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第七章 闘技大会編

第2回戦

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第2回戦


初戦が終わってから5時間経った。途中お昼休憩を挟み、第2回戦が始まった。
初戦で半分の学校が落ちた。第2回戦出場校は全部で20校、ここからまた半分が落ちる。


「それでは第2回戦第1試合を行います!選手入場!」

「カテリーナ、聞いてくれ。ルークとかいう奴は自分の力を買い被り過ぎている。だから一度実力を見せた方がいいと思うんだ。あいつのためにもなる。…最初から全力だ!」

俺は闘技場の舞台に歩きながら声をかける。

「分かっている。だがあいつの力は見ないでいいのか?」

「いや一応見とこう。俺のことを偽善者呼ばわりする奴がどの程度なのか見てみたい。そのあとは本気でお願いするよ。本気といっても戦意喪失させる感じで頼むよ」

「分かった。ならを使うとしよう」

俺たちは舞台に上がる。相手は剣士4人のチームだ。

「第2回戦第1試合、王立カノン学園VSカストリア騎士学院の試合を行います。両者準備はいいですか?」

「さっきぶりだね、偽物の英雄君。その化けの皮を僕がはいでやる!」

「僕はお前たちに手を出さない。僕に勝ちたければ、まずはカテリーナを倒してからだ」

「ちッ!舐めやがって!いいだろう、僕の力を披露するとしよう」

コイツは初戦のカテリーナを見てないのか?それとも見た上で勝てると確信してるとでもいうのか?
だとしたら相当な天才だ。さぁて、お手並み拝見といこうじゃないか。

「始め!」

「行くぞ!3人とも!円攻の陣だ!」

「「「分かりました!」」」 

「ほう?」

ルークと取り巻き3人がカテリーナを囲うように陣形を取る。
これには驚いた。この年で戦術まで考えているのはすごいことだ。

お、今度はその円攻の陣を保ったままグルグル回り出したぞ。なるほどな、カテリーナを逃がさないような陣形になっている。

ルーク達はその円をどんどん縮めていく。

「これで逃げられまい!舐めたことを謝るんなら今のうちだ!」

「そうだそうだ!」

「ルーク様に謝れ!」

徐々に縮めていって一瞬で狩る。いい陣形だ。

「断る。弱者につべこべ言う筋合いはない」

「なら後悔しろ!円攻の陣・瞬!」

ルーク達の円は一瞬で縮まり、カテリーナに襲いかかった。同程度の力、もしくはちょっと上の力を持つ奴ならこれでやられてただろう。だが…

「甘い!火神流真剣術 7の型 流麗防御!」

この程度では、閃光》の二つ名で呼ばれてるカテリーナには遅すぎる。魔法やスキルを使うまでもない。
俺の教えた火神流真剣術でカテリーナは相手の次の行動が遅くなるように的確に受け返している。

「バカなッ!なんのカラクリだ!」

「化け物め…」

「身体強化!」

「火神流真剣術 2の型 紫電一閃・3連!(峰打ち)」

「「「ぐはッ!」」」

カテリーナは用済みと見たのか、ルーク以外の3人を斬り飛ばす。残りはルークのみだ。

「仕方ない。ここで奥の手を出すことになるとは。僕も本気でいかせてもらうよ」

「かかってこい」

どうやらルークが本気を出すようだ。今度こそお手並み拝見だな。

「身体強化、腕力強化、剛腕、俊腕!食らえ!これが俺の本気だぁぁァア!」

これは!確かにすごいな。腕力を強化するスキルを重ね掛けしているのか。相当負担がかかるだろう。多分3日は腕が上がらないと思う。
身体強化と腕力強化で腕の力を上げ、剛腕で攻撃力を上げる。そして俊腕で素早さを上げる、か。
中々面白い。天才とは伊達じゃないな。

まともに食らったらカテリーナでもヤバいだろう。だがルーク君の本気の技には欠点がある。
それは剣術がなってないことだ。多分幼い頃から天才として扱われ、ろくに修行なんてしたことないんだと思う。その欠点さえ克服すれば、この技はSSランク冒険者にも通じるものとなるだろうな。


「身体強化、風魔法付与、火神流真剣術 7の型 流麗防御!」

今度はちゃんと魔法を使ったか。カテリーナ自身も魔法無しでは受け流せないと思ったのだろうか?
ルークの剣は流れる川の如く、綺麗に受け流された。

「なんでだ!なんでなんだ!」

「貴様は剣術が素人同然だ」

「そんなはずはない!僕は天才なんだぁ!」

「速度強化、高速移動、火神流真剣術 4の型 朧月・乱!」

カテリーナがルークの持つ剣をバラバラにした。
この技も俺ほどの速さはないが十分速い。常人の目には一瞬で剣がバラバラになったように見えたと思う。

「まだやるのか?」

「ヒィッ!降参、降参する!」

あちゃー、こりゃやり過ぎちゃったかな?自分の強さが打ち砕かれた時って怖いよね。

「勝者、王立カノン学園!」

「「「「「うおぉぉお!」」」」」

「速えぇ!」

「なんだあれ!一瞬でバラバラになったぞ!」

「きゃー!最高にカッコいいわー!!」

まあ何はともあれこれで第2回戦突破だ!
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