂いだした。
どこにでも居る平凡の男。
そいつが、今度は邪魔になった。
生徒会は、もう自分のモノ。今度は、風紀が欲しい。
だから、唯は委員長の立場を欲した。
今度は、ステージの上から殴って落とした。
これで、また邪魔者は居なくなった。
蜜埜の時とは違い、目撃者が多かったけど、そこは叔父さんが何とかしてくれる。
なんて言ったって、理事長なんだから!
そして、欲しかった風紀委員長の立場!
これで、全部自分の物!
そして、戻ってきた蜜埜も、何故が唯に甘くなった。驚いたけども、気分は勿論最高に良い!
いつの間にか、奈月も東も。
皆、みーーんな自分に甘くなった。
最高の気分だった。
それが、なんだこれは。
「なんで、なんでそんな意地悪するんだ?!俺も、雅も宗史もなにも悪くないだろ!!
あ、分かった!!
哀留のせいだろ!!哀留が、何か蓮達に言ってきたんだろ?!
大丈夫!俺がまた退治してやるから!!」
そうに違いない!
蓮達が、自分を虐めるはずが無い。
だって、自分は愛される存在だから。
それが、当然だから。
唯の、支離滅裂。
頭がイッテル発言・思考力。
それは、いくら此方が正論を言ってもなんのその。
正論を、お空の彼方に吹っ飛ばす。
自分が正しい。
蓮が、ついには眉間に皺を寄せ頭を抱えた。
唯は、自分の非を認めない。責任転換する。
分かっていたことだか、分かりたくは無かった。
哀留が、小猿と言っているが……これは、猿の方が物わかりが良いレベル。
その騒ぐ小猿の後ろで佇んでいる蜜埜に視線を向けると、両肩をくいっと上げられた。
俺は知らん
の意思表示だ。
会長は、唯の相手を蓮にぶん投げたのだ。
そして、唯が騒げば黙っていない者も居た。
理事長だ。
生徒会の解散の部分は黙っていた。
が、自分の可愛い甥に関しては別だ。
このままでは、唯の立場が危うくなってしまう。
理事長は、ずかずかと。教員達の制止を振り解き、ステージに近づく。
が、そこは風紀が取り囲んだ。
流石に、生徒を強引に振り解くのは一瞬躊躇い、その場に立ち止まる。
が、そこで声を張り上げた。
「貴様らなんの権限があって、全てを取り仕切っている?!
唯の立場もそのままだ!
すぐに、この茶番は止めろ!貴様らには、学園を混乱させた罰として退学にするぞ!!」
えぇーーー…………
面倒くさいの来ちゃったよ……
4人の心の声である。
蓮はちらりとステージ横の幕に視線を向ける。
そこには、幕に絡まる黒モジャ。
形の良い顎をクイッと動かせば、その黒モジャがビクッと跳ねた。
学園現状の惨状を公開。
副会長・会計の糾弾。
生徒会の解散宣言。
蓮の仕事は、ここまでだ。
これから先、理事長と唯の相手は哀留である。
スッと、蓮が動いた。
それを、目で追う全校生徒達の目線の先には、
うごうごと動く暗幕。
その暗幕の固まった部分を、ひっ叩く風紀副委員長の姿。
そして、なんだかそれを剥がし出す。
と、
そこから現れた人物に、講堂内に居た全員が戦慄した。
(黒モジャ瓶底眼鏡の変質者???!!!!)
と。
No Side end
next→
気付いたのは、皆川先輩の言葉だった。
『風紀委員長としての権限は、哀留。
お前にあるよ』
風紀委員長としてのポストは、理事長如きに変えられるものでは無いのは分かっていた。
だから、今の風紀委員長は小猿くんじゃないと分かった。
でも、それの権限が俺にある?
それの意味は?
それは、つまり、
「哀奈。
俺は、本当は退学になってないんだろ?」
そう。
俺が、退学になっていない。
これならば、皆川先輩の言葉の通りがつうじる。
じゃあ、理事長の退学宣言とは?
じゃあ、なんで哀奈は「俺が退学してるとして」、新しく学生証を作れた?
俺がそのまま戻るより、違う人物として学園に入った方が動きやすいのは確かだ。
でも、哀奈は学生証を作るときに調べたはずだ。
俺が本当に退学になっているのか、を。
哀奈は、それに関して何も俺に言ってこなかった。
それが、多分、哀奈が俺に隠していること。
『………
なぁーんだ、気付いちゃったの?
哀留にしてはよく気付いたわね。脳みそカランコロンしてなかったのね』
と、あっけらかんとしている哀奈に、どっと力が抜けた。
ちょ、シリアスにしていた俺って一体……!!!
「えー………まじで?
それってどういうこと?俺、まだ学園に在籍してんの?」
完全に退学していないと分かり、頭を掻く。
いや、いーんだ?退学してないのなら。
でもさ、どういうこと?
理事長の宣言は?
つーか、今回学生証作った奴も何者?なんか、絡んでね?
シリアスモードをぶん投げて、だらけて電話口の妹に問う。
『んー、どうしようかしら』
「え、そこでなんで悩むの。言えよ」
『だって、タネ明かししたらつまらなくない?』
「いや、つまらなくねーよ。言えよ。明日決着つけんのに、余計な悩みいらねーよ」
『ほら、障害あったほうが燃えるじゃ無い?』
「なんの障害だよ!お前が、今、俺の障害物だよ!」
『あらやだ、私当て馬?大丈夫よー!哀留の邪魔はしないから!』
「え、ちょ、哀奈さん?ナンノ話し?」
『明日決着なんでしょ?頑張りなさーい!蜜埜に写真撮るように言っとくからね!楽しみにしてるからねっ!』
「いやいやいやいやいやい、だから、何の話し??!!!!
ちょ、おーーーい、
哀奈?
哀奈さーーーん??もしもーーーーーし??!!!!」
…………………………
おかしいな。
いつからあいつは、普通の会話出来なくなった?
キャッチボールしてくれない。
ガンガンぶん投げてくる。
「えーっと………」
哀奈と電話して分かったこと。
俺は、退学していない。
やっぱりあいつは何かを隠している。
分からないこと。
理事長の退学宣言とは?
学生証を作ったのは?
哀奈の無駄なテンションは?
写真撮るって、何撮る気?
あいつはいつから会話出来なくなった?
……あれ?分からないことが多いよ?
「………………
もういいや、寝る」
俺は、これ以上考えることを放棄した。
もーしらねっ!!!!
良いんだ良いんだ!
明日全部終わらせるから良いんだ!!
証拠とか、こっちに有利になるように人数も集めてるし。
小猿くんと理事長叩きつぶすからいーんだっ!
さぁーねーようっ!!!
(人はこれを、現実逃避と言う)
おやすみなさーい!
哀留Side end
哀奈Side
ピッ
ふぅ。
急な哀留からの電話には驚いたけども。
肝心な事は言わなかった。
私も、それを知ったのは偶然で。
「ある人」からの接触だった。
哀留には「同じ趣味の人」なんて言ったけども、あれはカモフラージュよ。
哀留は、明日驚くと思う。
でも、それは哀留にとって不利益にはならない。
そうなるなら、それを知った時点で私が潰してるからね!(当然よ!)
明日、決着がつく。
蜜埜も哀留も巻き込んだ、この一騒動がやっと終わる。
私は、遠くからしか手助けできないけども。
蜜埜と哀留が、笑っていてくれたらそれで良いのよ。
(まぁ、それとこれとは別で。蜜埜には違うミッションをお願いしなきゃ!
写真~)
哀奈Side end
哀留Side
おはようございます。
良い朝です。
でも、頭の上のもじゃりと分厚い眼鏡で視界ゼロです。
さてさて。
やってきました、この日が!!!
てなわけで、蓮に全校生徒・教員に向けて放送かけてもらいまーす!
もちろん、その中には生徒会とそれに纏わり付いている小猿くん。
理事長もね!
どやどやがやがやと、人が集まる講堂。
今回は、風紀委員主体で動くから蓮達はステージ上に。
何も知らない生徒会は、端に寄っている。
小猿くんは、ステージ上に居るのが風紀委員だとわかり、「蓮達だ!俺も行かなきゃ!!」と、騒いでおります。
メーデメーデ。
抑えろ、蜜埜!月ちゃん!!
奴が上がってくるのは邪魔なので、抑えていて欲しい。
できれば、全て終わるまで!!!
そして、これまた同じように今にもステージ上に上がって来ようとしている、理事長。
貴様も邪魔だぁぁぁ!!!
そこで大人しくしてやがれぇぇぇぇぇ!!!
と、勇気ある教員達が理事長を宥めていた。
もちろん、風紀側の教員達だ。
おけおけ。
良い配置だ。そして、ズラリとステージ上に上がり並ぶ、蓮・せっちゃん・カナたん・円・ひぃりん。
そのステージ下には、数人と、壁にもズラリと並ぶ風紀委員達。
これは、もしも暴動が起きた場合の制圧の配置だ。
この異様な配置に、これから起こることの重大さを感じ始めたのか、少しずつ講堂内が静かになり始めた。
風紀委員は、学園の規律を守り取り締まる。
これから起こるのは、その取締りだ。
さて、俺はドコに居るのかって?
ステージ横の幕に絡まりながら隠れてます。
まだ出番じゃ無いしね!
ここぞ!って時にバーンと格好良く登場予定だよ!楽しみにしててねっ!
松江達放送委員も協力者なので、音響・映像関係は任せてる。
さてさて、始めましょうか。
哀留Side end
No Side
静まりかえった講堂内。
その雰囲気はいつもと違く、どこか不気味さもあった。
ステージに、ズラリと並ぶ風紀委員達。
その中の1人。
蓮が中央へと歩み、マイクを手にして口を開いた。
「これより、この学園内の不正を取り締まる」
それは、ずっしりと重く響き。
これから明かされる真実への、始まりだった。
蓮は、今現在の学園内の現状を語った。
暴行・器物破損。規律が乱れ破られ、日々堕ちていく現実。
そして、それを一番取り締まるはずの風紀委員長として籍を置く唯の、職務怠慢・授業のサボり・率先しての器物破損。etc.。
これが告げられた時、唯が騒ぎ出した。
「そんな事していない!!俺は風紀委員長としてちゃんとしてる!!
誰だよそんな嘘言った奴!!」
それに伴い、副会長の雅と会計の宗史も、唯を援護するように同じく吠えた。
「唯は、ちゃんと職務を全うしている」
「唯ちゃんを陥れようとしている奴が居る」
今にもステージに飛び込みそうな3人を、風紀委員達で必死に止めるのを…
蜜埜と奈月と空・海の双子は、それらをただただ見ていた。
見苦しい
子供のように癇癪を起こし、騒ぐ3人と。
その他の生徒会の様子に、生徒達は様々な反応を向けた。
失望。失笑。 憐れみ。
これが、風紀委員長なのかと。
これが、憧れの生徒会なのかと。
そして、唯だけが糾弾されるものではなかった。
唯が生徒会に入り浸るのも、蓮に生徒達へと告げられる。
それに構う副会長、会計の職務怠慢。
経費での私利私欲の使用。これは、少しの横領もあった。
金持ちの筈の生徒会役員が行った横領。
なぜ、かと問われれば。
それは唯に貢ぐための資金。
そして、自分達のファンクラブへの、唯に近づく者達への制裁容認・命令も明らかにされた。
今度は、自分達への糾弾に2人は声を上げたが……
ここで、松江達の登場である。
「これがしょーこやで」
語尾にハートが付きそうになる言い方。でも、その目は笑っていなかった。
スクリーンに映されたのは、生徒会室での唯達の様子。
唯・雅・宗史だけが仕事もせずにソファに座りやり取りをしている様子。
それがずっと。
ファンクラブを焚き付けての、唯に害になる者達への制裁命令の様子。金での揉み消し。
音声もバッチリである。
映像・音声がある限り確実な証拠になり。
他にも、蓮達はファンクラブ・他の生徒達への聞き取りもしている。
自供もさせ、協力させて音声を録ったり。
横領に関しても、教員達からの協力を得た。
「そ、それなら会長達だって仕事は!!」
唯に構ってたのは、自分達だけでは無い!
と、そう声を高らかに上げれば、
「見くびるな。
俺達は、貴様らが遊んでいる間に仕事はしていた」
重い美声が響き、雅は身を竦ませた。
そんな、いつ……
震える唇で、やっとそう口に出すと、
彼方が声を出した。
「必要な書類は、副会長と会計の分もきちんと期限内に提出されてますよ」
まぁ、本来なら副会長と会計からのサインが必要な書類は、全て会長サインでごり押しでしたが。
少し呆れたような声色に、雅と宗史は驚きを隠せずにいた。
そして、思い出す……
そういえば、食堂に行くとき。放課後。他にも…
蜜埜達が、入れ替わりで居ないときがあった……
自分達は、唯にかかりっきりで気にしていなかった、と。
その間に、蜜埜・奈月・空・海は、入れ替わりで仕事をしていた。
持ち帰り仕事は勿論、朝早くに来て仕事もしていた。
雅や宗史が確認・サインが必要な書類も手分けしたり。
最後には、最高責任者の蜜埜がサインすれば、なんら問題はなかった。
だがしかし、である。
「たとえ、生徒会の仕事が回っていても。
副会長、会計の職務怠慢・横領は明らか。
それらを統率出来なかったのは、生徒会の。そして、会長の責任でもある」
蓮が、そういうのも当然だった。下を纏め上げ、統率、責任を持つのが長としての役目。
蜜埜は、それに声を上げず静かに続きを待つ。
「よって、ここに現生徒会の解散を要求・宣言する!」
誰とも共無く、息を飲む音がした。
「なっ!なんでそこまで?!!」
「は?!!なんの権限があんの??!」
雅と宗史は、自分の立場が崩れるのを恐怖した。
生徒会役員の解散など、当然の事ながら不名誉だ。
生徒会の解散は、あり得ること。
だが、それが実際に行われることは今まで無かった。
故に。これは、学園を卒業した後もずっと彼らに付きまとう。
この学園は、いわば金持ち・立場が高い者。優秀な者が多く在籍している。
哀留のように、一般で入る者も居るが、大抵は金持ち。
その中で、生徒会・風紀委の役職に付くのは名誉な事であり。卒業後もそれは充分なスペックになる。
それが、在籍中の解散。
いい笑いものである。
解散は、全校生徒の半数以上の署名が必要で。
宗史が蓮に「なんの権限が?!」と言っているが、何ら問題は無い。
「署名は集まっている。
お前達、3人と。他、憐れんだ数十人以外、全ての生徒達からな」
そう、署名は集まっている。
証拠集め、根回しのついでに生徒会解散の署名も集めていた。
勿論、渋った生徒も居る。だが、そこは説得。
更には、蜜埜の打診もあった。
膿を出す必要がある
生徒会長自らも、解散を求めている……これが決定的になり。
賛同してくれた生徒も多い。それは、会長のカリスマもあった。
勿論、1度役職を辞めたとしても、立候補・人気投票で上位を取ればまた役員に戻ることは出来る。
恐らく、蜜埜がもう一度会長として返り咲くのは確実だろう。
だが、それだけでは駄目なのだ。
今現状の怠慢・信頼されていない生徒会を解散して。
膿を出し。
もう一度、立ち上がる必要があった。
だからこその、解散。
それは、奈月も空と海も承諾。知らぬは、原因となった唯・雅・宗史だけだった。
確実に、確実にもう生徒会へとは戻れない。
例え、立候補したとしても。家の力を使ったとしても、金を使ったとしても……自分たちが役員になれないことは、雅も宗史も分かってしまった。
彼らに、生徒からの信頼などはもう無かった。
だからこその、絶望。
もしかしたら、家からも面汚しとされ追い出されるかもしれない。
ガラガラと、自分達の足元が崩れ落ちるのを感じて、2人は力なくその場に座り込んだ。
唯寄りの
No Side
生徒会の膿が1つ吐き出され、だがまだ完全では無い。
そんな時、
「なんでそんな意地悪言うんだよ!!!!!」
きぃーーーーん、と。
つんざくような声が、講堂に響き渡る。
唯は、友達が虐められたのが許せなかった。
そして、自分をチヤホヤと甘やかし、貢いでいた金づるの立場が無くなるのを、焦った。
自分の損害だと。
唯は、自分の容姿を分かっていた。
少し媚を売れば、甘やかされ。なんでも買ってくれる。なんでも、許される。
それは、男に対してが多かった。
自分の叔父が居る、金持ちが集まる男子校。
それは、唯にとっての楽園だった。
早々に、最高権力を持つ生徒会を陥落させた。
唯は面食いだ。
権力もあって、美形なんて、なんて素晴らしい!
ちょろい。
唯は笑った。
でも、その中の1番。
1番輝いた会長だけは、自分に靡かなかった。
だから、押した。
階段の上から。
蜜埜が居なくなって、上機嫌だった。
美形揃いにチヤホヤされて、今度は同じく美形が揃っている風紀に近づいた。
でも、中々上手くいかない。堅物ばかりだ。
でも、時間はたっぷりある。
自分を煩わせる奴は居なくなったんだから。
でも、計画が狂いだした。
どこにでも居る平凡の男。
そいつが、今度は邪魔になった。
生徒会は、もう自分のモノ。今度は、風紀が欲しい。
だから、唯は委員長の立場を欲した。
今度は、ステージの上から殴って落とした。
これで、また邪魔者は居なくなった。
蜜埜の時とは違い、目撃者が多かったけど、そこは叔父さんが何とかしてくれる。
なんて言ったって、理事長なんだから!
そして、欲しかった風紀委員長の立場!
これで、全部自分の物!
そして、戻ってきた蜜埜も、何故が唯に甘くなった。驚いたけども、気分は勿論最高に良い!
いつの間にか、奈月も東も。
皆、みーーんな自分に甘くなった。
最高の気分だった。
それが、なんだこれは。
「なんで、なんでそんな意地悪するんだ?!俺も、雅も宗史もなにも悪くないだろ!!
あ、分かった!!
哀留のせいだろ!!哀留が、何か蓮達に言ってきたんだろ?!
大丈夫!俺がまた退治してやるから!!」
そうに違いない!
蓮達が、自分を虐めるはずが無い。
だって、自分は愛される存在だから。
それが、当然だから。
唯の、支離滅裂。
頭がイッテル発言・思考力。
それは、いくら此方が正論を言ってもなんのその。
正論を、お空の彼方に吹っ飛ばす。
自分が正しい。
蓮が、ついには眉間に皺を寄せ頭を抱えた。
唯は、自分の非を認めない。責任転換する。
分かっていたことだか、分かりたくは無かった。
哀留が、小猿と言っているが……これは、猿の方が物わかりが良いレベル。
その騒ぐ小猿の後ろで佇んでいる蜜埜に視線を向けると、両肩をくいっと上げられた。
俺は知らん
の意思表示だ。
会長は、唯の相手を蓮にぶん投げたのだ。
そして、唯が騒げば黙っていない者も居た。
理事長だ。
生徒会の解散の部分は黙っていた。
が、自分の可愛い甥に関しては別だ。
このままでは、唯の立場が危うくなってしまう。
理事長は、ずかずかと。教員達の制止を振り解き、ステージに近づく。
が、そこは風紀が取り囲んだ。
流石に、生徒を強引に振り解くのは一瞬躊躇い、その場に立ち止まる。
が、そこで声を張り上げた。
「貴様らなんの権限があって、全てを取り仕切っている?!
唯の立場もそのままだ!
すぐに、この茶番は止めろ!貴様らには、学園を混乱させた罰として退学にするぞ!!」
えぇーーー…………
面倒くさいの来ちゃったよ……
4人の心の声である。
蓮はちらりとステージ横の幕に視線を向ける。
そこには、幕に絡まる黒モジャ。
形の良い顎をクイッと動かせば、その黒モジャがビクッと跳ねた。
学園現状の惨状を公開。
副会長・会計の糾弾。
生徒会の解散宣言。
蓮の仕事は、ここまでだ。
これから先、理事長と唯の相手は哀留である。
スッと、蓮が動いた。
それを、目で追う全校生徒達の目線の先には、
うごうごと動く暗幕。
その暗幕の固まった部分を、ひっ叩く風紀副委員長の姿。
そして、なんだかそれを剥がし出す。
と、
そこから現れた人物に、講堂内に居た全員が戦慄した。
(黒モジャ瓶底眼鏡の変質者???!!!!)
と。
No Side end
next→
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