推しが尊過ぎてっ!

はるの美羽都

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推し様の彼女(のフリ)

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 「わぁ、アニメショップ限定グッズだ!」
 「えへへ。もう必死になって、毎日スマホ画面とにらめっこですよ~」
 「それは大変でしたね。その努力が実り購入出来て、本当におめでとうございます」
 「実はトイレに行くフリをして、仕事中に定期的に席を外していたら偶然、予約開始時間になっていたので、即行でポチりました!」
 「本来、就業中はやってはいけないのですが、こればっかりは時間との闘いですからねぇ」
 「そうなんです!駄目と分かってはいるけれど……推しの為なら、出来ちゃうんですよね~」
 「あ、このタオルのデザイン素敵ですよね」
 「そう!もう、一目惚れして2枚も買っちゃった!」
 「実は……そのタオルのデザイン、俺がしたんですよ」
 「えぇえええ~!?」
まさかの、推し様デザインンンンン!?
これはこれは……
 「あの、大変おこがましいんですが……」
 「なんでしょう?(否定するのを諦めた人)」
 「あのっ、サインくださいッ!」
 「あはっ、それぐらい御安いご用ですよ~」
サラサラッと、全てのグッズにサインを快く書いてくださった推し様……
あなたは神を通り越して最早、女神様です……
 「はい、これで全部ですよ」
 「うう……本当にありがとうございます!いくら感謝しても足りないぐらいですよ!」
 「そんな大袈裟な~。サインぐらい、またいくらでも書きますよ」
 「神様~!いや、女神様~!!」
 「なんですか、それ」
推し様は私が何を言っても、ふわりと笑って受け止めてくれる。
 「あの、俺からもお願いがあるんですが……」
 「はいッ、なんでしょう!?何でもいいですよ!」
 「なんでも……?」
 「はい、なんでもどうぞ!」
 「なら……一緒に寝てもらえませんか?」
 「ぶっ!えぇえええ~!?い、いい一緒にね、ね寝るて……!?」
 「なんでもいいって、言ったじゃないですかぁ」
 「や、そーだけど!だけど、それはその……私、彼女じゃないし…」
 「彼女のフリを頼んでいるので、彼女です」
 「や、あの……そもそもなんで、彼女のフリを……?」
 「あるファンの子から、かなり熱烈に追っかけられていて……スキャンダルでも起きれば、少しは収まるかなって……」
 「いや、それ逆ですよ」
 「えっ!」
 「逆に「その彼女を排除はいじょしよう」と、彼女に危害きがいを加える可能性大ですよ……」
 「あ、いや……その時はマネージャーに守らせるから」
 「いや、何かあったら嫌だし……警察に相談は?」
 「してみました。でも、証拠が弱いらしくて……」
 「そう、なんですね」
 「だから、俺のことが好きな美華さんなら彼女のフリをお願いしても、嫌がられないかなって……」
 「確かに、それはそうですね!身に余る光栄ですッ!」
 「ははは、そんな俺すごい人じゃないですよ?」
 「ううん!いろんな賞を受賞していて、すごいのに全然、態度も変わらなくて謙虚で頑張り屋さんで……」
 「そ、そんな褒め慣れていないので……恥ずかしいです」
 「それなら、これから私がたくさん褒めますっ!」
 「美華さん……」
 「だから、これからもよろしくお願いします!」


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