チートな男の幽霊退治

シリウス

文字の大きさ
上 下
2 / 11
呪いのビデオ

依頼

しおりを挟む
「やれやれ、またかよ。」
是宇須は親友でもある藤山浩太に昨晩の話をしていた。
「相変わらずお前の強さには呆れさせられるよ。」
彼は決して疑ってはいない。彼は是宇須の幼馴染であり、彼のチートな力を幾つも見てきた。小学生の頃、公園で謎の男に襲われた時も是宇須はチートな力でそれを吹き飛ばした。
そして中学校の時、海に生えていた幾つもの白い手をバッサバッサと切り裂き、全滅させたのも見た。
さらに高校の文化祭でもお化け屋敷に現れた本物の幽霊を撃退し成仏させている。
そんな彼は是宇須の唯一の友人である。是宇須は当然頭脳もとんでもないくらい凄く、模試では全国1位もよく取っていたが本人に欲が無いのか浩太と同じ大学になった。浩太も頭はかなりいいのだが是宇須の前だとやはりどうしようも無い。
そんな是宇須は当然浮いているのだが、彼の除霊の力がどこからか漏れ出しており、軽い噂になっている。本人は笑って否定しているが。
まぁ、それは半分正解だ。彼は確かに能力はあるが除霊という生易しいものでは無い。もっと何かやばいものだ。
マヤの予言なども世の中では嘘として片付けられているが是宇須の手によって阻止されたものだ。
他にもノストラダムスの予言も彼が阻止しているらしい。
「恐怖の大王だっけ?あの軍勢は手強かったな~。とにかく数が多かったんだよ~。まぁ、全滅させたから大丈夫だけどね。」
そのことを是宇須はそう語っていた。是宇須はその時まだ3歳だったと思うのだがとツッコミをいれたくなったが彼のことだということで納得してしまった。
そうやって2人が食堂で話していると、
「あの~すいません・・・。」
1人の女子が話しかけてきた。
「ん?何?ナンパ?」
是宇須が空気の読めないことを言ったので浩太は是宇須の頭を叩いた。
「痛っ、全く~冗談だよ。」
確かに是宇須はかなりカッコいいが彼女はいない。不思議すぎて浮いてしまうからだろうなと浩太は考えた。浩太も今は彼女はいない。
「いや、そういうものじゃなくて是宇須さんに頼みが・・」
なんとなく分かってきたなと浩太は感じ始めた。
「ん?なんの依頼?」
「はい、是宇須さんは呪いのビデオを知っていますか?」
「呪いの英世?千円札?」
「いや、ビデオです。」
「あぁ~呪いのビデオか。そんなものもあったね~。」
「実はそれが私の家に届いてしまって・・何か普通じゃない空気を出していて本物なんじゃ無いかと。」
「まだ、残ってたんだ・・・呪いのビデオ。」
嘗て呪いのビデオが騒がれていた時、どんどん広がっていくビデオを減らすために是宇須は各地で貞子を討伐していった。やがてビデオも使われなくなり是宇須の活躍で数を減らしたビデオだったが・・・。
「懐かしいな~。そんなこともあったね~。」
「おい、そんな感慨にふけるな。仮にも相手はかなり怖がっているんだぞ。」
横からの浩太のツッコミで是宇須は開き直る。
「ごめんごめん。で、分かったけどそのビデオ持ってきてもらっていいかな?再生しなければ呪いは発生しないし。」
「は、はい分かりました。では、明日またこの場所で・・」
そう言って女子は立ち去っていった。
「おそらくそのビデオ最後の一個だね。俺が全部倒したつもりが一個足りなくてね。まぁ、ほっといてたんだけど。」
「何で、ほっといたんだ?」
「いや、ビデオデッキ自体もう使われなくなり始めてね。奴らも出番をなくしたと思っていたからね。」
「なるほどね。じゃあ頑張れよ。」
「ん?何言ってんの?お前もだぜ。友達だろ?」
「マジかよ・・」
浩太はまた面倒ごとに巻き込まれると考え、溜息をついた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

紅月の神話 EP4 黒い悪魔

与那覇瑛都
ファンタジー
 黒い悪魔と呼ばれる男がいる。その男の名はガレック。  彼は人から神に至り囚われ、自ら記憶を封じ人の身体に逃げた神レイジである。  深層世界にいるレイジは表にいるもう一人の自分であるガレックを誘導し、時に操り身体を取り戻そうとする。  上位の存在であるレイジに操られたガレックは今日も可愛い女の子の尻を追いかけ、卑怯の策略で他者を貶める。  あれ? 身体は?  そんなことより女だ!  目的はそっちのけ欲望に忠実なガレックの旅が今始まる。

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。 異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。 そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。 異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。 龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。 現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい

梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

処理中です...