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第10話 派生スキル
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女郎蜘蛛はさっきの戦闘で倒し終わっていたらしい。
ボス戦に参加どころか、見ることすらできなかった僕はモブであると実感した。
ダンジョンの帰り道で少しスキルについて質問してみた。
「ねえ、ガーベラは『剣聖』スキルのレベルがすごいことになってるけど、それは、コツコツ上げたの? すごいね。どれくらいの時間がかかるの?」
「コツコツ上げたことは間違いないですが、これはスキル合成をしているからですよ」
「スキル合成? ごめん。聞いたこともないや」
「一度私が教えたので、そんなはずは無いと思うんですけど……」
やべ、聞いてなかったのバレる。
「教えてくれYO!オレもスキル合成したいZE!」
サイト! ナイス。
助かった。
「わかりました。スキル合成とはその人の代表的なスキルにほかのスキルを合成することです。スキルレベルが10になったら合成できます」
「すごいNE! 合成するとどんないいことがあるの? フゥー!」
「合成すると、派生スキルが生まれやすくなります。でも、いつ派生するかはわからないので、定期的に鑑定してもらった方がいいですね」
ああ、鑑定なんて生まれた時以来してねーや。
僕には関係のない世界だと思ってたから、スキル合成の話も聞いてなかったんだな。
「どうですか?帰りに鑑定してもらいますか?」
「いいNE!ゴートゥーヘブン!」
死んでますよ……。
「わかりました。行きましょう」
絶対わかってないよね?
天国だよ?
まぁ、鑑定くらいならいいか。
ダンジョンを出てからはすぐに冒険者ギルドで報告を済ませて、鑑定屋にきた。
中には怪しげなフードを被った女性がいた。
よく見たら、僕が生まれた時に鑑定してくれた人だった。
「いらっしゃいませ。今日は鑑定ですか? 合成ですか?」
「ひとまず鑑定をお願いします」
「わかりました。鑑定して欲しい方はこちらにおかけください」
旅装だからか、王族とは気づいていないようだ
「それじゃ、僕から」
椅子に座ると、額に手を当てて『鑑定』と呟いた。
すると、急に女性の表情が険しくなる。
そして、その場に土下座した。
「失礼いたしました。王子様であられたのですね。知らなかったこととは言え、すいませんでした」
「あ、いいよ。僕は王子の自覚ないから。それより、どうしてわかったの?」
相手が土下座してる時だけ偉そうにできる!
完全なる小物感。
「それは、『ピュア』のスキルを見て思い出しました」
「なるほど、僕のスキルはそんなに珍しいのかな?」
「はい、それは、もう。長くこの仕事をやってますが、お一人だけです」
「へぇ。それで、鑑定の結果はどうだったの?」
「はい。『ピュア』がレベル5、『ドラゴンハート』がレベル1です。あと、派生スキルとして『催眠術』がレベル1です」
「おお、派生してたんだ!どんな効果なの?」
「申し上げにくいのですが、『ピュア』と同じようなことしか書いていなく、『相手の心を動かすアクティブスキル』としか書いていません」
まさかのダブり?
まあ、いいや、あとで試そう。
「わかったよ。次はどっちにする? 先にガーベラ行ってみようか」
好きなものは最後に食べる派だ。
ガーベラのスキルレベルは予想ついてるしね。
何も起こらんだろ。
「かしこまりました。それでは、お願いします」
「はい」『鑑定』
彼女はまたもや土下座をした。
「剣聖様でしたか。ご容赦下さい」
「王子より身分は下です。気にしないで下さい」
「かしこまりました。結果ですが、『剣聖』654です。派生スキルはありませんでした」
「あのー、ガーベラさん? 聞いてたレベルと大きく違いますね?」
「すいません。多すぎて把握できないんですぅ」
困った顔のガーベラも可愛い。
やっぱり美少女は正義だ!
「いいよいいよ。さ、最後はサイト様だね」
「イェース!よろしくたのんまぁーっす!イェー!」
「大丈夫ですか?」
鑑定屋は心配している。
「あ、はい、大丈夫なんで、鑑定お願いします」
このやり取り久しぶりに見たな。
「それでは、『鑑定』」
「どうでした?」
またもや土下座する。
「勇者様でしたか。失礼いたしました」
確かにさっきのは失礼かもね。
「構わないさ!ノッてけYO!発表カモーン!」
「はい。まず『勇者』は1のまま、『剛剣』が8『乱魔』が5『瞬光』は10です派生スキルはありません」
めちゃくちゃ上がったね……。
20回レベルアップの音が鳴ったわけで20まで上がったわけではないのね。
だからこんなに上がってるのか。
『瞬光』なんて10になってるし。
「合成もしますか?」
「おねがいするYO!」
「承知しました。『勇者』に合成でよかったですよね?」
『合成』「できました」
「このまま合成しなかったらどうなってたんですか?」
一応、聞いてみる。
「何も起こりません。そのままです。合成すると、ベースになるスキルに合成分のレベルが上乗せされます。もちろん能力も上乗せです。だから合成した方がお得なんですよ。何も問題なければ合成した方がいいです」
「『勇者』や『剣聖』をベースのスキルにするのはわかるんですけど、僕の場合は『ドラゴンハート』がベースになりますか?」
「いえ、『ドラゴンハート』は特殊なスキルでベースにはできません。王族専用スキルですので。例えば、『ドラゴンハート』をお持ちの方が婚姻等で王族でなくなった場合はスキルが消えます。消えるかもしれないスキルをベースにする方はいませんね」
「なるほど。よくわかりました。それじゃあ、僕はどれをベースにすればよいのでしょうか?」
「『ピュア』ですね。『催眠術』はあくまで派生スキルです。派生スキルから派生スキルは生まれませんので、『ピュア』が消えると成長できなくなります」
なるほど。
生まれてすぐの鑑定でお父様が「少ないな」と言っていたのはそういうことか。
さて、家に帰ったら『催眠術』を試しまくろう。
ボス戦に参加どころか、見ることすらできなかった僕はモブであると実感した。
ダンジョンの帰り道で少しスキルについて質問してみた。
「ねえ、ガーベラは『剣聖』スキルのレベルがすごいことになってるけど、それは、コツコツ上げたの? すごいね。どれくらいの時間がかかるの?」
「コツコツ上げたことは間違いないですが、これはスキル合成をしているからですよ」
「スキル合成? ごめん。聞いたこともないや」
「一度私が教えたので、そんなはずは無いと思うんですけど……」
やべ、聞いてなかったのバレる。
「教えてくれYO!オレもスキル合成したいZE!」
サイト! ナイス。
助かった。
「わかりました。スキル合成とはその人の代表的なスキルにほかのスキルを合成することです。スキルレベルが10になったら合成できます」
「すごいNE! 合成するとどんないいことがあるの? フゥー!」
「合成すると、派生スキルが生まれやすくなります。でも、いつ派生するかはわからないので、定期的に鑑定してもらった方がいいですね」
ああ、鑑定なんて生まれた時以来してねーや。
僕には関係のない世界だと思ってたから、スキル合成の話も聞いてなかったんだな。
「どうですか?帰りに鑑定してもらいますか?」
「いいNE!ゴートゥーヘブン!」
死んでますよ……。
「わかりました。行きましょう」
絶対わかってないよね?
天国だよ?
まぁ、鑑定くらいならいいか。
ダンジョンを出てからはすぐに冒険者ギルドで報告を済ませて、鑑定屋にきた。
中には怪しげなフードを被った女性がいた。
よく見たら、僕が生まれた時に鑑定してくれた人だった。
「いらっしゃいませ。今日は鑑定ですか? 合成ですか?」
「ひとまず鑑定をお願いします」
「わかりました。鑑定して欲しい方はこちらにおかけください」
旅装だからか、王族とは気づいていないようだ
「それじゃ、僕から」
椅子に座ると、額に手を当てて『鑑定』と呟いた。
すると、急に女性の表情が険しくなる。
そして、その場に土下座した。
「失礼いたしました。王子様であられたのですね。知らなかったこととは言え、すいませんでした」
「あ、いいよ。僕は王子の自覚ないから。それより、どうしてわかったの?」
相手が土下座してる時だけ偉そうにできる!
完全なる小物感。
「それは、『ピュア』のスキルを見て思い出しました」
「なるほど、僕のスキルはそんなに珍しいのかな?」
「はい、それは、もう。長くこの仕事をやってますが、お一人だけです」
「へぇ。それで、鑑定の結果はどうだったの?」
「はい。『ピュア』がレベル5、『ドラゴンハート』がレベル1です。あと、派生スキルとして『催眠術』がレベル1です」
「おお、派生してたんだ!どんな効果なの?」
「申し上げにくいのですが、『ピュア』と同じようなことしか書いていなく、『相手の心を動かすアクティブスキル』としか書いていません」
まさかのダブり?
まあ、いいや、あとで試そう。
「わかったよ。次はどっちにする? 先にガーベラ行ってみようか」
好きなものは最後に食べる派だ。
ガーベラのスキルレベルは予想ついてるしね。
何も起こらんだろ。
「かしこまりました。それでは、お願いします」
「はい」『鑑定』
彼女はまたもや土下座をした。
「剣聖様でしたか。ご容赦下さい」
「王子より身分は下です。気にしないで下さい」
「かしこまりました。結果ですが、『剣聖』654です。派生スキルはありませんでした」
「あのー、ガーベラさん? 聞いてたレベルと大きく違いますね?」
「すいません。多すぎて把握できないんですぅ」
困った顔のガーベラも可愛い。
やっぱり美少女は正義だ!
「いいよいいよ。さ、最後はサイト様だね」
「イェース!よろしくたのんまぁーっす!イェー!」
「大丈夫ですか?」
鑑定屋は心配している。
「あ、はい、大丈夫なんで、鑑定お願いします」
このやり取り久しぶりに見たな。
「それでは、『鑑定』」
「どうでした?」
またもや土下座する。
「勇者様でしたか。失礼いたしました」
確かにさっきのは失礼かもね。
「構わないさ!ノッてけYO!発表カモーン!」
「はい。まず『勇者』は1のまま、『剛剣』が8『乱魔』が5『瞬光』は10です派生スキルはありません」
めちゃくちゃ上がったね……。
20回レベルアップの音が鳴ったわけで20まで上がったわけではないのね。
だからこんなに上がってるのか。
『瞬光』なんて10になってるし。
「合成もしますか?」
「おねがいするYO!」
「承知しました。『勇者』に合成でよかったですよね?」
『合成』「できました」
「このまま合成しなかったらどうなってたんですか?」
一応、聞いてみる。
「何も起こりません。そのままです。合成すると、ベースになるスキルに合成分のレベルが上乗せされます。もちろん能力も上乗せです。だから合成した方がお得なんですよ。何も問題なければ合成した方がいいです」
「『勇者』や『剣聖』をベースのスキルにするのはわかるんですけど、僕の場合は『ドラゴンハート』がベースになりますか?」
「いえ、『ドラゴンハート』は特殊なスキルでベースにはできません。王族専用スキルですので。例えば、『ドラゴンハート』をお持ちの方が婚姻等で王族でなくなった場合はスキルが消えます。消えるかもしれないスキルをベースにする方はいませんね」
「なるほど。よくわかりました。それじゃあ、僕はどれをベースにすればよいのでしょうか?」
「『ピュア』ですね。『催眠術』はあくまで派生スキルです。派生スキルから派生スキルは生まれませんので、『ピュア』が消えると成長できなくなります」
なるほど。
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さて、家に帰ったら『催眠術』を試しまくろう。
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