上 下
14 / 14
目覚め

出会って数秒で死闘

しおりを挟む
「え?なんのことです?」
「とぼけなくてもいい。ここには私と君しかいないのだからな。」

どうやらバレているようだ。俺は観念するように軽く両手を挙げた。
「ハハッ!!しかし凄いな!こんな場所にこんな大物がいたなんて。」
「ベアールのことですか?」
「違う違う、君のことだよ。しかもこのやられ具合を見れば相当強力な火魔法をぶっ放したようだね?どのようなものなのか少し見せてもらいたいのだがいいかな?」

そしてその男の人がパチンと指を鳴らすと先程までいた場所が闘技場に早変わりした。
「私はこう見えてもかなり強くてね。有名だったんだよ?」
「そうなんですか・・」
こう見えてもって言われても見た目で強いのは分かるんですけど・・というのは飲み込ませてもらった。

「じゃあ行くよ!!ハッ!!」
突然姿が消えた。そして・・
カーーーン!!
「私の剣を止めるとは・・なんという強さだ・・」
俺自身は全く何も反応出来なかったのだが、剣技のスキルレベルが高いため自動で反応したらしい。ぶつかった時の音が変だったのは互いに木刀だったからだ。

「じゃあ、もっと本気でいかせてもらうよ!!」
彼の腕が見えないスピードで動き、俺に襲いかかってきた。
木刀に何度も衝撃が来るのだが、やはり全部防いでいた。
少しそれが続いてから彼は距離をとった。
「・・君の防御の腕前は申し分ないのだが・・なぜ攻撃に転じない?」
どうやら気づかれてしまったらしい。
「防御で精一杯なんですよ。」
俺は苦し紛れの嘘を言うが、
「そんな嘘は通じないよ。あれだけの攻撃を受け止めておいて平然と立ってるんだ。まだまだ余裕はあった筈なのに何故?」

少し息をついて彼は言った。
「まるで何か不思議なものが勝手に体を動かしてるみたいだ。自分の意思では動いていないみたいに・・」

あらら当てられちゃったよ。それにしてもすげぇな。なんで分かるんだ?
「スピードに目が付いて行ってない気がしたしな。」
あぁ、やっぱりそれか。そりゃそうだあんたの動き何一つ見えてませんから。

「・・そうだ!君の力を試す方法があったぞ!!」
そう言うと彼は剣を構え力を込め始めた。
「必殺の一発、とやらものを放てば君の力が見えるかもしれない!!本気でいかせてもらうよ!!」

やばいやばい!!それじゃ俺の腕どころか命まで持ってかれちまう!!
「ウォラァッッ!!!」
彼がとうとう一撃を放ってきた。
「こうなればやけくそだ!!オリャーーーッ!!」
俺は大きな声を上げながら力一杯剣を振るった。
すると・・

ズガガガーーーンン!!!
あの時の化身らしきものが出現し光り輝く線が走った気がした。そして、
「ウワーーーッ!!!」
彼の声とともに大轟音が響いたのだった。
「やべ・・やりすぎたよ・・」
ボロボロになった闘技場で俺はやらかしたと言うように呟いた。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

よりより
2017.09.10 よりより

仲間との探索ではべアールたのに、次の話ではベアードになってた

シリウス
2017.09.11 シリウス

ご指摘ありがとうございます!すぐに変えさせていただきます!

解除
まゆき
2017.09.06 まゆき

「ガチャ」ファンでございます。
ファイナライズで検索して読んで見ました、面白いですね!
こちらもお気に入りですので、連載続いて欲しいです。

シリウス
2017.09.09 シリウス

ありがとうございます!ずっと頭の中で考えていたものだったのでようやく公開出来て良かったです!これからもよろしくお願いします!

解除

あなたにおすすめの小説

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]

ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。 「さようなら、私が産まれた国。  私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」 リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる── ◇婚約破棄の“後”の話です。 ◇転生チート。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。 ◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^ ◇なので感想欄閉じます(笑)

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません 

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。 まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。 だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥ たまにやりたくなる短編。 ちょっと連載作品 「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。

桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。 戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。 『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。 ※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。 時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。 一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。 番外編の方が本編よりも長いです。 気がついたら10万文字を超えていました。 随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!

婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?

サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに―― ※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。