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初めてのデビュタントと隣国の王女様

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「母上、大変な事が…ゲホゲホ」

お兄さまは凄い勢いで来たのはいいのですが、お母様が扇子を取り出し口元を隠しました。

あっ、これは少し怒ってますね。

「ジョージ、行儀が悪い
貴方はもう殿下の側近なんですからもう少し落ち着きなさい」

「いや、しかし…ゲホゲホ」

お兄さま落ち着いて、エマが水を持って来てくれましたよ。

ジョージお兄さまはエマから水を受け取り一気に飲み干しました。

「エマありがとう。助かったよ。」

「母上大変な事態になりました」

お兄さまこれで同じ事を3回言ってますよ。

「なんですか?ジョージ同じ事を何回も言ってもわからないから落ち着いて話なさい。」

お兄さまはお母様に促されてようやく落ち着いたらしく一言

「王女が来る」

その一言でした。

ごめんなさい。全く落ち着いてなかったですね。

そして何を言っているかわからないです。

お母様はため息混じりで

「あのね、本当に貴方は…」

と、お母様が言い始めると後ろから

「母上、ルーごきげんよう。
お茶の途中にジョージが慌てて申し訳ありません」

後ろからフレッドお兄さまがやってきました。

フレッドお兄さまは優雅に挨拶をしますが分かっていたならジョージお兄さまを止めてあげてもよろしいと思いますけど、こうなる事が分かっていて黙ってましたね?

「実は母上隣国の使節団が急遽来週来ることになりました。」

フレッドお兄さまが説明し始めます。

ジョージお兄さまは僕が説明するはずだったのにと言う顔をしています。

フレッドお兄さまはそんな事を無視して話続けました。

「その使節団の中にラージグア王女も一緒に来ることになりました。
その為来週使節団のお出迎えにルーの同伴をお願いします」

ラージグア王女とは?もしかして王妃様の姪の方ですね。

あら?けど予定より1ヶ月も早いですね

お母様は口元を隠しながら

「あら?随分早い到着ね。
婚約式までまだ2ヶ月もあるのに?」

お母様も気になったようで射るような目線でフレッドお兄さまを見ていますが、フレッドお兄さまはそんなのを気にせず淡々と

「婚約式までの2ヶ月間の間に遊学をされると言うことをおっしゃってましたよ。
まぁ、多分建前だと思っていますよ」

と、淡々と説明しています。

お母様はやっぱりと言う顔をなさり

「仕方ないわね…
しっかりと国賓としてお出迎えしないと行けないわね
ルーちゃん王女様のお出迎えのよろしくね。」

「はい、お母様しっかりと勤めて参ります」

「フレッドしっかりと見張っていてね」

「もちろんですよ。母上」

最後の方の会話はなぜが2人とも笑みが黒いですよ…

するとフレッドお兄さまは私にも

「ルーは気にしないでいいからね。
アイリッシュとの婚約式だけ考えていてね」

こちらにも黒い笑みを向けて話して来たので私は首を縦に降り大きく頷きました。

「分かってくれてありがとうルー」

お兄さまはそう言われるとジョージお兄さまを引きずって去って行ったのでした。

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