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12話 実力テスト

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今日は、実力テストだ、内容は現代文、古文、数学、生物、地学、古代語、等をやる、此処は国1番の教育機関なので一つ一つの内容がとても濃く、難しい内容だ。


「おはようみんな」

「ん、おはよう零」

レオンがいつものように挨拶を返すとすぐさま下を向いた。

「どうしたの?レオン?」

「いや、今日は実力テストだろ?だからその勉強だよ。午前中で全てのテストやるって聞いたからさ詰めないと」

「全てのテストを午前中で終わらすの?それは不可能に近くない?」

「俺もそう思うんだけどさ、なんか一回のテストで2,3教科やるそうだぞ?」

「はい?」

信じられない言葉を聞いた零はうわずった声が出た。

(テストみたいなのは前宰相閣下からよく出されていたけどそれが3つ同時にやるのか…)

「えっと質問なんだけど1回のテスト時間は何分?」

「確か60分だった気がする」

「ありがとう、僕も頑張るよ」

「ファイト」

レオンから応援を貰ったところで自席につきテストに出されるであろう範囲の問題を解いた。

(勉強って難しいな、でもやりがいがあるから楽しい)

集中して解いていると、担任が教室に入ってきた。

「おはよう、今日は実力テストだやる科目は入試合格のときに伝えた通りだ、ベストを尽くせよ」

そのあと百合草はそそくさと教室から出て行った。

「はぁーー、緊張するな」

「そうだな、まあ赤点回避すればいいか」

「そうだね、今回の範囲は中等部でやった範囲だから分かるよね」

「僕繰り上がり組じゃないからよく分からないけど頑張ってみるよ」

「ああ、頑張れよ」

そのあと他の教師がやって来てやる科目が2枚ずつ配られた。

「えっと、入学式聞いていたら分かるけどもう一度自己紹介をする。私は真録新太だ1学年の4組を受け持っている」

そういうと軽く頭を下げた。

「時間だ、試験開始」

その掛け声と共に紙がめくれる音が四方八方から聞こえた。

(えっとさいしょは数学か___)

数学の内容は二次関数の応用問題などがあり、とても時間のかかるものまで入っていた。

(わざと間違えて下から25番目を狙お)

自身が目立たないように分かる問題を飛ばしたりした。

(終わった、次は古代語か、)

古代語はこの文字を翻訳して、いつ、どのような時にこの文字を使ったのかが数問あり他は穴埋めや記号問題が大半を占めていた。

(うん、なるほど簡単)

零は古代語が得意で自身が創造した魔法もそこから引用されている。

(終わった、これは学年16位狙おう、流石に全て駄目だったら怪しまれるしね)


その後のテストも順調に終わり帰りの時間が刻一刻と迫ってきている。

「なぁ零」

「ん?何?」

「これが終わったらどこか寄らないか?」

「いいけど…どこ行くの?」

「此処から徒歩10分の所にある喫茶店に4人で行こうとしているんだ」

「なるほど、いいよ行こう」

「オケ」

この会話から1分後担任が入ってきた。

「皆お疲れ様このホームルームが終わったら休日だ、話は特にないがひとつだけ言わせてもらおう、お疲れ様よく頑張った」

百合草はいつもの鉄仮面から想像も出来ない笑顔で生徒達を労った。

「休日の事故は多いから気をつけるんだぞ、ではさよなら」

『さよなら』

そのあとレオン達の方に向かった。

「よし全員揃ったし行くか」

「「おーーー!」」

美咲と未夏はテンションが高めで早く行こうと催促をしている。

「早く行っても食べ物は逃げないぞ」 

レオンがそう言うがテンションが高いのはそのままだ。

「はぁ、」

メテアは早々諦めたそうだ。

「ねぇ、レオン」

「なんだ…」

「今から行く喫茶店にスイーツってあるの?」

「あるがどうかしたか?」

「ううん何でもない」
(やった!)

この後レオンから、もう1人増えたと言う言葉がボソリと聞こえた気がした。
歩くこと10分ようやく目的地が見えてきた。

「あっ!見えてきた!」

未夏が大きな声でそういうと

「本当だ!」

と美咲の声が聞こえた。

この喫茶店は隠れ家的なところにあり知る人ぞ知る穴場スポットと化している。

「いらっしゃい…おや今日は1人多いね」

と白髪が生えた40から50の男が言った。

「そうだよ、この子は零くん!新しい友達」

「そうかそうか、よろしくね零くん」

優しい口調でそういうとすぐさま自身の仕事に戻った。

「ねえ、零くん今混乱しているでしょ?」

「うん」

「だよねだよね、だってこのおじさん美咲のお父さんなんだもん」

「…え?」

「ははは、面白い驚き方をするんだね、では改めて美咲の父の彩月詩想さつき しそうだよ、よろしくね」

「よろしくお願いします」

そのあとぺこりと頭を下げた。

「零くんは何が食べたいんだい?」

「えっとフルーツ系が食べたいです」

「なるほど、なら焼きフルーツタルトはどう?」

「それでお願いします!」

「未夏ちゃん達に負けて劣らず元気な女の子だね」

「あっ、お父さん零くんは女の子だよ」

「え?…そうかごめんね、くん付けはそういう子だと思っていたよ」

詩想はそこまで驚かなかった。

「凄い…」

「なんでだい?」

フルーツをカットしながら話しかけて来た。フルーツからは果汁が少し溢れている。

「普通の人は僕が男って伝えると驚くか思考が数秒止まるかのどっちかが多かったんです」

「なるほどね、」

そのあとレオン達と雑談をしながら時間を潰していた。

「5人共出来きたよ、レオンくんがコーラとパンケーキ、メテアくんがコーヒーとチョコケーキ、未夏ちゃんがいちごミルクとフルーツパンケーキ、零くんが牛乳と焼きフルーツタルト、そして美咲がリンゴジュースとアップルパイね」

出されたフルーツタルトは果肉が綺麗に焼けた証拠として黄金色に光って食欲がそそる色をしていた。

「美味しそう、いただきます!」

「「いただきます!」」

「「いただきます」」

みんな笑顔で美味しいパンケーキやケーキなどを食べていた。

「___ごちそうさまでした!」

あっという間に食べ終え詩想さんもにこりと笑顔を見せていた。

「値段はいくらですか?」

「えっと1200円だよ」

「はい、ピッタリ1200円で」

「はいいただきました。」

「零ちょっと待ってて」

「いいよ」

1分ぐらい店内の椅子に乗って待っていた。

「お待たせ」

「うん、この後どうする?」

「解散でいいと思うよ」

「そうだね」

「じゃあ帰ろっか」

「さよなら」

「バイバイ」

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