67 / 90
森の中のエルフ幼女、森の中の生活を開始する
出ない。出ない。出ない。出ない。出ない……出ないんだヨォォォ!
しおりを挟む
「あら? エルフなの! 私エルフなんて初めて見ました! しかも可愛い。あ~ん。この世界に来て良かった~お父様、この子は養子にしましょう! エルフの妹……これだけで捗りそうだわ! 」
部屋に入るなり俺を見つけると、そのままこちらに突撃してきて俺を人形のように抱きしめるライアに、みんなは何も言えずにただ見ているだけだった。
「あの~今から真面目な話があるんで離してもらえませんか?ライア様」
「はうっ! 声まで可愛い……これはもう保存用にどこかで飾っておかないといけないレベルだわ……お母様に相談してお披露目用の服を作ってもらわなくちゃ! 」
あかん……全く話を聞いてくれない。
いや、聞く気すらないよねこの子?
「いい加減にせんか! お前の命を守る為に助けてくれる人たちなのだぞ! それを自分の趣味に巻き込むんじゃない! 」
「でもお父様、この子を養子にすればこの子が『おとうさま。一緒に寝ましょ? 』とか言ってくれんですよ?それを想像して見てください! 」
「それは……その、ありだとは思うが……」
おい伯爵、娘に言い負かされてどうするんだ……あと、こっち見て頰を染めんな。
「そうでしょ? それなら早くこの子との養子縁組を結ばないと……」
『いい加減にしろ、このロリコンが! お前はこのまま殺されたいのか?』
思わず日本語で怒鳴った言葉に、ライアの動きが止まる。
俺はその間に抱きかかえている手を払い、その場に着地するとライアの顔を見て子供に言い聞かせるように説明する。
「いいか? あんたは『この世界の理(ことわり)』に狙われている。理由は異世界転生者だからだ。この世界において異世界転生者は世界の敵であり、抹殺対象なんだ。それが分かったら、俺たちの話を聞いて自分で自分の未来を決めるんだ」
「…………! 」
俺の言葉の意味を分かったのか、それとも命が狙われているという事に恐怖したのかライアの動きが止まる。
これでようやく本題に入れる……
「なんて事なの!悪徳令嬢かと思っていたら勇者物だったなんて! 私の婚約者達はどこにいったの! 」
……こりゃ駄目ですわ。
「なるほど。私達はその世界の守護者に狙われているという事ですね。そうなると、確かに戦力は出来るだけ確保したい……と。分かりました、私も覚悟を決めましょう。それで……世界の守護者とはどのくらいの強さなのでしょうか? ジルアちゃんの話だと追い返すのに精一杯といった感じですけど? 」
何とか話を進める事が出来たが、思ったよりは頭が良いようだ。
現状把握は終わったが……そうだな、この間の戦いも防戦一方って感じだしな。
「そうだね。正直あの時は相手もこちらの戦力を知らなかったから追い返せたけど、次に会う時には対策を立てられているだろうしね……正直、勝てるとは言えないかな」
「そうですか、だったら私のユニークスキルとアクトさんのユニークスキルを聞いてもらってから考えましょう。私のユニークスキルは【屏風乃虎】私が創り出した無地の屏風と筆で描いたものを実体化させる事が出来るスキルですわ。屏風は1日1枚創れますし、その屏風は時間が経っても無くなりません。ただし、絵を描いた屏風は絵を実体化させると消滅します。現在3枚程創り出したままの屏風がありますわ。それにあの完成度によって、出てくるものの能力も制限されますわ」
これは……使い方によってはかなり強力なスキルだな。
でも戦闘中には描く余裕もないだろうし、ある程度罠のような使い方になりそうだな……
「次は俺の番か……俺のユニークスキルは【自宅警備】……言っとくけど前世も今もちゃんと働いていたからな。能力は自分の知っているものを創り出す事。今回はダンジョンだったが、他にも家やお城なんかも創り出せる。ただし、ダンジョン以外は俺が見たものでないと創り出せないから、外見しか見てないものはハリボテみたいになるな。ダンジョン型なら色々改造出来るから1番創りやすいのは確かだ。あとダンジョン型だとモンスターも創り出せる。これも俺が見たことあるモンスターまでだな」
こちらも創作系のスキルだな。
こちらは臨機応変に使えるから対応し易いけど、アクトが見たことあるモンスターまでなので少々力不足なところもあるな……今度どこかの魔境にでも連れて行くか。
「2人の能力だとライア様には強力な罠になるような物を創ってもらっておいて、アクトにはそれを自分のダンジョンに効率よく配置してもらう感じにしてもらえば良いかな? ちなみにアクトのダンジョンはいつでも創れるの? 」
「あぁ……出入り口さえ創れば俺が創ったダンジョンに繋がれるからな。出入り口は3つまで使用可能だ。それ以上は3つのどれかを破棄しないと増やせないな」
どうやらこの間創ったダンジョンはまだ残っているみたいだ。
「ちなみにお酒で気を失ったら私達は外に出されたけどあれはどうしてなの? 」
「俺の意識が無くなるとダンジョンを具現化させておく事が出来なくなるんだ。だからこの間もギリギリだったんだよ! そこのオカマに丸2日近く襲われてな! 」
マロンさんを睨むアクトだが、マロンさんからウインクを返され撃沈する……この世界、地元の人の方がよっぽど強いよね。
「これで全員の力が分かったみたいだけど、どうやって世界の守護者と戦うつもりなの?ジルアちゃん」
セシルが不安そうに俺に聞いてくる。
今のままだと勝ち目がほとんど無いからな~さて、どうやってあいつを倒すとしようか……
「とりあえずはアクトとライア様はレベル上げだね。相手は強敵だし、何よりステータスが低いとすぐ死にかねないしね。そう言うわけで伯爵様、ライア様を少しお借りする形になりますけど宜しいですか? 」
「命に関わる事だし、エルフの姫もついていてくれるのだろう? ならばこちらからお願いする……頼んだぞ」
「私もやっと冒険者デビューなんですね! これは執筆活動に役に立ちそうですわ! 」
本当にこれでいいんだろうか?
部屋に入るなり俺を見つけると、そのままこちらに突撃してきて俺を人形のように抱きしめるライアに、みんなは何も言えずにただ見ているだけだった。
「あの~今から真面目な話があるんで離してもらえませんか?ライア様」
「はうっ! 声まで可愛い……これはもう保存用にどこかで飾っておかないといけないレベルだわ……お母様に相談してお披露目用の服を作ってもらわなくちゃ! 」
あかん……全く話を聞いてくれない。
いや、聞く気すらないよねこの子?
「いい加減にせんか! お前の命を守る為に助けてくれる人たちなのだぞ! それを自分の趣味に巻き込むんじゃない! 」
「でもお父様、この子を養子にすればこの子が『おとうさま。一緒に寝ましょ? 』とか言ってくれんですよ?それを想像して見てください! 」
「それは……その、ありだとは思うが……」
おい伯爵、娘に言い負かされてどうするんだ……あと、こっち見て頰を染めんな。
「そうでしょ? それなら早くこの子との養子縁組を結ばないと……」
『いい加減にしろ、このロリコンが! お前はこのまま殺されたいのか?』
思わず日本語で怒鳴った言葉に、ライアの動きが止まる。
俺はその間に抱きかかえている手を払い、その場に着地するとライアの顔を見て子供に言い聞かせるように説明する。
「いいか? あんたは『この世界の理(ことわり)』に狙われている。理由は異世界転生者だからだ。この世界において異世界転生者は世界の敵であり、抹殺対象なんだ。それが分かったら、俺たちの話を聞いて自分で自分の未来を決めるんだ」
「…………! 」
俺の言葉の意味を分かったのか、それとも命が狙われているという事に恐怖したのかライアの動きが止まる。
これでようやく本題に入れる……
「なんて事なの!悪徳令嬢かと思っていたら勇者物だったなんて! 私の婚約者達はどこにいったの! 」
……こりゃ駄目ですわ。
「なるほど。私達はその世界の守護者に狙われているという事ですね。そうなると、確かに戦力は出来るだけ確保したい……と。分かりました、私も覚悟を決めましょう。それで……世界の守護者とはどのくらいの強さなのでしょうか? ジルアちゃんの話だと追い返すのに精一杯といった感じですけど? 」
何とか話を進める事が出来たが、思ったよりは頭が良いようだ。
現状把握は終わったが……そうだな、この間の戦いも防戦一方って感じだしな。
「そうだね。正直あの時は相手もこちらの戦力を知らなかったから追い返せたけど、次に会う時には対策を立てられているだろうしね……正直、勝てるとは言えないかな」
「そうですか、だったら私のユニークスキルとアクトさんのユニークスキルを聞いてもらってから考えましょう。私のユニークスキルは【屏風乃虎】私が創り出した無地の屏風と筆で描いたものを実体化させる事が出来るスキルですわ。屏風は1日1枚創れますし、その屏風は時間が経っても無くなりません。ただし、絵を描いた屏風は絵を実体化させると消滅します。現在3枚程創り出したままの屏風がありますわ。それにあの完成度によって、出てくるものの能力も制限されますわ」
これは……使い方によってはかなり強力なスキルだな。
でも戦闘中には描く余裕もないだろうし、ある程度罠のような使い方になりそうだな……
「次は俺の番か……俺のユニークスキルは【自宅警備】……言っとくけど前世も今もちゃんと働いていたからな。能力は自分の知っているものを創り出す事。今回はダンジョンだったが、他にも家やお城なんかも創り出せる。ただし、ダンジョン以外は俺が見たものでないと創り出せないから、外見しか見てないものはハリボテみたいになるな。ダンジョン型なら色々改造出来るから1番創りやすいのは確かだ。あとダンジョン型だとモンスターも創り出せる。これも俺が見たことあるモンスターまでだな」
こちらも創作系のスキルだな。
こちらは臨機応変に使えるから対応し易いけど、アクトが見たことあるモンスターまでなので少々力不足なところもあるな……今度どこかの魔境にでも連れて行くか。
「2人の能力だとライア様には強力な罠になるような物を創ってもらっておいて、アクトにはそれを自分のダンジョンに効率よく配置してもらう感じにしてもらえば良いかな? ちなみにアクトのダンジョンはいつでも創れるの? 」
「あぁ……出入り口さえ創れば俺が創ったダンジョンに繋がれるからな。出入り口は3つまで使用可能だ。それ以上は3つのどれかを破棄しないと増やせないな」
どうやらこの間創ったダンジョンはまだ残っているみたいだ。
「ちなみにお酒で気を失ったら私達は外に出されたけどあれはどうしてなの? 」
「俺の意識が無くなるとダンジョンを具現化させておく事が出来なくなるんだ。だからこの間もギリギリだったんだよ! そこのオカマに丸2日近く襲われてな! 」
マロンさんを睨むアクトだが、マロンさんからウインクを返され撃沈する……この世界、地元の人の方がよっぽど強いよね。
「これで全員の力が分かったみたいだけど、どうやって世界の守護者と戦うつもりなの?ジルアちゃん」
セシルが不安そうに俺に聞いてくる。
今のままだと勝ち目がほとんど無いからな~さて、どうやってあいつを倒すとしようか……
「とりあえずはアクトとライア様はレベル上げだね。相手は強敵だし、何よりステータスが低いとすぐ死にかねないしね。そう言うわけで伯爵様、ライア様を少しお借りする形になりますけど宜しいですか? 」
「命に関わる事だし、エルフの姫もついていてくれるのだろう? ならばこちらからお願いする……頼んだぞ」
「私もやっと冒険者デビューなんですね! これは執筆活動に役に立ちそうですわ! 」
本当にこれでいいんだろうか?
0
お気に入りに追加
263
あなたにおすすめの小説
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる