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愛の証
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「心配はいらない。すこぶる上機嫌だったぞ。医師と魔術士を総動員して、即刻解決に臨むと意気込んでいた」
「ああ~……。それなら、良かった」
それって、ネンゲル殿下たち夫婦の、閨のアレよね……。
殿下の身体問題を大勢に知られちゃうけど、いいのかしら?
勝手に心配しつつも、夫婦が前向きに協力し合うのなら他人がどうこう案じる理由はない。
人前に立つ人にも、その立場なりの苦労があるものだなあ。
1日も早く2人が子を授かるよう、陰ながらお祈りしよう。
「赤ちゃんもそうだけど、……お互いを理解できて、良かったね。あんなに熱烈に愛し合ってるのに、誤解してたなんて勿体無いものね」
頷きながらグラスの縁を指でなぞる。
内容が内容だけに、羞恥ばかりが先立っていたシオンだが、冷静に考えれば、夫婦にとっての閨は大切な愛情表現だ。
鬼のような形相でヴェーシュはシオンを追求した。
切羽詰まったヴェーシュが、どれだけネンゲルを愛していたのか。
嫉妬も含んでいただろうが、豹変し、激昂する姿を見れば一目瞭然だ。
「誤解か……。秘密ではなく?」
「秘密といえばそうだけど……相手を思い遣ってのことでしょう? だから、誤解かなって」
ヴァイスの視線が注がれているのを感じて、目を伏せたまま微笑んだ。
琥珀色のエールの泡が、グラスの中でシュワシュワと弾けては消える。
「シオンは優しいな」
ヴァイスも微笑んだ気配がする。
その後も新たに配膳された料理に舌鼓を打ち、2人きりの晩餐は和やかに進んだ。
メインディッシュの魚のポワレと鶏肉のロティを平らげると、口直しの氷菓子と紅茶を載せたワゴンが運ばれてきた。
「もう、お腹いっぱいだわ。デザートも、美味しそうなのに」
「なら、少し休憩して、庭を散策しないか。デザートはその後で」
「よろしければ、デザートはテラスにお持ちしましょう。今日は月が明るいので、外でも楽しめるかと思います」
トラリオの提案に、シオンは賛同した。
「そうね。お花も綺麗でしょうし。デザートも楽しみにしてたから」
立ちあがろうとするシオンを制止すると、テーブルを回り込んだヴァイスが椅子を後ろに引いた。
「あっ、自分でする」と言いかけたシオンをスルーして、ヴァイスが手を取って立ち上がらせる。
トラリオに椅子を預けると、そのまま手を差し出した。
「足元が暗い。気をつけて行こう」
「ありがとう……」
素直に掌を重ねれば、きゅっ……と握られて嬉しいのやら恥ずかしいやらで、頬が熱くなる。
食事で手袋を外していたので、余計にだ。
「ああ~……。それなら、良かった」
それって、ネンゲル殿下たち夫婦の、閨のアレよね……。
殿下の身体問題を大勢に知られちゃうけど、いいのかしら?
勝手に心配しつつも、夫婦が前向きに協力し合うのなら他人がどうこう案じる理由はない。
人前に立つ人にも、その立場なりの苦労があるものだなあ。
1日も早く2人が子を授かるよう、陰ながらお祈りしよう。
「赤ちゃんもそうだけど、……お互いを理解できて、良かったね。あんなに熱烈に愛し合ってるのに、誤解してたなんて勿体無いものね」
頷きながらグラスの縁を指でなぞる。
内容が内容だけに、羞恥ばかりが先立っていたシオンだが、冷静に考えれば、夫婦にとっての閨は大切な愛情表現だ。
鬼のような形相でヴェーシュはシオンを追求した。
切羽詰まったヴェーシュが、どれだけネンゲルを愛していたのか。
嫉妬も含んでいただろうが、豹変し、激昂する姿を見れば一目瞭然だ。
「誤解か……。秘密ではなく?」
「秘密といえばそうだけど……相手を思い遣ってのことでしょう? だから、誤解かなって」
ヴァイスの視線が注がれているのを感じて、目を伏せたまま微笑んだ。
琥珀色のエールの泡が、グラスの中でシュワシュワと弾けては消える。
「シオンは優しいな」
ヴァイスも微笑んだ気配がする。
その後も新たに配膳された料理に舌鼓を打ち、2人きりの晩餐は和やかに進んだ。
メインディッシュの魚のポワレと鶏肉のロティを平らげると、口直しの氷菓子と紅茶を載せたワゴンが運ばれてきた。
「もう、お腹いっぱいだわ。デザートも、美味しそうなのに」
「なら、少し休憩して、庭を散策しないか。デザートはその後で」
「よろしければ、デザートはテラスにお持ちしましょう。今日は月が明るいので、外でも楽しめるかと思います」
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「そうね。お花も綺麗でしょうし。デザートも楽しみにしてたから」
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「あっ、自分でする」と言いかけたシオンをスルーして、ヴァイスが手を取って立ち上がらせる。
トラリオに椅子を預けると、そのまま手を差し出した。
「足元が暗い。気をつけて行こう」
「ありがとう……」
素直に掌を重ねれば、きゅっ……と握られて嬉しいのやら恥ずかしいやらで、頬が熱くなる。
食事で手袋を外していたので、余計にだ。
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