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50話
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蓮のその言葉は、予期せぬもので…………
その場に居る、哀奈と蜜埜も驚きを隠せずに居た。
えっと、どっから突っ込むべきかー………
殴られた俺が、なんで退学処分??
俺が勝ったのに、なんで小猿くんが風紀委員長に??
それらを含めて、
「なんで………?」
と、そう声をもらす。
急な展開に頭が付いていかない。
声は震えていないだろうか?
手は……よしよし、ギュッと握りしめていれば大丈夫。
聞く準備をしてまっすぐに蓮を見れば、眉間にしわを寄せて今にも盛大な舌打ちをしそうな表情をしていた。
そんな蓮が重い口を開く。
話は、こうだった。
俺が小猿くんに殴られ、救急車で病院に運ばれている間。
救急車の登場に、学園側としてはさすがに黙認するわけにはいかなくなり…
てか、鬼ごっこで部外者が学園内に入ったのも問題だろうよ…!
(↑どうやらこれはガチで、皆川先輩が学園側に黙認させたらしい。
皆川先輩……何者…?)
そして、その場に理事長が出ばって来たらしい。
その理事長の登場に喜々としたのが…………
甥である小猿くん。
ここも王道ですね!!
小猿くんは、理事長の甥らしいですよ!!
そして、更に王道で理事長は小猿くんを溺愛しているらしいですよ!!
そして、小猿くんが理事長にわめき散らしたらしい。
「哀留に虐められた」
と。
……………………
よしよし、オケオケ。
突っ込みたい気持は盛大にあるけども、おそらく今後も突っ込み所は沢山出てくるだろう。
いちいち突っ込んでたら話が進まない…
オケ。
ここは我慢して、話を進めようか。
俺大人!!!
コホン。
んで、自分こそが風紀委員長にふさわしいのに、俺がそれを騙してて阻止してて。
勝負をしたのに、俺が卑怯な手を使って勝ったから注意しただけなのに、わざと大袈裟にステージから落ちてしまったー………と。
救急車まで呼んで大袈裟なんだ!……ーと。
傷つけられたのは自分の心なんだー……と。
「ふっっっっっっっっっっざけんなクソ猿がぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!!!」
怒りのあまり、シャウトしたよ!
「俺大人!!」
↑は?なにその言葉、俺が言ったの??
俺子供!!!←
なんだよそれ!!
自分の都合の良いような嘘、よくもまぁそんな事を言えるもんだ!!!
てやんでぃバーロー!!!!
そもそも、
騙してねぇし!
(普通の風紀委員と言ってたけども)←
阻止してねぇし!!
(小猿くんを風紀委員長にさせないために、勝負したけども)←←
卑怯な手を使ってねぇし !!!
(鬼ごっこの時に、ルールの抜け道に気づいて墨をぶちまけたけども)←←←
ん?
小猿くんが言った事がほぼあってるって???
いや、気のせいだって。
小猿くんが誇張してるだけだって。
モウマンタイ。
だって、ただの注意でステージからぶっ飛ばされねーよ!! わざと大袈裟に落ちたとか、俺はドMかっっっ!!!
断言しよう。
お前の心は傷ついてない!!
傷つけられたのは、その自己中なお高い自信(プライド)だろうよクソ小猿がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
あまりの怒りと突っ込みで、ベッドの上でゼーゼーと呼吸をしていると、その背中を月ちゃんが擦ってくれた。
ありがとう!月ちゃん!
今その優しさがめちゃ心に染みる…!!
スポンジのように、染み込む…!!!
そんな使いもんにならない(笑)俺のかわりに、その間に哀奈が蓮に問いかけた。
「…で?その小猿?がほざいてる妄想の話を聞いて、その王道理事長はどうしたの?…いえ、わかってるわ。王道なんでしょう?…本当腹ただしい方の王道の方に進んでるけども…これも哀留のなせる技かしら。だからアンチって嫌いなのよね。そもそも、蜜埜にした仕打ちだけでも○○して○○してやるくらいに腹たってるのに。潰すように言った哀留が逆にやられてどうすんのよ…!どうせ面倒くさい・平穏に過ごしたいとかって、ぐうたらしてたんでしょ?!なんのために小さい時から格闘技を習わせてたと思ってんの?!王道萌え展開を私に見せるためでしょう??!てか、弱ってる今こそがチャンスでしょ!そうよ、今ここには月ちゃんも水沢君もどうせなら蜜埜もいるんだから、いちゃついて見せなさいよ!イケメンより取り見取りじゃないの…!!普段は普通平凡顔だけども、怪我してる今弱ってすり寄ればそれだけで普段とのギャップになるわ…!そうと決まれば、私はどこにスタンバイしてれば良いかしら?遠慮する事無いわよ。あぁでも、ムービー撮っても?」
一気に捲し立てるように喋り、更にはスマホを片手にキリっと顔した哀奈に、
「…………………」
蓮の顔が死んだ。
最初は小猿くんへの罵倒をしていたのに、俺への不満。いつの間にか、BのL展開を見せないことに憤慨し、今それをみせろと強要する。
流石俺の双子だぜー……
揺るぎねぇ……!!!
哀奈のノンストップの欲望ダダ漏れ発言に、俺と蜜埜と月ちゃんは慣れているものの、このような生物を初めて見たのだろう……蓮の表情は酷い物だった。
頼むから、無言で後ずさりしないでくれぇぇぇ!!!!
「…で?理事長はなんて?」
俺に続いて、使い物にならなくなった哀奈(笑)
その代わりに、蜜埜が冷静に話を促した。
ここに月ちゃんと蓮が居るから、孤高の会長様バージョンなんですよ、蜜埜さん。
流石です蜜埜さん。
これで話が進みます!
それに一息ついて話を戻す蓮に、心の中で土下座した。
うちの妹が申し訳ありませんでした……!!!
「…理事長は、その小猿の話を鵜呑みにして、不正をする奴を風紀委員長にするわけにはいかないと……と、小猿を風紀委員長に。
そして、騒ぎを起こし・溺愛している甥を虐めた張本人………桐生哀留の退学処分をその場で宣言した。」
「え!!!!???
その場で宣言しちゃったの……??!!」
これまたビックリだ!!!
ビックリして声あげちゃったよ!
その場で?!
周りに聞いて裏とったり、釈明の話を聞いたり、本人に話し聞いたり……とかせずに、甥っ子の嘘話を鵜呑みにして、その場で即決??!!
……どうしよう、さすがの俺でも言葉にならない。
スッと、おもわず片割れを見た。
哀奈もこっちを見ていたようで、視線が絡まる。
「……哀奈」
「……………何よ」
「お前が画いていた王道展開というものは、これも予想済みか?こんな頭パーンしてる奴も居るのが普通なのか?パーンしすぎだろ。
……そのまま飛び散れば良いのに………」
「…まぁ、無きにしもあらず、かしら。
でも、」
私は、こんな展開絶対嫌よ。
きっぱりと言った哀奈に、おもわすキョトリとしてしまった。
愛しい愛しい俺の半身。
自分の欲望のままに、俺の行く道を誘導してきて。
あげくに男子高校にまで転入させて、「萌え」を強要してくる奴だけども。
男とくっつけ!!BL展開を見せろ!と、言ってくるけども、本気で俺が嫌がればたまに(?)自重してくれる。
本気で困れば笑いながらも(?)助けてくれる。
俺が、
「……哀奈」
「……何」
「……助けて、くれるか?」
本気を出すとき、
「もちろんよ、お兄ちゃん」
必ずお前は手を掴んでくれるんだ。
笑いながら、がっちりと握手を交わす俺達双子に、3人の息を飲む音が聞こえた。
よし!と、少し呆然としてこちらを見ている蓮に視線を向ける。
そして、心配そうにしている月ちゃんに。
こちらを伺うようにしている蜜埜に。
ニッと、不適に笑む。
「俺を誰だと思ってるんだ?平穏を愛する、世界の平凡代表だぞ?
平穏を取り戻すためなら、現状をぶち壊す事も厭わない」
平凡をなめんなよ!!
哀留Side end
哀奈Side
あぁー………
流石は哀留だわ。
本人は常に、容姿も平凡・性格も平凡……だなんて言っているけども、少なくともこの場に居る人達はそうは思わないわ。
彼の不適な笑みに、目が惹きつけられる。
彼のその言葉に、力が湧き上がる。
そう思うのは私だけじゃなく、月ちゃんも水沢君も蜜埜もそう。
ここでこうなら、きっと学園にも哀留の魅力に気付いている人達が居るわねー……
哀留には、男とくっつけってせっついてるけども。
でも、本当に本気で哀留が愛して愛される時が来たら……
ただでは許さないわ。
あら、女は建前と本心は違うものなのよ?
そんな人と出逢えれば喜ばしい事だけども、哀留を本気で大切にしてくれる人じゃないと、私は認めない。
しつこいくらいに試練を与えて、私の合格点を得ないと哀留は任せられないわ。
だって、そういう障害がある方が燃えるでしょう?
愛しい愛しい私の半身。
貴方が望むのならば、私は何度でも貴方の手を掴むのよ。
ありとあらゆる私の力を貸してあげる。
だから、哀留。
盛大に暴れなさい。
哀奈Side end
next→
その場に居る、哀奈と蜜埜も驚きを隠せずに居た。
えっと、どっから突っ込むべきかー………
殴られた俺が、なんで退学処分??
俺が勝ったのに、なんで小猿くんが風紀委員長に??
それらを含めて、
「なんで………?」
と、そう声をもらす。
急な展開に頭が付いていかない。
声は震えていないだろうか?
手は……よしよし、ギュッと握りしめていれば大丈夫。
聞く準備をしてまっすぐに蓮を見れば、眉間にしわを寄せて今にも盛大な舌打ちをしそうな表情をしていた。
そんな蓮が重い口を開く。
話は、こうだった。
俺が小猿くんに殴られ、救急車で病院に運ばれている間。
救急車の登場に、学園側としてはさすがに黙認するわけにはいかなくなり…
てか、鬼ごっこで部外者が学園内に入ったのも問題だろうよ…!
(↑どうやらこれはガチで、皆川先輩が学園側に黙認させたらしい。
皆川先輩……何者…?)
そして、その場に理事長が出ばって来たらしい。
その理事長の登場に喜々としたのが…………
甥である小猿くん。
ここも王道ですね!!
小猿くんは、理事長の甥らしいですよ!!
そして、更に王道で理事長は小猿くんを溺愛しているらしいですよ!!
そして、小猿くんが理事長にわめき散らしたらしい。
「哀留に虐められた」
と。
……………………
よしよし、オケオケ。
突っ込みたい気持は盛大にあるけども、おそらく今後も突っ込み所は沢山出てくるだろう。
いちいち突っ込んでたら話が進まない…
オケ。
ここは我慢して、話を進めようか。
俺大人!!!
コホン。
んで、自分こそが風紀委員長にふさわしいのに、俺がそれを騙してて阻止してて。
勝負をしたのに、俺が卑怯な手を使って勝ったから注意しただけなのに、わざと大袈裟にステージから落ちてしまったー………と。
救急車まで呼んで大袈裟なんだ!……ーと。
傷つけられたのは自分の心なんだー……と。
「ふっっっっっっっっっっざけんなクソ猿がぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!!!」
怒りのあまり、シャウトしたよ!
「俺大人!!」
↑は?なにその言葉、俺が言ったの??
俺子供!!!←
なんだよそれ!!
自分の都合の良いような嘘、よくもまぁそんな事を言えるもんだ!!!
てやんでぃバーロー!!!!
そもそも、
騙してねぇし!
(普通の風紀委員と言ってたけども)←
阻止してねぇし!!
(小猿くんを風紀委員長にさせないために、勝負したけども)←←
卑怯な手を使ってねぇし !!!
(鬼ごっこの時に、ルールの抜け道に気づいて墨をぶちまけたけども)←←←
ん?
小猿くんが言った事がほぼあってるって???
いや、気のせいだって。
小猿くんが誇張してるだけだって。
モウマンタイ。
だって、ただの注意でステージからぶっ飛ばされねーよ!! わざと大袈裟に落ちたとか、俺はドMかっっっ!!!
断言しよう。
お前の心は傷ついてない!!
傷つけられたのは、その自己中なお高い自信(プライド)だろうよクソ小猿がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
あまりの怒りと突っ込みで、ベッドの上でゼーゼーと呼吸をしていると、その背中を月ちゃんが擦ってくれた。
ありがとう!月ちゃん!
今その優しさがめちゃ心に染みる…!!
スポンジのように、染み込む…!!!
そんな使いもんにならない(笑)俺のかわりに、その間に哀奈が蓮に問いかけた。
「…で?その小猿?がほざいてる妄想の話を聞いて、その王道理事長はどうしたの?…いえ、わかってるわ。王道なんでしょう?…本当腹ただしい方の王道の方に進んでるけども…これも哀留のなせる技かしら。だからアンチって嫌いなのよね。そもそも、蜜埜にした仕打ちだけでも○○して○○してやるくらいに腹たってるのに。潰すように言った哀留が逆にやられてどうすんのよ…!どうせ面倒くさい・平穏に過ごしたいとかって、ぐうたらしてたんでしょ?!なんのために小さい時から格闘技を習わせてたと思ってんの?!王道萌え展開を私に見せるためでしょう??!てか、弱ってる今こそがチャンスでしょ!そうよ、今ここには月ちゃんも水沢君もどうせなら蜜埜もいるんだから、いちゃついて見せなさいよ!イケメンより取り見取りじゃないの…!!普段は普通平凡顔だけども、怪我してる今弱ってすり寄ればそれだけで普段とのギャップになるわ…!そうと決まれば、私はどこにスタンバイしてれば良いかしら?遠慮する事無いわよ。あぁでも、ムービー撮っても?」
一気に捲し立てるように喋り、更にはスマホを片手にキリっと顔した哀奈に、
「…………………」
蓮の顔が死んだ。
最初は小猿くんへの罵倒をしていたのに、俺への不満。いつの間にか、BのL展開を見せないことに憤慨し、今それをみせろと強要する。
流石俺の双子だぜー……
揺るぎねぇ……!!!
哀奈のノンストップの欲望ダダ漏れ発言に、俺と蜜埜と月ちゃんは慣れているものの、このような生物を初めて見たのだろう……蓮の表情は酷い物だった。
頼むから、無言で後ずさりしないでくれぇぇぇ!!!!
「…で?理事長はなんて?」
俺に続いて、使い物にならなくなった哀奈(笑)
その代わりに、蜜埜が冷静に話を促した。
ここに月ちゃんと蓮が居るから、孤高の会長様バージョンなんですよ、蜜埜さん。
流石です蜜埜さん。
これで話が進みます!
それに一息ついて話を戻す蓮に、心の中で土下座した。
うちの妹が申し訳ありませんでした……!!!
「…理事長は、その小猿の話を鵜呑みにして、不正をする奴を風紀委員長にするわけにはいかないと……と、小猿を風紀委員長に。
そして、騒ぎを起こし・溺愛している甥を虐めた張本人………桐生哀留の退学処分をその場で宣言した。」
「え!!!!???
その場で宣言しちゃったの……??!!」
これまたビックリだ!!!
ビックリして声あげちゃったよ!
その場で?!
周りに聞いて裏とったり、釈明の話を聞いたり、本人に話し聞いたり……とかせずに、甥っ子の嘘話を鵜呑みにして、その場で即決??!!
……どうしよう、さすがの俺でも言葉にならない。
スッと、おもわず片割れを見た。
哀奈もこっちを見ていたようで、視線が絡まる。
「……哀奈」
「……………何よ」
「お前が画いていた王道展開というものは、これも予想済みか?こんな頭パーンしてる奴も居るのが普通なのか?パーンしすぎだろ。
……そのまま飛び散れば良いのに………」
「…まぁ、無きにしもあらず、かしら。
でも、」
私は、こんな展開絶対嫌よ。
きっぱりと言った哀奈に、おもわすキョトリとしてしまった。
愛しい愛しい俺の半身。
自分の欲望のままに、俺の行く道を誘導してきて。
あげくに男子高校にまで転入させて、「萌え」を強要してくる奴だけども。
男とくっつけ!!BL展開を見せろ!と、言ってくるけども、本気で俺が嫌がればたまに(?)自重してくれる。
本気で困れば笑いながらも(?)助けてくれる。
俺が、
「……哀奈」
「……何」
「……助けて、くれるか?」
本気を出すとき、
「もちろんよ、お兄ちゃん」
必ずお前は手を掴んでくれるんだ。
笑いながら、がっちりと握手を交わす俺達双子に、3人の息を飲む音が聞こえた。
よし!と、少し呆然としてこちらを見ている蓮に視線を向ける。
そして、心配そうにしている月ちゃんに。
こちらを伺うようにしている蜜埜に。
ニッと、不適に笑む。
「俺を誰だと思ってるんだ?平穏を愛する、世界の平凡代表だぞ?
平穏を取り戻すためなら、現状をぶち壊す事も厭わない」
平凡をなめんなよ!!
哀留Side end
哀奈Side
あぁー………
流石は哀留だわ。
本人は常に、容姿も平凡・性格も平凡……だなんて言っているけども、少なくともこの場に居る人達はそうは思わないわ。
彼の不適な笑みに、目が惹きつけられる。
彼のその言葉に、力が湧き上がる。
そう思うのは私だけじゃなく、月ちゃんも水沢君も蜜埜もそう。
ここでこうなら、きっと学園にも哀留の魅力に気付いている人達が居るわねー……
哀留には、男とくっつけってせっついてるけども。
でも、本当に本気で哀留が愛して愛される時が来たら……
ただでは許さないわ。
あら、女は建前と本心は違うものなのよ?
そんな人と出逢えれば喜ばしい事だけども、哀留を本気で大切にしてくれる人じゃないと、私は認めない。
しつこいくらいに試練を与えて、私の合格点を得ないと哀留は任せられないわ。
だって、そういう障害がある方が燃えるでしょう?
愛しい愛しい私の半身。
貴方が望むのならば、私は何度でも貴方の手を掴むのよ。
ありとあらゆる私の力を貸してあげる。
だから、哀留。
盛大に暴れなさい。
哀奈Side end
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