推しが尊過ぎてっ!

はるの美羽都

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*最終回* やはり推し様っ!

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「ただいま!」
「おかえりなさい」
推し様をお出迎えしたら、推し様は満面の笑みで、それはそれは子犬のように尻尾をフリフリと振っているのが見える……!
かっ、可愛過ぎるぅううッ!もう愛でて愛でて、愛で倒したいぃいい!
私は、たまらず推し様を抱き締めた。すると、推し様は突然の私の行動にびっくりしている。
「あっ、あの、みーちゃん……!?」
「推し様、推しくん、相くん!大好き……」
「だっ、大……!?」
「やっぱり、今はまだ“推し”の方が強いから“推し様”とか“推しくん”って呼んじゃうけど……いつかは、相くんってちゃんと呼べるように、努力するから……」
だから今は許して?と言うと、推し様は
「マジ、上目遣いとか……可愛過ぎかよ……」
とボソッと言った。
いやいやいや、格好良過ぎかよぉおお!なんなんだ、そのセリフはぁああ!内心、たくさん叫びながら胸キュンしましたよ!
そして、寝室へ行き一緒に寝ました。

    新居生活2日目。
引っ越し当日でバタバタしたり、荷解にほどきしていたから買い物に行けてなくて、推し様が帰りにコンビニで朝食やら飲み物やらを買ってきてくれた。
それを食べてから私は出勤し、推し様は休みなのでゆっくり寝るそうだ。
「ごめんね」
「ん?何が?」
「お弁当、作れなくて……」
「いーの、いーの!久しぶりにランチ行って来るから」
「ね、やっぱりたまには外で食べたい……?」
「ん~、どうだろう?推し様がお弁当を持たせてくれてからは、あんまり思わないかなぁ。推し様が作った、っていうのが重要だから☆」
「なら、良かった……たまに外で食べたいなら、前もって言ってくれたら、その日はお弁当作らないようにするからね」
「うん、ありがとう!」

    推し様と一緒に寝る時に、思っていることを話した。
最初はねていたみたいだったけど、こちらの気持ちも分かってくれたようで最後は推し様に抱き締められながら、仲良く寝ることが出来た。
推し様グッズを愛でていても、一番は勿論!推し様であることは変わらない。
それは今までも、これからも変わらない。
だけど、少しぐらいは推し部屋で推し事をさせて欲しいとお願いした。
そしたら、推し様からも要望が。
「出来る限り、みーちゃんを抱き締めながら寝させて欲しい」「ハグし放題させて欲しい」「たくさん、みーちゃんとイチャイチャしたい」
と顔から火が出るほど恥ずかしいことを、嬉しそうに話す推し様……
私の要望をのんでくれたので、私ものむことにした。
お互い、公平でないと穏やかには過ごせない。
相手に不満ばかりが募ってしまう。
だから、どんな些細なことでも話し合おうと決めた。
喧嘩になって、感情的になってしまった場合はお互いしばらく離れて、クールダウンしてから再度、冷静になって話し合おうということも決めた。
これから、どうなっていくか分からないけど、きっと楽しいことの方が多いよね。きっと。
これから、たくさんのいろんな想い出を作っていこうね。


  *******

「すぅ、すぅ……」
「寝た、かな……?」
可愛い可愛い、僕のお姫様は可愛い寝息を立てて寝ている。
「僕はね、こうしてみーちゃんの寝顔を愛でるのが好きなんだ。だって、すっぴんの寝顔をまじまじと見られるなんて……幸せじゃないか」
みーちゃんのところへ居候していた時も、みーちゃんのすっぴんは何度も、見たことはあった。
だけど、こんなじっくりとは見させてもらえないので、仕事で遅く帰った日に自分へのご褒美として、この時間を満喫している。
バレたら流石に引かれて気持ち悪がられてしまうと思うから、なにがなんでも絶対に言わない。
僕だけの、幸せな秘密だ。
僕はね、みーちゃんと再会出来たら絶対に果たしたいことがあるんだ。
それはね……
みーちゃんと結婚して、ずっと一緒に仲良く暮らすこと。
そして、いつかは子どもが欲しいな。
一人ぐらいは欲しいな……二人目、三人目は要相談で。
これからの生活が楽しみで仕方ない。
これからも、よろしくね。僕のお姫様───
僕は、みーちゃんのひたいにキスをしてから眠りについた。

    そして数年後。僕とみーちゃんが結婚した話は……また、いつか。


           -END-


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