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55話

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よぉぉぉぉぉっし!!
ひゃっほーーーーい!!



現状を把握しようぜ!!



その前に、なんでテンション高いんだって??
だって、なんか前回暗かったじゃん?
俺の持ち味のコメディ力が薄かったじゃんー…?←





さてさて!!!(テンション高)




問題:俺は今どこに居るでしょーーか!?



ピンポーン!



答:円の膝の上です!




正解ーーーー!!!!




…………………… 










正解!!!
…じゃねぇよっっっっっ!!!!!





「なんで俺はここに居る……?」



「俺が、哀ちゃん専用の椅子だからぁ」



「……………………………………………………………………
そうか、俺専用の椅子、か」




「うん!!!(満面の笑み)」




「…………(遠い目)」




「ちょっちょっ…!!!!岸沼ばっかりずるいッス!!!委員長、俺も委員長専用の椅子っすよ!」



さぁ、どうぞ!!
と、隣に来てぽんぽんと自分の膝を叩くひぃりん。



いやいや、色んな所に突っ込みたいけども…
まずは体格を考えようぜ。
いくら貧弱な俺でも、ちょっと小さいひぃりんの上にでも乗ったら潰してまう…



キラキラキラキラと、瞳を輝かせているひぃりんの頭をぽむぽむと叩いておく。
気持ちだけ貰っとくよ。
小型ワンコ。



てか、



「そもそもはお前がおかしい」


「んーーー???」


こてんと可愛らしく小首かしげても、萌えねぇーからなっ!!!!



瓶底眼鏡&モジャ毛=俺。
って判明した後、俺はちやほやされた!!!!(ドヤァ)




……………



あ、調子乗りました、すいません(土下座)





あのですね。
あの時、俺を見た瞬間「哀留」だとすぐ気付いた円が、それから抱きつき巻き付き離れず。


それを背中に貼り付け(おんぶお化けかよ!)、皆を見ればやっっっっっっと俺だと気づいたひぃりんが突撃してきて、大泣きし。

その衝撃で背中が痛みせっちゃんに呪いの言葉を吐いていたら、頭の上で円とせっちゃんの睨み合いが始まり。


遠くを見たら、カナたんと蓮がこっちを見ていて。
カナたんがなんか涙を拭っているなー……と思ったら、なんか「生きてて良かったです…」とか、縁起でも無いつぶやきが聞こえて。


蓮から憐れんだ視線をもらった…………





なんだこのカオス!!!!








とりあえず落ち着こうぜー………と、ソファに皆を促したら……


冒頭に戻る、円椅子ー………に繋がるわけで。



なんでやねん。



「てか、マジどうしたの。円さん、こんなに甘えたちゃんだったっけ??」


と、円の太股の上に座らされてるので、背中越しに首だけ後ろを向けば、左首にぐりぐりと頭を擦りつけられた。
おぅふ、おぅふ。
こそばゆい……!!!


止めろ!!!岸沼!!羨ましい!!!!


うん…隣から円をひっぱり叫ぶひぃりんの言葉は、幻聴だと思おう。



すると、


「だってぇー…もう、離れたくないんだもん…」


ポツリとつぶやかれる言葉。
話に聞けば、円は俺が居なくなってから全てがどうでも良くなったらしく、昼は寮部屋に引きこもり、夜な夜な街へと繰り出してやんちゃしていたらしいー……
 

どうでも良くなった、って。 
やんちゃ、って。
街へはどうやって行ってたんだ?!とか。
色々疑問はあるけどもー…、

んで、俺がメールした時は丁度部屋に引き籠もっていたらしく、慌ててこっち(校舎)に来たらしかった。


(そっか、校舎に居なかったからカナたん達よりは来るのが遅かったんだな…)



俺、マジ、円にとってご主人様じゃね?!


お前、本っ当俺のこと好きだな!

…なーんて、冗談で言ってみれば



「うん!」「はい!!」



だなーんて………なんか、ユニゾンで聞こえたけども。(ひぃりんです) 


それじゃあ、そんなご主人様の手伝いをしてもらおうかね!!



もう面倒くせーや!と、円に座ったまま(隣にひぃりんを従えて)、他の3人を見る。



……………



うん。

聞かないからな!!!


お前らの何かを激しく言いたげな視線を受けても、そんなの聞かないからな!! 

放置プレイじゃぼけぇぇ!!!←




そんな視線を無視して、俺が病院で哀奈と話した事。
蜜埜の事ー…これからなすべき事、蓮に話した事を伝えた。



聞いた、カナたん・せっちゃん・ひぃりん・円。
それぞれの反応だった。


(因みに、さっきの変装の事も話したら(哀奈作だと)、全員にドン引きされた。俺もあれを渡されて着けろと言われた時と、同じ顔してた…)




そして。
円とひぃりんは、俺についてきてくれると言ったがー……


カナたんとせっちゃんは少し違った。



「…委員長の話の通りに上手くいけば、学園に変革をもたらせ、学園の膿も出せます。
ですがー…」


「上手くいかなかったら、だろ?
生徒が俺らに付くか?
猿の影響があれども、生徒会の奴らのファンクラブ連中も、中々面倒くせぇぞ」



それも、今蜜埜(月ちゃんも監視してるよ!)が足止めしてくれている間に、事を進めたい。
……つまり、あまり時間はかけれないって事。



下手すりゃ学園側を敵にまわして、今後の人生を潰すかもしれないー……







それでも。






「今が低底なんだから、これ以上悪くなることは無い。


それに、これには皆の協力が必要なんだー…




だから、頼む……!!」




皆の。
自分自身のために。

ぶっ潰そうー…!















………わかってる。


カナたんも、せっちゃんも、俺の意見に反対しているわけでは無い。

ただ、把握と確認をしたいんだろう。




本当に、出来るのかー………


と。





…………

もしかしたら、失敗するかもしれない。


蜜埜辺りが我慢の限界を迎えて、哀奈が乗り込んでくるかも……しれない←



……………………うん、これは考えないようにしよう。






でも、


ここはもう、こう言うしか無い。









「俺を信じてくれ」










確証も、正解も、絶対も無い。

でも、俺を信じてついてきてくれー……



俺は、じっと皆を見回す。
俺には、これしか無いんだ。
この、言葉しか。
















そして、息を飲む音が聞こえる程の静寂ー……





それをまず破ったのが、























「キモイ。うぜぇ。
お前は何様だ」
















……と言う、めった斬りの言葉だった。






























……………こんな事を言うのは、奴しかいねーーーよな!!!!!!



「何だよ何だよ!!!蓮のドアホウKYクラッシャー!!!!人の気持ちを知りなさいって、小学校の頃に習っただろ??!!」


この野郎、俺の格好いい場面をめたくそに足蹴にしやがった…!!
俺はもう、(●`ε´●)プンプンだよ!!!!



と、先ほどの緊張とシリアスの雰囲気をぶち消して、円の胸元に思いっきり背中を押し付ける。
筋肉質の背もたれだな!!隠れマッチョか??!!!あぁ゙ん?!!←ヤケクソ




と、いじけて見せれば、








「真面目くさってるお前がキモイんだよ、馬鹿が」



「……水沢の言うとおりだ。何、熱く語ってんだよチビ。ガラでもねぇー…」



「そうですよ。
貴方は頭が弱いんですから、そろそろショートするんでは?」







…………………








え、何こいつら(真顔)






蓮に続いて、せっちゃんも、カナたんも参戦してきたんだけど?



ディスってきたんだけどもぉぉぉぉぉ???!!!




「そーっすよ!委員長は、何も考えずぼーっとしててください!!」



「頑張る哀ちゃんは、哀ちゃんじゃ無いよぉ」











ヲイヲイヲイヲイヲーーーーイ!!!!!



忠犬達も俺をディスリ始めたよ?
え、何これ。
泣いて良い?
泣くよ???
ギャン泣きするよ?(真顔)




俺の心はガラスのハートなので(←強化ガラスだと思います)、バリバリと割られていくー…!
どうしよう、これはもう、現実逃避するべきー…?と。
逃避のために片足を突っ込んでいるとー…











クスリ、と。


笑む音。


















「お前は、変わらずに居れば良いんだ。




ごちゃごちゃと、難しいことを考えず。
画策せず。
そんなもんは、こっちに回せ。


お前は、心のままに。






そんなお前だから、俺達はついていくんだからー……」








と。





「チビは非力だからなぁ。
仕方ねぇから、守ってやる」



「考えるのは、こちらが引き受けます。
貴方は、貴方がなすべき事をしてください」



「俺、各学年に結構友達も知り合いも多いんで、皆に協力を求めるっす!」



「俺はぁ、哀ちゃんが傷つかないように手足になるよぉ」








「………………」






言葉が出ないってー……

こういうことだと思う。




蓮、せっちゃん、カナたん、ひぃりん、円。




皆が俺を見てる。




皆の言葉がー…………




心に広がる。









っ、








「なー…………


何だよ!!!
本っ当に、お前らは俺の事が好きなんだなーー!!
やめろやめろ、照れる!
こんな平凡崇めても、何も出ないぞ??!」



なんだよ、なんだよ!
皆やる気じゃんか!!

上等!!

流石、俺の仲間達だ!!




言葉に出さなくても、皆の気持ちが伝わってくる。





『信じてる』





にやにや。

嬉しさに、にやける口元を隠して俺も言ってやる。







「………てか。
ここまで話を聞いといて、今更抜けるとかー……
許さないからな!!





逃がさねーよ…!」





と、自信満々で言う俺は、絶対変な顔で笑っているんだ。



やってやろうぜ!!
皆で!!






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