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学園生活開始~学園祭。
38話『お友達』
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※エミリア視点です。
翌日、私は部屋に迎えに来てくれたベリアル様と一緒に校舎へ向かう。
昨日のことを思い出して顔が熱い。
(気まずいな……てゆーか、私って、もしかしてベリアル様のこと……)
ポフン! と一気に熱が顔に集まる。
だー! 違う! 違う!
きっと、イケメンに慣れていないだけだ!
そうだ! きっと! たぶん!
私は、自問自答しながら、自分の気持ちと葛藤した。
とりあえず、落ち着け私。深呼吸して、気持ちを切り替えろ。
そんな私の状態を知ってか知らずか、ベリアル様はいつも通りだった。
今日の予定は午前の授業が教養で午後の授業は基礎学科だ。
午後の授業は私は出る必要はないのだけど、ベリアル様はどうするのかな?
ちょっと聞いてみると、歴史以外は完璧だった。というか、私よりも頭いい。
歴史以外の教科は、昨日課題をいっきに提出したという。
昨日、私が気を失っていた数時間でそこまでやったという。まじか。
昼の授業に歴史は入っていないので、今日は昼から学園の探索だ。
昨日案内した場所は主に授業で行くところなので、
パーティホールやカフェ、グラウンドの奥にある礼拝堂や森の中の湖を
案内しようかな。
湖の話にはベリアル様も食いついてきてくれたので
優先順位が上がってしまった。
そんな会話を楽しんでいたら馬車が校舎前についた。
馬車を降りて、教養の教室に向かう。
教養は教室に入るときから始まっているのだ。
優雅に見えるように、ベリアル様にエスコートをしてもらい教室に入る。
教養の授業には1年生の貴族全員がそろっている。
体育館くらいの広さの教室に90人以上の貴族達がいる。
机やイスはなく、立ち授業なのだ。
私とベリアル様の登場にあちこちから感嘆のため息が聞こえた。
(ベリアル様のイケメンパワーがすごい)
いままでの教養の時間は私はいつも1人だったので
今日初めて注目されるのがこそばゆい。
ちなみに、エドワード殿下はナナリーと一緒に入ってくるよ。
2人のイケメンsを引き連れてね。
殿下には、教養の時間は一度もエスコートされたことないっす。
今日の教養の授業はサロンと茶会と夜会についてだった。
サロンやお茶会、夜会のマナーとそれらの違いについてだ。
そして、女子生徒の場合はサロンを開くのは必須。
卒業までに、サロンの内容を纏めたレポートを提出することになった。
サロンは最低でも5回開き、5回招かれること。
男子生徒の場合は夜会の内容を纏めたレポートだ。
夜会も同じで最低でも5回開き、5回招かれること。
サロンも夜会も、同性限定だ。
男女参加の茶会は12月にあるので、今回はなしだ。
授業が終わった。
教養の講師であるテティーア先生が教室を出て行ったあと、
みんな早速、夜会とサロンの開催日と招待状について話し合っている。
私も、マリエラ様とレヴァンヌ様と話し合った。
マリエラ様は、茶色のサラサラショートボブの女子だ。
緑色の瞳がくりくりしている。
背が低く、とても可愛らしい印象だ。
レヴァンヌ様は、紺色のふるふるの髪を高い位置でポニーにした女性だ。
スタイル抜群で長身のボンキュボンのご令嬢だ。
目は釣り目でネオンブルーの瞳は眼力がすごい。
「お二人は、招待するお友達はもうお決めになりましたか?」
「私はまだですわ」 「私もまだです」
2人はまだ決めかねているようだ。
そうそう、レヴァンヌ様とは昨日の一件で仲良くなった。
授業前に改めてお礼を言いに行ったら、仲良くなったのだ。
「でしたら、私のサロンに来てくださいませんか?」
私は、2人を誘う。
あわよくば、友達が少ない私は、2人のサロンに招かれて
そこで新しい子達に招き、招かれる作戦なのだ! ふはは。
「それは、とても助かりますわ」
マリエラ様はホッとした様子だ。
「私もお二人をお誘いします!」
2人は、私の作戦に乗ってくれた!ヤッター。
とりあえず、近くに居た女性生徒に2人を連れて誘いに回った。
なんとか人数を揃えられたようだ。
同じメンバーばかりだと減点になってしまうので、大変だ。
そうそう、ベリアル様とは今は、別行動中だ。
と言っても同じ教室内なので探せば見つかる。
私は、2人と分かれてベリアル様を探した。
入口付近に居なかったので、もっと奥のほうだった。
ベリアル様は、エドワード殿下と一緒にいた。
嫌な予感が……。
「なんでよ! こうやってお願いしてるじゃない!
なんで私はダメなのよ!?」
ベリアル様とエドワード様の近くにいたのは、やっぱりナナリーだった。
ベリアル様は無表情で、エドワード殿下はあたふたしている。
そして、ナナリーに詰め寄られているのは紺色の髪をポニーにした女性だ。
そう、さっき別れたレヴァンヌ様だった。
「そもそも、どうして私なんですか?
私と貴女はちっとも面識無いし、話をしたこともない。
どうして、今話したばかりの貴女に招待状を送らないといけないんです?」
「そ、それはっ!!
そ、そう。 私とお友達になるためよ」
「私は貴女とは、お友達になりたくないです」
「なっ!? なんで、エミリアは良くて私はダメなのよ!!」
ナナリーは泣きながらなにか喚いている。
私の名前が出たことに驚いた。
周りの視線が私にも集まりつつあった。
(はぁ。やだなー。)
『また、私のせい。』なんだろうなぁ。
私は、少し離れた場所で様子を窺った。
できるだけ、人に隠れる位置に立つ。
「エミリア様です。下級貴族である貴女が
エミリア様を呼び捨てにしてはいけません。
貴女のそういう所が、私は嫌いなんです。
ですから貴女とは、お友達になりたくありません」
ナナリーは下唇を噛んで俯いた。
「そうやって、私を孤立させるように、エミリアに頼まれたんでしょ」
「貴女、なにを言っているんです?
教養の時間で習ったことを忘れたんですか?
貴族の常識を教えてあげただけです」
何か不穏な空気を察して、ベリアル様が動こうとしていた。
エドワード殿下も、ナナリーを止めに入ろうとする。
「ナ、ナナリー……それ以上は――」
「なんでよ! 皆して、私が庶民だったからって馬鹿にして!
エミリアなんか、嫌い!! 全部エミリアが悪いのよ!!」
―――パシン!!
騒がしかった教室が少しずつ静かになりつつあった。
「いい加減にしなさい! 同じ貴族として恥ずかしい!」
パシンと言う音は、レヴァンヌ様がナナリーをはたいた音だ。
ナナリーは、頬に手を当てて泣きながらレヴァンヌ様を睨んだ。
「ひどい!!」
そう言って走って教室を出て行った。
そして、ナナリーの後を追うのは、いつものメンバーであるイケメンsだ。
私は、そっとレヴァンヌ様に近づく。
斜め前には、ベリアル様もいる。
私に気づいたのか、表情が和らいでいる。
「レヴァンヌ様、大丈夫ですか?」
レヴァンヌ様は私に気づいて苦笑いした。
相当、無理をされているのだろう。私は、いたたまれない気持ちになった。
「ごめんなさい。私のせいね。」
「違います! あの子は少しおかしいです!
常識が見えていない。自分の都合のいいことばかり他人に押し付けて。
私、彼女に招待状を送るように言われたんです。
初対面なのに、どうしてかって聞いたら、友達になってやるって。
そんなのおかしいです。あんな、上から目線で友達に誘われるなんて。
友達になりたいはずなのに、私と仲のいいエミリア様のことは嫌いって」
レヴァンヌ様はだんだん悔しい表情になっていった。
「私、レヴァンヌ様に損な役回りをさせてしまったわ」
レヴァンヌ様は目を丸くされたけど、すぐに何か気づいて微笑を作った。
「あれは、私が自分でやってしまったことです」
「お詫びがしたいわ」
私はレヴァンヌ様に何かほしいものは無いのか聞いてみた。
「でしたら、サロンの時にはぜひ私の好きなババロアを所望します!
紅茶は、辛めのジンジャー入りで!」
「え!?」
そんなものでいいの!?
と私は表情に出ていたらしく、レヴァンヌ様は可笑しそうに笑った。
「お願いしますね! エミリア様!」
「ええ! もちろん!」
私とレヴァンヌ様は笑顔で約束した。
それから、教室の様子を影で窺っていた先生がこちらに近づく。
教養の時間は教室を出るまで続いている。
先生が教室を出たからと言って油断はできないのだ。
というか、出たフリして生徒に混ざってたことに気づかなかった。
「私きっと、減点ですね」
レヴァンヌ様は元気を取り戻していて、おどけて言うのだった。
翌日、私は部屋に迎えに来てくれたベリアル様と一緒に校舎へ向かう。
昨日のことを思い出して顔が熱い。
(気まずいな……てゆーか、私って、もしかしてベリアル様のこと……)
ポフン! と一気に熱が顔に集まる。
だー! 違う! 違う!
きっと、イケメンに慣れていないだけだ!
そうだ! きっと! たぶん!
私は、自問自答しながら、自分の気持ちと葛藤した。
とりあえず、落ち着け私。深呼吸して、気持ちを切り替えろ。
そんな私の状態を知ってか知らずか、ベリアル様はいつも通りだった。
今日の予定は午前の授業が教養で午後の授業は基礎学科だ。
午後の授業は私は出る必要はないのだけど、ベリアル様はどうするのかな?
ちょっと聞いてみると、歴史以外は完璧だった。というか、私よりも頭いい。
歴史以外の教科は、昨日課題をいっきに提出したという。
昨日、私が気を失っていた数時間でそこまでやったという。まじか。
昼の授業に歴史は入っていないので、今日は昼から学園の探索だ。
昨日案内した場所は主に授業で行くところなので、
パーティホールやカフェ、グラウンドの奥にある礼拝堂や森の中の湖を
案内しようかな。
湖の話にはベリアル様も食いついてきてくれたので
優先順位が上がってしまった。
そんな会話を楽しんでいたら馬車が校舎前についた。
馬車を降りて、教養の教室に向かう。
教養は教室に入るときから始まっているのだ。
優雅に見えるように、ベリアル様にエスコートをしてもらい教室に入る。
教養の授業には1年生の貴族全員がそろっている。
体育館くらいの広さの教室に90人以上の貴族達がいる。
机やイスはなく、立ち授業なのだ。
私とベリアル様の登場にあちこちから感嘆のため息が聞こえた。
(ベリアル様のイケメンパワーがすごい)
いままでの教養の時間は私はいつも1人だったので
今日初めて注目されるのがこそばゆい。
ちなみに、エドワード殿下はナナリーと一緒に入ってくるよ。
2人のイケメンsを引き連れてね。
殿下には、教養の時間は一度もエスコートされたことないっす。
今日の教養の授業はサロンと茶会と夜会についてだった。
サロンやお茶会、夜会のマナーとそれらの違いについてだ。
そして、女子生徒の場合はサロンを開くのは必須。
卒業までに、サロンの内容を纏めたレポートを提出することになった。
サロンは最低でも5回開き、5回招かれること。
男子生徒の場合は夜会の内容を纏めたレポートだ。
夜会も同じで最低でも5回開き、5回招かれること。
サロンも夜会も、同性限定だ。
男女参加の茶会は12月にあるので、今回はなしだ。
授業が終わった。
教養の講師であるテティーア先生が教室を出て行ったあと、
みんな早速、夜会とサロンの開催日と招待状について話し合っている。
私も、マリエラ様とレヴァンヌ様と話し合った。
マリエラ様は、茶色のサラサラショートボブの女子だ。
緑色の瞳がくりくりしている。
背が低く、とても可愛らしい印象だ。
レヴァンヌ様は、紺色のふるふるの髪を高い位置でポニーにした女性だ。
スタイル抜群で長身のボンキュボンのご令嬢だ。
目は釣り目でネオンブルーの瞳は眼力がすごい。
「お二人は、招待するお友達はもうお決めになりましたか?」
「私はまだですわ」 「私もまだです」
2人はまだ決めかねているようだ。
そうそう、レヴァンヌ様とは昨日の一件で仲良くなった。
授業前に改めてお礼を言いに行ったら、仲良くなったのだ。
「でしたら、私のサロンに来てくださいませんか?」
私は、2人を誘う。
あわよくば、友達が少ない私は、2人のサロンに招かれて
そこで新しい子達に招き、招かれる作戦なのだ! ふはは。
「それは、とても助かりますわ」
マリエラ様はホッとした様子だ。
「私もお二人をお誘いします!」
2人は、私の作戦に乗ってくれた!ヤッター。
とりあえず、近くに居た女性生徒に2人を連れて誘いに回った。
なんとか人数を揃えられたようだ。
同じメンバーばかりだと減点になってしまうので、大変だ。
そうそう、ベリアル様とは今は、別行動中だ。
と言っても同じ教室内なので探せば見つかる。
私は、2人と分かれてベリアル様を探した。
入口付近に居なかったので、もっと奥のほうだった。
ベリアル様は、エドワード殿下と一緒にいた。
嫌な予感が……。
「なんでよ! こうやってお願いしてるじゃない!
なんで私はダメなのよ!?」
ベリアル様とエドワード様の近くにいたのは、やっぱりナナリーだった。
ベリアル様は無表情で、エドワード殿下はあたふたしている。
そして、ナナリーに詰め寄られているのは紺色の髪をポニーにした女性だ。
そう、さっき別れたレヴァンヌ様だった。
「そもそも、どうして私なんですか?
私と貴女はちっとも面識無いし、話をしたこともない。
どうして、今話したばかりの貴女に招待状を送らないといけないんです?」
「そ、それはっ!!
そ、そう。 私とお友達になるためよ」
「私は貴女とは、お友達になりたくないです」
「なっ!? なんで、エミリアは良くて私はダメなのよ!!」
ナナリーは泣きながらなにか喚いている。
私の名前が出たことに驚いた。
周りの視線が私にも集まりつつあった。
(はぁ。やだなー。)
『また、私のせい。』なんだろうなぁ。
私は、少し離れた場所で様子を窺った。
できるだけ、人に隠れる位置に立つ。
「エミリア様です。下級貴族である貴女が
エミリア様を呼び捨てにしてはいけません。
貴女のそういう所が、私は嫌いなんです。
ですから貴女とは、お友達になりたくありません」
ナナリーは下唇を噛んで俯いた。
「そうやって、私を孤立させるように、エミリアに頼まれたんでしょ」
「貴女、なにを言っているんです?
教養の時間で習ったことを忘れたんですか?
貴族の常識を教えてあげただけです」
何か不穏な空気を察して、ベリアル様が動こうとしていた。
エドワード殿下も、ナナリーを止めに入ろうとする。
「ナ、ナナリー……それ以上は――」
「なんでよ! 皆して、私が庶民だったからって馬鹿にして!
エミリアなんか、嫌い!! 全部エミリアが悪いのよ!!」
―――パシン!!
騒がしかった教室が少しずつ静かになりつつあった。
「いい加減にしなさい! 同じ貴族として恥ずかしい!」
パシンと言う音は、レヴァンヌ様がナナリーをはたいた音だ。
ナナリーは、頬に手を当てて泣きながらレヴァンヌ様を睨んだ。
「ひどい!!」
そう言って走って教室を出て行った。
そして、ナナリーの後を追うのは、いつものメンバーであるイケメンsだ。
私は、そっとレヴァンヌ様に近づく。
斜め前には、ベリアル様もいる。
私に気づいたのか、表情が和らいでいる。
「レヴァンヌ様、大丈夫ですか?」
レヴァンヌ様は私に気づいて苦笑いした。
相当、無理をされているのだろう。私は、いたたまれない気持ちになった。
「ごめんなさい。私のせいね。」
「違います! あの子は少しおかしいです!
常識が見えていない。自分の都合のいいことばかり他人に押し付けて。
私、彼女に招待状を送るように言われたんです。
初対面なのに、どうしてかって聞いたら、友達になってやるって。
そんなのおかしいです。あんな、上から目線で友達に誘われるなんて。
友達になりたいはずなのに、私と仲のいいエミリア様のことは嫌いって」
レヴァンヌ様はだんだん悔しい表情になっていった。
「私、レヴァンヌ様に損な役回りをさせてしまったわ」
レヴァンヌ様は目を丸くされたけど、すぐに何か気づいて微笑を作った。
「あれは、私が自分でやってしまったことです」
「お詫びがしたいわ」
私はレヴァンヌ様に何かほしいものは無いのか聞いてみた。
「でしたら、サロンの時にはぜひ私の好きなババロアを所望します!
紅茶は、辛めのジンジャー入りで!」
「え!?」
そんなものでいいの!?
と私は表情に出ていたらしく、レヴァンヌ様は可笑しそうに笑った。
「お願いしますね! エミリア様!」
「ええ! もちろん!」
私とレヴァンヌ様は笑顔で約束した。
それから、教室の様子を影で窺っていた先生がこちらに近づく。
教養の時間は教室を出るまで続いている。
先生が教室を出たからと言って油断はできないのだ。
というか、出たフリして生徒に混ざってたことに気づかなかった。
「私きっと、減点ですね」
レヴァンヌ様は元気を取り戻していて、おどけて言うのだった。
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