厭世手記

9月20日

親子の愛は美しい。
無論、広く世の中を見れば多分に例外はあれど、
少なくとも君は子供のことを愛している、と思う。
私よりも。それはゆるぎのない事実だ。

君の愛情深さを信じているから、
だから君の言葉を信じられないんだ。
矛盾しているようだけれども。

君は子供を愛している。
私のことも愛している。
私に対する愛情の深さを理解しているから
もっと愛している子供を捨てるはずがない、と思っている。

そうなると、私に残されているのはやはり
捨てられる未来しかないのだろう。

すべてが自業自得。
自分が悪くないなんて思わない。
むしろ、私がいなくなればすべてが丸く収まると
本気でずっと考えている。

私がいなくなれば。
君は離婚をしなくてもいい。
何も変わらず、家族に囲まれながら
天寿を全うできる。
それがいい。それが一番幸せなのはわかっている。

弟に、彼女ができた。
結婚を考えているらしい。
私みたいなのが身内に居たら、不安だろう。
この年で夢を追いながら何をやっているかわからない人間が。

私は、早く死ねばいい。
死ぬ勇気がほしい。

来世では一番最初に見つけてほしい。
それとも、君は来世でも今の配偶者と出会いたいだろうか。

愛されたかった。
誰かの一番になりたかった。
普通に、結婚して、子を為して、
所謂普通の人間になりたかった。