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学園編

列車の旅

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「フレデリク教授、この後どうやってフォックス・ワイルドまで行くんですか?」

 グレンチェ学院と近くの街、オウル・エルノシアを繋ぐ列車の中で私の助手、クヌーが聞いてきた。

「この後、オウル・エルノシアでセントラルラインの寝台特急に乗り変え、二週間後に着く。」

「まさか、一月かかるってローゼン君には伝えてましたけど、まさか……。」

「そ、一月の内、四週間は列車の上、向こうにいる時間は一週間もないよ。」

「マジっすか……。」





 俺がオウル駅で学会によって予約されていたチケットの手続きをしていると、クヌーがバスケットを持ってきた。

「教授、パン、買ってきました。」

「お、ありがとう。んで、こっちも手続き終わった。」

 そう言って、チケットを渡した。

「出発までそんなに時間無いから、もう乗るぞ。」

 そう言って駅のホームの中に入っていった。





「ところで、我々の部屋って何処なんですかね?」

 駅のホームでクヌーが聞く。目の前にある汽車はとても大きく、客車の横にA、Bと書かれていた。

「チケットを見る限り、部屋は同じみたいなんだよな。ほら、部屋番号が同じだ。この最初のFが客車番号なんじゃないか?」

 確か学会の登録情報には同じ職場で、教授とその助手であることも記入してるんだっけ。

「F号車は結構後ろの方ですかね。」

「はやく行って仕事でもしてよう。さぁ、」





「えっと、あ、ここだ。Fの二十七号室。」

「でもコレって部屋なんですか?」

 外から見ると、扉のすぐ横に扉があり、その間は五センチくらいしか空いてない。

 と言うのも仕方がない話なのかもしれないが、この客車だけで客室が五十二もあり、そんなに幅はないのに四列にしていてギチギチに詰め込んでいるのである。

「これ扉しかないんじゃ……。」

 そんな事をいうクヌーを尻目に、私が扉を開けると、中には二段ベッドがギチギチに入っていた。

 そして、それ以外には上の段に登る梯子と外の駅のホームが見える窓ぐらいしかなかった。

「まさか、こんな独房みたいなところで二週間も過ごせっていうのか?」
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