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第101話  ナスとベーコンとトマトホール缶の豆腐干糸パスタ、キャベツとにんじんとキュウリとトウモロコシのコールスローサラダ②

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 まあ、小さい子にやらせると、自分でやったほうが早いこともあるが、出来るだけやらせてやりたいし、円璃花もそばで見ててくれるから安心だしな。トウモロコシは茹でるなら水気を切ったほうがいい。キュウリの代わりにピーマンでもいいし、キャベツ以外はどんな野菜でも合うと思う。あとはマヨネーズを大さじ16からお好みで20、お酢を大さじ1、砂糖を大さじ2加えて混ぜるだけだ。

 調味料はキラプシアが張り切って加えてくれた。それらを混ぜ合わせたら、キャベツとにんじんとキュウリとトウモロコシのコールスローサラダの完成だ。お酢と砂糖をマヨネーズの3倍加えて、別に油をくわえたり、コショウやレモン汁を加えたり、マヨネーズとレモン汁だけのレシピなんかもあるが、母がマヨネーズ信者だったので、うちのサラダはマヨネーズ多めのことが多い。

 俺はエノキの根本を切り落として水洗いをすると、2等分の長さに切った。先に洗うと石づきが取れて来てじゃまなので、俺は後から洗う派だ。しいたけは石づきを落としてキッチンペーパータオルで汚れを拭き取ると、笠の部分は細切りに、軸も裂いて使うことにする。食べられるからもったいないしな。

 カイワレも水洗いして根本を切り落として2等分にする。玉ねぎは縦に細くスライスする。一回で食べきるつもりなら、具だくさん派なら玉ねぎは1個、エノキとカイワレは1袋と1パック、しいたけは4~5枚使うが、そうでなければ半分でいい。俺は具だくさんおかずスープ派なのでたっぷりと使う。

 鍋に水700ミリリットルに対して、固形チキンスープの素を入れて、固形チキンスープの素が煮溶けたら、酒大さじ2、エノキ、しいたけ、カイワレ、アサリの水煮缶を1缶加える。再び煮立ったら塩コショウで味を調え、ほんの少しだけ醤油をたらしてかきまぜたら、器によそって、エノキとしいたけとカイワレとアサリの水煮缶のスープの完成だ。

 キノコはなんだっていいし、カイワレは煮ずに上に散らしてもいい。アサリの水煮缶は具だくさんスープ派でなければ、量は調節して入れて欲しい。
 キラプシアは調味料を振るのにハマってしまったらしく、今回も張り切って待ち構えていたので、せっかくだからやって貰った。

 自分一人なら毎回ここまでバランス考えて作らないんだが、子どもたちの栄養を考えると、どうしても、あれも使いたい、これも使いたいってなっちまうんだよなあ。
 それでも1日3食の中で50品目なんてのは難しい。誰だ?最初に言い出したのは。理想だと思うが、食材の使い回しを考えても結構厳しいぞ?出来るだけやりたくは思うが。

 今日のご飯は、ナスとベーコンとトマトホール缶の豆腐干糸パスタ、キャベツとにんじんとキュウリとトウモロコシのコールスローサラダ、エノキとしいたけとカイワレとアサリの水煮缶のスープだ。
「それにしても、キラプシアはたくさん頑張ってくれたが、俺たちと同じものが食べられないんだよな。残念だが。」

「そうなの?」
「ああ。毎回生野菜を与えているだろう?」
「……そういえばそうね。でも精霊のカイアちゃんとアエラキちゃんが食べられるんだから、妖精も食べられるものだと思ってたわ。単に好みの問題なのかなーって思ってた。」
 まあ、普通はそう思うよな。

「いや、キラプシアと同じ妖精のいる森で仕事をしている、アンデオールさんいわく、野菜と果物しか食べないらしい。だからキラプシアだけ別のご飯だ。」
 俺はそう言って、キラプシアの為の食事を準備し始めた。と言っても、生野菜をカットするだけなのだが。

 それを聞いたかカイアが、かわいそう、とでも言いたげな表情をして俺を見た。気持ちは分かるが仕方がない。人間と動物は同じものを食べられない。妖精もそうだったというだけの話だ。だが一緒に食卓を囲むことは出来る。料理を並べたテーブルの上に、キラプシアのご飯も置いてやり、キラプシアをテーブルの上に乗せた。ヒゲを動かしながらキラプシアが自分のご飯の前に行く。

「さあ、食べようか。いただきます。」
「いただきます。」
「ピョル!」
「ピューイ。」
「チチィ!」
 めいめいにいただきますを言ってご飯を食べ始める。するとアエラキがスープをすくったスプーンを、キラプシアの前に近付けているではないか。

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