好きなんです！

やっぱり、塩ツン対応でした

     LINEの中では優しいのに、今こうして顔を合わせると
「何？」
「えっ、いや何も……」
「あっそ」
ひしひしと突き刺さる、塩ツン王子……今日も安定の冷たさデスネ。
でも、LINEの中では甘デレだから……こんな塩ツン対応でも、頑張れる！
と思ってたけど、流石にちょっとキツいかも。
あれこれ妄想して、キャーキャーしてるのは幸せではあるけれど、現実リアルでは氷のように冷たい。
でも、LINEではめちゃくちゃ優しい……
どっちが本当の顔なのか分からない。どっちも本当なんだろうし、どっちかが本当でどっちかは表の顔なんだろうし……
「朱乃くん」
「何？」
「あっ、ごめん。何でもない」
「そう？何もないならいいけど」
ほら、LINEだと普通の会話。氷の「こ」の字さえ見えないぐらい普通だ。
「朱乃くんって、なんで私だけ塩ツンなの？」
既読スルー。
えっ、何故に既読スルー！？嫌なの？答えたくないぐらい嫌な質問なの！？
ますます分からない。どうして、LINEの中では普通且つ甘デレなのに、顔を合わせると塩ツンになるんだろう？
もしかして、誰かが朱乃くんになりすましてLINE送ってるのかも！？
だから、朱乃くんはそういう態度で接してくるの……？
いや、でも……ちゃんと朱乃くんと一緒に帰ったよ？
その時に「連絡先、教えろ」って言われたし……
もしかして、朱乃くんに兄弟が居たりして。
その片方が甘デレで、その人がLINEしてるってこと？
考えれば考えれるほど、ますます分からなくなってきた……
「あなたは、朱乃  奏くんですか？」
気付けば私は、その内容をLINEしていた。学校名を書くのは流石にまずいと思ったので、名前だけ……(名前だけでも個人情報、漏洩ろうえいしてるけどねー！)
「はぁ！？」
朱乃くんが大声で言ったので、私を含む聞こえた人たちは全員、びっくりして体をビクつかせた。
あの反応からして……やっぱり、ちゃんと本人に届いてる。
なりすましとかではなさそうだ。良かった……安心した。
「何、言ってんの？華夜」
「あっ、ごめんなさい……いくらなんでもLINEの時の朱乃くんと、学校での朱乃くんの態度が違うから、なりすましか何かかと思って……」
冷や汗を垂たらした絵文字を付けて送り、ごめんねスタンプも送った。
「あぁ……ごめん」
「えっ、あ、いや謝って欲しいんじゃなくて、なんで態度が違うのかなっ───」
文章が打ち終わる前にチャイムが鳴ってしまい、歴史の先生が来てしまった。
あぁ……昼休憩にしようかな。いや、放課後にしよう。
そう思いながら、授業を受けた私だった。



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    ちなみに、妃舞梨たちがスマホを学校に持ってくるのは禁止されていますが、こっそり持ってきてはバレないようにスマートに隠す……
クラスのほとんどは、先生に見つかったことがないそうです。
……ある意味、怖いですね。プロかっっ！