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学園編~1年~
48話 読書の夏
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ふわぁ~。うわ眩しっ。眠っ。
と、一度起き上がるが眠気が勝ち、再び布団に包まる。
再び眠りに落ちかけたその時、ガチャっと部屋のドアが開く。
誰か入ってきたようだが眩しいし、視界がぼんやりしてよく見えない。さてと、寝るか。
「うげふっ!」
布団を頭までかぶるとバフっと誰かに乗っかられる。重っ。正直まだ20kg強の体重ではきつい。
「おっきろ~♩おっきろ~♩にーちゃんおっきろ~♩」
と上下に揺れながら軽やかなリズムで歌う。多分声の感じからエマだろう。
「痛い痛い。わかった起きるから・・・起きるつってんだろ!」
「うわぁ!」
上下に揺れ続けるエマにちょっとピキついたのでガバっと包まった布団を起き上がると、エマが後ろに倒れる。
「朝ごはんだよ!にーちゃんいつも起きるの遅いからママがに起こしてって言われたの!」
と、ぴょんぴょん跳ねるエマが元気よく言っている。不意に時計を見ると、時間は7時半くらいだった。
だが、まだ俺は眠い。だからこんな場所で引き下がる俺だと思ったら大間違いだ。俺は寝起きであまり回らない頭を最大限使って考えた。
「わかったわかった。埃が舞うからやめろよ。【スリープ】」
「ふえ?」
バサバサと跳ねるエマにスリープを掛けて眠らせる。バサッと布団に倒れて、スヤスヤと寝る姿が愛らしい。俺がロリコンだったらやばかったかもしれん。さて、おやすみなさーい。タオルケットを再び被り、ついでにエマにもタオルケットを掛けて眠りに落ちた。
★★★★★★
「いい加減起きろー!」
ドカっと勢いよく茶色く木のドアが開き、部屋全体に甲高い声が響き渡る。
う、うるせー・・・。
意識はあるがはっきりとは起きられていないため、声には出せない。
声の主はメルアと思われる。
「もう10時になるよ!ていうか起こしに行ったエマも何で寝てんの!?」
ちょ、うるさい。だ、黙れ・・・。
心の中でそう言い放つ?が心の中なので聞こえるわけがない。
と、なんだかんだ唸っているとついにタオルケットを奪われてしまった。
「おい、返せよ~。」
「いやもう起きなよ!」
ちょうどエマが起き上がり、まだ目が半目でうとうとしている。
「ん。おはよう。」
「はいおはよう。でも、もう早くはないけどね?」
と、起きたエマにニコリと微笑みかけるメルア。昨日の愛らしい姿は何処へやら・・・。
「ん?なんかすごい失礼なこと考えてなかった?」
あ。
「ん?いやぁ?べっつにぃ?」
と、のらりくらりとかわす。さてと、起きるか。
そして俺はベッドから起き上がり、部屋を後にした。
★★★★★★
遅めの朝ご飯を平らげた後、急に雨が降り始めた。それも土砂降りで風もたくさん吹いていた。こっちの世界にも台風とかあんのかな?今日は室内遊びになりそうだ。
さっき、メルアに「今日はメルカの部屋に集合ね!」と元気よく言われたのでその部屋を探していたのだが、部屋の扉に本の形をしているプレートがついていて、『メルカの部屋』と書いてあったので入ってみた。
部屋は10畳くらい?(作者が広さがいまいちわかんないのでご了承ください)の広さで、部屋には黒っぽい色の木でできたクローゼット、枕とタオルケットしか置いていない質素なベッド、部屋の奥には部屋の横の寸法と同じくらいのバカでかい本棚があり、ほとんど埋まっていた。
ベッドには寝転んで黒い布をかけながら本を読んでいる緑髪を持つ少年、動物の毛皮か何かで出来ている見ただけでふかふかとわかるカーペットに寝転ぶメルア、本棚の前で何読むかを考えているねーちゃんがいた。
本棚には『ドラゴンオブストーリーズ』とか、『創世記』とかの中二病が読んでそうな本がたくさんあった。
何を読もうか視線を上下にしていると、『勇者ハルの冒険』という題名の本があり、手にとって読んでみた。
★★★★★★
『勇者ハルの冒険
~プロローグ~
ある小さな村で特徴的な赤い髪の少年が生まれた。
その子は優しく勇気のある母親と、屈強で思いやりがあり、時に厳しい父親にたくさんの愛を注がれて優しくて思いやりのある少年に育った。その子の名前は“ハル”と名付けられた。これが後に魔王軍との戦争を終わらせ、人々だけでなく、魔族すらも救った勇者ハルである。
~序章~
勇者ハル改め、ハル・ツルギタニはその村で生まれ、大病を患うこともなく大災害に見回れることもなく10の歳を迎えた。
その村には10歳になったら神々からの恩恵、『ユニークスキル』を授かることになっている。
ユニークスキル、それは授かったものにしか扱えなく、『炎強化 大』のような戦闘系のスキルから、『錬金術』のような生産に特化したスキルもある。
10歳になった少年ハルは同じ村に住む幼馴染のアヤカ・ホシノと共に教会に向かった。
そしてハルのユニークスキルは『炎』『渚』『疾風』『大地』『煌』『常闇』『稲妻』『吹雪』という主な属性の8種類が揃っていた。ユニークスキルは通常は一つ、多い者でも二つか三つなので、5つ以上の者は勇者と言われる。つまり少年ハルは勇者の素質を持っていた。これが勇者ハルの始まり、第一歩である。』
★★★★★★
最初の2、3ページ読んで見た。ちょっとラノベみたいで面白かった。
ツルギタニってどっかで聞いたことあるなー。どこだっけ。
ま、いっか。
俺はそのまま、夢中になって『勇者ハルの冒険』を閲読した。
と、一度起き上がるが眠気が勝ち、再び布団に包まる。
再び眠りに落ちかけたその時、ガチャっと部屋のドアが開く。
誰か入ってきたようだが眩しいし、視界がぼんやりしてよく見えない。さてと、寝るか。
「うげふっ!」
布団を頭までかぶるとバフっと誰かに乗っかられる。重っ。正直まだ20kg強の体重ではきつい。
「おっきろ~♩おっきろ~♩にーちゃんおっきろ~♩」
と上下に揺れながら軽やかなリズムで歌う。多分声の感じからエマだろう。
「痛い痛い。わかった起きるから・・・起きるつってんだろ!」
「うわぁ!」
上下に揺れ続けるエマにちょっとピキついたのでガバっと包まった布団を起き上がると、エマが後ろに倒れる。
「朝ごはんだよ!にーちゃんいつも起きるの遅いからママがに起こしてって言われたの!」
と、ぴょんぴょん跳ねるエマが元気よく言っている。不意に時計を見ると、時間は7時半くらいだった。
だが、まだ俺は眠い。だからこんな場所で引き下がる俺だと思ったら大間違いだ。俺は寝起きであまり回らない頭を最大限使って考えた。
「わかったわかった。埃が舞うからやめろよ。【スリープ】」
「ふえ?」
バサバサと跳ねるエマにスリープを掛けて眠らせる。バサッと布団に倒れて、スヤスヤと寝る姿が愛らしい。俺がロリコンだったらやばかったかもしれん。さて、おやすみなさーい。タオルケットを再び被り、ついでにエマにもタオルケットを掛けて眠りに落ちた。
★★★★★★
「いい加減起きろー!」
ドカっと勢いよく茶色く木のドアが開き、部屋全体に甲高い声が響き渡る。
う、うるせー・・・。
意識はあるがはっきりとは起きられていないため、声には出せない。
声の主はメルアと思われる。
「もう10時になるよ!ていうか起こしに行ったエマも何で寝てんの!?」
ちょ、うるさい。だ、黙れ・・・。
心の中でそう言い放つ?が心の中なので聞こえるわけがない。
と、なんだかんだ唸っているとついにタオルケットを奪われてしまった。
「おい、返せよ~。」
「いやもう起きなよ!」
ちょうどエマが起き上がり、まだ目が半目でうとうとしている。
「ん。おはよう。」
「はいおはよう。でも、もう早くはないけどね?」
と、起きたエマにニコリと微笑みかけるメルア。昨日の愛らしい姿は何処へやら・・・。
「ん?なんかすごい失礼なこと考えてなかった?」
あ。
「ん?いやぁ?べっつにぃ?」
と、のらりくらりとかわす。さてと、起きるか。
そして俺はベッドから起き上がり、部屋を後にした。
★★★★★★
遅めの朝ご飯を平らげた後、急に雨が降り始めた。それも土砂降りで風もたくさん吹いていた。こっちの世界にも台風とかあんのかな?今日は室内遊びになりそうだ。
さっき、メルアに「今日はメルカの部屋に集合ね!」と元気よく言われたのでその部屋を探していたのだが、部屋の扉に本の形をしているプレートがついていて、『メルカの部屋』と書いてあったので入ってみた。
部屋は10畳くらい?(作者が広さがいまいちわかんないのでご了承ください)の広さで、部屋には黒っぽい色の木でできたクローゼット、枕とタオルケットしか置いていない質素なベッド、部屋の奥には部屋の横の寸法と同じくらいのバカでかい本棚があり、ほとんど埋まっていた。
ベッドには寝転んで黒い布をかけながら本を読んでいる緑髪を持つ少年、動物の毛皮か何かで出来ている見ただけでふかふかとわかるカーペットに寝転ぶメルア、本棚の前で何読むかを考えているねーちゃんがいた。
本棚には『ドラゴンオブストーリーズ』とか、『創世記』とかの中二病が読んでそうな本がたくさんあった。
何を読もうか視線を上下にしていると、『勇者ハルの冒険』という題名の本があり、手にとって読んでみた。
★★★★★★
『勇者ハルの冒険
~プロローグ~
ある小さな村で特徴的な赤い髪の少年が生まれた。
その子は優しく勇気のある母親と、屈強で思いやりがあり、時に厳しい父親にたくさんの愛を注がれて優しくて思いやりのある少年に育った。その子の名前は“ハル”と名付けられた。これが後に魔王軍との戦争を終わらせ、人々だけでなく、魔族すらも救った勇者ハルである。
~序章~
勇者ハル改め、ハル・ツルギタニはその村で生まれ、大病を患うこともなく大災害に見回れることもなく10の歳を迎えた。
その村には10歳になったら神々からの恩恵、『ユニークスキル』を授かることになっている。
ユニークスキル、それは授かったものにしか扱えなく、『炎強化 大』のような戦闘系のスキルから、『錬金術』のような生産に特化したスキルもある。
10歳になった少年ハルは同じ村に住む幼馴染のアヤカ・ホシノと共に教会に向かった。
そしてハルのユニークスキルは『炎』『渚』『疾風』『大地』『煌』『常闇』『稲妻』『吹雪』という主な属性の8種類が揃っていた。ユニークスキルは通常は一つ、多い者でも二つか三つなので、5つ以上の者は勇者と言われる。つまり少年ハルは勇者の素質を持っていた。これが勇者ハルの始まり、第一歩である。』
★★★★★★
最初の2、3ページ読んで見た。ちょっとラノベみたいで面白かった。
ツルギタニってどっかで聞いたことあるなー。どこだっけ。
ま、いっか。
俺はそのまま、夢中になって『勇者ハルの冒険』を閲読した。
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