上 下
22 / 117
初めてのお茶会と王子様

しおりを挟む
「私はルーチェと殿下の婚約に賛成です。
もしかするとご存じかも知れませんがフレッドとジョージも賛成です。
殿下はルーチェのどこにひかれたのですか?」

オリビア様の質問に僕は自分の気持ちを素直に答えた。

「ルーチェ嬢と一緒にいると私自身がこの国の王子と言うことを忘れて素直な気持ちになれるんだ、けしてそれが感情的な物ではなく、私のつまらない話しも真剣に聞いてくれていることや、美味しい物を美味しいと表現出来るルーチェ嬢を見ていると、人と接するのは楽しいことなんだなと教えてくれるし、私自身笑顔が自然とこぼれることにびっくりしていたんだ」

みんなが僕の話しを真剣に聞いてくれている。

「それにルーチェ嬢のことを大切にしたいという気持ちが凄く大きいだ」

僕が気持ちを伝えると母上は嬉しそうに微笑みオリビア様は

「わかりました。殿下がそんな風にうちのルーチェを思って頂きありがとうございます。
母としてとても嬉しい言葉です」

僕の気持ちがオリビア様に伝わったと思い僕は嬉しくなった。

「ありが…」

お礼を言ってる最中に、

「ですが、私から殿下にお約束してほしいことがございます」

僕は驚いてしまい、思わず息を飲んだ

「お約束してほしいことは……」



僕は思わず目を覚ました。

どうやら椅子でうたた寝をしてしまったらしい

そしてルーと婚約したいと公爵夫妻と話していたころの夢を見ていたらしい。

懐かしいな、あの時オリビア様の出した約束はとても僕には厳しい物だったら、

「殿下、お約束してほしいことはミーシャ嬢との婚約解消が終わるまで金輪際ルーチェに会いに来ないで下さい」 

「?!」

「それはどいうことですか?」

「今の段階では婚約者のいらっしゃる殿下がルーチェに良く会いに来られたらお互い良くない噂が立ちます。そしてパブロ家のミーシャ嬢にも良くない噂が立ちます。
それはお互いに今後の事を考えると障害になる可能性があります。
そうでなくてもフレッドとジョージの側近候補がいるのですから貴族の不平不満が飛び交います。」

「ですので、全てが片付いたらこちらも誠心誠意殿下のお気持ちに答えます。
旦那様よろしいですね?」

公爵も納得した感じで頷いた。

「そして新たに新しい婚約者を決める時には盛大にお茶会を開いて下さいね?
その時は必ずルーチェを連れて来ます」


やはりオリビア様は手強いな

そのあとミーシャ嬢との婚約解消を悩んでいた僕たちの元にミーシャ嬢から隣国に旅行に行きたいと申し出があった。

僕は何も考えずに許可を出したけど、

まさか隣国の王子と婚約してくるなんて思っても見なかった、もしかしたら始めから計画された旅行だったのか?

今となってはなんとも言えないが、もしかしたら…と、思ってしまうこともある。

約束通りお茶会を開いたけど久しぶりに見たルーはとても可愛かったな。

初めて会った時のルーの面影を少し残しつつ成長したルーはとても可愛らしかった。

ルーは僕のことを覚えてないみたいだけどいつかこの話しをしたいと思う

そしたらどんな顔をするかなぁ?

トントン

「アイリッシュ、何かあったのか?」

「あっ、ジョージ呼び出してごめんね」

「いや、大丈夫だ、それで何か至急のことでもあったのか?」 

ジョージが何事かと聞いてくる

「そう大事な用事、ルーにこのお菓子を届けてくれる、絶対渡してね?よろしく!」

「アイリッシュ!それだけか!」

ジョージ何おこってるの?

「そうだよ、とって大切な用事だし至急の案件だけど?」

ジョージは呆れている

「まだ、候補だからな、あんまりルーの事を追い詰めるなよ」

「何言ってるの?追い詰めないよ、すんごく大切にするよ」

「だからそれが…」

「いや、ちゃんとルーに渡します。」

ジョージは何か諦めたらしいく渋々部屋を出て行った。

僕はルーが喜ぶ顔を思い浮かべながら椅子に座り窓の外をみつめた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

大切だった友達に媚薬を盛ったら、怖いくらい溺愛されています。彼が勧めてくれたお茶からも同じ香りがしていたのは気のせいかな。

下菊みこと
恋愛
媚薬を盛ったらとんでもなく愛されたお話。 マルスリーヌは友人、エルキュールに媚薬を盛る。エルキュールと結婚して、多額の結納金を実家に納めてもらうためだ。けれど肝心のエルキュールは、媚薬を入れた紅茶の香りを嗅いだだけで飲んでないのに媚薬が効いてしまった。マルスリーヌは困惑するも開き直るしかなかった。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役王女に転生しました。でも、パパは何故か私を溺愛してきます。

下菊みこと
恋愛
父親からの激しい虐待の末死に至った少女、空道伶奈は大好きだった乙女ゲームの世界に異世界転生!しかし転生したのは悪役王女で!?あれ、なんで私を毛嫌いするはずのパパが私を溺愛してるの? これは愛されなかった少女が愛されまくるよくある?異世界転生の話。 小説家になろう様でも掲載しています。

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~

湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。 「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」 夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。 公爵である夫とから啖呵を切られたが。 翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。 地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。 「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。 一度、言った言葉を撤回するのは難しい。 そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。 徐々に距離を詰めていきましょう。 全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。 第二章から口説きまくり。 第四章で完結です。 第五章に番外編を追加しました。

運命の番なのに、炎帝陛下に全力で避けられています

四馬㋟
恋愛
美麗(みれい)は疲れていた。貧乏子沢山、六人姉弟の長女として生まれた美麗は、飲んだくれの父親に代わって必死に働き、五人の弟達を立派に育て上げたものの、気づけば29歳。結婚適齢期を過ぎたおばさんになっていた。長年片思いをしていた幼馴染の結婚を機に、田舎に引っ込もうとしたところ、宮城から迎えが来る。貴女は桃源国を治める朱雀―ー炎帝陛下の番(つがい)だと言われ、のこのこ使者について行った美麗だったが、炎帝陛下本人は「番なんて必要ない」と全力で拒否。その上、「痩せっぽっちで色気がない」「チビで子どもみたい」と美麗の外見を酷評する始末。それでも長女気質で頑張り屋の美麗は、彼の理想の女――番になるため、懸命に努力するのだが、「化粧濃すぎ」「太り過ぎ」と尽く失敗してしまい……

悪役令嬢に転生したので、人生楽しみます。

下菊みこと
恋愛
病弱だった主人公が健康な悪役令嬢に転生したお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】余命三年ですが、怖いと評判の宰相様と契約結婚します

佐倉えび
恋愛
断罪→偽装結婚(離婚)→契約結婚 不遇の人生を繰り返してきた令嬢の物語。 私はきっとまた、二十歳を越えられないーー  一周目、王立学園にて、第二王子ヴィヴィアン殿下の婚約者である公爵令嬢マイナに罪を被せたという、身に覚えのない罪で断罪され、修道院へ。  二周目、学園卒業後、夜会で助けてくれた公爵令息レイと結婚するも「あなたを愛することはない」と初夜を拒否された偽装結婚だった。後に離婚。  三周目、学園への入学は回避。しかし評判の悪い王太子の妾にされる。その後、下賜されることになったが、手渡された契約書を見て、契約結婚だと理解する。そうして、怖いと評判の宰相との結婚生活が始まったのだが――? *ムーンライトノベルズにも掲載

婚約破棄させてください!

佐崎咲
恋愛
「ユージーン=エスライト! あなたとは婚約破棄させてもらうわ!」 「断る」 「なんでよ! 婚約破棄させてよ! お願いだから!」 伯爵令嬢の私、メイシアはユージーンとの婚約破棄を願い出たものの、即座に却下され戸惑っていた。 どうして? 彼は他に好きな人がいるはずなのに。 だから身を引こうと思ったのに。 意地っ張りで、かわいくない私となんて、結婚したくなんかないだろうと思ったのに。 ============ 第1~4話 メイシア視点 第5~9話 ユージーン視点  エピローグ ユージーンが好きすぎていつも逃げてしまうメイシアと、 その裏のユージーンの葛藤(答え合わせ的な)です。 ※無断転載・複写はお断りいたします。

処理中です...