430 / 535
第3章
第429話 再び魔塔へ
しおりを挟む
同時に反動が来たことにしたほうが、僕がやったと疑われにくいからね。
ステータスに対してだから、残り半分を切っていれば、それは0になるということだ。
ここまで走って来たからには、すでにスタミナは確実に半分近くなってる筈。そこに半分吸われる血の海をくらったのだから、一気にルーデンス王太子たちは動けなくなった。
「だいじょうぶですか?皆さん身動きが取れないみたいに見えますけど。」
僕は心配そうなふりをしながら、それでも足踏みはやめずにその場に留まりながら、ルーデンス王太子たちを振り返った。
「やっぱり変な薬、飲んでますよね。
出どころが怪しいおかしな薬を口にしたんじゃないんですか?全員に同時にそんな反動が来るなんておかしいです。」
「ル、ルーデンスさま……?」
薬を手に入れたのであろう、ルーデンス王太子を、全員が一斉に見つめている。
ルーデンス王太子が言うから、安心して飲んだんだろうね。その薬が本当はなんなのかなんて、きっと彼らは知らないんだろう。
まあ、ルーデンス王太子も知らないけど。
「ルーデンス王太子たちが、ここで倒れているみたいだと、教師に報告しておきますからすぐに助けが来ると思いますよ。
お大事になさってください。」
僕はそう言うと、痛みとスタミナが切れたことに苦しみもだえるルーデンス王太子たちをその場に放置して、しっかり上位陣に加わって長距離持久走をゴールしたのだった。
ザザ・アイワナ・バイツウェル2世と視界のつながるあの薬は、このまま使われたら僕が危ないし、これにこりて使うのをやめてくれたらいいんだけどな。
“選ばれしもの”にしか、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世の眷属になってしまう成分が検出出来ないとキリカが言っていたし、魔塔に調査依頼でも出しておこうっと。
魔物の眷属になってしまうような怪しい薬なんて、流通されたら世界中も困るしね。どうにかして見本を手に入れられないかな?
キリカ、手に入れ方がわかる?
【流通過程で、ルリームゥ王国から魔塔に申請が出されていますから、オニイチャンが見本を持って行く必要はありませんね。
話をするだけで通じるかと。】
あ、正規のルートを通ってるんだ。ならルーデンス王太子たちも、普通に使うかあ。
王太子権限で、遠くの国から早く取り寄せたってだけなんだね。
【そのようですね。魔塔に販売停止措置をとってもらえば、正規ルートでの販売は潰すことが出来るでしょう。】
帰りに魔塔に寄ってみるかあ。
今のでザザ・アイワナ・バイツウェル2世に気付かれてないといいんだけど……。
【それは今のところわかりませんね。
警戒はしておいたほうが良いと思います。
だいぶスタミナも増えたことですし、そろそろ国造りを始めてもいい頃ですね。】
ほんと?そんなに増えたの?
【もちろんスタミナ回復薬はがぶ飲みすることにはなると思いますが、1回に減るスタミナの最低ラインは突破しましたね。】
よし!これで僕の国を作って、一気にレベル上げも出来るぞ!あ、そうだ、夜はミーニャに相談しないとな……。
うう、ちょっと気が重いよ……。
【本当に、何を相談するつもりなんです?
オニイチャン。】
どうせ夜にはわかるんだから、内緒にさせてよ。恥ずかしいんだってば……。
僕は学園の授業が終わると、いったん自宅に戻って、とある魔道具の開発を行った。
これも僕の作戦には必要な物なんだ。
魔道具の開発を終えたら、早速時空の扉で魔塔に向かった。既に1度来たことがあるからか、レンジアに姿を表すよう言われただけで、あっさりと中に入ることが出来たよ。
だけどやっぱり今回も、無限廊下の調子がおかしいと言われちゃったんだけど。
なんでかな?
【半分神であるオニイチャンのすべてを、人間の作ったものごときで判別しようなどと、おこがましいことですよ、オニイチャン。
というか不可能ですね。】
ああ、そういうこと。
【まあ、オニイチャンは魔法の手紙の貢献により、魔塔の名誉会員になってますからね。
一般人と比べたらそれは早いです。】
そうなの?
【契約書類に、かたくるしい昔の言い回しでそう記載がありましたね。
魔塔への所属を認めると。】
わあ……。嬉しいなあ。魔塔は魔法使いの憧れだからね。僕だって、リシャーラ王国の魔法師団長になれば、来ることがある場所だと思っていたけど、魔法師団長ですら、魔塔に所属出来るわけじゃないからね。
【魔塔は魔法の研究機関ですからね。
どれだけ強い魔法使いでも、魔塔に有益と認められる魔法を開発しない限りは、魔塔に所属は出来ませんので。】
そっかあ。だから父さまでも無理なんだ。
要件を入口で事前に伝えてあったけど、僕を出迎えてくれたのは、前回同様、バウアーさんとエリクソンさんだった。
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
ステータスに対してだから、残り半分を切っていれば、それは0になるということだ。
ここまで走って来たからには、すでにスタミナは確実に半分近くなってる筈。そこに半分吸われる血の海をくらったのだから、一気にルーデンス王太子たちは動けなくなった。
「だいじょうぶですか?皆さん身動きが取れないみたいに見えますけど。」
僕は心配そうなふりをしながら、それでも足踏みはやめずにその場に留まりながら、ルーデンス王太子たちを振り返った。
「やっぱり変な薬、飲んでますよね。
出どころが怪しいおかしな薬を口にしたんじゃないんですか?全員に同時にそんな反動が来るなんておかしいです。」
「ル、ルーデンスさま……?」
薬を手に入れたのであろう、ルーデンス王太子を、全員が一斉に見つめている。
ルーデンス王太子が言うから、安心して飲んだんだろうね。その薬が本当はなんなのかなんて、きっと彼らは知らないんだろう。
まあ、ルーデンス王太子も知らないけど。
「ルーデンス王太子たちが、ここで倒れているみたいだと、教師に報告しておきますからすぐに助けが来ると思いますよ。
お大事になさってください。」
僕はそう言うと、痛みとスタミナが切れたことに苦しみもだえるルーデンス王太子たちをその場に放置して、しっかり上位陣に加わって長距離持久走をゴールしたのだった。
ザザ・アイワナ・バイツウェル2世と視界のつながるあの薬は、このまま使われたら僕が危ないし、これにこりて使うのをやめてくれたらいいんだけどな。
“選ばれしもの”にしか、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世の眷属になってしまう成分が検出出来ないとキリカが言っていたし、魔塔に調査依頼でも出しておこうっと。
魔物の眷属になってしまうような怪しい薬なんて、流通されたら世界中も困るしね。どうにかして見本を手に入れられないかな?
キリカ、手に入れ方がわかる?
【流通過程で、ルリームゥ王国から魔塔に申請が出されていますから、オニイチャンが見本を持って行く必要はありませんね。
話をするだけで通じるかと。】
あ、正規のルートを通ってるんだ。ならルーデンス王太子たちも、普通に使うかあ。
王太子権限で、遠くの国から早く取り寄せたってだけなんだね。
【そのようですね。魔塔に販売停止措置をとってもらえば、正規ルートでの販売は潰すことが出来るでしょう。】
帰りに魔塔に寄ってみるかあ。
今のでザザ・アイワナ・バイツウェル2世に気付かれてないといいんだけど……。
【それは今のところわかりませんね。
警戒はしておいたほうが良いと思います。
だいぶスタミナも増えたことですし、そろそろ国造りを始めてもいい頃ですね。】
ほんと?そんなに増えたの?
【もちろんスタミナ回復薬はがぶ飲みすることにはなると思いますが、1回に減るスタミナの最低ラインは突破しましたね。】
よし!これで僕の国を作って、一気にレベル上げも出来るぞ!あ、そうだ、夜はミーニャに相談しないとな……。
うう、ちょっと気が重いよ……。
【本当に、何を相談するつもりなんです?
オニイチャン。】
どうせ夜にはわかるんだから、内緒にさせてよ。恥ずかしいんだってば……。
僕は学園の授業が終わると、いったん自宅に戻って、とある魔道具の開発を行った。
これも僕の作戦には必要な物なんだ。
魔道具の開発を終えたら、早速時空の扉で魔塔に向かった。既に1度来たことがあるからか、レンジアに姿を表すよう言われただけで、あっさりと中に入ることが出来たよ。
だけどやっぱり今回も、無限廊下の調子がおかしいと言われちゃったんだけど。
なんでかな?
【半分神であるオニイチャンのすべてを、人間の作ったものごときで判別しようなどと、おこがましいことですよ、オニイチャン。
というか不可能ですね。】
ああ、そういうこと。
【まあ、オニイチャンは魔法の手紙の貢献により、魔塔の名誉会員になってますからね。
一般人と比べたらそれは早いです。】
そうなの?
【契約書類に、かたくるしい昔の言い回しでそう記載がありましたね。
魔塔への所属を認めると。】
わあ……。嬉しいなあ。魔塔は魔法使いの憧れだからね。僕だって、リシャーラ王国の魔法師団長になれば、来ることがある場所だと思っていたけど、魔法師団長ですら、魔塔に所属出来るわけじゃないからね。
【魔塔は魔法の研究機関ですからね。
どれだけ強い魔法使いでも、魔塔に有益と認められる魔法を開発しない限りは、魔塔に所属は出来ませんので。】
そっかあ。だから父さまでも無理なんだ。
要件を入口で事前に伝えてあったけど、僕を出迎えてくれたのは、前回同様、バウアーさんとエリクソンさんだった。
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
171
お気に入りに追加
2,071
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる