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第五幕【ヒーローの夢】
5-3【アデーレの長い一日(2)】
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東屋の天井や柱。
更には床や短い階段を眺めるも、そこに何か細工がされた形跡は伺えない。
アデーレの目には、明らかに何の異常もない、ただの東屋にしか見えなかった。
(見当違いなのかな……)
アンロックンに尋ねるように、頭の中でぼやく。
しかし答えは返ってこない。というよりは、何か考え事をしているかのように押し黙っている。
アデーレはため息を漏らし、東屋から周辺の生垣に目を向ける。
生垣ならば、人目に付かない場所に何かを仕込むには適しているはずだ。
東屋の短い階段を降り、中庭の通路へ降り立つアデーレ。
早速しゃがみ込み、生垣の下を覗き込んでみた。
ごく一般的な働きアリの群れが、捕らえた芋虫を運んでいる最中だった。
「……ああ、もう」
あまりにも収穫がなさすぎてか、ついに声が漏れだす。
だが、ここで挫けているわけにもいかない。
アデーレは膝をつき、土下座の姿勢になりながら更に下を覗き込む。
生垣の幹と土。それらに混ざって小石や昆虫。
そんなものばかりが目に付く。
(待った)
その時、頭の中にアンロックンの声が響く。
(どうしたの?)
(いや、この辺りなんだけど……妙な気配がするな)
おそらく、アデーレが見ている視界の中に違和感を覚えたのだろう。
しかし、彼女にはただの地面しか確認できない。
(ちょっと僕を出して、前にかざしてくれないかな?)
(前にかざす……こう?)
言われるがままにポケットからアンロックンを取り出し、顔の前にかざす。
(そうそう。そのままで…………)
しばらくの沈黙。
硬い石畳の上に長い時間膝をついていると、徐々に膝から痛みが伝わってくる。
それを誤魔化すように、アデーレは少しずつ姿勢を変えながらアンロックンの反応を待つ。
(……分かった)
ついに期待した反応が、アンロックンから帰ってきた。
(アデーレ、状況はかなり深刻だよ。この庭は危険だ)
が、その答えはアデーレの想像以上にまずいようだ。
事態の深刻さを理解したアデーレは、険しい表情を浮かべながらその場に立ち上がる。
スカートに付いたほこりやごみを払いながら、アンロックンを再びポケットに収める。
(危険って、どういうことなの?)
落ち着いたところで、改めてアンロックンに問いかける。
アンロックンはどう答えればいいのか考えているのか、短いうなり声を上げる。
(そうだなぁ。まずはここが、魔獣召喚の儀式に使われている可能性がある)
その一言に、アデーレはわずかな立ち眩みを覚えた。
しかし、そのような儀式の形跡はどこにも見当たらない。
(儀式って……それ、どういうことなの?)
(うん。この庭のいたるところに、不可視の陣が張られている気配がするんだよ)
(不可視の陣?)
聞き慣れぬ名前に、アデーレが首をかしげる。
(君に分かりやすく言うならば、魔法陣っていうのは聞いたことあるかな?)
(それくらいなら分かるけど。不可視ってことは見えない魔法陣ってこと?)
(半分は正解。だけど魔法陣は不可視と言えども隠れて使うには都合が悪いんだ)
アデーレの脳内に、魔女が杖で地面に魔法陣を描く様が思い浮かぶ。
確かに、地面に描いて隠しておいても、誰かに気付かれないうちに踏まれる可能性もある。
そうなれば、陣としては不都合があるはずだ。
(不可視の陣は最近の魔法使いがよく使う方法でね。魔法陣を省略したものを小さな紙に描いて、それを地面に貼っておくんだよ)
その説明を受け、お札を思い浮かべるアデーレ。
それならば、地面に描くよりも使い勝手は良いだろう。
(じゃあ、それを見つけて剥がせば、魔女の計画を邪魔できるってこと?)
(そうなんだけど、そう都合よくはいかないんだ)
それは一体どういうことなのか。
疑問に思ったアデーレが、首をかしげる。
(まず、不可視にする魔術は防護の意味合いも持っててね。触れられないようにできてる)
(なるほど……じゃあ、その不可視にしている魔術を解けないの?)
(低級のものならなんとか。でもこの辺りに敷かれているのは高位の神威を賜った強力なものでね)
神威。つまり神の威光であり、格を現すものだ。
(って、それならロックン何とかできるんじゃないの? ヴェスタってすごい神様な訳だし)
(簡単に言ってくれるね……。残念ながら、この魔術が持つ神威は僕達とは異なる神のものだ)
それはどういうことか。そう尋ねようと思った時に、ふと思い出す。
アデーレ達が追う魔女は、暗黒大陸から来た存在だ。
つまり、西方主教が広まるシシリューアや周辺諸国とは、全く違う宗教観があってもおかしくない。
(……つまり、暗黒大陸で信仰されている別の神の力だから、手が出せないの?)
(おお、すごいねアデーレ。その通りだよ)
(当たっても嬉しくないけど。まぁ、ありがと)
(そう言わないで。とりあえずアデーレの言う通りで、僕らが属する神々と暗黒大陸で信仰される神々は別種の存在で、神威も全く異なるんだ)
ため息をつくアデーレをよそに、アンロックンは説明を続ける。
(この世界は、異なる神々の集団同士で神域を生み出し、その地に住む者と関係を持つんだ)
(神域……ああ、西方主教が伝わってる地域とか、そういうこと?)
(正解。ちなみにロントゥーサ島やシシリューア島は、南に少し船を進めれば暗黒大陸に辿り着くんだけど)
(それってつまり、ここは西方趣向の神域と、暗黒大陸の神域の境目って訳だね)
その通りと、ポケットの中のアンロックンが頷くように動く。
それに対するくすぐったさは、話の内容のせいで気にする暇がなかった。
(話を戻すけど、そういう訳で僕でもこの魔術に干渉するには、ちゃんと神として顕現する必要があるくらい難しいものなんだ)
顕現。つまりこの地に、火竜ヴェスタを再び出現させるという訳だ。
そんなことができるはずもない。それくらいは説明がなくとも想像がつく。
しかし、そうなるとここ一帯の陣を解除する術がない。
これではいくら調べようとも、魔女の魔女を阻止することなど出来ず仕舞いだ。
(ちなみに、この辺りに用意された陣の正体は分かるの?)
(そうだね。多分送り陣……召喚した魔獣を、任意の場所に送り付けるものだよ)
つまり、魔女はこの場所で魔獣を召喚し、各地に送り込んでいた可能性があるという訳だ。
だが魔獣には巨大な者が多い。
召喚と言ってもそれ自体は目立たないもので、周囲からは気付かれないように行われていただろう。
そこまで考えたところで、アデーレの中で最悪の想像が頭に浮かぶ。
この場所で隠れて魔獣を召喚し、そしてロントゥーサ島の各地へ送り込む。
この場所……バルダート家の関係者しか入ることが許されない、屋敷の中庭でだ。
(ああ、ロックン。私の考えは間違ってるって言ってよ)
アンロックンは答えない。
この沈黙はすなわち、肯定の意。
既にアンロックンも、アデーレと同じことを考えていたようだ。
(……魔女は、この屋敷に潜り込んでいるだろうね)
自分以外の者から、その言葉を聞きたくはなかった。
どこにいるかもわからぬ魔女は、なんと自分達の最も身近な場所に潜んでいたのだ。
厳しい人もいれば、優しい人もいる。友人と呼べる者も出来たし、尊敬できる人だっている。
そして何より、貴族の屋敷という過酷な印象とは裏腹に、ここには思いやりというものがあった。
そんな人達の中に、人の尊厳を踏みにじるような悪魔が潜り込んでいるなどと、アデーレは考えたくもなかった。
強いめまいのようなものを覚え、アデーレが右手で目元を覆う。
その時、寝不足のせいでふらついた体が、生垣の方に倒れ込む。
(あっ、アデーレ!!)
脳内で叫ぶ、アンロックンの声。
同時に、耳元から先ほどまで一切聞こえてなかった風切り音が、大音量で響き渡った。
全身に、服も吹き飛ばしそうな強烈な風を感じる。
「……は?」
右手を顔から離し、目の前の光景を確認する。
まず、空が先ほどよりも近く感じる。
そして体は重力により下へ引っ張られ……つまり落ちている。
振り向けば、眼下にロントゥーサ島。
島の全景が一望でき、港町も随分小さく見える。
眠気による体のだるさが、アデーレの身体から一気に吹き飛んだ。
(送り陣だ! あれが発動して、島の上空に転送されたんだよ!!)
「はぁーっ!!??」
目を見開き、絶叫した。
ロントゥーサ島の上空数百メートル。
アデーレは今、この世界で最も高い場所から落下する人類となったのだった。
更には床や短い階段を眺めるも、そこに何か細工がされた形跡は伺えない。
アデーレの目には、明らかに何の異常もない、ただの東屋にしか見えなかった。
(見当違いなのかな……)
アンロックンに尋ねるように、頭の中でぼやく。
しかし答えは返ってこない。というよりは、何か考え事をしているかのように押し黙っている。
アデーレはため息を漏らし、東屋から周辺の生垣に目を向ける。
生垣ならば、人目に付かない場所に何かを仕込むには適しているはずだ。
東屋の短い階段を降り、中庭の通路へ降り立つアデーレ。
早速しゃがみ込み、生垣の下を覗き込んでみた。
ごく一般的な働きアリの群れが、捕らえた芋虫を運んでいる最中だった。
「……ああ、もう」
あまりにも収穫がなさすぎてか、ついに声が漏れだす。
だが、ここで挫けているわけにもいかない。
アデーレは膝をつき、土下座の姿勢になりながら更に下を覗き込む。
生垣の幹と土。それらに混ざって小石や昆虫。
そんなものばかりが目に付く。
(待った)
その時、頭の中にアンロックンの声が響く。
(どうしたの?)
(いや、この辺りなんだけど……妙な気配がするな)
おそらく、アデーレが見ている視界の中に違和感を覚えたのだろう。
しかし、彼女にはただの地面しか確認できない。
(ちょっと僕を出して、前にかざしてくれないかな?)
(前にかざす……こう?)
言われるがままにポケットからアンロックンを取り出し、顔の前にかざす。
(そうそう。そのままで…………)
しばらくの沈黙。
硬い石畳の上に長い時間膝をついていると、徐々に膝から痛みが伝わってくる。
それを誤魔化すように、アデーレは少しずつ姿勢を変えながらアンロックンの反応を待つ。
(……分かった)
ついに期待した反応が、アンロックンから帰ってきた。
(アデーレ、状況はかなり深刻だよ。この庭は危険だ)
が、その答えはアデーレの想像以上にまずいようだ。
事態の深刻さを理解したアデーレは、険しい表情を浮かべながらその場に立ち上がる。
スカートに付いたほこりやごみを払いながら、アンロックンを再びポケットに収める。
(危険って、どういうことなの?)
落ち着いたところで、改めてアンロックンに問いかける。
アンロックンはどう答えればいいのか考えているのか、短いうなり声を上げる。
(そうだなぁ。まずはここが、魔獣召喚の儀式に使われている可能性がある)
その一言に、アデーレはわずかな立ち眩みを覚えた。
しかし、そのような儀式の形跡はどこにも見当たらない。
(儀式って……それ、どういうことなの?)
(うん。この庭のいたるところに、不可視の陣が張られている気配がするんだよ)
(不可視の陣?)
聞き慣れぬ名前に、アデーレが首をかしげる。
(君に分かりやすく言うならば、魔法陣っていうのは聞いたことあるかな?)
(それくらいなら分かるけど。不可視ってことは見えない魔法陣ってこと?)
(半分は正解。だけど魔法陣は不可視と言えども隠れて使うには都合が悪いんだ)
アデーレの脳内に、魔女が杖で地面に魔法陣を描く様が思い浮かぶ。
確かに、地面に描いて隠しておいても、誰かに気付かれないうちに踏まれる可能性もある。
そうなれば、陣としては不都合があるはずだ。
(不可視の陣は最近の魔法使いがよく使う方法でね。魔法陣を省略したものを小さな紙に描いて、それを地面に貼っておくんだよ)
その説明を受け、お札を思い浮かべるアデーレ。
それならば、地面に描くよりも使い勝手は良いだろう。
(じゃあ、それを見つけて剥がせば、魔女の計画を邪魔できるってこと?)
(そうなんだけど、そう都合よくはいかないんだ)
それは一体どういうことなのか。
疑問に思ったアデーレが、首をかしげる。
(まず、不可視にする魔術は防護の意味合いも持っててね。触れられないようにできてる)
(なるほど……じゃあ、その不可視にしている魔術を解けないの?)
(低級のものならなんとか。でもこの辺りに敷かれているのは高位の神威を賜った強力なものでね)
神威。つまり神の威光であり、格を現すものだ。
(って、それならロックン何とかできるんじゃないの? ヴェスタってすごい神様な訳だし)
(簡単に言ってくれるね……。残念ながら、この魔術が持つ神威は僕達とは異なる神のものだ)
それはどういうことか。そう尋ねようと思った時に、ふと思い出す。
アデーレ達が追う魔女は、暗黒大陸から来た存在だ。
つまり、西方主教が広まるシシリューアや周辺諸国とは、全く違う宗教観があってもおかしくない。
(……つまり、暗黒大陸で信仰されている別の神の力だから、手が出せないの?)
(おお、すごいねアデーレ。その通りだよ)
(当たっても嬉しくないけど。まぁ、ありがと)
(そう言わないで。とりあえずアデーレの言う通りで、僕らが属する神々と暗黒大陸で信仰される神々は別種の存在で、神威も全く異なるんだ)
ため息をつくアデーレをよそに、アンロックンは説明を続ける。
(この世界は、異なる神々の集団同士で神域を生み出し、その地に住む者と関係を持つんだ)
(神域……ああ、西方主教が伝わってる地域とか、そういうこと?)
(正解。ちなみにロントゥーサ島やシシリューア島は、南に少し船を進めれば暗黒大陸に辿り着くんだけど)
(それってつまり、ここは西方趣向の神域と、暗黒大陸の神域の境目って訳だね)
その通りと、ポケットの中のアンロックンが頷くように動く。
それに対するくすぐったさは、話の内容のせいで気にする暇がなかった。
(話を戻すけど、そういう訳で僕でもこの魔術に干渉するには、ちゃんと神として顕現する必要があるくらい難しいものなんだ)
顕現。つまりこの地に、火竜ヴェスタを再び出現させるという訳だ。
そんなことができるはずもない。それくらいは説明がなくとも想像がつく。
しかし、そうなるとここ一帯の陣を解除する術がない。
これではいくら調べようとも、魔女の魔女を阻止することなど出来ず仕舞いだ。
(ちなみに、この辺りに用意された陣の正体は分かるの?)
(そうだね。多分送り陣……召喚した魔獣を、任意の場所に送り付けるものだよ)
つまり、魔女はこの場所で魔獣を召喚し、各地に送り込んでいた可能性があるという訳だ。
だが魔獣には巨大な者が多い。
召喚と言ってもそれ自体は目立たないもので、周囲からは気付かれないように行われていただろう。
そこまで考えたところで、アデーレの中で最悪の想像が頭に浮かぶ。
この場所で隠れて魔獣を召喚し、そしてロントゥーサ島の各地へ送り込む。
この場所……バルダート家の関係者しか入ることが許されない、屋敷の中庭でだ。
(ああ、ロックン。私の考えは間違ってるって言ってよ)
アンロックンは答えない。
この沈黙はすなわち、肯定の意。
既にアンロックンも、アデーレと同じことを考えていたようだ。
(……魔女は、この屋敷に潜り込んでいるだろうね)
自分以外の者から、その言葉を聞きたくはなかった。
どこにいるかもわからぬ魔女は、なんと自分達の最も身近な場所に潜んでいたのだ。
厳しい人もいれば、優しい人もいる。友人と呼べる者も出来たし、尊敬できる人だっている。
そして何より、貴族の屋敷という過酷な印象とは裏腹に、ここには思いやりというものがあった。
そんな人達の中に、人の尊厳を踏みにじるような悪魔が潜り込んでいるなどと、アデーレは考えたくもなかった。
強いめまいのようなものを覚え、アデーレが右手で目元を覆う。
その時、寝不足のせいでふらついた体が、生垣の方に倒れ込む。
(あっ、アデーレ!!)
脳内で叫ぶ、アンロックンの声。
同時に、耳元から先ほどまで一切聞こえてなかった風切り音が、大音量で響き渡った。
全身に、服も吹き飛ばしそうな強烈な風を感じる。
「……は?」
右手を顔から離し、目の前の光景を確認する。
まず、空が先ほどよりも近く感じる。
そして体は重力により下へ引っ張られ……つまり落ちている。
振り向けば、眼下にロントゥーサ島。
島の全景が一望でき、港町も随分小さく見える。
眠気による体のだるさが、アデーレの身体から一気に吹き飛んだ。
(送り陣だ! あれが発動して、島の上空に転送されたんだよ!!)
「はぁーっ!!??」
目を見開き、絶叫した。
ロントゥーサ島の上空数百メートル。
アデーレは今、この世界で最も高い場所から落下する人類となったのだった。
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※小説家になろう様、カクヨム様にも同時投稿しております
※2021/05/09 タイトルを修正しました
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