推しが尊過ぎてっ!

はるの美羽都

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仕事が、はかどってます

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    推し様の居候生活、2日目。
メイクと髪の毛をセットして朝食とお弁当を作り、推し様と共に「いただきます」をした。
 「あの……苦手な食べ物とかって、ありますか……?」
 「いえ、特には。基本的にはなんでも食べますよ」
 「そうなんですね。なら良かった……!あっ、朝は和食と洋食どっちですか?それとも、シリアルとかヨーグルトとかの軽めのものですか?」
 「うーん、基本的には和食ですかね。といっても、ご飯と味噌汁と目玉焼きの簡単なものなんですけど」
 「そうなんですね!お味噌汁も手作りされるんですか?」
 「いえ!インスタントですよ。サッと作れて、そこそこ食べられたらいいなって、思ってるので」
 「そうなんですね」
 「美華さんは、洋食なイメージです」
 「半分、当たってるかも」
 「じゃあ、もう半分は?」
 「その日の気分によるんです。寝坊したら、カロリーメイトやゼリーの時もあります。でも、洋食の方がオシャレに見えて、テンション上がるので好きです!」
  「そうなんですね。俺もたまに、美華さんと同じように軽く済ませる場合があります」
 「そうなんですね」

 「では、行ってきます」
 「はい、お気を付けて」
    はぁ……なんて、尊いんだろうか。
 推し様に見送られながら、いってらっしゃいの言葉付きの出勤……最高過ぎるほどの贅沢の極み。
そして、その日。私は仕事がはたどった。推し様のお陰で、仕事が苦にならなかった。
 「はぁ……推し様のお陰やぁ」
一人、デスクにてランチ。作って来たお弁当が何倍も美味しく感じられる……幸せだ。
この仕事量なら、定時は過ぎるけどそこまで残業しなくても大丈夫そう。
推し様のお陰で、私の心に少しだけ余裕が生まれました……有難や。
そして、仕事を終え急いで家に帰った。
    ガチャ───
 「た、ただいまー」
 「あっ、おかえりなさい!お仕事、お疲れ様でした」
 「はっ、はい……!」
推し様から朝のお見送りだけでなく、夜のお出迎えまで……
嬉しくて、感動して涙が出る。
 「え!だ、大丈夫ですか!?」
 「大丈夫じゃないです~」
 「えぇ!?」
あなた様が居るオアシスが、私の帰る場所だなんて……今でも信じられない。だけど頬っぺたをつねると、ちゃんと痛いから現実リアルなんだよなぁ。
としみじみしていると、キッチンから匂いがする。
私が気付くと、推し様は恥ずかしそうに
  「あのっ、オムライス作ったんですけど、食べてもらえませんか……?」
  「えぇっ!?」
悲鳴に近い声を出して興奮してしまった。なんと!推し様がオムライスを、このわたくしめに作ってくださっただと!?
よだれが出るほど一刻も早く食べたい衝動にられ、こんな幸せを一人占めして良いのだろうかと、ちょっと怖く感じる。
だけど、1週間したら推し様はお隣に引っ越すんだし……
こんな機会、一生かかっても二度とないかもだし……
  「私で良ければ、喜んでッ!」
と、何だかプロポーズの返事みたいなセリフを言ってしまった。
  「じゃあ早く手洗いと、うがいをしてきてください」
  「御意ぎょいッ!」
  「何ですか、それ」
推し様が笑うと、心も体も癒される。
もう存在自体が最早、神なので同じ空間に居ることさえ躊躇ちゅうちょしてしまうのだが、推し様に呼ばれているのでお言葉に甘えて。


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