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第40話
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勇者のレイラとの出来事から数日が経った明朝であった。
ゼンの気持ちの整理がつくまで三人で野宿をしていたのだが、小鳥の囀りの中に響く悲鳴のような叫び声にリーネたちは叩き起こされるたのである。
「な、何事です!?」
慌ててブランケットを剥いで目覚めたのは、天翼族のリーネであった。
自身の翼が反射的に広がりバネの役割となり、飛び起きる。
「何で肥沃翼竜と勇者パーティーのノウト様が一緒にいるんだ!?」
リーネが声の方向に視線を向けると、そこにはリーネの仲間である肥沃翼竜とエルフの混血種であるセンサザールと甲冑を身に纏った女が対峙していた。
甲冑の女と判断出来たのは、女の凛とした声音と目元が開いた兜から覗くガラス玉のような綺麗な瞳が主だろう。
その女の横には、腰を抜かして怯える栗色のソバージュの女がおり、センサザールは面倒くさそうに頭を掻く。
おそらくリーネを叩き起こした叫び声はこのソバージュの女から発せられたのだろう。
「センサザールさん、これは一体どういうことです?」
寝ぼけ眼を擦りながらリーネがセンサザールに訊ねると、センサザールはため息を吐く。
「どうやらゼンに用があったみたいなんだけど、気を抜いていた所を見つかったのよ」
センサザールはそう言い自身の額から突き出た大きな一本の角を指差す。
どうやら、目の前の二人にセンサザールの魔族の象徴といえる角と尻尾を見られたのだろう。
リーネは咄嗟に自分の羽を隠そうとするが、それよりも先に甲冑の女が「貴様もかっ!?」と、警戒態勢に入ったため、リーネも魔族であることがバレてしまった。
「そんなに身構えなくてもいいわよ。私たちに危害を加える意志はないわよ」
「どの口が言う!貴様のせいで街にどれだけの犠牲が出たと思っているんだ!」
甲冑の女は握りしめた長剣をセンサザールの額あたりを照準として突きつける。
そんな吐き捨てるような女の言葉にセンサザールは怪訝な表情になる。
「何を言っているか全然わからないわ」
「しらを切るつもりか?貴様らのせいでどれだけの街の住人が亡くなったと思っているんだ!?」
甲冑の女は威圧する怒声を上げセンサザールに突貫する。
甲冑の女はその防具の重量から想像のつかない足取りでセンサザールへと接近し、喉元に向かって長剣を突き立てて来る。
だが、女の攻撃はただの突進のようながむしゃらに走ってくるものではなく、独特なステップを刻み接近してくるものであり、センサザールの顔が強張る。
「ッ!?」
センサザールの目からは甲冑の女がいきなり間合いに入って来たように感じ、甲冑の女の攻撃への対応が遅れる。
だが、激しい金属の衝撃音が響き渡り甲冑の女は狼狽える。
「な、何て硬さだ・・。」
甲冑の女は自身の隣に弾け跳んだ刃先を目の当たりにし、顔面を蒼白にするのであった。
一瞬の判断の遅れからセンサザールは、攻撃避けはせず、あえて急所を避け受けることに徹したのである。
女の手は痺れからか震えており、センサザールの表皮の硬度が伺える。
「これが、肥沃翼竜・・。」
「いきなり何をするのよ。貴方の話は要領を得ないわね」
センサザールは話が見えてこないことと、突然の戦闘に苛立ちを露わにしてそう言う。
甲冑の女の見たことのない攻撃に、センサザールは驚きはしたが、強化魔術が付与されていないただの長剣では彼女の身体に傷すら付かないだろう。
「貴様はまだ認めないのか!ラスイーガでやったことを・・!?」
甲冑の女はセンサザールを指差して怒鳴る。
「まあ、竜化して少し地面にヒビを入れてしまったけど、それだけで命を狙われる覚えはないわよ・・。」
そんな言い分のセンサザールにリーネは苦笑する。
(充分大きな被害だと思うです・・。)
どうやら、竜族と人間や天翼族の価値観が違うのだろう。
と、センサザールと甲冑の女が言い合いをしていると、ソバージュの女が何かに気づいたように大声を上げる。
「シーア!この人たちじゃないわ。もしかしたらこの人たちはあの肥沃翼竜たちとは別よ!」
「あの肥沃翼竜」
怪訝な顔のセンサザールを他所に、慌てた様子で麻袋から新聞紙を取り出したソバージュの女は乱雑に新聞紙を広げる。
新聞の中には『魔族がラスイーガ強襲』と、身だしなみに書かれており、その下にセンサザールの竜化した姿のイラストが書いてあり、センサザールは額に手を当て困惑する。
だが、衝撃的な内容はそのすぐ下に書かれていた。
『先刻の竜は偵察か!?強襲した三名の推測』
と、強調された太文字のその下には三人におよその人相書きが描かれていた。
「これは・・ッ!?」
「確かにこの人相書きとこの人は似ているけど、よく見たら顔が大人びているし、天翼族と思わしき人は居ないのよ・・。」
その人相書きには、全身ローブの者と、肥沃翼竜の特徴を持つ男と少女の絵が描かれていた。
「この魔族たちはいつ来たの!?」
センサザールは奥歯を噛み締めながらそう問いかける。
「二日前だったはずよ・・。」
その張り詰めた表情に気圧されソバージュの女は恐る恐るそう言う。
センサザールはその言葉を聞き終わるやいなや、手荷物をまとめゼンのいる場所に行くと何か語りかけ始めた。
その話が終わると、ゼンはおもむろに立ち上がり、リーネたちのもとにやってくる。
だが、センサザールは甲冑の女たちと言葉を交わすこともなく、リーネの手を引きその場を離れて行く。
「お、おい!どのへ行くつもりだ!」
甲冑の女はそう大声を上げるが、センサザールは聞く耳を持たない。
「セ、センサザールさん・・。」
今までに見せたことのないセンサザールの表情にリーネの顔も自然と強張る。
憎悪に満ちたその顔は、かつての自分と重なりリーネは顔を歪める。
普段は気丈で冷静な性格であるセンサザールとは違う、怒りと恐れの感情が表に出ているようであった。
ゼンの気持ちの整理がつくまで三人で野宿をしていたのだが、小鳥の囀りの中に響く悲鳴のような叫び声にリーネたちは叩き起こされるたのである。
「な、何事です!?」
慌ててブランケットを剥いで目覚めたのは、天翼族のリーネであった。
自身の翼が反射的に広がりバネの役割となり、飛び起きる。
「何で肥沃翼竜と勇者パーティーのノウト様が一緒にいるんだ!?」
リーネが声の方向に視線を向けると、そこにはリーネの仲間である肥沃翼竜とエルフの混血種であるセンサザールと甲冑を身に纏った女が対峙していた。
甲冑の女と判断出来たのは、女の凛とした声音と目元が開いた兜から覗くガラス玉のような綺麗な瞳が主だろう。
その女の横には、腰を抜かして怯える栗色のソバージュの女がおり、センサザールは面倒くさそうに頭を掻く。
おそらくリーネを叩き起こした叫び声はこのソバージュの女から発せられたのだろう。
「センサザールさん、これは一体どういうことです?」
寝ぼけ眼を擦りながらリーネがセンサザールに訊ねると、センサザールはため息を吐く。
「どうやらゼンに用があったみたいなんだけど、気を抜いていた所を見つかったのよ」
センサザールはそう言い自身の額から突き出た大きな一本の角を指差す。
どうやら、目の前の二人にセンサザールの魔族の象徴といえる角と尻尾を見られたのだろう。
リーネは咄嗟に自分の羽を隠そうとするが、それよりも先に甲冑の女が「貴様もかっ!?」と、警戒態勢に入ったため、リーネも魔族であることがバレてしまった。
「そんなに身構えなくてもいいわよ。私たちに危害を加える意志はないわよ」
「どの口が言う!貴様のせいで街にどれだけの犠牲が出たと思っているんだ!」
甲冑の女は握りしめた長剣をセンサザールの額あたりを照準として突きつける。
そんな吐き捨てるような女の言葉にセンサザールは怪訝な表情になる。
「何を言っているか全然わからないわ」
「しらを切るつもりか?貴様らのせいでどれだけの街の住人が亡くなったと思っているんだ!?」
甲冑の女は威圧する怒声を上げセンサザールに突貫する。
甲冑の女はその防具の重量から想像のつかない足取りでセンサザールへと接近し、喉元に向かって長剣を突き立てて来る。
だが、女の攻撃はただの突進のようながむしゃらに走ってくるものではなく、独特なステップを刻み接近してくるものであり、センサザールの顔が強張る。
「ッ!?」
センサザールの目からは甲冑の女がいきなり間合いに入って来たように感じ、甲冑の女の攻撃への対応が遅れる。
だが、激しい金属の衝撃音が響き渡り甲冑の女は狼狽える。
「な、何て硬さだ・・。」
甲冑の女は自身の隣に弾け跳んだ刃先を目の当たりにし、顔面を蒼白にするのであった。
一瞬の判断の遅れからセンサザールは、攻撃避けはせず、あえて急所を避け受けることに徹したのである。
女の手は痺れからか震えており、センサザールの表皮の硬度が伺える。
「これが、肥沃翼竜・・。」
「いきなり何をするのよ。貴方の話は要領を得ないわね」
センサザールは話が見えてこないことと、突然の戦闘に苛立ちを露わにしてそう言う。
甲冑の女の見たことのない攻撃に、センサザールは驚きはしたが、強化魔術が付与されていないただの長剣では彼女の身体に傷すら付かないだろう。
「貴様はまだ認めないのか!ラスイーガでやったことを・・!?」
甲冑の女はセンサザールを指差して怒鳴る。
「まあ、竜化して少し地面にヒビを入れてしまったけど、それだけで命を狙われる覚えはないわよ・・。」
そんな言い分のセンサザールにリーネは苦笑する。
(充分大きな被害だと思うです・・。)
どうやら、竜族と人間や天翼族の価値観が違うのだろう。
と、センサザールと甲冑の女が言い合いをしていると、ソバージュの女が何かに気づいたように大声を上げる。
「シーア!この人たちじゃないわ。もしかしたらこの人たちはあの肥沃翼竜たちとは別よ!」
「あの肥沃翼竜」
怪訝な顔のセンサザールを他所に、慌てた様子で麻袋から新聞紙を取り出したソバージュの女は乱雑に新聞紙を広げる。
新聞の中には『魔族がラスイーガ強襲』と、身だしなみに書かれており、その下にセンサザールの竜化した姿のイラストが書いてあり、センサザールは額に手を当て困惑する。
だが、衝撃的な内容はそのすぐ下に書かれていた。
『先刻の竜は偵察か!?強襲した三名の推測』
と、強調された太文字のその下には三人におよその人相書きが描かれていた。
「これは・・ッ!?」
「確かにこの人相書きとこの人は似ているけど、よく見たら顔が大人びているし、天翼族と思わしき人は居ないのよ・・。」
その人相書きには、全身ローブの者と、肥沃翼竜の特徴を持つ男と少女の絵が描かれていた。
「この魔族たちはいつ来たの!?」
センサザールは奥歯を噛み締めながらそう問いかける。
「二日前だったはずよ・・。」
その張り詰めた表情に気圧されソバージュの女は恐る恐るそう言う。
センサザールはその言葉を聞き終わるやいなや、手荷物をまとめゼンのいる場所に行くと何か語りかけ始めた。
その話が終わると、ゼンはおもむろに立ち上がり、リーネたちのもとにやってくる。
だが、センサザールは甲冑の女たちと言葉を交わすこともなく、リーネの手を引きその場を離れて行く。
「お、おい!どのへ行くつもりだ!」
甲冑の女はそう大声を上げるが、センサザールは聞く耳を持たない。
「セ、センサザールさん・・。」
今までに見せたことのないセンサザールの表情にリーネの顔も自然と強張る。
憎悪に満ちたその顔は、かつての自分と重なりリーネは顔を歪める。
普段は気丈で冷静な性格であるセンサザールとは違う、怒りと恐れの感情が表に出ているようであった。
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