上 下
108 / 252
第4章:魔法学園 入学準備編

第105話 『その日、お披露目をした』

しおりを挟む
 毒竜の死体が謁見の間に鎮座する中、部屋の中では様々な反応があった。
 その巨体と、死体にも関わらず滲み出てくる猛毒に畏怖を覚え、腰を抜かす者。
 震える手で獲物に手をかけ、警戒を露わにする者。
 興味深そうな目で見つめる者。
 他者の影に隠れつつも、興味深そうに覗き込む者。

 そして頼もしくも涼しい顔で見ている者もいた。それは家族と、リディと、イングリットちゃんね。
 ママは若干後退りはしたけど、意外と平気そうで良かったわ。リディは元々強い子だし、それに2人共ピシャーチャの死体を生で見ているのが大きいかも。
 アレに比べたら、毒竜なんて小物よね。

 イングリットちゃんは肝が据わってるから、毒竜を前にしても堂々としているわね。まあ死体と解ってるからかもしれないけど。『私が』直接倒したって言う部分も、影響してそうな気がするけど……流石に自惚れが過ぎるかな?

 アリシアは2回目と言うこともあり、落ち着いているわね。リリちゃんは目を輝かせてる。一応注意しておこうかな。

「リリちゃん。一応空気感染で毒にはならなくしているけど、それでも危険なものには変わりないから、触ったりしちゃダメよ」
「うん!」
「アリシア、せっかくだから漏れ出た毒を『浄化』してみなさい。川の水で薄まる前の原液だから、大変かもしれないけど、試すだけでもスキルの成長に繋がるわ。上手く行きそうなら、解体の時にも手伝ってもらうから」
「畏まりました」

 さて、2人にする指示はこんなもので良いわね。改めて陛下を見るが、すごく楽しそうにしているわね。この人もこんなふうに笑えたんだなぁ……。

「陛下、何かお聞きしたいことはありますか」
「うむ……そうだな。こやつはどのようにして倒したのだ」
「並大抵の武器では刃が通りませんので、魔法で剣を作り、脳天を貫きました。それでも死ななかったので、追い討ちに魔法を使いましたわ」
「では、余がこやつと相対した場合、勝てると思うか?」

 無理ですね。

「……」

 と、思わず口から飛び出しそうになった。
 危ない危ない。
 オブラートに包むにはどうするべきかしら。んー、むむむ。

「……まず前提として、武器のランクとしては最低でも6。可能であれば7は欲しい所です。それは防具も同じです。更に言えば、ある程度の毒対策をした上で、薬も最高品質を。人数ですが1人は厳しいでしょう。陛下とレイモンド、アリシアにイングリットちゃんを入れた4人で、何とか勝てるかも……。と言った所でしょうか」
「ほう……」
「……本当ですか、お嬢様」
「ええ。下位竜はそれぞれ対策は違うけど、毒竜は毒さえ気を付ければ竜の中では耐久性に難があるからね。そのくらいのメンバーで何とかなると思うわ」

 戦闘力としての単純計算でみれば、だけども。
 前衛2に後衛2。バランスとしては丁度良いし、レベルとしても最低ラインは超えているはず。ただまぁ、問題は装備なのよね。この世界、『エクストラ』程度の58が最高峰扱いされているなら扱える素材も限られてきちゃうし、まともな対策装備も用意できそうにないわ。

「……ひとまずは理解した。その竜は仕舞って良いぞ」
「畏まりましたわ」

 『浄化』はアリシアに任せ、私は毒竜をマジックバッグに収納していく。
 うーん、いつ見てもマジックバッグの口よりも大きなものが入っていく光景は不思議だわ。それを言ったらピシャーチャなんてありえない事になっていたけど。

 毒竜を収納しきっても、鎮座していた場所やその周辺は、瘴気や毒が消えずに残っていた。
 さすがに毒をすべて『浄化』しきるのはアリシアにも酷だったみたいね。私も手伝っておこう。

「『浄化』」
「ああ。流石です、お嬢様」

 光と共に毒や瘴気は掻き消え、あとにはドロドロに腐敗した絨毯と、ちょっと融解した大理石の床だけとなった。
 そして安全を確認したうえで、2種の魔法障壁を解除する。

 もう大丈夫だよと皆にジェスチャーを送ったところで、陛下から声がかかった。

「ご苦労だった。さて、次にシェルリックスに居たというマンイーターの親玉の事だが、鉱山の権利書以外に確認する術はあるか?」
「……領主から公爵様に宛てた手紙が1通。それからギルドマスターがレイモンドに宛てた手紙が1通。そしてピシャーチャの魔石です」
「見せてくれ」
「魔石に関しては、危険性があります。ですので、これは魔道具で鑑定するにとどめ、決して触れないようにして欲しいのです」

 そう説明している間にも、手紙は公爵様からザナックさんに渡り、そのまま陛下へと渡された。
 ザナックさんはどうやら、権利書の方の確認を優先するようだった。頷いているし不正が無い事を確認したんだろう。

 陛下が手紙を確認している最中、壁際に避難していた皆と合流する。
 中でもソフィーは、興奮したように顔を紅潮させているけど、聞きたいけど聞けないみたいな顔をしていた。空気を読んでるのね。とりあえず頭を撫でて宥めておく。
 王都みたいな安全な場所で過ごしていたら、あんなに大きな魔物を見る事は無かったんでしょうね。いやまあ、学園ダンジョンがあるからその限りではないかも……?

「彼らの事は少なからず知っている。だからこそ、ここに記載されているそなたの為人も把握する事が出来た。続けてその魔石とやらだが、彼らもその危険性には手紙でも触れていた。直接触れなければ問題はないのだな?」
「はい。私は大丈夫ですが」
「では近くへ」

 ザナックさんに手紙類を渡し、逆に鑑定用の魔道具を受け取ったようだ。私は手招きする陛下に近寄り、魔石を見せる。

「ほう、これが……見たこともない大きさだ」

 陛下が感嘆の声を漏らす。ピシャーチャの魔石は私なら大丈夫といっても、魔力を吸われ続ける感覚があるので正直言ってあまり気持ちの良いものでもない。
 出来るなら触りたくない部類ですらある。顔には出さないけどね。……アリシアには秒でバレるんだろうけど。

「なるほど、凄まじい力を内包しているようだな」

 そう言って陛下は魔道具を置いた。もう良いかな?
 魔石をマジックバッグに収納したところで、手紙類も返してもらう。

「さて、褒美の話だが、お主は何を望む。余の大事な臣民達だけでなく、2つの街を救ってくれた恩は大きい。その上、そなたは強さだけでなく美しさも併せ持っている。相応しい爵位も用意出来るぞ」

 爵位? なんだろ、一代限りの騎士爵とか? それとも私、女の子だし、お偉いさんの養子にするとかそう言う話だったりする?
 まあでも、ここは最初から考えていた褒美を取ろう。

「ありがとうございます、陛下。でしたら今後のことを踏まえお願いがございますわ」
「言ってみたまえ」
「私は、これから魔法学園に入学する予定です。学園は魔法の才能さえあれば貴族も平民も受け入れると謳われていますが、実際は貴族による横行が酷い魔窟という話も聞きます。ですから、上位からの不当な要求を受けた時、反撃をしても罰せられない免罪符を頂きたいのです」
「ほう」
「と言っても、これを逆手に好き勝手するつもりはありません。あくまで、私や家族が不当な扱いで苦しんだり、嫌な思いをしないようにする為です」

 お金も地位も興味はない。前者は持ってるし、後者はめんどくさい。今一番欲しいのは家族の安全だ。
 これさえ確保できれば、私たちは堂々と学園生活を謳歌出来るってものよ!

「そなたから喧嘩をふっかけ、無理難題を要求する事もないのだな?」
「はい。……と申したいところですが、私はきっと、自分以外の誰かが不当な扱いを受けていても、助けようと手を差し伸べると思います。その際、爵位を盾に横から茶々を入れられないようにして頂きたいのです。私が望むのは、相手が下級貴族だろうが王侯貴族だろうが関係なく、対等に喧嘩出来る権利が欲しいのです」

 私の言葉に、ほぼ全ての者が驚愕していた。
 驚きに大小はあるだろうけれど、全く驚いていないのは陛下と……アリシアだけね。

「くくっ、そうか。確かに学園は貴族男子の横行が目につく場所だ。余が直接言ったところで良い結果がもたらされる事はない。……そう思って今まで手出しはしていなかったのも事実だ。難しい報酬ではあるが、女性であるそなたになら、許可を出しても良いと思っている」

 ああ、陛下も知ってはいたんだ。貴族男子の横行。
 でも逆に、女の子はそう言うのがないのかな? 0というのは考えにくいけど、それでも絶対数は少なそう。ゲーム中でも、良い子の割合が多かったのも大体女の子だし。

「だが、慎重にならねばいかん内容だ。無条件で出す訳にもいかんし、今はまだ見送らせてもらおう。シラユキよ、この事は後日ザナックを交え協議するとしよう。そしてもし通ったとしてもしばらくは見張りをつける。その場合はソフィアリンデ、お前に頼むとしよう。この娘の動向を見守り、問題があれば報告をするのだ」
「承知いたしました、陛下」
「シラユキ嬢、そなたもそれで良いな」
「はい、陛下。ご温情、大変嬉しく思います」

 うーん、流石に内容が内容だけに、一発OKとは行かないか……。でも完全にダメと言われたわけでは無い。まだ話していない活躍もある事だし、そこでご褒美として改めて貰えたらそれでイイかな。

 それに、ソフィーが見張り役に任命されたわね。
 学園での常識とか貴族の常識とか、その辺のことは知りたかったし、ちょうど良かったわ。一緒にいられる時間も増えただろうし、嬉しい誤算ね。

「ではな」

 そう言って陛下が立ち上がり、玉座の後ろにある扉から出て行った。

「ではこれにて謁見を終了致します。お客人の方々、お疲れでしょうし本日は王城にお泊まり下さい」

 ザナックさんの言葉を皮切りに、皆で謁見の間を後にした。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 その後、セバスさんの案内を受け、皆であてがわれた客室へと入り、ソファーで思い思いに羽を伸ばす。
 うーん、割と疲れたかも。

 主に毒竜の辺りが予想していた展開と違いすぎて、びっくりしたわ。
 それもこれも、陛下がゲーム中とは違い過ぎるのか原因ね。まさかあんなに元気で好奇心旺盛だったなんて。

「お嬢様、お疲れ様でした」
「うんー」

 この客室結構広いし、もうここにマジックテントを置いて中で休もうかな。
 なんて、アリシアに甘えつつゴロゴロしていると、ノックと共に先程威厳たっぷりだった陛下と、そばに控えていたザナックさんがやって来た。

「フェリスフィア、ソフィアリンデ! おじちゃんが来たぞー!」

 違った。ただの親戚のおじさんだった。

「おじさま!」
「伯父様、お久しぶりです」
「おお、2人ともますます綺麗になったな! ルドルフには似なくて本当に良かった! はっはっは!」

 陛下、もといヨーゼフおじさんが2人の姪っ子を全力で可愛がっていた。
 流石に陛下が来たのなら、起き上がるべきかと思ったけど、あの姿を見たらどうでもよくなったわ。アリシアも何も言わないし、もうこのままでいいや。

「ふふ、伯父様ったら」
「おじさま、ありがとう! でも今日は、もっともーっと綺麗な子を知ってしまったわ。私もあんな風になれるかな……」
「大丈夫よ、ソフィーはカワイイんだもの。きっと似合う服が見つかるわ。それに探すのだって手伝えると思うし」
「ホント? ……って、どれだけ寛いでるのよ!」

 今の私は、アリシアに膝枕をして貰いつつリリちゃんを抱き枕にするいつもの状態だった。
 うん、もうね。蟹とか少尉とかギルドとか公爵家とか、終いには謁見して毒竜の披露だとか。1日にどれだけイベントこなしてるのよ。大人気アイドル時代でもここまでハードスケジュールじゃなかったわ。もうクタクタよ。
 陛下もあんなんだし、別にもういいでしょ。

 まあ、ママは陛下が入って来た瞬間からカチコチに固まっちゃったけど。

「公式の場じゃなくても、おじさまは国王様なのよ。ちょっと気を抜きすぎじゃない!?」
「今日は色々頑張ったので、やる気は品切れだわー」
「ア、アリシア姉様も何か言ってください」
「本来なら私が咎めるべきなのでしょうが、お嬢様は今日も沢山頑張られましたし、オフの時のヨーゼフ様なら問題はないでしょう」
「くくく、ああ問題ないとも。今のワシは姪っ子とついでに弟に会いに来ただけの男だ。国王なんて堅苦しい称号は玉座に座ってる時だけで十分だ。だがそれはそれとして、いくらなんでも寛ぎすぎじゃないか?」
「あの場で毒竜を安全に取り出すなんて精神をすり減らす荒業、お嬢様以外には出来なかったでしょう。無茶振りした誰かが悪いのです」
「「うっ……」」

 陛下とソフィーがアリシアに言い負かされる姿を見て、話は終わったと判断した私は、今もなお抱きしめているリリちゃんをカワイがることにした。

「んー、リリちゃん……今日も良い匂い……」
「えへへ、お姉ちゃんも良い匂いだよ」

 そのままイチャイチャを始めるとアリシアとママも参加して私を撫でてくれた。
 えへ、トロける……。

「ふ……これが竜を倒したものの姿とは思えんな」
「私もそう思いますよ、兄上」
「それで、この嬢ちゃんの活躍はこれだけじゃないんだろう? あの場では言えない何かがあるからこそ、わざわざ『赤』で連絡したんだろう」
「……はい。確認ですが兄上、近衛兵は……」
「部屋の外に待機させてある。それにこの部屋の造りは特殊でな、中の音が漏れ聞こえる事はない。ザナックは知っての通り口が堅いし、ワシの味方だ」

 ザナックさんが頷いた。
 ……あら、いつの間にか色が変わってるわね。先ほどまでの薄ピンクが、今では見事に水色だ。

「感謝します兄上、ではお話します」
「あ、お待ちください公爵様」

 家族とのふれあいタイムを中断し、待ったをかける。
 この話がどこかに漏れれば、かなり大事になってしまうし、なるべく他人の耳に入れたくない事柄であることは公爵様からも注意を受けた。である以上、ここは確認しておくべきことだろう。

「陛下、彼らも信頼出来ますか?」

 そう言って天井を指した。それだけで何が言いたいのか分かったのだろう。
 公爵様も陛下も、神妙な顔をし、ニヤリとしながら頷いた。

「……彼らの存在に気付くとは流石だね。勿論だとも。彼らは王家直属の影の部隊だ。彼らほどこの国で信頼できる者はないよ」
「くく、こいつらに気付くとはやるな。お前たち、平和ボケして鈍ってるんじゃないだろうな」
「……申し訳ありません、陛下」

 冗談めかして言う陛下の言葉に、どこからともなく謝罪の声が聞こえてきた。
 フェリス先輩もソフィーも、その言葉に驚きもしないという事は、知っていたのね、彼らの存在を。ソフィーは、目だけをキョロキョロさせている。きっと彼らがどこにいるのか、よくわかっていないのね。

 かくいう私は、彼らの事をよく知らない。
 ゲーム中接触する機会が無かったからというのもあるんだけど。だから彼らが、敵か味方かは正直言ってわからないのよね。なんならエンカウントするのも初めてだわ。まだ直接視てはいないけど。

 あと、本来は参考になるべきはずの『マップ』では、完全な白で表示されている。青くも赤くも変化していない。これは謁見の間からずっとそうね。
 私を見ても善意も悪意も感じないだなんて、相当メンタルが強いのね。己を律する心が強い人でないと、この部隊には居られないという事なのかしら。
 直接私が『踊り子』の能力とぶっ壊れステータス、更にはこの服を使って、全力で『魅了』させようとしたらどうなるかは、わからないけど。

 ま、信頼してもいいかな。

「確認は以上です。話の腰を折ってしまって申し訳ありません、公爵様。続けて下さって大丈夫です」
「……と言いつつ、姿勢はそのままなのね、あなた」
「だってぇ、疲れたもーん」
「お嬢様、大事な話ですから起きてください。説明役は私がしますから。起きてくださったらこのあと……ごにょごにょ」
「!? 起きる!」

『マスターったら、色々あり過ぎて省エネモードね。それを回復させるアリシアもわかってるわ!』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

バランスブレイカー〜ガチャで手に入れたブッ壊れ装備には美少女が宿ってました〜

ふるっかわ
ファンタジー
ガチャで手に入れたアイテムには美少女達が宿っていた!? 主人公のユイトは大人気VRMMO「ナイト&アルケミー」に実装されたぶっ壊れ装備を手に入れた瞬間見た事も無い世界に突如転送される。 転送されたユイトは唯一手元に残った刀に宿った少女サクヤと無くした装備を探す旅に出るがやがて世界を巻き込んだ大事件に巻き込まれて行く… ※感想などいただけると励みになります、稚作ではありますが楽しんでいただければ嬉しいです。 ※こちらの作品は小説家になろう様にも掲載しております。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

彼女をイケメンに取られた俺が異世界帰り

あおアンドあお
ファンタジー
俺...光野朔夜(こうのさくや)には、大好きな彼女がいた。 しかし親の都合で遠くへと転校してしまった。 だが今は遠くの人と通信が出来る手段は多々ある。 その通信手段を使い、彼女と毎日連絡を取り合っていた。 ―――そんな恋愛関係が続くこと、数ヶ月。 いつものように朝食を食べていると、母が母友から聞いたという話を 俺に教えてきた。 ―――それは俺の彼女...海川恵美(うみかわめぐみ)の浮気情報だった。 「――――は!?」 俺は思わず、嘘だろうという声が口から洩れてしまう。 あいつが浮気してをいたなんて信じたくなかった。 だが残念ながら、母友の集まりで流れる情報はガセがない事で 有名だった。 恵美の浮気にショックを受けた俺は、未練が残らないようにと、 あいつとの連絡手段の全て絶ち切った。 恵美の浮気を聞かされ、一体どれだけの月日が流れただろうか? 時が経てば、少しずつあいつの事を忘れていくものだと思っていた。 ―――だが、現実は厳しかった。 幾ら時が過ぎろうとも、未だに恵美の裏切りを忘れる事なんて 出来ずにいた。 ......そんな日々が幾ばくか過ぎ去った、とある日。 ―――――俺はトラックに跳ねられてしまった。 今度こそ良い人生を願いつつ、薄れゆく意識と共にまぶたを閉じていく。 ......が、その瞬間、 突如と聞こえてくる大きな声にて、俺の消え入った意識は無理やり 引き戻されてしまう。 俺は目を開け、声の聞こえた方向を見ると、そこには美しい女性が 立っていた。 その女性にここはどこだと訊ねてみると、ニコッとした微笑みで こう告げてくる。 ―――ここは天国に近い場所、天界です。 そしてその女性は俺の顔を見て、続け様にこう言った。 ―――ようこそ、天界に勇者様。 ...と。 どうやら俺は、この女性...女神メリアーナの管轄する異世界に蔓延る 魔族の王、魔王を打ち倒す勇者として選ばれたらしい。 んなもん、無理無理と最初は断った。 だが、俺はふと考える。 「勇者となって使命に没頭すれば、恵美の事を忘れられるのでは!?」 そう思った俺は、女神様の嘆願を快く受諾する。 こうして俺は魔王の討伐の為、異世界へと旅立って行く。 ―――それから、五年と数ヶ月後が流れた。 幾度の艱難辛苦を乗り越えた俺は、女神様の願いであった魔王の討伐に 見事成功し、女神様からの恩恵...『勇者』の力を保持したまま元の世界へと 帰還するのだった。 ※小説家になろう様とツギクル様でも掲載中です。

異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~

ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。 対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。 これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。 防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。 損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。 派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。 其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。 海上自衛隊版、出しました →https://ncode.syosetu.com/n3744fn/ ※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。 「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。 →https://ncode.syosetu.com/n3570fj/ 「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。 →https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

処理中です...