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痺れを切らした少女ボスが運転席を乗っ取ろうとしてくるので、俺は慌ててレバーをPからDに入れる。ドライブ再開だ。
今や辺りはすっかり様変わりしていた。
空は快晴。先程までの黒雲が嘘の様に消えてなくなっている。
朽ち果てていた街も、まるで時間が巻き戻ったかのように綺麗な有様となっていた。アーチ型の窓にはきちんとガラスがはまり、花や洗濯物が靡いている。よくならされた石畳みの通りには屋台まで並び、遠くの広場に立派な噴水がキラキラと水飛沫を上げているのが見えた。
ただし、人っこ1人いない。
さっきまでのおどろおどろしい雰囲気よりはマシだが、これはこれで不気味な光景だった。
そんな中を、話を聞きながら進んでいたのだけど…少女も勇者くんも道を指示するだけで、一向に着かない。
どこに向かっているんだろう。そろそろ思いきって聞いてみることにした。
「えーっと、あとどのくらいですかね?」
「ごめん。もう2回くらい通り過ぎた」
「はい!?」
「楽しくてつい」
「気づかんかったであろう。同じ所をぐるぐるしとるぞ」
「早く言ってよ」
しばらくして、勇者くんが示したのは一つの小さな家。左右の建物とぴったりくっつき背景と同化していて、「これだよ」と言われなくては普通にスルーしてるような建物だ。
駐車してエンジンを切る。道のど真ん中で、完全に路駐だけど大丈夫だろうか。訊ねれば、二人とも問題ないとのことだ。
「この街並みはわしの造りし幻影だ。魔境の最奥であることに変わりはない」
ピョンと元気よく降りた少女ボスが言う。
勇者くんも静かに降りてドアを閉めるが、半ドアだ。教えると、不思議そうにしながら閉め直してくれた。これで良し。
しっかりロックしてから、慣れた様子で入っていく二人の後に続く。
中はテーブルとイス、空っぽの本棚やラグ。それでお終いな実にシンプルな部屋だ。強いて言えば、テーブルの上に似つかわしくないゴツいランプが置かれているが、それだけだ。
「お邪魔します…」
「どうぞ」
気のせいか、二人は何やら嬉しそう。
「ホレホレ、茶でも淹れぬか」「今やる所だ」とお客を構う姿勢を前に、俺も居住まいを正す。落ち着かない。
「お二人はここで暮らしているんですか?」
勇者くんは奥の部屋へ引っ込んでしまったので、テーブル向かいの少女ボスに訊ねる。椅子に座って足を組む様は、お人形の様だ。
「ここはあやつが寝ぐらにしておる。わしは気が向いたら来るが、普段はその辺をプラプラしておる」
退屈での、と憂いのため息をつく美少女。
「幻影って言ってましたけど、今いるこの部屋って幻覚なんですか?」
「その通り。どれ、見せてやろうか」
少女はすい、と両手を軽く上げると、ひとつ手を叩く。
途端に、辺りは暗くなる。空には先程までの曇天が広がっていた。
薄汚れた壁、雑草の茂る床に、椅子や家具の残骸が隅に追いやられている。机や今自分が座っている椅子も、何か分からない真っ黒なもので汚れていた。
机の上のごついランプだけが、さっきまでと同じ様にそこにあった。
しかしそれは一瞬で、少女がもう一度手を叩くと、晴れた午後の、簡素で清潔な部屋に戻っていた。
「どうだ。わかったか」
「はっ、はい!」
もうどっちが幻覚でどっちが現実かわからなくなったが、とりあえずコクコクと頷く。
「フフフ。これこそが、最奥の主たるわしの力よ」
「おい、急に幻覚解くのやめろ。お湯こぼしたろうが」
「うるさいな、今わしの力の説明をしてやっとるんだ。黙ってまた沸かせ」
少女ボスがドヤ顔で語り始めたところに、部屋の向こうから勇者くんの文句が飛んでくる。なんだか申し訳ない。
話の腰を折られムスッとしながらも、少女ボスは教えてくれた。
彼女の種族名は「上位悪魔」。今の少女の姿は、仮のものだと言う。
この天空都市を訪れた者の記憶を覗き、その者の一番心地よい幻覚で戦意を失わせ、魔境に取り込んでしまう。それが彼女の十八番らしい。
「どうじゃ、実に悪魔的であろう?」
「な、なるほど……いかにも最後に立ち塞がるボスって感じですね…」
「フフフフフ!そうであろう!あっちで茶を沸かしておるのも、わしに腑抜けにされた者よ」
勇者くんは単身この魔境に挑み、少女ボスの待ち構える奥まで辿り着いた。
だが彼女が与える幻の安らぎを前に、なす術なく敗北。全てを諦め、こうして住み着いていると言う。
魔境のボスとしては、いずれ養分になるのならいつ死んでも構わないという事でそのまま勇者くんを放置、もとい暇つぶしの話し相手にしている。
「何しろここまで来れた者は、あやつとおぬししかおらん。記憶を覗ききって、さぁどうしてやろうと思うても、道中で結局力尽きてしまいおる。わしの退屈さがいかばかりか、それで知れよう?」
「そういう…ものなんですね…」
「ああ、因みにおぬしの場合だが……突然転がり込んで来たからな。ようやっと少しずつ記憶が見えてきた所だ」
魔境に足を踏み入れた気配もなく、いきなり内側から現れた謎の人間。つまり俺を感知した彼女は異変を探るべくすっ飛んで行き、それに平穏な引退生活を失くしたくない勇者くんも同行した。
で、今に至る。
「…て事は、うかうかしてたら俺も幻覚の餌食になるんですよね?」
「愚問よな」
「やっぱそうですか」
このままでは、エグい精神攻撃を受けて魔境でお陀仏だ。どうする。ナビで検索した他の出口に向かうしかないか。
今思えばナビが中心を指したのも、このラスボス少女へ案内していたのだろう。わしを倒せば出口が開く、と彼女自身が言っていたもんな。
他の出口候補を後でチェックしないと…と思ったが、俺ははたと気がつく。
ここ、空中に浮かんでるんだよな?出口に行ったところで、地上は遥か下なのでは……
どうやって降りんだ?車じゃ無理じゃねーか。
今更思い至って真っ青になる俺を、少女ボスは満足気に笑って眺めている。無邪気な美少女の笑顔だ。
ああ……これが悪魔か。
今や辺りはすっかり様変わりしていた。
空は快晴。先程までの黒雲が嘘の様に消えてなくなっている。
朽ち果てていた街も、まるで時間が巻き戻ったかのように綺麗な有様となっていた。アーチ型の窓にはきちんとガラスがはまり、花や洗濯物が靡いている。よくならされた石畳みの通りには屋台まで並び、遠くの広場に立派な噴水がキラキラと水飛沫を上げているのが見えた。
ただし、人っこ1人いない。
さっきまでのおどろおどろしい雰囲気よりはマシだが、これはこれで不気味な光景だった。
そんな中を、話を聞きながら進んでいたのだけど…少女も勇者くんも道を指示するだけで、一向に着かない。
どこに向かっているんだろう。そろそろ思いきって聞いてみることにした。
「えーっと、あとどのくらいですかね?」
「ごめん。もう2回くらい通り過ぎた」
「はい!?」
「楽しくてつい」
「気づかんかったであろう。同じ所をぐるぐるしとるぞ」
「早く言ってよ」
しばらくして、勇者くんが示したのは一つの小さな家。左右の建物とぴったりくっつき背景と同化していて、「これだよ」と言われなくては普通にスルーしてるような建物だ。
駐車してエンジンを切る。道のど真ん中で、完全に路駐だけど大丈夫だろうか。訊ねれば、二人とも問題ないとのことだ。
「この街並みはわしの造りし幻影だ。魔境の最奥であることに変わりはない」
ピョンと元気よく降りた少女ボスが言う。
勇者くんも静かに降りてドアを閉めるが、半ドアだ。教えると、不思議そうにしながら閉め直してくれた。これで良し。
しっかりロックしてから、慣れた様子で入っていく二人の後に続く。
中はテーブルとイス、空っぽの本棚やラグ。それでお終いな実にシンプルな部屋だ。強いて言えば、テーブルの上に似つかわしくないゴツいランプが置かれているが、それだけだ。
「お邪魔します…」
「どうぞ」
気のせいか、二人は何やら嬉しそう。
「ホレホレ、茶でも淹れぬか」「今やる所だ」とお客を構う姿勢を前に、俺も居住まいを正す。落ち着かない。
「お二人はここで暮らしているんですか?」
勇者くんは奥の部屋へ引っ込んでしまったので、テーブル向かいの少女ボスに訊ねる。椅子に座って足を組む様は、お人形の様だ。
「ここはあやつが寝ぐらにしておる。わしは気が向いたら来るが、普段はその辺をプラプラしておる」
退屈での、と憂いのため息をつく美少女。
「幻影って言ってましたけど、今いるこの部屋って幻覚なんですか?」
「その通り。どれ、見せてやろうか」
少女はすい、と両手を軽く上げると、ひとつ手を叩く。
途端に、辺りは暗くなる。空には先程までの曇天が広がっていた。
薄汚れた壁、雑草の茂る床に、椅子や家具の残骸が隅に追いやられている。机や今自分が座っている椅子も、何か分からない真っ黒なもので汚れていた。
机の上のごついランプだけが、さっきまでと同じ様にそこにあった。
しかしそれは一瞬で、少女がもう一度手を叩くと、晴れた午後の、簡素で清潔な部屋に戻っていた。
「どうだ。わかったか」
「はっ、はい!」
もうどっちが幻覚でどっちが現実かわからなくなったが、とりあえずコクコクと頷く。
「フフフ。これこそが、最奥の主たるわしの力よ」
「おい、急に幻覚解くのやめろ。お湯こぼしたろうが」
「うるさいな、今わしの力の説明をしてやっとるんだ。黙ってまた沸かせ」
少女ボスがドヤ顔で語り始めたところに、部屋の向こうから勇者くんの文句が飛んでくる。なんだか申し訳ない。
話の腰を折られムスッとしながらも、少女ボスは教えてくれた。
彼女の種族名は「上位悪魔」。今の少女の姿は、仮のものだと言う。
この天空都市を訪れた者の記憶を覗き、その者の一番心地よい幻覚で戦意を失わせ、魔境に取り込んでしまう。それが彼女の十八番らしい。
「どうじゃ、実に悪魔的であろう?」
「な、なるほど……いかにも最後に立ち塞がるボスって感じですね…」
「フフフフフ!そうであろう!あっちで茶を沸かしておるのも、わしに腑抜けにされた者よ」
勇者くんは単身この魔境に挑み、少女ボスの待ち構える奥まで辿り着いた。
だが彼女が与える幻の安らぎを前に、なす術なく敗北。全てを諦め、こうして住み着いていると言う。
魔境のボスとしては、いずれ養分になるのならいつ死んでも構わないという事でそのまま勇者くんを放置、もとい暇つぶしの話し相手にしている。
「何しろここまで来れた者は、あやつとおぬししかおらん。記憶を覗ききって、さぁどうしてやろうと思うても、道中で結局力尽きてしまいおる。わしの退屈さがいかばかりか、それで知れよう?」
「そういう…ものなんですね…」
「ああ、因みにおぬしの場合だが……突然転がり込んで来たからな。ようやっと少しずつ記憶が見えてきた所だ」
魔境に足を踏み入れた気配もなく、いきなり内側から現れた謎の人間。つまり俺を感知した彼女は異変を探るべくすっ飛んで行き、それに平穏な引退生活を失くしたくない勇者くんも同行した。
で、今に至る。
「…て事は、うかうかしてたら俺も幻覚の餌食になるんですよね?」
「愚問よな」
「やっぱそうですか」
このままでは、エグい精神攻撃を受けて魔境でお陀仏だ。どうする。ナビで検索した他の出口に向かうしかないか。
今思えばナビが中心を指したのも、このラスボス少女へ案内していたのだろう。わしを倒せば出口が開く、と彼女自身が言っていたもんな。
他の出口候補を後でチェックしないと…と思ったが、俺ははたと気がつく。
ここ、空中に浮かんでるんだよな?出口に行ったところで、地上は遥か下なのでは……
どうやって降りんだ?車じゃ無理じゃねーか。
今更思い至って真っ青になる俺を、少女ボスは満足気に笑って眺めている。無邪気な美少女の笑顔だ。
ああ……これが悪魔か。
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