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第109話 移動販売のスカウト③
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また会話がループしそうなアスターさんとインダーさんを慌てて止める。
「ああ、すまんすまん、ジョージ。
ありがたく、引き受けさせて貰うよ。
けど、俺が長ってのはさすがに……。」
「俺の商会の、移動販売部門を取りまとめて欲しいと思っているんです。
インダーさんは信頼して任せられる人だと思います。ぜひお願い出来ませんか?」
「ううん……。」
「いいじゃあねえか、やってみろよ。
俺もお前を支えるし、ザキもマジオも、きっと同じ気持ちさ。お前の新しい第一歩を、輝かしい未来で飾ってやりたいのさ。
冒険者登録証を奪われた冒険者が、冒険者より稼いでみせたら、能力のある奴を迫害したってことが、国も分かるこったろうぜ。」
「冒険者よりも稼ぐったって……。
平民相手なんだ、そこまで稼ぐのはさすがに難しいだろう。まあ、気持ちだけ受け取っておくさ。そのくらいの気持ちで頑張ろう。
いつかこの国すべてを網羅出来るように、頑張りたいと思うよ。」
インダーさんは、ハハハと笑って言った。
「あ、それなんですが、初年度が年収大金貨5枚で、翌年以降は売上に応じて相談でいかがてしょう?本当は具体的な売上見込みベースで金額を決めたいところなのですが、なにぶんこれからの仕事なので、最低限の保証になってしまうのが申し訳ないのですが……。
インダーさんは役員レベルの管理職ですので、ここからのスタートということで。」
アスターさんとインダーさんが、目が点になったような表情で俺を見てくる。
「アスター、何か俺は耳がおかしくなったみたいだ……。年収大金貨5枚とか、ハハ。」
「お、俺もおかしくなったかも知れん。」
「少なくて申し訳ありません。100人からの冒険者をまとめていただく予定なのに。」
「──ひゃ、100人!?」
「冒険者ギルドの支部並じゃねえか!!」
「ま、まさか、……ほ、本当に大金貨5枚だっていうのか?俺の年収が?」
「はい。部門長ですし。」
「おいおい、冒険者ギルドのギルド長を軽くこえちまってんじゃねえか。」
アスターさんは汗をかいている。
そうなのか?俺が人事部で働いていた時の会社の支店長は、支部の人員が10人もいないのに、年収600万だったんだが。500万って最低ラインだろ?まあ、年収が1千万超えの営業マンが大勢いた会社だったが。
「冒険者ギルドのギルド長の年収が大金貨4枚だ。それは高額が過ぎるぞ、ジョージ。」
インダーさんがそう言ってくる。
「ですが、俺はそれだけの価値がインダーさんにあると思っています。」
俺はインダーさんをじっと見つめた。
会社を作る時に一番大変なのが人材の確保だ。仕事に意欲があって、まるっと仕事を投げられる人材なんて、いくらかけても確保すべきだ。俺は幸いお金があるから、いくらでも出せるとはいえ、仕事が軌道に乗る前から大金を払うのは、今後給料を引き上げる時におかしくなっちまうからな。
現場で働く冒険者たちの年収を大金貨3枚スタートで考えてるから、そことのバランスを考えても、そのくらいだと思う。
売上の保証見込みがあるなら、600万スタートにしたいくらいだ。
「分かった……。やらせて貰うよ。
期待に応えられるよう頑張りたい。
本当にありがとう、ジョージ。」
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「ああ、すまんすまん、ジョージ。
ありがたく、引き受けさせて貰うよ。
けど、俺が長ってのはさすがに……。」
「俺の商会の、移動販売部門を取りまとめて欲しいと思っているんです。
インダーさんは信頼して任せられる人だと思います。ぜひお願い出来ませんか?」
「ううん……。」
「いいじゃあねえか、やってみろよ。
俺もお前を支えるし、ザキもマジオも、きっと同じ気持ちさ。お前の新しい第一歩を、輝かしい未来で飾ってやりたいのさ。
冒険者登録証を奪われた冒険者が、冒険者より稼いでみせたら、能力のある奴を迫害したってことが、国も分かるこったろうぜ。」
「冒険者よりも稼ぐったって……。
平民相手なんだ、そこまで稼ぐのはさすがに難しいだろう。まあ、気持ちだけ受け取っておくさ。そのくらいの気持ちで頑張ろう。
いつかこの国すべてを網羅出来るように、頑張りたいと思うよ。」
インダーさんは、ハハハと笑って言った。
「あ、それなんですが、初年度が年収大金貨5枚で、翌年以降は売上に応じて相談でいかがてしょう?本当は具体的な売上見込みベースで金額を決めたいところなのですが、なにぶんこれからの仕事なので、最低限の保証になってしまうのが申し訳ないのですが……。
インダーさんは役員レベルの管理職ですので、ここからのスタートということで。」
アスターさんとインダーさんが、目が点になったような表情で俺を見てくる。
「アスター、何か俺は耳がおかしくなったみたいだ……。年収大金貨5枚とか、ハハ。」
「お、俺もおかしくなったかも知れん。」
「少なくて申し訳ありません。100人からの冒険者をまとめていただく予定なのに。」
「──ひゃ、100人!?」
「冒険者ギルドの支部並じゃねえか!!」
「ま、まさか、……ほ、本当に大金貨5枚だっていうのか?俺の年収が?」
「はい。部門長ですし。」
「おいおい、冒険者ギルドのギルド長を軽くこえちまってんじゃねえか。」
アスターさんは汗をかいている。
そうなのか?俺が人事部で働いていた時の会社の支店長は、支部の人員が10人もいないのに、年収600万だったんだが。500万って最低ラインだろ?まあ、年収が1千万超えの営業マンが大勢いた会社だったが。
「冒険者ギルドのギルド長の年収が大金貨4枚だ。それは高額が過ぎるぞ、ジョージ。」
インダーさんがそう言ってくる。
「ですが、俺はそれだけの価値がインダーさんにあると思っています。」
俺はインダーさんをじっと見つめた。
会社を作る時に一番大変なのが人材の確保だ。仕事に意欲があって、まるっと仕事を投げられる人材なんて、いくらかけても確保すべきだ。俺は幸いお金があるから、いくらでも出せるとはいえ、仕事が軌道に乗る前から大金を払うのは、今後給料を引き上げる時におかしくなっちまうからな。
現場で働く冒険者たちの年収を大金貨3枚スタートで考えてるから、そことのバランスを考えても、そのくらいだと思う。
売上の保証見込みがあるなら、600万スタートにしたいくらいだ。
「分かった……。やらせて貰うよ。
期待に応えられるよう頑張りたい。
本当にありがとう、ジョージ。」
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