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森の中のエルフ幼女、森の中の生活を開始する

最近SRの価値って下がりすぎじゃありませんかね? まぁレアなんてもっと酷いけど

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 正装を纏い貴族の風格を漂わせるマロンと共に俺達は伯爵の館へと向かう。

 どうやらギルマスのテンカが先触れを出してくれていたようで、門番もすんなりと俺達を通してくれた。

 アクトもその間に目覚めたのだがアーバンパレスの領主に会うことを告げると、全力で嫌がっていた。

「おぃぃ?俺を伯爵に売るつもりなのか? それでも同じ異世界転生者か! 」

「安心して。一応領主のタバサ伯爵とは多少の付き合いがあるからいきなり処刑はないはずだよ? 」

「それを聞いてどう安心しろと ⁈  」

 そんな会話をしながらも、目的の伯爵の館へと到着するのであった。






「久しぶりだね、ジルア嬢。今回も何やら大変な事があったとか。それにしても冒険者姿も美しい。そちらの……失礼。その2人の事は紹介していただけるのかな? 」

 マロンの顔を見た時、顔色が一瞬変わった事には気付いたがマロンは何処吹く風といった態度なので俺も知らないふりをする。

「えぇ……今回もこのアーバンパレスにとって重要な案件だと思いましたので伯爵様に是非御一報を…と思いまして」

 俺の言葉に、何か感じるものがあったのだろう。

 周りの護衛や秘書などを部屋から出るように告げると、部屋には俺達とタバサ伯爵だけになってしまった。



「これで内密の話も出来るというものだ……ところで兄上、ようやく伯爵の地位を受けてくれると思って良いのですか? 」

 いきなりとんでもない台詞が飛んでキター!

「何を仰いますか、伯爵様。私はしがない奴隷上がりの冒険者。伯爵様とは何も関係のないただの風来坊で御座います」

 はたから見てもとても礼儀の整った振る舞いのマロン……どうしてこれがああなった……

「兄さん! 兄さんを貶めた、母方の
 貴族はもうこのアーバンパレスにはいない! 今なら金クラスの実力まで持った兄さんが伯爵を継ぐ事に問題はないはずだ」

「いやいや、大いに問題がありますよ? 私は貴族ではありませんし、貴方のような立場の方に『兄』などと呼ばれるような身分ではありません。ご家族を大切に思うなら、そのような迷い言は仰るべきではありません」

「でも、「あのーお二人とも、それ以上お話を続けるようでしたら私帰らせて頂きますけど? アーバンパレスに関わる事と言いましたのに、このような茶番をされては私これ以上待てませんわ……あとマロン、お前は後でお仕置きだ」

 全く、せっかく援護になるかと連れてきたマロンが話をややこしくしやがった! 

 女性陣は、タバサとマロンの美形2人の触れ合うほど近さで言い合う姿を見てキャーキャー言っているが、俺はここにそんなボーイズラブを見にきたわけじゃない。

 タバサとマロンの顔が蒼褪めていく中、俺は話を元に戻そうとする。



「今回、アーバンパレスの南に新しくダンジョンが出来た事はご存知だと思いますが、それについて詳しい話をしようと伺った次第です」

 その言葉を聞くと、領主の顔へと戻るタバサ。

「ふむ、確かにその情報は私にも届いているが……既に攻略されたとも、情報が来ているのだが? 」

 タバサは俺の言いたい事が分からずに現在までに起こった事を話してくる。

 確かに今から俺が言う話を知っていれば冷静にはいられないだろうしな。

「いいえ、それは正確には違います。ダンジョンが攻略された訳ではなく、ダンジョンを創り出した者が消し去った……と言うのが真相でございます」

 俺の言葉に顔をしかめアクトを見るタバサ……どうやらタバサがその人物だと分かったようだ。

「なるほど……確かにその話が本当だとしたら大変な問題だな。それでそこにいる男がその人物という事かね」

 タバサに睨まれたアクトはガクガクと震えている……まぁ伯爵に目を付けられたらこの世界じゃ平穏に生きる事は出来そうにもないからな。

「いいえ。この男は伯爵様に雇って貰う為に連れてきた男なのです」

 俺の言葉に仲間達の視線が集まる。

 マロンは面白そうにこちらを見ているが、あいつは後でお仕置き決定だな。

「それは……どういう事だね? 」

「この男は『訓練場』を自由に作る事が出来るのです。前回大氾濫のあったこの街では戦力が大幅に減少しているはずです。この男の創り出す訓練所は人が死なないよう訓練が出来るという点において伯爵様な、大きな利益となるでしょう。また、大氾濫などの時にはその訓練所に一般市民を避難させるという事も可能かと……ただ、彼は『異世界転生者』ですが」

 俺の言葉を最初は興味気に聞いていたタバサだが、異世界転生者という言葉を聞くと無表情となる。

「残念だがその男を雇う事は出来ない。今回の件はダンジョンの攻略として扱うのでその男にはこの領地から出て行ってもらおう」

 やはり、王家や貴族などは異世界転生者について何か『知っている』ようだ……なら、

「そうですか。残念ですが仕方ありませんね。セシル、シロ。私達も彼と一緒にこの領地を去ることにしましょう。伯爵の大切な時間を使わせてしまって申し訳ありませんでした。では……」

 俺はそう言うとシロとセシルを連れ、アクトと一緒にこの場を去ることにする。

「な? ちょっと待ってくれ! 何故君達まで一緒にいなくなるという話になるんだ? その男の事は残念だが、それを不快に思い出ていくというなら許して欲しい。こちらにも理由があるのだ! 」

 必死に俺に話し掛けてくるタバサだが、俺にも負い目があるのでここは出て行くしかないのだが……

「そう言われても……シロとセシルは異世界転生者ですし、私にいたっては異世界転移者ですから。彼が出て行かないといけないのなら、私達がいては迷惑でしょ? 」

 俺の言葉に口をパクパクする伯爵。

 カスパルはあちゃーって顔をしているし、クレアは難しい顔をしている。

 マロンなんて大笑いだ。



 タバサ伯爵にも色々事情がありそうだから穏便にすめばいいのだけど……




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