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15,救済
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「こりゃあ、媚薬が効きすぎて二人とも戻ってこれないねぇ」
二度の絶頂の後、すぐまた腰を動かし始めた真琴と火凛を眺めて、早苗がつぶやいた。傍らに待機している触手をペットのようになでる。
「おまえを使うまでもなく、あの二人は精も根も尽き果てるまでヤり続けるだろうさ。そうして心まですっかり裸になって、抜け殻みたいになったら、新しい宿主になってもらうからねぇ、火凛ちゃん、真琴ちゃん」
「んちゅっ♡ んっ、んっ、んんっ♡ はぁっ……はぁっ……はぁっ……♡ んくちゅ♡」
もっとほしい。全てほしい、とばかりに二人は唇を、舌を、唾液を求め合った。少しでも多く体を密着させようと抱き合った。何度絶頂したのかも覚えていない。いつしか火凛が真琴の上になって、豊満な胸に指をうずめて、真琴の肉孔の奥深くにたぎったものを打ち込んでいた。
「あ゛っ!♡ あ゛っ!♡ お゛っ!♡ い゛っ!♡」
二人の喘ぎ声が重なって、火凛にはどれが誰の喘ぎなのかも分からなかった。
「あ゛っ!♡ あ゛っ!♡ いぐっ!♡ いぐっ!♡ またいぐううううううううっっ♡♡♡♡♡!!!!!」
「ちょうだい、もっとちょうだい♡ んひいいいいっ♡♡♡!!!」
「とまらない♡!? またいくっ♡ いくいくいく、いっちゃううううううううっ♡♡!!」
「だめっ、あ゛っ、あ゛あああああああっ♡♡♡ あ゛あああああああっ♡♡♡」
永久に続くかと思われる快楽。苦しいようで愛しい。これ以上は出ないという予感は、いつも裏切られ、出しても出しても精が枯れることはない。いや、実際はいつか終わり――破滅に至るはずだ。そうと分かっていても腰を振ってしまう。求め合う気持ちには際限がない。
(まこと……。まこと、まこと、まこと……!)
心の中で名前を呼ぶたびに、胸が熱くなる。力が湧き上がってくる。
火凛は泣いていた。涙が止まらない。
「かりん……かりん……」
「もっと、あたしを呼んで」
「かりん、かりん、かりん、かりん……!!」
退魔師として生まれたこと。赤崎家に生まれたこと。霊力の回復が極端に遅い特殊な体質であること。煙たがられ、失望され、罵倒された日々。死ぬかもしれない、いっそ死んでしまえばと思った修行。だが他の道を選ぶことは許されない。逃げられない運命を呪った。孤独に耐え、戦い続けた。
だが今は、自分を認めてくれる存在がいることに気づいた。
裸になって、肌を重ねて、舌を絡め合って、初めて理解した。
運命の意味を。
体も心も温かいのは――炎が燃えるように熱いのは、打たれた薬のせいでもなく、性的な興奮でもない。体の火照りは安心、ぬくもり、自信、勇気……。
(あたしの中に強い力を感じる。真琴の中にある力も。霊核と霊核が――あたしたちの魂が、呼び合って光ってるんだ……)
火凛は真琴の手を握った。言葉は必要なかった。真琴も何をすればいいか理解していた。
すでに勝利したと思っていた早苗は、異変に気づくのが遅れた。
「なんだ……? これは…………霊力!? なぜだ!? 火凛はもう霊力を使い果たしたはずだ! なのになぜ……!? 真琴の霊力よりも遥かに大きい!? バカなっ」
数十本の触手が一斉に二人に襲い掛かった。
「あの日みたい」
火凛はとっさに自分の右手を噛み、勢いよく水平に振った。血の滴が弧を描くように散った。次の瞬間、血飛沫がまぶしい光を放ち、膨大なエネルギーを拡散し、触手を飲み込み、辺りを真っ白に染めた。
「違うのは、手加減する気ゼロってこと」
ホワイトアウトした視界が元の世界に戻ったとき、火凛は最愛の女の子をかばうようにしてかがみこんでいた。二人とも顔も体も黒いススで汚れていた。
一面が炎の海になっていた。青い炎が揺れるさまはまさしく海なのだ。ところどころに波間にのぞく岩礁のような灰の山ができているのは、断末魔をあげる間もなく、一瞬で全ての妖魔が灰と化してしまったからだ。
「きれい……」
真琴がつぶやいた。
「天国みたい。それに全然熱くない」
「そういう炎が作れるようになったみたい。傷つけなくて済むように」
力を使ったとき、そうすることが可能だと直感的に分かったのだ。
「早苗さんは……」
「蒸発したと思う。ホントに手加減しなかったから」
「それって、もし、早苗さんが妖魔に操られてたとしたら……」
「そうだとしても、真琴を守るほうが大切だから。それに一度妖魔に洗脳された人が、元に戻れる保証なんてないし。あたし、人殺しに――」
真琴が手でパッと火凛の口を塞いだ。
「それ以上言わなくていい。火凛は私を守ってくれた。早苗さんの魂も救ったはずだよ」
「魂を、救った……」
本当にそうなのだろうか。言葉を声にしてみても、真偽は分からないし、実感もわかなかった。
「そういえば火凛、どうして霊力が使えたの? 今日は一度大技を使ったから、霊力が空になってるはずだよね?」
「霊力じゃなくて、霊力の泉――霊核を使った」
「うそっ……。それ、やろうと思ってできることなの? それに霊核を使ったってことは……」
「あ……」
火凛は目の前が真っ暗になり、体が傾いていくのを感じた。脚を踏ん張ることができなかった。
「火凛!? ちょっと火凛! ……火凛!? ねえ………………! …………」
……真琴の声が遠く小さくなる。
火凛は完全に意識を失った。
二度の絶頂の後、すぐまた腰を動かし始めた真琴と火凛を眺めて、早苗がつぶやいた。傍らに待機している触手をペットのようになでる。
「おまえを使うまでもなく、あの二人は精も根も尽き果てるまでヤり続けるだろうさ。そうして心まですっかり裸になって、抜け殻みたいになったら、新しい宿主になってもらうからねぇ、火凛ちゃん、真琴ちゃん」
「んちゅっ♡ んっ、んっ、んんっ♡ はぁっ……はぁっ……はぁっ……♡ んくちゅ♡」
もっとほしい。全てほしい、とばかりに二人は唇を、舌を、唾液を求め合った。少しでも多く体を密着させようと抱き合った。何度絶頂したのかも覚えていない。いつしか火凛が真琴の上になって、豊満な胸に指をうずめて、真琴の肉孔の奥深くにたぎったものを打ち込んでいた。
「あ゛っ!♡ あ゛っ!♡ お゛っ!♡ い゛っ!♡」
二人の喘ぎ声が重なって、火凛にはどれが誰の喘ぎなのかも分からなかった。
「あ゛っ!♡ あ゛っ!♡ いぐっ!♡ いぐっ!♡ またいぐううううううううっっ♡♡♡♡♡!!!!!」
「ちょうだい、もっとちょうだい♡ んひいいいいっ♡♡♡!!!」
「とまらない♡!? またいくっ♡ いくいくいく、いっちゃううううううううっ♡♡!!」
「だめっ、あ゛っ、あ゛あああああああっ♡♡♡ あ゛あああああああっ♡♡♡」
永久に続くかと思われる快楽。苦しいようで愛しい。これ以上は出ないという予感は、いつも裏切られ、出しても出しても精が枯れることはない。いや、実際はいつか終わり――破滅に至るはずだ。そうと分かっていても腰を振ってしまう。求め合う気持ちには際限がない。
(まこと……。まこと、まこと、まこと……!)
心の中で名前を呼ぶたびに、胸が熱くなる。力が湧き上がってくる。
火凛は泣いていた。涙が止まらない。
「かりん……かりん……」
「もっと、あたしを呼んで」
「かりん、かりん、かりん、かりん……!!」
退魔師として生まれたこと。赤崎家に生まれたこと。霊力の回復が極端に遅い特殊な体質であること。煙たがられ、失望され、罵倒された日々。死ぬかもしれない、いっそ死んでしまえばと思った修行。だが他の道を選ぶことは許されない。逃げられない運命を呪った。孤独に耐え、戦い続けた。
だが今は、自分を認めてくれる存在がいることに気づいた。
裸になって、肌を重ねて、舌を絡め合って、初めて理解した。
運命の意味を。
体も心も温かいのは――炎が燃えるように熱いのは、打たれた薬のせいでもなく、性的な興奮でもない。体の火照りは安心、ぬくもり、自信、勇気……。
(あたしの中に強い力を感じる。真琴の中にある力も。霊核と霊核が――あたしたちの魂が、呼び合って光ってるんだ……)
火凛は真琴の手を握った。言葉は必要なかった。真琴も何をすればいいか理解していた。
すでに勝利したと思っていた早苗は、異変に気づくのが遅れた。
「なんだ……? これは…………霊力!? なぜだ!? 火凛はもう霊力を使い果たしたはずだ! なのになぜ……!? 真琴の霊力よりも遥かに大きい!? バカなっ」
数十本の触手が一斉に二人に襲い掛かった。
「あの日みたい」
火凛はとっさに自分の右手を噛み、勢いよく水平に振った。血の滴が弧を描くように散った。次の瞬間、血飛沫がまぶしい光を放ち、膨大なエネルギーを拡散し、触手を飲み込み、辺りを真っ白に染めた。
「違うのは、手加減する気ゼロってこと」
ホワイトアウトした視界が元の世界に戻ったとき、火凛は最愛の女の子をかばうようにしてかがみこんでいた。二人とも顔も体も黒いススで汚れていた。
一面が炎の海になっていた。青い炎が揺れるさまはまさしく海なのだ。ところどころに波間にのぞく岩礁のような灰の山ができているのは、断末魔をあげる間もなく、一瞬で全ての妖魔が灰と化してしまったからだ。
「きれい……」
真琴がつぶやいた。
「天国みたい。それに全然熱くない」
「そういう炎が作れるようになったみたい。傷つけなくて済むように」
力を使ったとき、そうすることが可能だと直感的に分かったのだ。
「早苗さんは……」
「蒸発したと思う。ホントに手加減しなかったから」
「それって、もし、早苗さんが妖魔に操られてたとしたら……」
「そうだとしても、真琴を守るほうが大切だから。それに一度妖魔に洗脳された人が、元に戻れる保証なんてないし。あたし、人殺しに――」
真琴が手でパッと火凛の口を塞いだ。
「それ以上言わなくていい。火凛は私を守ってくれた。早苗さんの魂も救ったはずだよ」
「魂を、救った……」
本当にそうなのだろうか。言葉を声にしてみても、真偽は分からないし、実感もわかなかった。
「そういえば火凛、どうして霊力が使えたの? 今日は一度大技を使ったから、霊力が空になってるはずだよね?」
「霊力じゃなくて、霊力の泉――霊核を使った」
「うそっ……。それ、やろうと思ってできることなの? それに霊核を使ったってことは……」
「あ……」
火凛は目の前が真っ暗になり、体が傾いていくのを感じた。脚を踏ん張ることができなかった。
「火凛!? ちょっと火凛! ……火凛!? ねえ………………! …………」
……真琴の声が遠く小さくなる。
火凛は完全に意識を失った。
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