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記憶と状況理解とゲーム知識。
18話『お母様は悪役令嬢。』
しおりを挟むお母様のお話を要約すると、お母様も現王妃陛下のラナー様も悪役令嬢だった。
要約しすぎた。(私も悪役令嬢である。親子そろって悪役令嬢!?)
最初の異変は、お母様のご実家であるパナストレイ星皇国で
婚約破棄され殺されたらしい。 そう、お母様は一度、お亡くなった。
そして、不思議な現象が起きて7年前に時間が巻き戻ったのだという。
婚約破棄の原因である少女との関係を絶って、ドルステンに嫁ぎ先を
変えたのだそうだ。
ところがどっこい。
嫁ぎ先のドルステンで元宰相の息子に婚約破棄されたのだという。
理由は簡単。
お母様のお友達であるラナー様とアスト王子の仲を引き裂く
悪女リリーナが現れた。
ラナー様を助けるために、リリーナに意地悪をしていたのだ。
お母様は、ラナー様と現国王アスト様の仲を取り持つことに成功。
喜んでいたのがつかの間、お母様は、リリーナを虐めていた理由で
元宰相の息子に婚約破棄されたのだった。
そして、記憶が戻ったのが2回目の婚約破棄の瞬間である。
なにそれ、神様まじ、ヒドくない?
記憶がもどったときに、自分のいる世界が前世で呼んでいた小説の
世界であることに気づく。
そして、目の前にいるリリーナが衝撃発言したらしい。
それは、パナストレイで婚約破棄になった原因の少女の記憶を
持っているというもの。
お母様が出会った、『ヒロイン』は2人ともリリーナだった。
お母様が、『前回』で少女との関係を切ったことを怨んでいるという。
それだけじゃない。
お母様、記憶取り戻す前に、王子との関係も邪魔したからね。
虐めてたからね。
記憶戻る前とはいえ、怨まれることしちゃってたからね。
そのあと、元宰相と元宰相の息子を唆したリリーナは、
謀反を起こして王位奪還をたくらんだ。
相当お母様とラナー様のことが嫌いだったらしい。
刺客に命を狙われ、逃げるのを手伝ったのが、
お父様であるヴェルステイン侯爵家のジョバース。
命からがら、山岳地帯に逃げおおせた。
だけど、山岳地帯は魔族が暮す地があった。
傷ついた人間達に、最初は警戒した魔族だったが、魔王様の説得で
2人は匿ってもらうことに成功した。
魔王様、そう、魔王ベリアル・ヴェルノーマ様だ。
チラリと目の前に座った人を窺う。
優雅にティーセットを傾けていた。 くぅ。絵になるっ!!
私はてっきり、魔王なんていうから、魔界とかおどろおどろしい場所から
召喚されてきたものだと思っていた。
山岳地帯って……結構近いじゃん。
話を戻そう。
魔族の街に匿ってもらうことになったのはいいが、
リリーナの刺客が魔族の中にもいたのだ。
始祖が残した「禁忌の魔術書」(あ、これ私も持ってるやつー。)
に召喚された魔族の青年は、リリーナに恋に落ちた。
リリーナに誑かされた魔族の青年はラナー様とお母様を襲った。
それを阻止したのが、魔王ベリアル様。
魔族の青年は、自分の命と引き換えにラナー様とお母様を呪った。
「『呪い』はかけた本人にしか、解くことが出来ない。
なぜならば、『呪い』とは微聖霊との契約だからだ」
これは、ベリアル様が教えてくれたことだ。
例外は、白魔法というレアな魔法を使える術師の癒しの波動で退けるか、
呪われている人物が「星霊の加護」持ちかのどちらか。
では、星霊に頼んで消してもらえるのか?というと答えは否。
星霊は加護を与えた人物にしか影響を与えないみたいだった。
しかし、あらかじめ予防の星霊魔法で防ぐことができるんだと。
(エドワード殿下とナナリーに与えた加護のことらしい)
ベリアル様は、ラナー様とお母様に罪悪感を抱いている。
そりゃあ、自分が匿った街に敵の刺客がいたんだものね。
お母様もラナー様もベリアル様は悪くないって思っている。
私もそう思うけど、本人はいまだに落ち込んでいるみたいね。
お母様は、星霊アスカの加護があるから今は呪いは消えているけれど、
ラナー様の呪いはいまだに体に残っているのだから。
(ちなみに、現在ラナー様は魔道具で呪いを抑えているんだとか。)
その後は、山岳地帯に向かうお父様とアスト様が乗った馬車が刺客に
襲われるという光景を星霊アスカから教えてもらったりとかいろいろ
あったようだ。その時に、星霊アスカがお母様の守護星霊になったって。
魔王ベリアル様は、こんな状況を引き起こした人物に怒りを覚えた。
お母様たちは、打倒リリーナに向けて、手を組んだ。
ドルステン王国の王都に戻ったラナー様とアスト殿下、お母様とお父様は
魔王をつれて王都に戻り、捕まっていた国王様を助けた。
「剣聖として目覚めたエレノアは凄まじかった」とは、お父様の言葉だ。
たまに、お母様との馴れ初めをお酒を飲みながら語っていた。
お母様達に追い詰められたリリーナは、憎悪を魔力にかえた。
黒い魔力を引き換えに、邪神を降臨した。
邪神と融合したリリーナは、復讐を誓った。
そして、目の前で姿を消したのだった。
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