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第2章:鉱山の街シェルリックス編

第039話 『その日、マジックテントでお休みした』

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 あの後、街道近くの身を隠せる岩場付近を陣取り、キャンプの準備を始めた。

「お嬢様、『結界石』はこの辺りで良いでしょうか?」
「ええ、大丈夫よ」
「しかし、使い捨てではなく使いまわせる『結界石』ですか……流石はお嬢様です」

 『結界石』は3つで1セットの魔道具だ。3つの頂点を線で結べば、三角形になるように地面に置くことで効果を発揮し、三角錐状の結界が作られる。
 その内部は外敵から身を守れる安全地帯となるため、夜番を立てる必要がなく、野営やダンジョンでの休息が可能なアイテムだ。
 外部からは高負荷の物理攻撃や魔力を当てることで壊すことが出来るが、私の魔力で充電された結界だ。壊されることはまずないだろう。

「今回ママ、何も手伝えなくてごめんね」
「いいのよママ。気にしないで」

 ママは先ほど、予定調和と言わんばかりにリリちゃんの魔法で感電し、状態異常の麻痺にかかっていた。その結果、リリちゃんは困惑し涙ながらに狼狽えていた。自分の魔法で最愛のママを傷つけたかもしれないのだ。
 そんなリリちゃんを安心させるツールとして、パーティに表示されるHPゲージが非常に役立った。ママのHPは1%程度しか減っていなかったし、麻痺のアイコンが表示されていたから説明も容易だった。

 それに今回、リリちゃんは何も悪くなく、ママの不注意であることも説明しておいた。
 私の説明にリリちゃんが納得し涙を拭ったのを見て、彼女を慰めるために抱きしめ、宥める。そうしたら、いつもの明るい笑顔が戻ってきた。ほんと、カワイくて良い子ね。

 ママには反省してもらうとして、リリちゃんも今回の事で、水と雷の合わせ技の危険性と使い方は身をもって理解できたことだろう。
 ただまぁ、リリちゃんはママの事が心配なのか、先ほどからママに物理的にベッタリだ。ママが何かしようと動いてもリリちゃんはまるで離れようとしない。
 流石にそのままでは移動できないので、2人を一緒に抱え上げて持ち運んだ。ママは恥ずかしそうにしていたけど、「これは娘たちを心配させたママへの罰よ」と伝えるとおとなしく受け入れてくれた。

 勿論傷は、アリシアの実験体になってもらい解決した。

「それじゃ、テントを設置するわね。アリシア、こっちにいらっしゃい」
「はいっ!」

 アリシアが背後に回るのを確認し、テントの設置を行う。といってもマジックバッグから引っ張り出し、地面に置くだけなのだが。

 マジックテントは教会にもあったが、中の空間がゆがんでおり、外見よりも広くなっている。作るには錬金術スキルが35以上が必要であり、使用する素材で外見から中身まで、多種多様な物を作り出せる。
 錬金術では作れない特別仕様の物が、ダンジョンから排出されることもあった。
 初期アイテムのテントは一番性能が低いものだが、それでも4人が雑魚寝する分には十分なスペースがあったはずである。

 取り出して地面に置くと、それはミニチュアサイズのテントだった。これに魔力を流すと本来の大きさに戻るのだ。

「それじゃ、大きくするわよー」

 魔力を流すと、見る見る元の大きさへと戻っていき、外見は遊牧民族風の、高さが3メートルを超えるテントになった。

 今となっては懐かしいけれど、プレイヤー時代も愛用のテントは、外見がこんな感じだったなぁ。
 あの時はシラユキ専用の部屋を作ろうと、張り切ってだいぶ大掛かりな改修をして、シラユキの自室を表現してみせたっけ。

 ……あれ? 初期仕様って見た目はただのキャンプ用品だったような……。

「「……」」
「わぁー!」

 その予想だにしないサイズに、アリシアとママは『ポカーン』とし、リリちゃんは目を輝かせていた。
 ……これ、絶対初期仕様のテントじゃないわ。妙な胸騒ぎがする。……いえ、内なる欲望シラユキが中を視ろと囁いている?

「まずは中身を確認しなくちゃね」

 平静を装い中へと入ると、そこは視界いっぱいにファンシーな空間が広がっていた。
 プレイヤー時代、世界各地から集められたカワイイ物が整然と並び、奥に見える天蓋付きのキングサイズのベッドには様々な動物のぬいぐるみが配置されていた。
 部屋の基調はパステルカラーで、レースやフリルがふんだんに使われ、天井にはシラユキを模ったステンドグラスまである。

 ああ……ここは私の部屋だ。間違えるはずがない。私が丹精込めて作り上げ、労力をもって集めてきた装飾に、家具に、グッズ達だ。

「夢……じゃないのよね」

 靴を脱ぎ、中に入る。どこからか漂う甘い匂いに、ふらふらと足を進めさせた。

 そうだ、ここには確か、コンテナがあったはずだ。そう思い、備え付けのコンテナへと駆け寄る。
 コンテナは、従来のプレイヤーテントに必ず備え付けられている物で、その中は異空間へと繋がっており、容量が無制限のマジックボックスだ。
 時間停止機能も有しているが、持ち運びが出来ず、テントの定位置から動かすことが出来ない。ただし、自分の所持テント間のみコンテナを移動させることが出来る。

「……空っぽね」

 しかし、何も入っていなかった。まるでそんなものは必要がないと言わんばかりに。
 まあここで、プレイヤー時代の装備やアイテムがあったら、確かに興醒めかもしれないわね。最悪シラユキを作るための素材が丸々数セットはあったはずだもの。

「……それでも部屋の方は本当に、あの頃のままね。懐かしい。……いや待てよ、ベッドにあるあのぬいぐるみ達、確かにカワイイけれど、あれは買った物だったっけ? それとも作った? ……いえ、どちらも覚えがないわ。……覚えがない、という事は」

 今回の犯人を推測した矢先、元気いっぱいの声が響いた。

「すごーい!! リリ、こんなおっきな部屋初めて見たの!!」

 振り返るとそこには今にも駆けだしそうなリリちゃんがいて、『威圧』が出た。

「リリちゃん!」
「ぴゃい!?」
「ここは土足禁止よ。脱ぎなさい」
「わ、わかったの」

 首をぶんぶんするリリちゃんを見て、ようやく『威圧』を解く。『威圧』はハイランク職業『騎士』のレベル5ノーマルスキルだ。効果は相手を委縮させ、戦意を削いだり足止めさせたり……というもので、発動確率は相手とのステータス差依存。
 あまりカワイくないので、私は使うつもりは全く無くて、ほぼ無意識だったんだけれど……。アリシアの言う通り、確かにここは私の『プライベートスペース』のようだ。土足で入られると、素が出てしまうのは仕方ないよね?

 その様子を見ていたアリシアとママも、リリちゃんに倣って靴を脱いでいた。
 そして3人はその場で立ちすくんでいる。……おや?

「お、お姉ちゃん……」
「何かしら」
「もう入っても、いい?」
「脱いだなら、奥に手洗い場があるからそこで手を洗ってきなさい。その後は自由にして良いわ」
「わかったの!!」

 『トタトタ』と奥へと走っていくリリちゃんを見送る。……少し大人げなかったかしら。

 アリシアはそのまま興味深そうにホールから周囲を見回している。そしてママが駆け寄ってきた。

「あ、あのねシラユキちゃん。汚しちゃいけないものとか、わ、割れ物とかあったりしないのかしら?」
「大丈夫よママ。汚れても『浄化』で落とせば良いし、割れ物も割るつもりで扱わないと壊れない丈夫なものばかりよ。ここには乱暴な人はいないから、その辺は安心しているの」
「そうなの? ありがとうシラユキちゃん。じゃあママも、手洗いしてくるね」

 なんなら、入った人全員にもれなく『浄化』を掛けるだけでも良いんだけれど、手洗いを義務付けた方が健康的な感じがするので、これで良いだろう。
 そう言えば私も手洗いしなきゃね。『浄化』……は味気ないし、アリシアを連れていこう。

「お嬢様……奥にあるのは手洗い場だけですか?」
「いいえ、お風呂にトイレに、キッチンもあるわ。最初は使えるか不安だったから、野外用の物も買ったりしたけれど、不要な心配だったわね」

 それらしい言い訳をする。実際どの程度使えるテントが出るか、正直覚えていなかったし、嘘ではないから大丈夫だと思う。
 ……何が大丈夫なのだろう?

「王国に奉納されているマジックテントは知っておりますが、これほどの物は無かったように思えます。流石はお嬢様ですね」
「そりゃまあ、私がゼロから作り上げた物だし、同様のものがあったら悲しいわね。それじゃ、奥で洗いましょ」

 感動で動けないアリシアの手を引っ張り、洗面所へと連れていった。
 皆で手洗いをしてからは皆好きにばらけた。リリちゃんはベッドのぬいぐるみ達と戯れている。ママは部屋の装飾が気になるのか童心に帰ったかのようにフワフワした顔をしている。アリシアは奥で調理中だ。

「お姉ちゃん、お願いがあるの」
「うん、なあに?」
「この子、今日抱いて眠ってもいい?」

 そういって見せてきたのはウーパールーパーっぽいぬいぐるみだ。……うん。カワイイけど知らないわ、こんなぬいぐるみ。絶対犯人はアレね。カワイイけど。

「いいわよ。その代わり今度リリちゃんを抱いて眠ってもいいかしら」
「うん、いいよ!」

 よし! これからは、せっかく家族4人で眠るんだから、日替わりで抱き枕になってもらわなきゃ、勿体ないわ!
 内心ガッツポーズをしているとご機嫌な様子のママがやってきた。

「シラユキちゃん、このお部屋素敵ね。ママ、見てるだけで楽しくなっちゃうわ」

 やっぱり自分の部屋を褒められるって嬉しい!
 『ギュッ』とママを抱きしめた。ママはポカポカしてて温かいなぁ……。

「えへへ、ありがとママ。キスしていい?」
「ええっ! いい、けど……優しくね?」
「無理っ」
「んんっ!」

 そんなこと言われたら、加減なんてできないわ! 呼吸が苦しくなってきたところでキスをやめると、ママは顔を赤らめながらトロけてた。色気っ!
 そのままママをベッドに運んで、ぬいぐるみとリリちゃんの居るところに放り込んだ。

「きゃっ! ……ふふ、お人形さんかぁ。可愛らしいわね」

 ママは驚いたようだったけど、ぬいぐるみたちに囲まれてなんだか幸せそう。そんなママを見ていると、空間のカワイさが増した気がした。

「私も交ざるー!」

 私もその中に飛び込み、ベッドのそばにある姿見でをした。カワイイぬいぐるみに囲まれる私、リリちゃん、ママ……。
 ああ、カワイイわ。あとは構図ね……。角度はこうかな? いえ、こう? ぬいぐるみをママごと抱えたらどうかな?

 しばらく鏡を見つめながらカワイイを追求したところで、改めて部屋を見回した。
 ……やっぱり装飾品の類はあれど、飾ってあった装備品は全て無くなっている。コンテナからもアイテムが無くなっていたように、本当にこの部屋を構成する物だけを持ってきたみたいね。

 それを思うと、このテントに入っている装飾は、この部屋で完結されるべきね。一切この部屋から持ち出さないように心がけよう。
 ぬいぐるみを気に入っているリリちゃんにも、きつく言っておかなきゃ。

 そう決意を新たにし、ママとイチャイチャしていると、アリシアの食事が完成した。
 カワイらしいテーブルで食事をし、4人でお風呂に入る。お風呂では、皆で楽しく楽しく洗いっこをした。リリちゃんもママも、身体が小さいからすぐに洗い終わっちゃって……ちょっと残念。毎日洗ってあげなきゃ。
 リリちゃんは洗ってる時、とてもくすぐったそうにしてたけど、ママはとても色っぽかった。毎日洗ってあげなきゃ!!

 その後は2人ずつに分かれて、それぞれの修業をした。
 私とアリシアは集めた素材で調合を。少しでも傷のある物から先に消化し、傷のない完全な『リト草』はスキル上げの為に丁寧に使用していく。
 アリシア曰く、『リト草』と『ゲドク草』を合わせた合成薬に関しては知らなかったらしい。ギルドでも買い取りをしてもらう際苦労したとか。それでも、私が作ったアイテムと聞いてようやく買ってもらえたとか。
 もしかしたら、この世界には合成薬もないのかもしれない……。毒を受けたらHPはある程度減っているわけで、同時に回復できるのは便利だと思うんだけど……。
 利便性を説明したら「なるほど、合理的ですね」と理解してくれたし、これらの商品も広めていかないとね。

 リリちゃんとママは、状況に応じた魔法の使い分けを2人で相談してもらう。そして可能であれば、それを翌日の戦闘で実践するというやり方で、理解を深めてもらう事にした。
 流石に部屋の中で魔法の練習をするわけにはいかないからね。……まあ、やりようはあるけど。

 それに外を移動しているときは中々こういった話し合いというのはしにくい。なぜなら、外では色んな魔法を実施したり採取したりと、相談する暇があまりないからだ。
 まぁ、私のパーティ以外はどうか知らないけれど、ウチではそんな暇がない。主に私の方針のせいだけれど。

 そして出来た完成度の高いポーションを3つずつ、リリちゃんとママに渡しておいた。常に私がそばにいるとは限らないので、保険は大事だろう。
 リリちゃんはポーションの味が苦手なのか、あまり嬉しくなさそうだったので、効果が落ちない程度に味付けを甘めに調整してあげた。
 一舐めさせてみると、違いが分かるほどだったのか喜んでくれた。カワイイわね!

 その後、結局アリシアを抱き枕にして、皆で川の字になって眠りについた。


◇◇◇◇◇◇◇◇


「どうマスター、私のサプライズ!」

 開口一番とびっきりの笑顔がやってきた。うん、許した。
 別に怒っていたわけではないけど、許した。

「とても嬉しかったよ。あの中には苦労して手に入れた、思い出の品もあるしね。それにしてもアレは、どうやって持ってきたんだい?」
「うんっと、この世界に来るときに、持ってこれそうだったから持ってきたの! ただ、重かったから要らなさそうなものから順番に捨てていったけれどね」
「捨て……まあいいけど」

 あの部屋を構成する内装さえあれば、他は捨ててしまわれても致し方ない。あの部屋があるだけで十分に嬉しい誤算だったし、これ以上を望むのはよくないな。

「ところであのベッドにあったぬいぐるみ達だけど、いつ買ったのさ?」
「結構前からコツコツ溜めてたのよ。ふふ、気付かなかったでしょ? 一応、バレないようにコンテナにしまってたんだけどね」
「コンテナか……確かにあの中は整理してても、何でも入る分雑多に物があったっけ……」

 それなら紛れ込んでても気付かないかも。

「それでどうだった? お人形さん、カワイかったでしょ?」
「まあ確かに、カワイかったね。リリちゃんに抱きしめられてて、どちらもカワイさが増してたね。ママもシラユキもカワイかったよ」
「わかるわ! カワイイ×カワイイは最強ね!」

 結局その日は、総括はほどほどにカワイイ談義で夜が明けた。

『まだまだ語り足りないわ! あーあ、はやく体が欲しいなぁ……』
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