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広がりゆく勢力、そして

その頃ガーネット王国では

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「何だと!?アルド王国がペッカ村に1万の軍を!?」
ガーネット王国王子はその知らせを聞いて驚いた。確かペッカ村の人口は150人ほど。そんな小さな村に1万の軍を送るなど到底考えられないことだ。ガーネット王国もペッカ村をスレイム攻略のためにいい場所だと考えてはいるがどう考えても1000くらいしか軍は送らないはず。
そもそも、ペッカ村が降伏を拒否したこと自体驚きだ。
「王子、どうしたんですか?」
勇者 勝と拳闘士 剛が王子に話しかけた。
「敬語はいちいち使わないでくれ。気安く、エルゴと呼んでくれ。」
王子エルゴは17歳。歳に見合わず優れた頭脳を持つ人間だ。その為、勇者達からも人望は厚いのだが当の本人は友達のように接して欲しく思っている。
「エルゴ、一体何に驚いてるんだ?」
剛が早速呼び捨てで呼んだ。
「剛・・流石だな・・」
隣で勝が納得しているような表情をしている。もともと剛はかなり馴れ馴れしい人間だから当然といったら当然である。
「いや、実は・・・・」
エルゴは2人にアルド王国の話をした。
「い、1万!何でそんな数で・・。」
「確実にやられるな。」
「降伏を要求していたのだが拒否したらしい。それがアルド王国の王を怒らせたのかもな。」
「随分とえげつないことをするな。王の器だとは思えないな。」
「俺も助けに行きたいくらいだが数が多すぎる。しょうがないことだろう。」
「エルゴ、勇者達殿、いったい何を話しているのだ?」
国王がすぐ近くにいた。いつの間にと驚く3人だが話に夢中になっており、すっかり周りが見えていなかった。
「いや・・アルド王国の話を・・」
「あぁ、そのことか。おそらく奴らもスレイムを狙っているのだろう。」
「何でどの国もスレイムを狙うんだ?あそこの価値がよく分からないんだが。」
「うむ、それは・・」
「父上、説明は私が行います。父上は会議の時間では?」
「あぁ、そうだったな。じゃあ頼んだぞエルゴ。」
王はエルゴにそう言うと去って行った。
「で、スレイムの価値を教えてくれ。」
「スレイムというのは冒険者街というのは知っているね?」
「「当然だ。」」
「そこには大量の冒険者と資源があり、どの国もそれを狙っている。以前、アルド王国は大軍を率いてスレイムに向かったのだが突如引き返したのだ。それはよく分かっていないが・・」
「何か、強い奴でもいるのか?」
「確かに強い冒険者はいるが戦わずに引き返すほど強い冒険者は聞いたことがない。しかもその時の総司令官は勇将ギャディスだからな。」
「そうなのか・・。心当たりもない?」
「あ、そういえば噂なのだが最近新しいクランがメキメキ勢力を強くしているらしいな。確か、聖徒と親王を追い返したとか・・。」
「聖徒と親王を!?だとしたらそれがその例の冒険者だな。」
「あの~勝とエルゴ?話についていけないんだけど。あと、勝。お前どこでその話を?」
剛が困ったように割り込んできた。
「いや、城下町にはあちこちを旅している人だって来るんだけどな。その人が俺に教えてくれたのさ。本当かは確かではないけどな。」
「そうなのか・・。ところで聖徒と親王ってどんくらい強いんだ?」
「おそらく君達2人がかりでも負けるね。それもあっという間に。」
「マジかよ!そんな強い奴を追い返すっていったい・・」
勇者達もダンジョンへの許可が出され彼らはレベル上げを行っている。彼らのステータスは3000ほどまで上がってきているのだがまだまだ程遠い。
「確かクラン名は・・幸運の星ラッキースターだったな。」
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