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溺愛甘々
しおりを挟む「凛ちゃん」
「なぁに?」
「今日、ご飯何する?」
「冷蔵庫ん中、何あるー?」
「んーとね……」
ぴと。
「あ、凛ちゃん反則だわ」
「へっ!?」
「もうダメ好き過ぎる辛いこのままこうしてたい」
「早口だったから、聞き取れなかったー!」
「分からなくていい」
「えぇ~」
拗ねたように見せる表情とか本当……食べたくなる。
でも、抱き締めたり手を繋いだり……些細なことで充分、幸せだと想える。
はぁ……凛ちゃんは本当に癒やしであり、女神であり天使でもある。
てか尊いな、マジで。
こんな俺が彼氏で良いのか、と思う時もある。だけど凛ちゃんも俺のことを好いているんだから、自信持って愛でなくては……!
「何か具材が奇跡的に、ちらほら残ってたんで」
「わぁ、鍋だー!良いにおーーいっ!!!」
何だ、その語尾にハートマークが見えるような話し方は。天使か。
「「いただきます」」
「熱いから、ちゃんとふーふーしろよ」
「もう、子どもじゃないんだから分かってるよ~」
はぐはぐと無言で食べていく。お互い、鍋を味わうのに夢中なあまり、会話するという肝心な部分を忘れていた。
「美味しいね~」
「うん。鍋の素も奇跡的に残ってて良かったな」
「賞味期限、切れるギリギリ手前で良かったね!」
「確かに。寧ろ、よくぞ今まで俺たちに見つからずに生きてこれたな」
「ふふふふ。これの為に隠れてたんじゃない?」
「だな」
シメの雑炊までちゃっかり食べて、お腹はとても満たされた。
「お風呂、お先~」
「あ、うん!」
俺には、ある役目がある。
それは───
「お風呂、気持ち良かった~!」
「ほい、おいで」
「はぁーーい」
俺が呼ぶと良い子にして、俺の前に座る凛ちゃん。
「んじゃ、やりますねー」
「おねげーしやす!」
「だから、何だその言い方」
「あはははは!」
凛ちゃんにつられて俺も笑う。
ほわほわしてて可愛いのに、変なところで笑かしにくる彼女は、本当に天才だ。
髪の毛を乾かし終わり、まったりと自由時間を過ごす。
各々、好きに過ごす時もあれば二人で動画観たり、布団に入ってお喋りしたり、飯テロしたり……
彼女が寝た後の寝顔をしばし眺めるのが、俺の唯一の愛でる時間だ。
唯一、といっても家に居る時は普段から、ところ構わず愛で倒しているんだが外では一応、自制している……つもりだ。
しかし、愛しの凛ちゃんの寝顔を愛でていいのは……俺だけだ。
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