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リヒャルトの宿願は、魔王の誕生だ。
新たな魔境をこの世に頂かんと、人間の国であるモストルデン王国に冒険者として居座り続けているのもそれが理由だった。
魔王が生まれる世には、常に7つの魔境が存在した。
それは世界に広く言い伝えられている事だった。7つの魔境が現れた時、魔族の中から強大な力を持つ「魔王」が生まれ、世界を支配するだろうと。
ところが現在確認されている魔境は、たったの4つだ。
ダンジョンは魔境の雛形として恐れられるものから、いつしか富を得るための手段にすり替わり、人間たちの営みを発展させていった。
魔境となり得る危険なダンジョンは枯らされ、有益なダンジョンは管理のもと生かされる。
リヒャルトは痛ましかった。本来の役割を全うできず、人間どもに飼いならされるダンジョン。こんな事では、いつまでたっても魔境が7つ揃う日は来やしない。
「それはそうさ。人間にしたら、魔王なんてごめん被る存在なんだから」
「なーにをのうのうと!」
「魔王だ勇者だと対立する時代は終わってしまったんだよ、リヒー。この数百年で、人と魔族は手を取り合う術を得た」
「愚かな事だ」
「僕はそうは思わないけど…そのダンジョンもどきについては教えてもらわないと。協力はするよ。レダート家としてではなく、もと学友としてね」
「よし!」
それまで浮かんでいたしかめ面が消え、満足そうな表情でニヤリと笑うとリヒャルトは立ち上がった。魔導のオーブをアイテムボックスへしまう。
「では2、3日したらまた来るぞ」
「あ、それで、君が拾ったという老人は今どこにやってるんだい?」
「ふん、勝手に逃がす気だな貴様?そうはいかんぞ」
イアニスが尋ねるが抜け目なく答えを拒否し、リヒャルトは人間狩りの準備を進めるため学舎を後にした。
イアニスはああ言っているが、彼の心中は分かっている。絶対に止めさせる気だ。人間の貴族などに成り下がった男は、イェゼロフやレダート領の人間どもを心底好いている。恩義があるのだとか。
人間相手に『恩義』だと!…本当にどうしようもないアホだ、アイツは。
まぁいい。どちらにせよダンジョンもどきの真偽を確かめるまでは、自分に付き合うしかないのだから。
「はああ~…本当にどうしようもないバカだなアイツ…」とイアニスが教室で一人呟いている事も知らず、リヒャルトは意気揚々と街へ繰り出した。
旅支度を済ませると最後に、酒瓶数本と適当な串焼きを入手する。近隣にある集落のボロ小屋へ放ってある高魔力ジジイのエサだ。
発見時、既に酔い潰れてたジジイは「ふおおあ~酒をもっとくれやぁ…zzz」と言っていた。これでもやっときゃ、文句あるまい。
ああ、それともう一匹……。あいつ用に、りんごとトマトも要るな。
ーーー
それから2日後、二人は憐れな生贄探しを開始した。
「何なんだあんた、こっちは忙しいんだぞ!悪戯は他所をあたれ!」
「口答えをするな人間!ちゃっちい魔道具の修理屋など、お前の代わりにいくらでもおろうが。さっさと同行しろ!」
「なんだと、このクソ魔族が!」
初日にして3回、怒った街人から検兵への通報を受けた。イアニスからすれば、当然である。
リヒャルトが傍若無人に振る舞っては、イアニスが宥めて場を収めるというのを繰り返すこと半日。
これ以上、騒ぎになるのはまずい。
「なぁ、リヒャルト。街の人たちを標的に選ぶのは、割に合わないんじゃないか?魔力の高い者を狙うなら、ただの住人ではなく冒険者の方がよほど良いよ」
「ふん。お前は街の連中を守りたいだけだろう。だが、確かにそうだな。冒険者か…」
それなら街中で目立って支障をきたす事もなくなる。ここらの腕に自信のある冒険者は、人里離れた場所で依頼に勤しんでいるはずだ。ちょうど良い。
「ではいっそドルトナへでも向かうか。道中の冒険者どもを選定するとしよう」
「分かったよ……ドルトナなら、往復で4日か…。まぁ何とかなるな…」
こうして、二人は街の外へ出ることとなった。
街の外は辺鄙な平原と森が殆どで、村や集落は数えるほどしか無い。それでも二人にとっては慣れた土地だった。リヒャルトは冒険者だし、イアニスにとっても自領への帰り道だ。幾度となく行き来していた。
「それで?お目当ての人間を見つけてからその先はどうするんだい。そろそろ教えてくれよ」
「そうだな……まだ未報告のダンジョンがあって調査したいが人手が足りない、とでも言えば食いつくのではないか?」
「雑っ!…え、それ今考えたの?」
「フンッ、悪いか!囲い先は貴様が用意する筈だったのだから、貴様のせいなんだぞ!」
「それは失礼……」
イアニスは謝罪しながら、紙の切れ端に執事への言伝を記す。数日留守にする旨をしたためると、そばで待っていた従魔のキリに紙をくくりつける。
キリはトカゲの尾を持つ青い鳩で、ピジョニーという小型の魔物だ。「頼んだぞ」と声をかければ「クルルッポーッ(おまかせくだせぇっ)」と返事をして飛んでいく。連絡係としてレダート家で認知されているので、執事の元へ飛んで行っても騒ぎになる事はない。
「これでよし。…にしても、懐かしいな。学院の頃、こうして支度をしてダンジョンへ潜ったろう。覚えてるか?」
外壁を背に街道を歩きながら、イアニスは晴れた空を仰いで話しかけた。
学院はここから遠い王都にあって、側には大きなダンジョンがあった。授業の一環に低階層へ挑む事もあるくらいだ。
「覚えてる。あんなに苦労して手に入れたのがポーション2本だったからな」
「ははは、あの頃は低階層の立ち入りしか許可されてなかったのに、運が悪いよなぁ。高層に登ると、宝箱にトラップが仕掛けられるようになるらしいぞ」
「ああ、聞いた事がある。毒霧や矢が中から飛んでくるとか。そうやって力ある者を捕食し強くなっていけばゆくゆくは…」
そこまで言って、リヒャルトはため息をつく。本来ならそうやって、ダンジョンは魔境へと進化していくものなのに。
魔王が滅ぶと、後を追うようにそれまであった魔境は一つまた一つと消滅してしまった。今あるのは生き残った1つと、新たに生まれた3つだ。
そして5つ目以降が現れる兆しは、長らく無かった。
新たな魔境をこの世に頂かんと、人間の国であるモストルデン王国に冒険者として居座り続けているのもそれが理由だった。
魔王が生まれる世には、常に7つの魔境が存在した。
それは世界に広く言い伝えられている事だった。7つの魔境が現れた時、魔族の中から強大な力を持つ「魔王」が生まれ、世界を支配するだろうと。
ところが現在確認されている魔境は、たったの4つだ。
ダンジョンは魔境の雛形として恐れられるものから、いつしか富を得るための手段にすり替わり、人間たちの営みを発展させていった。
魔境となり得る危険なダンジョンは枯らされ、有益なダンジョンは管理のもと生かされる。
リヒャルトは痛ましかった。本来の役割を全うできず、人間どもに飼いならされるダンジョン。こんな事では、いつまでたっても魔境が7つ揃う日は来やしない。
「それはそうさ。人間にしたら、魔王なんてごめん被る存在なんだから」
「なーにをのうのうと!」
「魔王だ勇者だと対立する時代は終わってしまったんだよ、リヒー。この数百年で、人と魔族は手を取り合う術を得た」
「愚かな事だ」
「僕はそうは思わないけど…そのダンジョンもどきについては教えてもらわないと。協力はするよ。レダート家としてではなく、もと学友としてね」
「よし!」
それまで浮かんでいたしかめ面が消え、満足そうな表情でニヤリと笑うとリヒャルトは立ち上がった。魔導のオーブをアイテムボックスへしまう。
「では2、3日したらまた来るぞ」
「あ、それで、君が拾ったという老人は今どこにやってるんだい?」
「ふん、勝手に逃がす気だな貴様?そうはいかんぞ」
イアニスが尋ねるが抜け目なく答えを拒否し、リヒャルトは人間狩りの準備を進めるため学舎を後にした。
イアニスはああ言っているが、彼の心中は分かっている。絶対に止めさせる気だ。人間の貴族などに成り下がった男は、イェゼロフやレダート領の人間どもを心底好いている。恩義があるのだとか。
人間相手に『恩義』だと!…本当にどうしようもないアホだ、アイツは。
まぁいい。どちらにせよダンジョンもどきの真偽を確かめるまでは、自分に付き合うしかないのだから。
「はああ~…本当にどうしようもないバカだなアイツ…」とイアニスが教室で一人呟いている事も知らず、リヒャルトは意気揚々と街へ繰り出した。
旅支度を済ませると最後に、酒瓶数本と適当な串焼きを入手する。近隣にある集落のボロ小屋へ放ってある高魔力ジジイのエサだ。
発見時、既に酔い潰れてたジジイは「ふおおあ~酒をもっとくれやぁ…zzz」と言っていた。これでもやっときゃ、文句あるまい。
ああ、それともう一匹……。あいつ用に、りんごとトマトも要るな。
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それから2日後、二人は憐れな生贄探しを開始した。
「何なんだあんた、こっちは忙しいんだぞ!悪戯は他所をあたれ!」
「口答えをするな人間!ちゃっちい魔道具の修理屋など、お前の代わりにいくらでもおろうが。さっさと同行しろ!」
「なんだと、このクソ魔族が!」
初日にして3回、怒った街人から検兵への通報を受けた。イアニスからすれば、当然である。
リヒャルトが傍若無人に振る舞っては、イアニスが宥めて場を収めるというのを繰り返すこと半日。
これ以上、騒ぎになるのはまずい。
「なぁ、リヒャルト。街の人たちを標的に選ぶのは、割に合わないんじゃないか?魔力の高い者を狙うなら、ただの住人ではなく冒険者の方がよほど良いよ」
「ふん。お前は街の連中を守りたいだけだろう。だが、確かにそうだな。冒険者か…」
それなら街中で目立って支障をきたす事もなくなる。ここらの腕に自信のある冒険者は、人里離れた場所で依頼に勤しんでいるはずだ。ちょうど良い。
「ではいっそドルトナへでも向かうか。道中の冒険者どもを選定するとしよう」
「分かったよ……ドルトナなら、往復で4日か…。まぁ何とかなるな…」
こうして、二人は街の外へ出ることとなった。
街の外は辺鄙な平原と森が殆どで、村や集落は数えるほどしか無い。それでも二人にとっては慣れた土地だった。リヒャルトは冒険者だし、イアニスにとっても自領への帰り道だ。幾度となく行き来していた。
「それで?お目当ての人間を見つけてからその先はどうするんだい。そろそろ教えてくれよ」
「そうだな……まだ未報告のダンジョンがあって調査したいが人手が足りない、とでも言えば食いつくのではないか?」
「雑っ!…え、それ今考えたの?」
「フンッ、悪いか!囲い先は貴様が用意する筈だったのだから、貴様のせいなんだぞ!」
「それは失礼……」
イアニスは謝罪しながら、紙の切れ端に執事への言伝を記す。数日留守にする旨をしたためると、そばで待っていた従魔のキリに紙をくくりつける。
キリはトカゲの尾を持つ青い鳩で、ピジョニーという小型の魔物だ。「頼んだぞ」と声をかければ「クルルッポーッ(おまかせくだせぇっ)」と返事をして飛んでいく。連絡係としてレダート家で認知されているので、執事の元へ飛んで行っても騒ぎになる事はない。
「これでよし。…にしても、懐かしいな。学院の頃、こうして支度をしてダンジョンへ潜ったろう。覚えてるか?」
外壁を背に街道を歩きながら、イアニスは晴れた空を仰いで話しかけた。
学院はここから遠い王都にあって、側には大きなダンジョンがあった。授業の一環に低階層へ挑む事もあるくらいだ。
「覚えてる。あんなに苦労して手に入れたのがポーション2本だったからな」
「ははは、あの頃は低階層の立ち入りしか許可されてなかったのに、運が悪いよなぁ。高層に登ると、宝箱にトラップが仕掛けられるようになるらしいぞ」
「ああ、聞いた事がある。毒霧や矢が中から飛んでくるとか。そうやって力ある者を捕食し強くなっていけばゆくゆくは…」
そこまで言って、リヒャルトはため息をつく。本来ならそうやって、ダンジョンは魔境へと進化していくものなのに。
魔王が滅ぶと、後を追うようにそれまであった魔境は一つまた一つと消滅してしまった。今あるのは生き残った1つと、新たに生まれた3つだ。
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