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第105話 魔道具の開発③
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生物や冷凍食品を移動販売で売ることの許可を得るのは、かなり難しいかも知れないとは考えていたが、そちらはむしろ問題がなくて、商会を作ることの方が難しいとは。
「──商会を作るのには身分証明書がいる。
だが平民で身分証明書を持っているのは冒険者くらいのものだ。なのにその人はそいつを取り上げられちまってんだからな。その冒険者自身で商会を作るってのは無理だ。」
「そういうことですか……。なにかほかの方法で身分証明書を得ることは出来ますか?」
「商人ギルドや職人ギルドなんかが保証してくれれば可能さ。だが商売を既に始めているわけじゃないから、商人ギルドは身分証明書を発行しない。ジョージのようにたくさん商品を登録して、販売実績があるのなら、短期間でも発行可能なんだがな。」
「そうなんですね。」
結構厳しいんだな。
「まあ、給料は手渡しで受け取るか、商人ギルドに預けておくもんだし、店舗に勤めてる人間はみな商人ギルドに登録はしているが、自分で店でも始めない限りは、身分証明書なんて誰も発行しないけどな。必要な場面がないから。家を買うにも借りるにも必要がないし、どっちも必要なのは保証人のほうだ。」
だから平民は身分証明書を持たないのか。
「俺は冒険者証明証と、王族の保証で土地建物が買えたということですか?」
「いや、王族の保証だけで買ってるな。」
土地売買に身分証明書がいらないって、なんか凄いな。それだけ保証人の影響が強いのか。京都の一見さんお断りみたいだな。
「店を始めることの方に必要だということですか?商会を作るわけですし。」
「商会は税金対策をしないなら必要ない。始めるだけなら届けさえ出せば問題ない。まあ出さずに始めちまう奴も多いがな。
たいていの商人は親の仕事を引き継ぐことになるから、その時に商会も引き継ぐ場合は必要になる。自分で別の店を始める為に商会を作る場合にも必要になるな。」
個人事業主と会社の違いみたいなもんか。
「職人ギルドはどこかしらの工房に勤めて、1年以上経たないと発行しない。窓口に行ってすぐに身分証明書を発行してくれるところなんて、冒険者ギルドくらいさ。
まあ、登録するのに1年もかかってたら、冒険者を始められないから、仕方がないが。
たから冒険者ギルドの身分証明書は、身分証明書としてはランクが低いのさ。」
「俺は一応Aランクなんですが、それでも低いんですか?」
「Bランク以上は高いさ。さすがにな。
だがDランク以下は銀行に口座も作れないのさ。だから自分で持ち歩くか、冒険者ギルドに預けることが多いんだ。」
「──あるんですね、銀行。」
俺はちょっと驚いた。
「なんだ、知らないのか?普段どうしてるんだ、冒険者ギルドに預けてるのか?」
「いえ、持ち歩いてます、自分で。」
「マジックバッグに入れてか?知られたら危ないから、人に言わないほうがいいぞ?というか、早く口座を作ったほうがいいな。」
「ちなみにどこにあるんですか?銀行って。
俺は見かけたことがないんですが。」
「このあたりだと、王宮の斜め向かいに兵士の立っている豪華な建物があるだろう?
それがそうさ。」
「──ああ!あそこですか!
てっきり王宮の別館かと思ってました。」
「初めて行く人間は必ずそう思うからな。無理もない。王宮の兵士もいるから、そうそう襲われない、いい立地だろう?」
「確かにそうですね。」
「このまま口座を作りに行くなら、ついて行ってもいいか?帰りにウォーターガイドを倉庫に出して欲しいからな。」
「はい、構いませんよ。それにしても、商会の件はどうすればいいでしょうかね……。
移動販売の商会を作って、責任のある地位にその人をすえたかったんですが……。」
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「──商会を作るのには身分証明書がいる。
だが平民で身分証明書を持っているのは冒険者くらいのものだ。なのにその人はそいつを取り上げられちまってんだからな。その冒険者自身で商会を作るってのは無理だ。」
「そういうことですか……。なにかほかの方法で身分証明書を得ることは出来ますか?」
「商人ギルドや職人ギルドなんかが保証してくれれば可能さ。だが商売を既に始めているわけじゃないから、商人ギルドは身分証明書を発行しない。ジョージのようにたくさん商品を登録して、販売実績があるのなら、短期間でも発行可能なんだがな。」
「そうなんですね。」
結構厳しいんだな。
「まあ、給料は手渡しで受け取るか、商人ギルドに預けておくもんだし、店舗に勤めてる人間はみな商人ギルドに登録はしているが、自分で店でも始めない限りは、身分証明書なんて誰も発行しないけどな。必要な場面がないから。家を買うにも借りるにも必要がないし、どっちも必要なのは保証人のほうだ。」
だから平民は身分証明書を持たないのか。
「俺は冒険者証明証と、王族の保証で土地建物が買えたということですか?」
「いや、王族の保証だけで買ってるな。」
土地売買に身分証明書がいらないって、なんか凄いな。それだけ保証人の影響が強いのか。京都の一見さんお断りみたいだな。
「店を始めることの方に必要だということですか?商会を作るわけですし。」
「商会は税金対策をしないなら必要ない。始めるだけなら届けさえ出せば問題ない。まあ出さずに始めちまう奴も多いがな。
たいていの商人は親の仕事を引き継ぐことになるから、その時に商会も引き継ぐ場合は必要になる。自分で別の店を始める為に商会を作る場合にも必要になるな。」
個人事業主と会社の違いみたいなもんか。
「職人ギルドはどこかしらの工房に勤めて、1年以上経たないと発行しない。窓口に行ってすぐに身分証明書を発行してくれるところなんて、冒険者ギルドくらいさ。
まあ、登録するのに1年もかかってたら、冒険者を始められないから、仕方がないが。
たから冒険者ギルドの身分証明書は、身分証明書としてはランクが低いのさ。」
「俺は一応Aランクなんですが、それでも低いんですか?」
「Bランク以上は高いさ。さすがにな。
だがDランク以下は銀行に口座も作れないのさ。だから自分で持ち歩くか、冒険者ギルドに預けることが多いんだ。」
「──あるんですね、銀行。」
俺はちょっと驚いた。
「なんだ、知らないのか?普段どうしてるんだ、冒険者ギルドに預けてるのか?」
「いえ、持ち歩いてます、自分で。」
「マジックバッグに入れてか?知られたら危ないから、人に言わないほうがいいぞ?というか、早く口座を作ったほうがいいな。」
「ちなみにどこにあるんですか?銀行って。
俺は見かけたことがないんですが。」
「このあたりだと、王宮の斜め向かいに兵士の立っている豪華な建物があるだろう?
それがそうさ。」
「──ああ!あそこですか!
てっきり王宮の別館かと思ってました。」
「初めて行く人間は必ずそう思うからな。無理もない。王宮の兵士もいるから、そうそう襲われない、いい立地だろう?」
「確かにそうですね。」
「このまま口座を作りに行くなら、ついて行ってもいいか?帰りにウォーターガイドを倉庫に出して欲しいからな。」
「はい、構いませんよ。それにしても、商会の件はどうすればいいでしょうかね……。
移動販売の商会を作って、責任のある地位にその人をすえたかったんですが……。」
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