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4.行政大学校イベント編
8.元凶悪犯罪者へ移送中に〇さないように厳命することのススメ
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「そのフォレストディンゴは俺が倒した。俺が調べる。それ以上その狼に近寄ったら、お前を敵とみなし殺す」
俺が倒したフォレストディンゴに近寄ろうとするハンターの一人、フーバを大声で制止させる。
「内官様がみてもわからない。フォレストディンゴの死体になにか証拠があるかもしれないから、プロのハンターである俺に検死は任せてもらおう」
フーバは俺や仲間の制止に振り切り、フォレストディンゴの死体に近づこうとする。
お前が使役していた証拠をフォレストディンゴの死体から回収するつもりなのはバレバレだ。
「俺は地方貴族出身で、隣国との従軍経験もある。内官出の中央政府エリート官吏とは違う。黙ってみていろ」
と再度フーバに脅しをかけつつ、左手で小太刀を構えフーバに向ける。
右手を後ろに回して、念のためエクスの亞空間から取り出して、こっそりポケットにいれておいた、魔法具を握りしめ、いざというときに起動できるよう準備をしておく。
小太刀と身体をフーバに向けたまま、少しずつ、カニ歩きでフォレストディンゴの死体にじりじりと近づいていく。
右足にフォレストディンゴの死体があたる距離まで来て、一瞬目線をフォレストディンゴの死体に向けた瞬間、フーバが俺に襲い掛かってきた。
フーバの上段からの剣の一撃を最小限の体さばきで避け、フーバのわき腹に左足でおもいっきりケリをいれる。フーバは態勢を崩して背中から倒れ、俺は握りしめていた魔法具を起動させる。
魔法具「待針」から、複数の針がフーバに刺さり、そのままフーバは動きを封じられ動けなくなった。
「無理に動かない方がいいぞ。お前をこの魔法具「待針」で拘束した。無理に動こうとしたら、身体中の神経が引きちぎれるぞ」
フーバが「待針」の拘束を振りほどけないことを確認した後、俺は、フォレストディンゴの死体を調べる。左目の視覚で悪意の色を腹の中に感じた。
首下に刺さっていたナイフを死体から抜き取り、そのナイフを使ってフォレストディンゴの腹をさばく。腹の毛を手で引っ張り上げ、ナイフで腹の皮膚を毛ごと平行に切り、腹膜に切れ目を入れる。
できた切れ目から、ナイフを腹の直角に浅くいれ、内臓を傷つけず腹膜のみ切り裂く。内臓が見えるように開腹し、肺から腸までの内臓全体を見渡す。左目で悪意の色彩を感じた心臓部分に「使役の魔石」が埋まっているのをみつける。
ナイフの先端で「使役の魔石」をほじくり出す要領で取り出した。
死体の開腹だったので、それほど血はでなかったが、それでもナイフはやっぱりフォレストディンゴの血だらけになってしまった。仕方がないので、拘束されているフーバの服で、ナイフと「使役の魔石」と俺の手についた血をよく拭きとった。
取り出した使役の魔石をよく見ると、表面はうまく加工してあり、一見フーバの魔素の気配は感じさせないよう小細工がされていた。
俺は、魔石を一番腕の立ちそうなハンターのリーダーに投げる。
リーダーは魔石をキャッチし、顔に近づけて魔石をまじまじと見る。
「フォレストディンゴに使役の魔石が埋まっていたのか。なんだこれは?隠匿の朱印が施されているのか。この魔素の気配は,,,,,,,,」
リーダーは、隠匿の朱印を爪でひっかき、朱印を解除する。他の2名のハンターもリーダーに近寄り、魔石をのぞき込む。
「これフーバの魔素だよ!」
この声を耳にしたシルフェさんもハンターのリーダーに駆け寄り、先ほどの違和感の正体である「使役の魔石」とフーバの魔素であることを確認し、「やはり」という顔をする。
使役魔法の一つのやり方として、自分の魔素を充てんした魔石を使役する魔獣や魔物の身体に埋め込みむことで、簡単な命令を与えることができる。なお、埋め込む際に、浸透魔法を使えば、皮膚の外から体内に魔石を埋め込むことができる。
『魔石を埋め込む方法で使役魔法を使うなぞ、魔法がわかっておらぬ未熟な者しか使わんわ』
と魔王様は、自分が使役魔法を使うときは魔石なんて使わないんだぞ、と自慢げにつぶやく。
「お前のミスだ!」
俺はハンターリーダーに低い声で怒りをぶつける。
俺が調べた限り、今回同行しているハンターたちの人選は、このハンターリーダーが行っていた。
ルートン家をはじめとする中央政府 魔技閥の有力者からの委託業務であったため、なるべく探索魔法の優秀なハンターを集めたかったことは分かるが、探索能力を優先したため、身元調査が甘かったと言わざるを得ない。
結果、フーバのような、妨害者が紛れ込んでしまった。
ハンターリーダーが自分の失態で言葉に窮し、「ウッ」とうなり声をあげると同時に、タイミングよく、「赤獅子会」のやつらも合流してきた。
「お待たせしました。ご依頼に従い、赤獅子会3名到着いたしました」
先刻、使い魔で呼び出した赤獅子会のメンバーの接近を感知したので、シルフェさん、ジェシカさん、魔技研幹部たちおよびハンターたちへ、独断で、保険としてパルスキーの魔獣対策組織へ依頼していたことの説明した。
フーバは、その後、魔法がつかえにないよう赤獅子会の連中に両手を折られ、魔素の「経絡」をふさがれ、目隠しをした状態で、赤獅子会3名に紐に繋がられ、拘束されて王都へ連行されていった。
あいつら、元凶悪犯罪者だから、フーバを移送中に殺さないように、と厳命しておいた。
それと、ジェシカさん、シルフェさんの手紙を携えさせたので、王都に付いた後は、ルートン家がうまく処理するだろう。
俺が倒したフォレストディンゴに近寄ろうとするハンターの一人、フーバを大声で制止させる。
「内官様がみてもわからない。フォレストディンゴの死体になにか証拠があるかもしれないから、プロのハンターである俺に検死は任せてもらおう」
フーバは俺や仲間の制止に振り切り、フォレストディンゴの死体に近づこうとする。
お前が使役していた証拠をフォレストディンゴの死体から回収するつもりなのはバレバレだ。
「俺は地方貴族出身で、隣国との従軍経験もある。内官出の中央政府エリート官吏とは違う。黙ってみていろ」
と再度フーバに脅しをかけつつ、左手で小太刀を構えフーバに向ける。
右手を後ろに回して、念のためエクスの亞空間から取り出して、こっそりポケットにいれておいた、魔法具を握りしめ、いざというときに起動できるよう準備をしておく。
小太刀と身体をフーバに向けたまま、少しずつ、カニ歩きでフォレストディンゴの死体にじりじりと近づいていく。
右足にフォレストディンゴの死体があたる距離まで来て、一瞬目線をフォレストディンゴの死体に向けた瞬間、フーバが俺に襲い掛かってきた。
フーバの上段からの剣の一撃を最小限の体さばきで避け、フーバのわき腹に左足でおもいっきりケリをいれる。フーバは態勢を崩して背中から倒れ、俺は握りしめていた魔法具を起動させる。
魔法具「待針」から、複数の針がフーバに刺さり、そのままフーバは動きを封じられ動けなくなった。
「無理に動かない方がいいぞ。お前をこの魔法具「待針」で拘束した。無理に動こうとしたら、身体中の神経が引きちぎれるぞ」
フーバが「待針」の拘束を振りほどけないことを確認した後、俺は、フォレストディンゴの死体を調べる。左目の視覚で悪意の色を腹の中に感じた。
首下に刺さっていたナイフを死体から抜き取り、そのナイフを使ってフォレストディンゴの腹をさばく。腹の毛を手で引っ張り上げ、ナイフで腹の皮膚を毛ごと平行に切り、腹膜に切れ目を入れる。
できた切れ目から、ナイフを腹の直角に浅くいれ、内臓を傷つけず腹膜のみ切り裂く。内臓が見えるように開腹し、肺から腸までの内臓全体を見渡す。左目で悪意の色彩を感じた心臓部分に「使役の魔石」が埋まっているのをみつける。
ナイフの先端で「使役の魔石」をほじくり出す要領で取り出した。
死体の開腹だったので、それほど血はでなかったが、それでもナイフはやっぱりフォレストディンゴの血だらけになってしまった。仕方がないので、拘束されているフーバの服で、ナイフと「使役の魔石」と俺の手についた血をよく拭きとった。
取り出した使役の魔石をよく見ると、表面はうまく加工してあり、一見フーバの魔素の気配は感じさせないよう小細工がされていた。
俺は、魔石を一番腕の立ちそうなハンターのリーダーに投げる。
リーダーは魔石をキャッチし、顔に近づけて魔石をまじまじと見る。
「フォレストディンゴに使役の魔石が埋まっていたのか。なんだこれは?隠匿の朱印が施されているのか。この魔素の気配は,,,,,,,,」
リーダーは、隠匿の朱印を爪でひっかき、朱印を解除する。他の2名のハンターもリーダーに近寄り、魔石をのぞき込む。
「これフーバの魔素だよ!」
この声を耳にしたシルフェさんもハンターのリーダーに駆け寄り、先ほどの違和感の正体である「使役の魔石」とフーバの魔素であることを確認し、「やはり」という顔をする。
使役魔法の一つのやり方として、自分の魔素を充てんした魔石を使役する魔獣や魔物の身体に埋め込みむことで、簡単な命令を与えることができる。なお、埋め込む際に、浸透魔法を使えば、皮膚の外から体内に魔石を埋め込むことができる。
『魔石を埋め込む方法で使役魔法を使うなぞ、魔法がわかっておらぬ未熟な者しか使わんわ』
と魔王様は、自分が使役魔法を使うときは魔石なんて使わないんだぞ、と自慢げにつぶやく。
「お前のミスだ!」
俺はハンターリーダーに低い声で怒りをぶつける。
俺が調べた限り、今回同行しているハンターたちの人選は、このハンターリーダーが行っていた。
ルートン家をはじめとする中央政府 魔技閥の有力者からの委託業務であったため、なるべく探索魔法の優秀なハンターを集めたかったことは分かるが、探索能力を優先したため、身元調査が甘かったと言わざるを得ない。
結果、フーバのような、妨害者が紛れ込んでしまった。
ハンターリーダーが自分の失態で言葉に窮し、「ウッ」とうなり声をあげると同時に、タイミングよく、「赤獅子会」のやつらも合流してきた。
「お待たせしました。ご依頼に従い、赤獅子会3名到着いたしました」
先刻、使い魔で呼び出した赤獅子会のメンバーの接近を感知したので、シルフェさん、ジェシカさん、魔技研幹部たちおよびハンターたちへ、独断で、保険としてパルスキーの魔獣対策組織へ依頼していたことの説明した。
フーバは、その後、魔法がつかえにないよう赤獅子会の連中に両手を折られ、魔素の「経絡」をふさがれ、目隠しをした状態で、赤獅子会3名に紐に繋がられ、拘束されて王都へ連行されていった。
あいつら、元凶悪犯罪者だから、フーバを移送中に殺さないように、と厳命しておいた。
それと、ジェシカさん、シルフェさんの手紙を携えさせたので、王都に付いた後は、ルートン家がうまく処理するだろう。
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