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分岐 壱 素晴らしき夢
素晴らしき夢
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「僕の部屋だ。」
いつもの僕の部屋だ。二針村でなく僕の本当の家。
僕は体を起こす。その時、何かにぶつかる。その何かは掛け布団の中にあるらしい。
布団の中を覗く。そこには寝息を立てる鈴波がいた。
僕の頭の中が責任を取る方法についてで一杯になった時に涼波が「うぅーん」と声を上げて目を開けた。
「涼波、その~。えーっと。責任はちゃんと取ります。」
そんな僕を涼波は押し倒して僕の上に寝そべる。
「そんな責任より、もっとゆっくり寝てようよ。夏休みなんだし……。」
そういって僕の上で目を瞑る。
「ねぇ、涼波。二針村って知ってる?」
「なにそれ、カプコンのゲーム?」
それは多分魔界村だと思う。
「知らないのなら、いいか。」
と全然良くない状況なのになんでこんな感じで僕はゆったりとしているんだ?
「じゃなくて、さっきまで僕は確かにその村にいたんだ。」
「夢じゃないの?」
夢?確かに夢のような感じだった。というより確か夢みたいなものって結論になったな。
「そうか、夢か……。」
「ねぇ、その夢に私はいた?」
涼波が目を瞑りながら訊いてくる。
「いたよ。一緒にご飯を作ったり、探検したり楽しかったな。」
「そう、良かった。」
「なんで良かったの?」
涼波が目を開いて見つめながらささやく。
「だって、夢の私に嫉妬するところだったんだもん。でも、そんぐらいなら現実の私とできるし、なんならもっと凄いことも出来る。」
涼波は体を動かす。
「ねぇ、京介。」
涼波、僕の来ている白いシャツの下から捲る。
「その凄いことを今、しない?」
そう言って、涼波は僕の体に腕を回す。
「京介、私、夢みたいな気持ちなの。」
分岐 壱 素晴らしい夢~完~
いつもの僕の部屋だ。二針村でなく僕の本当の家。
僕は体を起こす。その時、何かにぶつかる。その何かは掛け布団の中にあるらしい。
布団の中を覗く。そこには寝息を立てる鈴波がいた。
僕の頭の中が責任を取る方法についてで一杯になった時に涼波が「うぅーん」と声を上げて目を開けた。
「涼波、その~。えーっと。責任はちゃんと取ります。」
そんな僕を涼波は押し倒して僕の上に寝そべる。
「そんな責任より、もっとゆっくり寝てようよ。夏休みなんだし……。」
そういって僕の上で目を瞑る。
「ねぇ、涼波。二針村って知ってる?」
「なにそれ、カプコンのゲーム?」
それは多分魔界村だと思う。
「知らないのなら、いいか。」
と全然良くない状況なのになんでこんな感じで僕はゆったりとしているんだ?
「じゃなくて、さっきまで僕は確かにその村にいたんだ。」
「夢じゃないの?」
夢?確かに夢のような感じだった。というより確か夢みたいなものって結論になったな。
「そうか、夢か……。」
「ねぇ、その夢に私はいた?」
涼波が目を瞑りながら訊いてくる。
「いたよ。一緒にご飯を作ったり、探検したり楽しかったな。」
「そう、良かった。」
「なんで良かったの?」
涼波が目を開いて見つめながらささやく。
「だって、夢の私に嫉妬するところだったんだもん。でも、そんぐらいなら現実の私とできるし、なんならもっと凄いことも出来る。」
涼波は体を動かす。
「ねぇ、京介。」
涼波、僕の来ている白いシャツの下から捲る。
「その凄いことを今、しない?」
そう言って、涼波は僕の体に腕を回す。
「京介、私、夢みたいな気持ちなの。」
分岐 壱 素晴らしい夢~完~
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