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一般常識を学ぼう
帰還
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「ぅ…(あれ…あの後一体どうなって…)」
丁度リトルポイズンを倒した頃、毒によって意識が飛んでいたユウキが目覚めた
もちろん、その後どうなったのか知るはずもなく
現状を把握しようと辺りを見回す
(魔獣は倒せた…っぽいな…
それにしても…何で針のダメージは無かったのに
毒だけ効いたんだろ…
皮膚についただけでも効果がある…って事なのかな…?
でも、それなら、普通の冒険者は絶対毒針受けたらダメな事に…)
起きて早々、分析し始めるユウキ
まぁ、ユウキが疑問に思うのも無理はない
ダメージが無いとキズは出来ない…というのは
前回のフリスク兄弟で実証済みなのだ
そして、リトルポイズンの攻撃力では、ユウキにダメージを与えられない
実際にダメージは入っていなかった
という事はキズが出来ていない…のにも関わらず
毒に感染した…という事になるのだ
「お!起きたか!大丈夫だったか?」
ユウキが起きている事に気が付いたのはキールで
その声で、アレンとニールもユウキの傍にやって来る
「ぇ…あ、うん、大丈夫だよ
解毒してくれたのは…ニールかな…?」
「ぅ…ぅん…よ、よく分かった…ね」
「出来そうなの、ニールくらいだし…
まぁ、アイテム使えば誰にでも出来るけど…
リトルポイズンもいたわけだし
攻撃の要になるアレンとキールは戦闘に先に回ったはずだし
そうなると、ニールの線が強いかなぁ~と」
「…す…すごい…ね…」
ユウキとニールがのほほんと会話をしていると…
「ふん、護衛の癖に使えないなんて、必要ないんじゃないかしら
逆に護衛対象ケガさせるなんて、大失態よ
これじゃ、護衛任務失敗ね
この後も、こんなよわーい子に護衛されるなんて
心配でしかないわ
私の身に何かあったらどうしてくれるのかしら」
レミールはキッとユウキを睨む
ユウキは「はぁ…」とため息をつき…言い返そうとした瞬間…
「その心配は無いよ、さっき君の父親から
この冒険者体験の護衛を中断し、帰還するように言われたからね」
そこには、一人の青年が立っていた
見覚えのある青年に思わず声をかけようとしたが…
「ぇ…グレ…」
「あ、あら、とっても素敵な方ね
私、あなたのような方に護衛して頂きたかったですわ~」
ユウキが声をかけるよりも早くレミールが声をかけ
シレッと手を握ろうとしていた…
が、それはサラッとかわされ
「ご冗談を…
さて、ウルガー・アレン・キール・ニール、それにユウキご苦労様
これから帰還するが、異論はないよね?」
ニッコリ笑顔で、拒否権など無い事を伝えるグレイヴ
アレン・キール・ニール・ユウキは特に異論は無く
頷いて同意するが
「チッ…」
ウルガーは渋々…といった感じだった
彼の中での予定が全てパーになってしまったのだから仕方がない
だが、グレイヴに文句を言っても返り討ちにあう…
という事も分かっているらしく
舌打ちだけで終わったのだった
一方、レミールはと言うと…
「えぇ、こんな護衛じゃ全然安心出来やしないわぁ~
一度戻って、もっと頼れる方をお願いしたいわね~」
と、言いながらグレイヴを見る…
が、グレイヴはそんな視線を軽く無視して帰還ゲートを使った
光に包まれたと思ったら、次の瞬間には、朝集まった所に戻っていた
「…これって…任務失敗扱いになるのかな…」
そこまで報酬にこだわらないが、失敗…という事が重くのしかかる
ズーンと沈むユウキに、アレンはポンポンと背中をたたいて励ます
「大丈夫、心配する必要ないから、安心しろ」
「…何でそんな自信満々なわけ…?」
「まぁまぁ、すぐ分かるって」
ニヤニヤしているキールに首を傾げながら
グレイブについて行く
レミールは何とかグレイヴにアピールしたいのか
横から一生懸命話しかけているが…
ハッキリ言って相手にされていない
(貴族の令嬢に、あぁゆう態度でも良いのか…?
いや、この世界での貴族の立ち位置とか扱いとかよくわかんないけど…)
と、考えていると、ギルドに到着し
そのまま応接室の前まで誘導され
グレイヴがドアをノックすると…
「どうぞ」
という、男性の声が中からした
(聞いた事無い声…という事は…コイツの父親か…)
こんな娘を育てたのだから、どんな親なのかは想像に難しくない
娘にとてつもなく甘いのだろう
そして、何でも娘の思い通りに事を進めるのだろう…
そんな事が容易に想像出来た
そのため、先程のアレンの言った「大丈夫」が
全く信用出来ないでいた
(まぁ…向こうが勝手に話を進めたら、アレ使えば良いか)
グレイヴが扉を開け、中に入っていく
それに続き、全員が室内に入った
そして、真っ先に口を開いたのは…
「ねぇ~、お父様ぁ~
今日の護衛の方、とっても頼りなくってぇ~
ほら、私ケガをしてしまったのぉ~
しかも~、そこのチビっこい子どもに押されたせいで!」
レミールが父親と思われる銀髪の男性に訴える
しかし、その男性は俯いていて、表情はうかがえない…
(うわぁ…怒ってるんじゃね?
はぁ~…メンドクサイ展開は、ゴメンだよぉ…)
心の中でため息をつくユウキ
が、次に口を開いたのは…
「グレイヴ、伝達と案内ご苦労だったな!」
「いいえ、これくらい全然問題ありませんよ」
「ぇ…グラスタさん…?」
「お、ユウキもいたのか!
今回は大変だったなぁ!」
と、豪快に笑うのはグラスタだった
何故レミールの父の横にいるのかは不明だが…
「アレン・キール・ニール…今回は面倒な任務を頼んで悪かったな」
「別に、アンタが俺を信用して、依頼してきたんだから
受けるしかないだろ」
「そうそう、信用されて光栄だね!」
「や…役に立てた…なら…良かった…」
(??…って事は、3人も指名依頼だった…のかな?)
こちらが、こちらで話していると…
丁度リトルポイズンを倒した頃、毒によって意識が飛んでいたユウキが目覚めた
もちろん、その後どうなったのか知るはずもなく
現状を把握しようと辺りを見回す
(魔獣は倒せた…っぽいな…
それにしても…何で針のダメージは無かったのに
毒だけ効いたんだろ…
皮膚についただけでも効果がある…って事なのかな…?
でも、それなら、普通の冒険者は絶対毒針受けたらダメな事に…)
起きて早々、分析し始めるユウキ
まぁ、ユウキが疑問に思うのも無理はない
ダメージが無いとキズは出来ない…というのは
前回のフリスク兄弟で実証済みなのだ
そして、リトルポイズンの攻撃力では、ユウキにダメージを与えられない
実際にダメージは入っていなかった
という事はキズが出来ていない…のにも関わらず
毒に感染した…という事になるのだ
「お!起きたか!大丈夫だったか?」
ユウキが起きている事に気が付いたのはキールで
その声で、アレンとニールもユウキの傍にやって来る
「ぇ…あ、うん、大丈夫だよ
解毒してくれたのは…ニールかな…?」
「ぅ…ぅん…よ、よく分かった…ね」
「出来そうなの、ニールくらいだし…
まぁ、アイテム使えば誰にでも出来るけど…
リトルポイズンもいたわけだし
攻撃の要になるアレンとキールは戦闘に先に回ったはずだし
そうなると、ニールの線が強いかなぁ~と」
「…す…すごい…ね…」
ユウキとニールがのほほんと会話をしていると…
「ふん、護衛の癖に使えないなんて、必要ないんじゃないかしら
逆に護衛対象ケガさせるなんて、大失態よ
これじゃ、護衛任務失敗ね
この後も、こんなよわーい子に護衛されるなんて
心配でしかないわ
私の身に何かあったらどうしてくれるのかしら」
レミールはキッとユウキを睨む
ユウキは「はぁ…」とため息をつき…言い返そうとした瞬間…
「その心配は無いよ、さっき君の父親から
この冒険者体験の護衛を中断し、帰還するように言われたからね」
そこには、一人の青年が立っていた
見覚えのある青年に思わず声をかけようとしたが…
「ぇ…グレ…」
「あ、あら、とっても素敵な方ね
私、あなたのような方に護衛して頂きたかったですわ~」
ユウキが声をかけるよりも早くレミールが声をかけ
シレッと手を握ろうとしていた…
が、それはサラッとかわされ
「ご冗談を…
さて、ウルガー・アレン・キール・ニール、それにユウキご苦労様
これから帰還するが、異論はないよね?」
ニッコリ笑顔で、拒否権など無い事を伝えるグレイヴ
アレン・キール・ニール・ユウキは特に異論は無く
頷いて同意するが
「チッ…」
ウルガーは渋々…といった感じだった
彼の中での予定が全てパーになってしまったのだから仕方がない
だが、グレイヴに文句を言っても返り討ちにあう…
という事も分かっているらしく
舌打ちだけで終わったのだった
一方、レミールはと言うと…
「えぇ、こんな護衛じゃ全然安心出来やしないわぁ~
一度戻って、もっと頼れる方をお願いしたいわね~」
と、言いながらグレイヴを見る…
が、グレイヴはそんな視線を軽く無視して帰還ゲートを使った
光に包まれたと思ったら、次の瞬間には、朝集まった所に戻っていた
「…これって…任務失敗扱いになるのかな…」
そこまで報酬にこだわらないが、失敗…という事が重くのしかかる
ズーンと沈むユウキに、アレンはポンポンと背中をたたいて励ます
「大丈夫、心配する必要ないから、安心しろ」
「…何でそんな自信満々なわけ…?」
「まぁまぁ、すぐ分かるって」
ニヤニヤしているキールに首を傾げながら
グレイブについて行く
レミールは何とかグレイヴにアピールしたいのか
横から一生懸命話しかけているが…
ハッキリ言って相手にされていない
(貴族の令嬢に、あぁゆう態度でも良いのか…?
いや、この世界での貴族の立ち位置とか扱いとかよくわかんないけど…)
と、考えていると、ギルドに到着し
そのまま応接室の前まで誘導され
グレイヴがドアをノックすると…
「どうぞ」
という、男性の声が中からした
(聞いた事無い声…という事は…コイツの父親か…)
こんな娘を育てたのだから、どんな親なのかは想像に難しくない
娘にとてつもなく甘いのだろう
そして、何でも娘の思い通りに事を進めるのだろう…
そんな事が容易に想像出来た
そのため、先程のアレンの言った「大丈夫」が
全く信用出来ないでいた
(まぁ…向こうが勝手に話を進めたら、アレ使えば良いか)
グレイヴが扉を開け、中に入っていく
それに続き、全員が室内に入った
そして、真っ先に口を開いたのは…
「ねぇ~、お父様ぁ~
今日の護衛の方、とっても頼りなくってぇ~
ほら、私ケガをしてしまったのぉ~
しかも~、そこのチビっこい子どもに押されたせいで!」
レミールが父親と思われる銀髪の男性に訴える
しかし、その男性は俯いていて、表情はうかがえない…
(うわぁ…怒ってるんじゃね?
はぁ~…メンドクサイ展開は、ゴメンだよぉ…)
心の中でため息をつくユウキ
が、次に口を開いたのは…
「グレイヴ、伝達と案内ご苦労だったな!」
「いいえ、これくらい全然問題ありませんよ」
「ぇ…グラスタさん…?」
「お、ユウキもいたのか!
今回は大変だったなぁ!」
と、豪快に笑うのはグラスタだった
何故レミールの父の横にいるのかは不明だが…
「アレン・キール・ニール…今回は面倒な任務を頼んで悪かったな」
「別に、アンタが俺を信用して、依頼してきたんだから
受けるしかないだろ」
「そうそう、信用されて光栄だね!」
「や…役に立てた…なら…良かった…」
(??…って事は、3人も指名依頼だった…のかな?)
こちらが、こちらで話していると…
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