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第2章
第263話 食糧難の解決
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「この国に作られた結界は、Bランク以上の魔物を干からびさせる結界となります。
今後この国には、ダンジョンスタンピードの危険が一切なくなりました。」
カミーザさんとバイツウェル3世が、それぞれ同じ表情で目を丸くしている。
「ダンジョンスタンピードの危険が……。」
「ない……?」
「はい。ダンジョンから出たが最後、魔物たちは干からびて死にます。今この国はどこよりも、最も安全な国となりました。」
「そ、そんな国は見たことも聞いたこともないぞ!ダンジョンスタンピードの危険がない国などありえぬ!」
「ですからこの国が初となりましょう。
今後それを知った人々が、大勢押しかけるやもしれませんね。そんな環境において、この国を無視など、もはや出来ません。」
「確かに本当にそのようなことがあれば、この国は最も魔物の脅威にさらされぬ国となることでしょうね。」
とカミーザさんが言った。
「失われた大地なぞと言い、この国を無視してまで、危険に我が身をさらしたい人間などおらぬであろうな。もしも本当ならありうる話ではある。だがしかし……。」
「それとまた別のお話になりますが、この国に、“選ばれしもの”が7人向かっているようです。この国を、敬虔なアジャリべさまの使徒として祝福する為に。」
バイツウェル3世とカミーザさんは、ポカンとしている。まるで言葉が耳に入っていないかのようだ。どうしたんだろ?
「……カミーザよ、私は耳がおかしくなったのかも知れない。“選ばれしもの”が、それも7人もこの国に向かっているなどと。」
「わたくしも……、そのように聞こえました。なんの幻聴でしょうか。」
「幻聴ではありません。事実です。」
叔父さんはハッキリとそう言った。
2人して、目を丸くしている。
「それはまことのことなるか!?」
「はい。先ほどアレックスのスキルが、情報を捕まえました。」
「なんと、そのようなことまで出来るのか。
先代王を追い払ったことといい、国全体を覆う巨大な結界といい、なんと凄い力だ。これが神が遣わした使者というものか……。」
「それよりも国王さま、“選ばれしもの”が7人全員この国に向かっているというのが本当であれば、この国が失われた大地と呼ばれなくなる日が本当に来るということです。」
カミーザさんが嬉しそうに言った。
「我が国には書信も届かぬ。先触れを出すことが叶わぬとみて、直接向かっておるのであろうか。カミーザ、占ってもらえぬか。」
「かしこまりました。」
そっか。それもそうだね。
失われた大地として、各国が交流を絶っていたんだもの。先触れの出しようがないね。
カミーザさんが占った結果、確かにこの国に聖なる力を持つ存在が7つ、近付いていることが分かった。それを聞いたバイツウェル3世が顔をほころばせた。
「いやしかし、本当に7人全員やってくるのであれば、国をあげて歓待せねばならぬ。
まずは食糧難だ。国民がグッタリしていては、迎えるにあたり笑顔にもなれぬ。」
「それについては僕から提案があります。」
僕は右手を顔の下まで上げた。
「僕は大量に魚が出せるので、それを国庫に保管して、流通させていただけませんか?」
「魚?魚が出せるだと?なんと面妖な。」
「はい。国からの放出品として、流通に乗せていただければ、国全体が潤うと思います。
あとは穀物と肉があれば……。」
「それは“選ばれしもの”がこの国に到着すれば、他国との流通も回復することでしょう。
他国からの支援も望めましょうから、やがて解決する問題かと思われます。」
叔父さんがそう、バイツウェル3世に告げる。そうだね、水もあることだし、当座を乗り切って貰えれば、問題ないかな。
「エザリス王国にも、無限国庫はございますよね?戦争時などの放出品の保管の為に。それを他国からの支援がくるまでの一時しのぎとして、放出してはいただけませんか?」
無限国庫っていうのは、各国の王宮がそれぞれ持っている、備蓄品倉庫のことなんだ。
宝物庫とは別にあるのが基本で、無限はあくまでも名称で、国民を安心させる為だね。
ちょっとした内乱とか、戦争開始時なんかは、貴族の倉庫から供出するのが決まりだけど、いざという時は国から出す決まりだ。
マジックバッグの技術を応用したもので、本来の倉庫の容量よりもたくさん入るもの。
叔父さんはそれを使いたいと言ってるわけだね。バイツウェル3世は少し思案して、
「いいだろう。“選ばれしもの”が7人もこちらに向かっているというのであれば、この国の立ち位置は間違いなく変わるであろう。だが支援が届くには確かに時間がかかる。」
今後この国には、ダンジョンスタンピードの危険が一切なくなりました。」
カミーザさんとバイツウェル3世が、それぞれ同じ表情で目を丸くしている。
「ダンジョンスタンピードの危険が……。」
「ない……?」
「はい。ダンジョンから出たが最後、魔物たちは干からびて死にます。今この国はどこよりも、最も安全な国となりました。」
「そ、そんな国は見たことも聞いたこともないぞ!ダンジョンスタンピードの危険がない国などありえぬ!」
「ですからこの国が初となりましょう。
今後それを知った人々が、大勢押しかけるやもしれませんね。そんな環境において、この国を無視など、もはや出来ません。」
「確かに本当にそのようなことがあれば、この国は最も魔物の脅威にさらされぬ国となることでしょうね。」
とカミーザさんが言った。
「失われた大地なぞと言い、この国を無視してまで、危険に我が身をさらしたい人間などおらぬであろうな。もしも本当ならありうる話ではある。だがしかし……。」
「それとまた別のお話になりますが、この国に、“選ばれしもの”が7人向かっているようです。この国を、敬虔なアジャリべさまの使徒として祝福する為に。」
バイツウェル3世とカミーザさんは、ポカンとしている。まるで言葉が耳に入っていないかのようだ。どうしたんだろ?
「……カミーザよ、私は耳がおかしくなったのかも知れない。“選ばれしもの”が、それも7人もこの国に向かっているなどと。」
「わたくしも……、そのように聞こえました。なんの幻聴でしょうか。」
「幻聴ではありません。事実です。」
叔父さんはハッキリとそう言った。
2人して、目を丸くしている。
「それはまことのことなるか!?」
「はい。先ほどアレックスのスキルが、情報を捕まえました。」
「なんと、そのようなことまで出来るのか。
先代王を追い払ったことといい、国全体を覆う巨大な結界といい、なんと凄い力だ。これが神が遣わした使者というものか……。」
「それよりも国王さま、“選ばれしもの”が7人全員この国に向かっているというのが本当であれば、この国が失われた大地と呼ばれなくなる日が本当に来るということです。」
カミーザさんが嬉しそうに言った。
「我が国には書信も届かぬ。先触れを出すことが叶わぬとみて、直接向かっておるのであろうか。カミーザ、占ってもらえぬか。」
「かしこまりました。」
そっか。それもそうだね。
失われた大地として、各国が交流を絶っていたんだもの。先触れの出しようがないね。
カミーザさんが占った結果、確かにこの国に聖なる力を持つ存在が7つ、近付いていることが分かった。それを聞いたバイツウェル3世が顔をほころばせた。
「いやしかし、本当に7人全員やってくるのであれば、国をあげて歓待せねばならぬ。
まずは食糧難だ。国民がグッタリしていては、迎えるにあたり笑顔にもなれぬ。」
「それについては僕から提案があります。」
僕は右手を顔の下まで上げた。
「僕は大量に魚が出せるので、それを国庫に保管して、流通させていただけませんか?」
「魚?魚が出せるだと?なんと面妖な。」
「はい。国からの放出品として、流通に乗せていただければ、国全体が潤うと思います。
あとは穀物と肉があれば……。」
「それは“選ばれしもの”がこの国に到着すれば、他国との流通も回復することでしょう。
他国からの支援も望めましょうから、やがて解決する問題かと思われます。」
叔父さんがそう、バイツウェル3世に告げる。そうだね、水もあることだし、当座を乗り切って貰えれば、問題ないかな。
「エザリス王国にも、無限国庫はございますよね?戦争時などの放出品の保管の為に。それを他国からの支援がくるまでの一時しのぎとして、放出してはいただけませんか?」
無限国庫っていうのは、各国の王宮がそれぞれ持っている、備蓄品倉庫のことなんだ。
宝物庫とは別にあるのが基本で、無限はあくまでも名称で、国民を安心させる為だね。
ちょっとした内乱とか、戦争開始時なんかは、貴族の倉庫から供出するのが決まりだけど、いざという時は国から出す決まりだ。
マジックバッグの技術を応用したもので、本来の倉庫の容量よりもたくさん入るもの。
叔父さんはそれを使いたいと言ってるわけだね。バイツウェル3世は少し思案して、
「いいだろう。“選ばれしもの”が7人もこちらに向かっているというのであれば、この国の立ち位置は間違いなく変わるであろう。だが支援が届くには確かに時間がかかる。」
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