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第3章
第480話 先代の獣神と先代勇者の関係
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「パルフェが現れるまでは、ゼフォン──先代の勇者といい感じだったんだが、パルフェにゼフォンを取られてからというもの、パルフェを嫌っているからな。」
「そうなんですか?」
カナンは、恋人がいる人だろうが、誘惑しまくってたって、ディダ姉さまも言っていたしなあ……。先代の勇者さまも抗えなかったのかな。確かにカナンは可愛いけど……。
「だからお前さんがパルフェのペンダントを持ってるってことは、ラーラに知られないようにしたほうがいいぜ?」
「あ、はい、そうですね。」
「知ったが最後、機嫌を損ねて協力しないなんて言い出しかねんからな、あれは。あんたはパルフェの加護を得てるんだろう?
あんたをゼフォンと同様、パルフェに籠絡された男だと認識するだろうからな。」
「そうですね、わかりました。」
まあ、滅多にカナンを宝石から呼び出すこともないし、服の下に入れているから、気付かれることもないだろうけど。
「ねえアレックス……。」
「パルフェって、誰?」
ねえ、ヒルデ、ミーニャ。
……なんか目が怖いよ?
「言ってなかったっけ?僕のこのペンダントに宿っている宝石の精霊だよ。先代の勇者さまの持ち物だったみたいなんだけど、今は僕を守護してくれているんだ。」
僕は服の中からペンダントを引っ張り出して、ミーニャとヒルデに見せた。
「アレックスはその男をたぶらかすっていう宝石の精霊に、誘惑されてないんだよね?」
「ないよ!カナンは人間を守護する為に生み出された精霊だから、マスターに優しいってだけだよ。ただかなり可愛いから、その気になっちゃう人がいるってだけだと思うよ?」
「ふうん、そう……。」
「かわいいんだ、かなり、ね……。」
「2人とも、考え過ぎないでね?僕がその気になるなんてこと、ないんだし。」
「どうかなあ、アレックスは押しに弱いからなあ。誘惑されたら断りきれるか、不安。」
「まあ確かに、押しに弱いですね、オニイチャンは。断りきれるか謎ですね。」
「キリカ!2人を不安にさせるようなことを言わないでくれるかな!?僕は何かあってもちゃんと断れるから!浮気はしないよ!?」
これ、カナンを呼び出すところなんて、今まで以上に絶対2人に見られるわけにいかないなあ……。誤解が酷くなっちゃうよ。
そりゃあ、可愛い女の子に迫られたらドキドキはしちゃうけど、恋人や奥さんとは別のものだもの。僕が大切に思ってて、相手からも大切に思ってもらえてる関係じゃないし。
「兄ちゃん、確かあんた、魔法の手紙を持っていたよな、それをもう少しくれねえか?
ラーラに連絡を取りてえんだ。居場所がわからんからそれでないと連絡がつかん。」
「あ、はい、リーティアがいいですか?
それともミーティアがいいですか?」
僕は魔法の手紙を取り出しつつ尋ねた。
「どう違うんだ?最近それでスカーレットから返事が届いたんだが。俺の具体的な居場所なんてわからない筈なのに、道の真ん中に手紙が飛んで来て驚いたんだ。居場所のわからない相手にも手紙が届けられるんだろ?」
ああ、早速平民にも浸透してるんだね。今や世界中から取引があって、魔法の手紙だけで一財産築いちゃったからなあ、僕。
世界のどこにいても届けられるし、リーティアであっても、ルートによっては船便でひと月以上かかる普通の手紙より届くのが早いからね。今じゃ魔法の手紙で手紙を書くのが主流になって、各国の役場主動で、専門の販売所まで設けられてるんだ。ありがたいね。
「はい、顔と名前がわかっている相手であれば、住んでいる場所がわからなくても、魔法の手紙が居場所を特定して手紙を届けます。
ミーティアはリーティアより、届くのが早いですね。その分お値段も高いですけど。」
「あいつが来るのが早いほうがいいなら、ミーティアってやつをくれ。さっそく連絡して来てもらうようにするからよ。」
「はい、じゃあミーティアをいくつかお渡ししておきますね。」
僕はタンザビアさんにミーティアを渡す。
無属性魔法使いが作り出せるように作成してあるけど、僕は一度自分が生み出したものは、スキルで無限に生み出せるしね。まあマジックバッグに予備も持ってるけど。
「これはどうやって使ったらいいんだ?」
「頭の中で思い浮かべた言葉が、そのまま文字になります。送りたい相手をイメージすれば、鳥の姿になって飛んでいきますよ。」
僕がミーティアの使い方を教えると、タンザビアさんは早速ミーティアをラーラさんに飛ばしていた。それにしても銀牙狼族かあ。レンジアのいいお師匠さまになりそうだね。
────────────────────
つまりは全世界の郵政事業を、一社がやっているようなものですね。
作るのも作成権利契約を結んだ、各国の無属性魔法使いが作っているので、各国の取り分を引いたお金が勝手に入ってくる感じです。
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
「そうなんですか?」
カナンは、恋人がいる人だろうが、誘惑しまくってたって、ディダ姉さまも言っていたしなあ……。先代の勇者さまも抗えなかったのかな。確かにカナンは可愛いけど……。
「だからお前さんがパルフェのペンダントを持ってるってことは、ラーラに知られないようにしたほうがいいぜ?」
「あ、はい、そうですね。」
「知ったが最後、機嫌を損ねて協力しないなんて言い出しかねんからな、あれは。あんたはパルフェの加護を得てるんだろう?
あんたをゼフォンと同様、パルフェに籠絡された男だと認識するだろうからな。」
「そうですね、わかりました。」
まあ、滅多にカナンを宝石から呼び出すこともないし、服の下に入れているから、気付かれることもないだろうけど。
「ねえアレックス……。」
「パルフェって、誰?」
ねえ、ヒルデ、ミーニャ。
……なんか目が怖いよ?
「言ってなかったっけ?僕のこのペンダントに宿っている宝石の精霊だよ。先代の勇者さまの持ち物だったみたいなんだけど、今は僕を守護してくれているんだ。」
僕は服の中からペンダントを引っ張り出して、ミーニャとヒルデに見せた。
「アレックスはその男をたぶらかすっていう宝石の精霊に、誘惑されてないんだよね?」
「ないよ!カナンは人間を守護する為に生み出された精霊だから、マスターに優しいってだけだよ。ただかなり可愛いから、その気になっちゃう人がいるってだけだと思うよ?」
「ふうん、そう……。」
「かわいいんだ、かなり、ね……。」
「2人とも、考え過ぎないでね?僕がその気になるなんてこと、ないんだし。」
「どうかなあ、アレックスは押しに弱いからなあ。誘惑されたら断りきれるか、不安。」
「まあ確かに、押しに弱いですね、オニイチャンは。断りきれるか謎ですね。」
「キリカ!2人を不安にさせるようなことを言わないでくれるかな!?僕は何かあってもちゃんと断れるから!浮気はしないよ!?」
これ、カナンを呼び出すところなんて、今まで以上に絶対2人に見られるわけにいかないなあ……。誤解が酷くなっちゃうよ。
そりゃあ、可愛い女の子に迫られたらドキドキはしちゃうけど、恋人や奥さんとは別のものだもの。僕が大切に思ってて、相手からも大切に思ってもらえてる関係じゃないし。
「兄ちゃん、確かあんた、魔法の手紙を持っていたよな、それをもう少しくれねえか?
ラーラに連絡を取りてえんだ。居場所がわからんからそれでないと連絡がつかん。」
「あ、はい、リーティアがいいですか?
それともミーティアがいいですか?」
僕は魔法の手紙を取り出しつつ尋ねた。
「どう違うんだ?最近それでスカーレットから返事が届いたんだが。俺の具体的な居場所なんてわからない筈なのに、道の真ん中に手紙が飛んで来て驚いたんだ。居場所のわからない相手にも手紙が届けられるんだろ?」
ああ、早速平民にも浸透してるんだね。今や世界中から取引があって、魔法の手紙だけで一財産築いちゃったからなあ、僕。
世界のどこにいても届けられるし、リーティアであっても、ルートによっては船便でひと月以上かかる普通の手紙より届くのが早いからね。今じゃ魔法の手紙で手紙を書くのが主流になって、各国の役場主動で、専門の販売所まで設けられてるんだ。ありがたいね。
「はい、顔と名前がわかっている相手であれば、住んでいる場所がわからなくても、魔法の手紙が居場所を特定して手紙を届けます。
ミーティアはリーティアより、届くのが早いですね。その分お値段も高いですけど。」
「あいつが来るのが早いほうがいいなら、ミーティアってやつをくれ。さっそく連絡して来てもらうようにするからよ。」
「はい、じゃあミーティアをいくつかお渡ししておきますね。」
僕はタンザビアさんにミーティアを渡す。
無属性魔法使いが作り出せるように作成してあるけど、僕は一度自分が生み出したものは、スキルで無限に生み出せるしね。まあマジックバッグに予備も持ってるけど。
「これはどうやって使ったらいいんだ?」
「頭の中で思い浮かべた言葉が、そのまま文字になります。送りたい相手をイメージすれば、鳥の姿になって飛んでいきますよ。」
僕がミーティアの使い方を教えると、タンザビアさんは早速ミーティアをラーラさんに飛ばしていた。それにしても銀牙狼族かあ。レンジアのいいお師匠さまになりそうだね。
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つまりは全世界の郵政事業を、一社がやっているようなものですね。
作るのも作成権利契約を結んだ、各国の無属性魔法使いが作っているので、各国の取り分を引いたお金が勝手に入ってくる感じです。
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