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45話

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カオスとはまさにこの事………

風紀委員。
生徒会役員。
小猿くん。
皆川先輩。
逃走者達。



本日の役者達がその場に揃った。


揃ってしまったー………



















メンドクセェ(ボソリ



三つ巴ならぬ、何巴??
何なの?
皆何かのセンサーとか付いてんの?
人口密度一気に増えたんだけど?

しかも、残り時間後5分?
なに?
馬鹿なの?
死ぬの?


小猿くんとかさぁ、何か妙にやる気なんだけど?
生徒会の奴らが近寄ってきゃいきゃいやってんだけど、「よーし!やるぞー!」とかって叫んでるんだけど?
こっち見ながら←





やめろ……!!!


フラグ立てんなっ…!!!



だがしかし。
そんな小猿くん達と、傍観してたはずの皆川先輩に果敢にも挑んでいく逃走者達。


ファイトー!!!
やったれ!!




ゴッ

「あてっ」

「何応援してんだ」


逃走者達を応援していたら、いつの間にか背後に来ていた蓮にど突かれた。
周りをよく見れば、カナたんとせっちゃんも。


「おーおー、なんか久しぶー…………………













いや、待て。
俺は、お前らに裏切られたことを忘れてねぇかんな…!!!!!」


そうだよ、そうだよ!
そういや俺、コイツらに裏切られたじゃんか!!!


やっべー、すっかり忘れてた←


忘れてねぇかんなと、言いながらも、すっかり忘れていた俺の脳。
なんて単純すぎるんだっっ!!!



「『忘れてねぇかんな』ー…って言っておきながら、『やっべ忘れてた』って顔してるんですけど、馬鹿ですか」


「そんなん今更だろ」



やめて。
さらっと、俺の心を読まないでカナたん。
それに同意しないで、せっちゃん。


じっと2人を見ていると、蓮にぐりんと頭を回された。
いでででで


「んで、哀留。作戦は上手くいったのか?」


顔を近づけられて、目を合わせながら言われる。
近いよねー………


「……………………」


「…………」


「……………………;;」


「………………イラッ」


「………………………………………
(๑>؂<๑)テヘペロ」


ゴツン!!!

「いったぁぁぁぁあ!!!」


はいー。
おもいっっきりぶん殴られました。
まじでさ、何なの?!
なんで俺ばっかりこんなに殴られんの?!


あ、因みに蓮とこんなことを悠長にしてますけど、俺らに近寄ってくる逃走者達は、せっちゃんとカナたんで、ちぎっては投げてちぎっては投げてをしてます。



「…ったく。どうせ何も出来ずに居るとは思ってたが…」

「だったら殴んなよ」

「偉そうにすんな」


むぅ、と頬を膨らます。
何だよ何だよ。
俺だって頑張ろうとしたんだよ。
その証拠に、こうして例の物を準備したんだし。
足下にある例の物ー……
バケツを見つめる。


俺だってさ、今回はいつもより頑張ろうとしたんだよ。
いや、頑張ったよ。
俺は、この対決のことを思い出した。
走って、逃げて。
逃げて、転んで。
作戦思いついたと思ったら、裏切られて。
…………………………



あれ?
俺何やってたんだ?


走って、逃げた記憶しか無いぞ??
そして、蓮とカナたんとせっちゃんからバイオレンスな扱いを受けた記憶しか無いぞ???


……………………




「蓮、俺さこれから頑張るよ」


キラッとした顔で言うと、あからさまに引かれた。




更にダメージ与えないでくれ(真顔




ようしっと、手始めに俺の考えたこの作戦を遂行し終えなければ。


足下に置いてたバケツをよいしょ、と両手で持ち上げる。
そして、目指すは例の場所。



小猿くん達の捕獲場所だ。



ついでに、カナたんとせっちゃんがさり気に、逃走者達をぶっ倒して纏めている場所。


やる気を見せた俺を、蓮が隣から見下ろす。

そんな蓮に視線だけを向ける。


「後何分?」

「…2分」


よっし。
やるときが来た!



ぎゅっとバケツの持ち手を握りしめ、


「俺の通り道確保、よろしく」


と、そう言えば蓮が笑ったのがわかった。



それと同時に走り出す蓮。

その後を、追いかける俺。



蓮は向かってくる奴らをぶん殴り蹴り倒し、道を確保する。
俺は、その背を立ち止まらずに追うだけ。

そんな俺らに気付いているのは、カナたんとせっちゃんだけ。
いやー……皆川先輩も、気付いていると思う。


俺がしようとしていることも、多分分かってんだろーなぁ。


思わず苦笑。
すると、


「哀留!」


「!」


バッと蓮の背中が逸れて、前が開けた。
俺は狙いを定めて、まずは右手に持っていたバケツの中身をそこにぶちまける。


バシャァァアン


勢いよく聞こえる音に、周りが動きを止めた。


が、ここで立ち止まっては意味が無い。


次に、左手に持っているバケツをー…


「委員長!」


カナたんの声を便りに視線を向けると、ドッと言う音と共にその場が開けた。
俺とカナたんとの間にいた男を、せっちゃんが長ーい足で蹴り倒したのだ。


「ナイス、せっちゃーん!」


せっちゃんが開けてくれた所を走りながら、カナたんの元へ。
途中、周りの逃走者達や小猿くんが、状況把握できずにこっちをポカーンとみてたけども、シカト。
そして、そこへも勢いよくバケツの中身をぶちまける。



カァン


中身をゼロにしたバケツを、その場に落とす。


その音と同時に、






『ピンポンパンポーーン』




『しゅうりょーーーう!そこまでーー!!!』



終了を知らせるチャイムの音と、緩い松江の声が、学園中に響き渡った。




それと同時に、動きを止める面々。
思うところは人それぞれにあるだろうがー…





「ふぃー…」

俺は手に付いた墨をちらっと見て、盛大な息を吐きその場に座り込んだ。



終わったぁぁー………
長かったぁぁぁあーーーーーーーー!!!!!!!




もう、お部屋戻って寝たいです。





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