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初めてのデビュタントと隣国の王女様

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「ラージグア様わたくしアイリッシュ様と婚約破棄はいたしません」

私はアイリッシュ様から頂いたネックレスを手で握りしめながら答えました。

私とラージグア様ではアイリッシュ様と過ごした時間の長さは違うけれど幼い時より私と過ごしたアイリッシュ様はいつも私の事を思ってくれました。

一緒に初めて城下町に行った時のアイリッシュ様、私が侯爵に拐われた時、本当は1番に助けに来て欲しい方だけどそんな事を望んではいけないお方なのに危険を返りみず来て下さったアイリッシュ様。

私がお妃教育に悩んでいる時に一緒に考えてくれ一緒に過ごすお茶の時間に見せるアイリッシュ様の優しい笑顔、

どれも私にとってとても大切ないえ、愛おしい方です。

はじめて一緒に踊ったデビュタントのダンスや今一緒に選んでいるドレスこれからも2人の時間を増やしていきたい。

「ラージグア様私はあなた様と違いただ貴族令嬢であり国の後ろ楯も何にもありません。」

「なら、それがわかっているのらなおさらよ。
そんなに王妃になりたいの?」

ラージグア様はイライラした口調で私に話しかけてきます。

「私はアイリッシュ様と一緒にこの国の事を考えて行きたいのです。
あの方の隣で一緒にこの国をよりよくしていきたいと思います。」

私はずーと王妃とは何かと考えてきた。

けどはっきりした目的は見つからずただ漠然と国を治めて行くことしかわからなかった。

けどそれでも良いと思っていた。

アイリッシュ様をサポートをしてあの方がやりやすいように支えて行けば大丈夫だと思っていた。

けど今ラージグア様に国の後ろ楯があるからないかで変わるとおっしゃった。

なら後ろ楯がない私はサポートではなく一緒に同じ物を見て一緒に考えて行動していきあの方の苦労も喜びも分かち合えるそんな存在ありたい。

私はそんな王妃になりたい。

「そんなの許さないわ」

ラージグア様は体を震わせながら

「わたくしのお願いを聞いて下さらない方は貴方が初めてですわ。
ルーチェ様、けど状況が変わればルーチェ様の答えも変わるでしょ?」

「いえ、私の答えはどんな事があっても変わりません」

私がはっきりと申し上げると、ラージグア様は

「この泥棒令嬢」

と、言われコップに入っている水を顔にかけられてしまいました。

顔に水がかかり私はビショビショになってしまいましたが"泥棒令嬢"?そう言えば前にもそんな事を言われた記憶があるようなないような…

そんな事を考えてしまった隙に今度はラージグア様がコーヒーを自分のドレスにかけて

「キャー!ルーチェ様酷いですわ!」

と、ものすごい大きい声で叫んだ為に下がらせていた侍女や護衛がやって来てしまいました。

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